ドラゴン出現率上昇中 沼津の夜タチウオ好期到来
初秋の涼しい夜風に吹かれて楽しめる駿河湾沼津の夜タチウオが好期を迎えた。
いい日はトップ50本前後、サイズは指幅3~5本が中心ながら今シーズンは指幅5~6本級の大型も結構な割合で交じってくる。
目下の釣り場は千本浜沖の水深65m前後。
アンカリングして集魚灯をともして釣るのが当地のスタイルで、暗くなり食いが立つにつれてどんどんタナが浅くなる。
静浦港真成丸の高橋判船長によると、「エサ釣り、テンヤタチウオ、サーベルテンヤ、ジギングなど、釣り方はお好みでどうぞ!」とのこと。
オマツリさえしなければフリースタイルで楽しめるところも大きな魅力。
秋の夜長を沼津のタチウオで遊んでみてはいかが。
目次
夜タチはフリースタイルで楽しめる
タチウオの釣り方としてはテンビン、テンヤ、ルアー(ジギング)、サーベルテンヤの4種類あるが、真成丸ではどのスタイルでもいい。
エサからルアーへ、テンビンからテンヤなど途中で釣り方を変えてもOK。
席決めのときに申し出れば船長が席を指定してくれる。
駿河湾沼津エリアで人気のターゲット、夜タチウオ。
この釣りは夕方に出船し、アンカーを打って船を止めてカカリ釣りで狙う。
同じタチウオ釣りでも、東京湾では魚探やソナーで捕捉した群れを追うスタイルがメインだが、駿河湾では完全な待ち伏せ型になるのでポイントの選定が重要。
ポイントが決まったところで釣り開始となるが、日によっては明るいうちから食い出すこともあるが、たいていは日没後になることが多い。
目下は18時半くらいから釣れ始めて20時ごろに食いが立ち、タチウオが浮いてくる。
そんな沼津の夜タチウオが指幅3~5本級を中心にトップ40~50本前後と9月を迎えて調子を上げている。
当地は中型主体の数釣り場といった印象が強いかもしれないが、今シーズンは120cm級が交じる割合が高く、注目されている。
そんな中、駿河湾沼津静浦港の真成丸での取材日は、千本浜沖の水深65m前後を狙い、5名全員に大型タチウオがヒット。
うち1名が120cmのドラゴンを釣り上げた。
この方は、この1本を上げる前に何かに食いちぎられたタチウオを釣り上げた。
それを見ていた船長が、「これはドラゴンの仕業だよ。同じタナを集中して狙うと釣れるかもしれないので狙ってみて」とアドバイス。
そのとおりに狙うと次投で見事ドラゴンを釣り上げたのだった。
当地の夜タチウオのいいところは、潮の速さに対応しながらオマツリをかわせば、好みのタックル&仕掛けで自由に楽しんでOKという点。
エサ釣りは定番のテンビン仕掛けのほか、テンヤ、沼津発祥のサーベルテンヤ、ルアーはジギングと様ざまなスタイルで楽しむことができる。
テンヤ、サーベルテンヤ、ルアー釣りについては後述するとして、ここからは当日全員が使用したエサ釣りのテンビン仕掛けの道具立てと釣り方を解説する。
タックルはタチウオ専用かライトゲーム用
竿は全長2m前後でオモリ80号に対応した7:3調子のタチウオ専用竿かゲームロッド。
アタリを弾かず食い込みがよい、しなやかなものがおすすめだ。
リールは手巻きの小型両軸でもかまわないが、手返しを考えると超小型&小型電動のほうが有利だし、後述するデッドスロー巻き上げで誘いやすい。
道糸はPE2号前後を200m以上巻いておく。
なお、真成丸ではオモリ80号が基準だがオマツリさえ気をつければ60号でも、それ以下でもかまわないとのこと。
タナが浅くなれば軽いオモリを使うケースも出てくるので、各種号数を用意しておきたい。
仕掛けは片テンビンの1本バリが基本で、ハリスは6~8号2m。
テンビンは腕長30cm前後。
大きすぎると潮の抵抗を受けやすく、腕が軟らかいタイプだと仕掛けが絡みやすくなるので注意したい。
ハリはタチウオバリの1/0~3/0を持参して、その日一番掛かりがよく、バレにくいハリを探そう。
ハリのチモトにはハリスの保護とアピールに夜光やケイムラカラーのパイプをかぶせておくといい。
エサはサンマの切り身が支給される。
身の端、切り身のセンターにハリを3回縫い刺しして、ズレ落ちないようにケンでしっかり止める。
エサの付け方一つでアタリの数も変わってくるため、きちんと行うこと。
夜タチウオでよく用いられるのが集魚用の水中ライト。
取材日もほとんどの方が水中ライトを装着していた。
その点を船長に伺うと、「水中ライトは付けてもかまいませんが、自分は付けません。仕掛けも手返しやトラブル回避のため1本バリをおすすめします」とのことなので付けるかどうかは好みでいいだろう。
