茨城エリアで周年楽しめる定番ターゲットである一つテンヤマダイ。
一年のうちでも季節ごとに異なった顔を見せファンを楽しませてくれる。
「今は小型の数釣りシーズンでたまに大型も交じる感じです。色んなゲストが釣れますよ」とは、今回取材した日立会瀬港・ことぶき丸の齋藤研二船長。
取材日は船長の言葉どおりの展開で、マダイは最大4kg交じりのトップ18枚、ゲストはヒラメ、ワラサ、ソイ、カサゴ、ショウサイフグ、ニベなど実ににぎやか。
4kgはゆうに超えそうな特大サイズのバラシもあり、このエリアの底力を見せてくれた。
水深は40m前後だが潮が緩くテンヤは5~8号メインと釣りやすい。
一つテンヤのほかタイジグ、タイラバなど好きな釣り方で楽しめるのもうれしい。
アタリが多くこれから始める人にもおすすめの時期だ。
大型は釣れなかったが数はゲット
出典:
ドラグは1kgに調節を
この日、特大サイズがバレてしまったが、原因はドラグが緩すぎて道糸が出過ぎてしまったと船長は推測。
大型や青物が多いことからドラグは1kgに設定するといいそう。
分からない人は船長がドラグチェッカーで正確に計測して調節してくれるので声をかけよう。
青物が掛かったら締めて勝負!
現在では茨城を代表する釣り物といってもいいのが一つテンヤマダイ。
一年を通して楽しむことができるが、冬シーズンも魅力的だ。
かつてはこのエリアでは2~3月になると水温が10度以下になるのが常でこうなるとマダイは釣れなかったが、数年前から水温がそこまで低下せずに、厳冬期でも十分に楽しめるようになった。
鹿島~日立エリアの各港から出船しているが、ヒラメの解禁当初はヒラメメインにシフトする船も多い。
ヒラメが落ち着いてくると2隻所有している船などでは1隻はヒラメ、1隻はマダイ狙いなど、フレキシブルに対応する。
今回、取り上げた日立会瀬港などは12月以降もマダイを狙い続けている。
この時期の日立沖は小型の数釣りでたまに大型がヒットするというイメージ。
大洗沖では数、型ともに好調でトップ20枚超えも。
また、ヒラメ解禁の影に隠れているが、鹿島沖も大型に期待できる。
いずれのエリアもアタリは活発で根魚、ヒラメ、青物などのゲストも豊富。
一年のうちでも釣りやすい時期といえ、年末年始にもおすすめだ。
さらにここ数年は厳冬期の2月に大型が出やすい傾向もあり、今後も要注目である。
初挑戦、貸し竿でマダイゲット
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テンヤにきた1kgクラスのヒラメ
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茨城で一年中楽しめる釣りの筆頭格、代表的な釣り物になった一つテンヤマダイ釣り。
春夏秋冬で様ざまな釣れ方を見せてくれる。
今回取り上げた日立会瀬港のことぶき丸では、一年中狙い続けている。
生きイワシのヒラメ釣りは、会瀬港と日立久慈漁港の中間にある河原子港の沖が北限と規定されているため、離れた場所でヒラメを狙うよりも冬場も好調に釣れる一つテンヤマダイを選択している。
そしてこのエリアのマダイポイントは会瀬から近いこともあって、ちょうどいいのである。
この時期、お客さんの希望があればマダコを狙うこともあるが、基本は一つテンヤ専門と言っていい。
一つテンヤと言ってもタイラバ、タイジグなど釣り方は自由で、好きな釣り方で楽しめる。
気分転換にルアーを投げてみたり、アタリがなければテンヤに戻してもいい。
取材日は地元の常連、竹内さんが朝イチにテンヤでマゾイを釣り上げたがアタリが今一つと見るやタイラバにチェンジ。
替えた途端にマダイをヒットさせた。
テンヤ、ジグ、タイラバ 好きな釣り方でOK
「好きな釣り方で好きなように楽しんでもらっています」と、ことぶき丸の齋藤研二船長は言う。
目下のところ、航程20分ほどの日立会瀬沖の水深30~40mを狙っている。
潮の流れが緩いことから、テンヤは5~8号で対応できるそう。
底が取りづらい場合は重めにする。
今後、真冬になると水深60~70mほどまで狙うというが、そのときは10~12号を使用する。
このエリアでのテンヤ(カブラ)は遊動式を使用する人が多い。
遊動式はアタリがダイレクトで掛けやすいメリットがある。
ルアーやタイラバは30~60gほど。
この日、ほとんどの時間をタイラバ(TGビンビンスイッチ)で狙っていた竹内さんはオレンジの35gを使用してバリバリ釣っていた。
ポイントの海底は砂地に小さいツブ根が点在するような場所や根周り。
