真鶴半島の林は「御林」と呼ばれ、地元の人びとから大切に保護されてきた。
半島の原生林は海に影を作り魚の安息地を与え、林でろ過されたミネラル豊富な水が海に溶け込むことで、味のよい魚が育つという。
関東地方に梅雨明け宣言が出された前日の7月21日、相模湾真鶴港の富丸の午後船に釣行した。
11時45分に港に到着、船着き場前に車を停めて乗船名簿へ記入を済ませ、船長の指示を待って船に乗り込む。
当日の乗船者は3名、私は左舷トモの釣り座に入った。
12時半に出船、15分ほど走って真鶴岬のシンボル・三ツ石を望む半島横のポイントに到着。
水深30m、タナは上から15mとのアナウンスで開始する。
仕掛けはハリス2号、チヌ1号3本バリで、すべてのハリに持参したオキアミを付けて投入。
18mまでコマセカゴを下ろし、5秒ほど仕掛けがなじむのを待ってから、指示ダナの15mまでコマセを2度に分けて振り、アタリを待つ。
すると、軟調ロッドの竿先がキュンと海面に吸い込まれた。
すかさず軽く合わせを入れ、ハリ掛かりさせる。
シャープな引きを楽しみながら浮上させたのは30cm級のイサキ。
1投目から本命の登場とあって、まさに幸先(さイサキ)よしだったが、その後は沈黙。
エサ取りも寄らず、付けエサがそのまま戻ってくる状況が続く。
1時間ほどたったころ、潮が動き出したのか久びさのアタリ。
巻き上げると20cmのウリンボのトリプル。
ていねいにハリを外し海に放した。
ここで船長は移動を告げ、10分ほど航行し再開となる。
指示ダナは13m。
するとすぐにアタリがあり、25cmのイサキを取り込んだ。
イサキの活性が上がってきたのか、ミヨシの釣り客も良型のイサキを釣り上げ、船中全員型を見ることができた。
ドラグを引き出す魚は?
中盤に差しかかった15時過ぎ、指示ダナの15mでピタリとビシを止め、置き竿にして竿先をじっと見つめていると、本日最大のアタリがやってきた。
緩めに調整したドラグが滑り、ズルズルと道糸が引き出される。
その様子を見た船長が操舵室から飛び出してきて取り込みの準備。
細ハリスなので無理しないように巻き上げ、35cmのメジナがタモに収まった。
ジャンボイサキを想像していたためガッカリしていると、「このポイントのメジナは磯ものと食べているエサが違うから臭みがなくておいしいよ」と船長。
さすが真鶴の御林に育まれたメジナと納得し、しっかり血抜きをしてクーラーに収めた。
その後は船中ポツポツとアタリが出て、私は30cmを筆頭に4尾のイサキを追釣。
終了まで残り30分となり、今回はジャンボイサキの登場なしかと諦めかけたそのとき、強烈なアタリ。
先ほどのメジナが思い浮かんだが油断は禁物と慎重にリールを巻く。
やがて海面下に見えた茶色っぽい魚影は船中最大35cmのデップリ太ったイサキ。
目標の40cmには届かないが、体高があり見るからにおいしそうだ。
この1尾を最後に魚信が訪れることはなく沖揚がりを迎えた。
釣果は18~35cmのイサキが5~14尾、30~35cmのメジナが1~2尾。
私はイサキ7尾(20cm以下はリリース)、35cmのメジナ1尾と土産には十分満足いく釣果となった。
持ち帰ったイサキは脂の乗りが上々で刺身、塩焼きにして堪能。
一方、メジナはひと手間加えて塩じめの刺身に。
なんとこちらが家族に大好評。
メジナの評価をグッと上昇させる逸品となった。
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隔週刊つり情報(2023年9月1号)※無断複製・転載禁止