夜タチはエサをじっくり見せるのがセオリー ゆっくり誘い、待ちは長め
明るい時間は底付近を狙うが、暗くなるとタナが上昇することがほとんど。
タナは海面からで、「○~○mを探って」と一定の範囲を指示されることが多い。
当日は水深64mのポイントにアンカーを打ち、釣り始めの指示ダナは45~60m、暗くなると30~40mになった。
食いが立てば30m以浅で釣れるようになり、捕食モードが最高潮に達すると海面下5~10mでヒットすることもあるとか。
いずれにせよ刻々と変わるタナを探し当てるのがこの釣りの面白さとなる。
沼津沖の夜釣りでは、東京湾のように絶えず誘い続けているとアタリが出ないことが多いので、少し誘ったら必ず仕掛けを止め、タチウオにエサを食う間を与えたほうがいい。
基本動作は、指示ダナ下限で5~10秒止めてアタリを待ち、アタリが出なかったら2mほど誘い上げて再び仕掛けを止め5~10秒アタリを待つの繰り返しで探っていく。
コツンというアタリが出ても合わせずに、そのまま誘い上げるかその場でシェイクするか、竿の動きを止めて待ったりして、竿を押さえ込むような食い込みのアタリが出たら竿を立てるように合わせる。
タチウオの食いが渋いときは当地の夜釣りで王道といわれているデッドスロー巻き上げを試してみよう。
この方法はだれでも簡単にタナを探れるうえ、竿先の変化を察知しやすい。
たとえば指示ダナの下限が40mだとすると、仕掛けを45mまで沈め、置き竿にして電動リールのスピード1~3の超スローで巻き上げる。
途中で竿先にアタリが出るが、この時点ではエサの端をくわえているだけなので、合わせを入れてもまずハリ掛かりしない。
そのまま巻き上げを続行していると、やがて強めのアタリに変わるはず。
このタイミングで巻き上げレバーをグイッと回して瞬間的にスピードを上げて合わせを入れ、あとは適当なスピードに落として巻いてくる。
沼津の夜タチウオは自由に楽しめるのが魅力
沼津の夜タチウオはエサ釣りのテンビン仕掛けのほかにもフリースタイルで楽しめる。
ここからはテンヤ、サーベルテンヤ、ルアー釣りについて簡単に紹介したい。
■テンヤタチウオ
大型のタチウオが釣れやすいのが特徴。
オモリは40号もしくは50号が中心になるが、タナが浅いときは30号が有効になる場合もある。
エサのイワシは持参する。
釣り方はテンビン仕掛けと同様デッドスロー(微速巻き)などでタチウオにじっくりとエサを見せて反応させてみる。
動作は簡単。竿を水平かやや下向きに構え、電動リールの速度を微速(速度3前後)にして、タナを通過させていく。
■サーベルテンヤ
サーベルテンヤは釣具店「イシグロ」が駿河湾のタチウオを対象に開発したもの。
テンビン仕掛けのエサ釣りと同じサンマの切り身エサが使える。
30~95gまで4種あるが、水深10~50m前後を狙う沼津沖の夜タチなら56gが標準。
タックルは専用竿、タイラバ、イカメタル用。
指示ダナの上限まで沈めたら、1~2m沈めて5秒待つを繰り返す。
指示ダナの下限まで落とし込み、アタったら即合わせ。
アタリがないまま指示ダナの下限まできたら誘い上げる。
1シャクリでハンドル半回転させる誘いを2回繰り返したら10~20秒待つ、これを指示ダナの上限まで行う。
誘い上げでアタったときは、エサをしっかり食い込ませて竿が大きく引き込まれてから合わせを入れる。
■ルアー釣り(ジギング)
タチウオが入れ食いになるときはジギングが強い。
エサを付けなくていいので手返しがよく数釣りに向いている。
ジグの重さは80~120gでメインで使うのは100g。
カラーは夜釣りなのでグロー(夜光)がおすすめ。
釣り方は指示ダナの下限まで落として、1シャクリ、ハンドル1回転で誘うワンピッチジャーク。
フォールでアタることも多く、即合わせして掛からないときは、その場でゆっくり大きくシャクリ上げてフォールさせる誘いを繰り返すのも有効だ。
船宿information
駿河湾沼津静浦港 真成丸
090・4465・6972
▼備考=17時集合、集まり次第出船。マダイ五目へも出船
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隔週刊つり情報(2023年10月1号)※無断複製・転載禁止
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