基本はあまり根掛かりするような場所ではないが、ガリガリの根周りを流すこともあり、その場合は船長からアナウンスがある。
この時期の開始時間はまだ暗いが、暗いうちはあまり食わないそうなので、ゆっくり準備してもよさそう。
マダイのアタリが出たのは開始から30分以上たってから。
ベタ底でも2mくらい上げたところでも食ったようで、反応は5mほど上まで出ることもあったようだ。
竿を目一杯持ち上げて、ゆっくり落として止めてアタリを待つ釣り方がマッチしていた。
テンヤは多くの人が8号を使用。
潮も緩く無風で底は簡単に取れる状況。
船がいい場所の上を通過するとバタバタとアタリがあって500g前後のマダイが上がり出す。
1kg未満が多いが、大型のアタリもあるという。
マダイ、ハナダイほかゲストは豊富。
ヒラメは6人中3人が手にしており結構な確率。
この日は1本だけだったが、イナダ、ワラサが数釣れることもあるという。
順調に数釣り&ゲストの釣りが続いていたが、9時前にこれまで10枚ほどのマダイを釣っていた佐藤さんに強烈なアタリがある。
掛けた本人もここまでの大型を想定していなかったようでドラグ設定はかなり緩め。
船長が駆けつけたときには道糸がほとんど出てしまっていた。
船長がその竿を手に取り少しずつドラグを締めてそれ以上出されないように引き寄せる。
その引きから大ダイの可能性が高いという。
佐藤さんに竿を戻してヤリトリするも、根に入ってしまいバラシ。
その前にバラしてしまったが竹内さんのタイラバにも大型がヒットしており、大物が回遊している模様だ。
そこで船長はドラグチェッカーを取り出し、正確に1kgに調節していく。
青物も多いので1kgくらいにしておかないとなかなか取れないそう。
その直後には竹内さんが青物らしきを掛ける。
船長は動きを見て青物と判断。ドラグを締めて勝負しないといつまでたっても上がってこないよ、と発破をかける。
竹内さんはドラグを少し締め、やや強引気味に寄せて3.5kgのワラサをキャッチ。
3.5kgのワラサ。前回は6本釣れたという
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地元の竹内正則さんは タイラバ(ビンビンスイッチ)でバリバリ釣った
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2回目のヒットで大ダイをゲット!
先ほど大型をバラした佐藤さんはテンヤをチェンジして枚数を重ねる。
すると再び大型らしきがヒット。
動きや引きから大ダイと判断。
時折、真下に疾走して道糸を引き出していくも、先ほどより強めのドラグ設定が効いているのか、3回ほど突っ込みを繰り返したものの次第に浮いてきた。
真下から白っぽいシルエットでボコンと浮き上がったのは4kgジャストのマダイだった。
やはり雰囲気があったのだろう。
船長はだれかがマダイを掛けてヤリトリするたびに「静かにゆっくりやってね」とアナウンス。
大ダイなどはとくに静かにやったほうがいいそう。
「強引に浮かせようとポンピングすると、そこから急に引いてバラすことが多いんです。静かに、マダイに気づかれないくらいの気持ちで巻いてくるとバラシを減らせます」
一度バラした後に船長のアドバイスどおりにやって佐藤さんは自身の最大魚をキャッチできた。
沖揚がりの正午を迎えても食いは止まらず、佐藤さんは18枚キャッチ。
最後までタイラバで通した竹内さんも15枚以上のマダイをキャッチした。
水温は11月上旬の時点で21度ほど、ようやく海の中が秋っぽくなってきたといったところ。
船長は今後も同様の釣りが展開されるのではと予測する。
もちろん日立エリアだけでなく大洗~那珂湊沖、鹿島沖でも数、型ともに最高レベルの釣果が出ている。
ヒラメ解禁の影に隠れている感はあるが、マダイも茨城の船釣りの主役の一つだ。
特大サイズをバラした後に4kgゲットはお見事
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ラストまで食いが続いた
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I N F O R M A T I O N
茨城県・日立会瀬港 ことぶき丸
0294・23・2338
▼備考=予約乗合、4時半集合。ほかマダコ、ルアー青物へも
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隔週刊つり情報(2023年12月1号)※無断複製・転載禁止