カワハギシーズンもそろそろ中盤戦。
これからの時期は深場へ落ちて良型の期待が高まる季節だが、三浦半島葉山沖では一足早く深場で良型主体の展開になっている。
三浦半島葉山あぶずりの秀吉丸から出船した取材日は葉山沖の水深35~45mを狙い、16~24cmを2~14枚。
特大こそ出なかったもののアタリは多く、初心者でもカワハギの引きを満喫できた。
1月一杯は期待できるというから、深場ならではの神経戦を楽しんでみよう。
沖釣りの魅力は大きく分けて二つの要素がある。
一つは新鮮でおいしい魚が食べられること。
二つ目は魚とのヤリトリや駆け引き。
食味が優先するのか釣り味が優先するのか、その二つの要素の割合は魚種によって様ざまだと思う。
ちなみに今回の取材対象であるカワハギは私的には3:7で釣り味が勝る魚だ。
しかし3だと言ってもこの時期のカワハギは肝も張って非常においしいのだが、それ以上にカワハギとのヤリトリが楽しいのだ。
エサ取り名人と呼ばれることからも分かるように一筋縄ではいかない魚なので、あの手この手を駆使してその日、その時間帯に適した攻略法を探し出す必要があり、それがハマって掛けられたときの喜びはひとしおだ。
40mダチがメイン
そんなカワハギと勝負をしに12月9日に私が向かったのは三浦半島葉山あぶずりの秀吉丸。
当日は西條さん率いる職場関係の5人グループと織茂さん親子を含む4人グループ、そして私の10人がカワハギとの挑戦者となって、7時に栗飯原船長の操舵で出船となる。
今シーズンのカワハギの釣果は各エリアともおおむね順調と聞いているが、秀吉丸でも9月からカワハギ乗合を始め、開幕当初は江ノ島沖の浅場でワッペンサイズの小型中心にトップで40~50枚の釣果があったとのこと。
現在は水温が低下したことから40mダチがメインスポットとなっているが、平均サイズが手のひら級とサイズアップしており、20枚前後がこのところのトップの釣果となっている。
「始めてください。水深は34mです。オモリは25号でお願いします」と開始の合図が出たのは航程10分ほどの港前のポイントだ。
海底は砂地に所どころツブ根が点在しており、きつい根はないので根掛かりのリスクは少ないらしい。
すると1投目から5人グループの紅一点、前田理恵さんにヒット。
巻き上げ途中で時折カンカンと竿をたたくのはカワハギの特徴で、幸先よく18cm級を抜き上げる。
間を置かずに左舷で竿を曲げたのは織茂さんの息子さんのほう。
釣り上げたのは22cmの良型で、「カワハギ釣りは初めてだったのでビデオを観てイメージトレーニングしたかいがありました」とニッコリ。
だが、急激な水温低下の影響もあってかカワハギがエサを吸い込む力が弱いのでチクチクとした魚信がきてもなかなかハリ掛かりしてくれない。
とくに親子で参加している小林さんは沖釣り自体が初めてで「またエサがスッテンテンだ」とお手上げ状態。
そこで竿の持ち方から一通りをレクチャー。
底上2mから大きく、ゆっくりと竿を揺さぶりながら誘い落とす。
この動作はエサの存在をカワハギにアピールする誘い。
そして着底したらチャッチャとたたきを入れるのはエサを取ろうとしているカワハギをじらす誘い。
その後にピタッとゼロテンションにすると「今がチャンス」とばかりにカワハギがエサに飛びつく際に穂先にココンと明確な魚信が。
「ほらっ出たでしょ」と実践指導。
残念ながらこのときは合わせ損なったが、その後にアドバイスどおりの誘いで20cmのカワハギを釣り上げたときには仲間からも歓声が上がり、「すごい。すごい」と小林さんは興奮を隠しきれない様子だった。
このころから徐々に潮が流れ始め、皆さんが2~3枚釣った8時過ぎに「深場に行きます」と移動が告げられた。
知っ得!枝スの交換
ハリ先がなまったり、横向きになってしまった場合は枝スを交換したほうがいい。
このとき注意するのはハリ先が上を向くようにセットすること。
ハリ先が横や下を向いているとハリ掛かり率が悪くなる。
枝スの交換の際は竿を船ベリの穴に刺してオモリを股に挟むと幹糸がピンと張り枝ス交換が楽にできるのでお試しを。
Tackle Guide
カワハギのタックルや仕掛けは各自の好みなので自分の釣りスタイルにマッチしたものをセレクトすればいい。
できれば竿は硬軟2タイプ用意しておくと状況の変化に対応しやすい。
この感触が心地いい
10分ほど移動して到着したのは葉山沖の水深47m。
初めはポツリポツリの展開だったのだが次第にほどよい潮具合になるとダブルヒット、トリプルヒットと船内は活気づいてきた。
「よしっ時合到来」とばかりにギアを上げたのは5人グループのリーダーである西條さんでポンポンとカワハギを連釣する。
10時になったところで私も釣りに参加したのだが、直後に隣の席の綱島さんがカワハギを釣り上げたので写真を撮っていると、私の置き竿がバタバタとたたかれる。
なんと私のファーストヒットは置き竿に掛かった16cmのカワハギで複雑な気分だ。
そのとき「ダブルが上がったよ~」と言う船長の声で右舷トモに駆け付けると「やったね」と桑原さんが20cmクラスのカワハギをダブルで釣り上げており恵比寿顔。
私も乗り遅れまいと仕掛けを誘い落としてたるませた後にジワジワと聞き上げるとカツカツと乾いた魚信が穂先を揺さぶった。
竿を大きく頭上まで振り上げて合わせを入れるのと同時にリールを巻く。
カンカンカンと手元に伝わる感触はなんとも心地よい。
これですよ。
この手応えと駆け引きがカワハギ釣りのだいご味。
続いて20cm、22cmとカワハギを釣り上げたのだが、その後は潮が止まってしまい釣果は急降下。
そんな渋い状況でもコンスタントに釣り続けたのは前田理恵さん。
こちらはエサも取られない状態なのにポンポンとカワハギを釣り上げている。
ユサユサと穂先を揺さぶってステイした後に聞き上げるといったスタンダードな釣り方だったが、真似をしても理恵さんのようにはヒットせずに沖揚がりの時間を迎えた。
当日の釣果は16~24cmが2~14枚で私は7枚。
前田さんと西條さんがともに14枚で勝負は引き分けとなった。
秀吉丸では1月一杯はカワハギ乗合を出すとのこと。
ぜひ出かけていただきたい。
▲25cmを超える良型も
出典:
▲ムズ面白さは深場になっても変わらない
出典:
船宿INFORMATION
三浦半島葉山あぶずり 秀吉丸
046・875・0859
備考=出船7時、沖揚がり14時ごろ。
無料駐車場あり。
ほかアマダイ&タイ五目、ヒラメへも出船
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隔週刊つり情報(2024年1月15号)※無断複製・転載禁止