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キハダ・カツオ2023開幕

隔週刊つり情報編集部

相模湾のカツオ・キハダのコマセ釣りが8月1日に開幕。

ここ数年は開幕当初は苦戦することが多かったが、今年はひと味も違うスタートとなった。

相模湾東部の船は1号ブイ(パヤオ)周りに集結。

開始と同時にエビングで良型のカツオとキメジがヒット。

続いてコマセにもカツオが次つぎとヒットして、船団は熱気に包まれた。

特筆すべきはカツオのサイズで、2.4~3kgと丸まると太ったものばかり。

取材した三浦半島葉山芝崎・五エム丸ではコマセ、エビング合わせて9人で0~3本。

一人だけゼロが出てしまったがアタリは活発で、バラシもかなりの数に。

エビングには3kg前後のキメジもヒットした。

相模湾西部を探索した船の中には、朝イチにキハダの群れをとらえヒットに持ち込んだもののバラシに終わった船があったという。

初日から大きな盛り上がりを見せた今シーズンのコマセ釣り。

カツオ、キハダともに群れは多い模様で、これから目が離せない!

釣行の写真

カツオは3kgクラスも多かった

魚に見えないハリス!?

この夏のカツオ・キハダにぜひ使ってみたいアイテムが「魚に見えないピンクフロロ」ハリス。

ステルス性の高いピンク色のハリスで、澄み潮時のカツオ、キハダにも効きそう。

今回は試す機会がなかったが、大型キハダもカバーする号数もあるので、次号以降にその効果をお届けする。

8月1日。

相模湾のコマセ釣りによるカツオ・キハダ釣りが開幕した。

ギラギラの太陽と澄んだブルーの潮、盛夏の訪れとともに黒潮に乗ってキハダ、カツオの群れがやってきた。

「お祭り気分を味わうために初日から行くか」

「釣果が出るまで様子を見るか」

昨年の開幕状況を鑑みれば様子見をしたくなるのも納得だが、解禁日には未知のターゲットを求める独特の高揚感がある。

そして、2023年は投入と同時にシーズンが幕を開けた。

つまり、いきなり釣れたのである。

相模湾1号ブイに集結した船は、エビングでのカツオ、キメジを皮切りにコマセでもカツオがヒット。

以降、沖揚がりまでポツポツと食い続き、トップ3~5本程度の船が多かった模様だ。

そして、相模湾西側では早朝からキハダの反応がありヒットした船も。

バラシで顔を見ることはできなかったが、確実に群れが入ってきていることを知らしめてくれた。

その後は反応が深場に沈んでしまったようだが、手応えは十分に感じられた。

初日としては最高のスタートを切ったと言ってもいい今シーズン。

3kgクラスのカツオは脂の乗りも上々のようで、お祭り気分どころか絶好の一日となった。

さあ、今シーズンはどんな年になるのか。期待は高まるばかりだ。

釣行の写真

朝イチにコマセで良型を2連続ゲット

シーズン序盤戦、前半戦は、カツオやキハダの群れを追いかけて釣る「追っかけ釣り」がメインとなる。

群れを追いかけては仕掛けを落とし、釣れなければ再び追いかけ、とスピード勝負の釣りとなる。

また、今シーズンはブイ(パヤオ)周りの釣りからスタートしたが、こちらは船を止めて回ってくるカツオやキメジを釣るというもの。

シーズン序盤に狙うことが多い釣り方で、中層を狙うイサキ釣りのようなイメージだ。

中盤戦から終盤戦には完全にキハダを狙う流し釣り、流し込みの釣りになる。

長めのハリスを使用して決まったタナで待ち、深場からエサを食いにきたキハダを狙うというもの。

コマセマダイ釣りに近いイメージの釣り方だ。

シーズン終盤にはほぼ流し釣りになるが、前半戦はカツオも多く、色いろなパターンで釣れることが多い。

それらに対応できる準備をして挑みたい。

釣り場の写真

初日は相模湾1号ブイ周りでスタート

カツオのハリスは短めがおすすめ

●ロッド&リール

タックルは、キハダ用の竿を選べばカツオ、キハダどちらの魚にも対応できる。

全長は1.6~2mほど。

短めの竿は手持ちで釣るのに適しており、釣り人のリフト力で一気にキハダを寄せてくることも可能だが、ミヨシなど高い場所では慣れない人には扱いにくいことも。

竿の長さは一長一短あるが、バランス的には一日手持ちでやっても負担の少ない全長1.7m前後が扱いやすい。

この長さの竿から始めて、もっと攻める竿が欲しいとなったら短めの竿を選ぶといいだろう。

リールは大型電動リールか、泳がせ釣りに使用するレバードラグ式の両軸リールを組み合わせる。

電動リールはダイワなら800~1200番、シマノなら6000~9000番。

道糸はPE8~12号。

ダイワの800番、シマノの6000番にはPE8号600m、PE10号500m、PE12号400mほど巻くことができる。

最近はPE10号以上をすすめる船宿が多い。 

シーズン後半戦に入ると「オダモン」と呼ぶ50kgオーバーも多くヒットするが、道糸切れや道糸がすべて出きってしまうなんていう事態も発生する。

このため、ワンサイズ上のダイワ1200番、シマノ9000番を使用する人も増えている。

PE12号が600mほど巻けるので、道糸の強度とラインキャパも安心。

その他のシーズンに本格的な深場釣りを視野に入れるなら、こちらの選択肢もアリだろう。

レバードラグ式のリールは、「自分の力だけで勝負したい」「だれよりも早く上げたい」など、マニアックな要素があり、普段から泳がせ大物釣りをやっているなど慣れた人向けだ。

●テンビン&コマセカゴ

テンビンはキハダ・カツオ用、大型青物用のテンビンを使用する。

ノーマルタイプのテンビンと遊動式があり、ノーマルタイプはコマセカゴが固定されており、遊動式は魚がヒットして走るとコマセカゴが遊動状態になる。  

今回取材した三浦半島葉山芝崎・五エム丸の柳沢高志船長によると、シーズン前半の追っかけ釣りのときは、キハダ狙いであっても遊動式の使用は禁止しているという。

この時期はカツオと混成の群れのことが多く、遊動式でカツオが掛かって走るとオマツリを誘発するだけでなく複雑に絡んでしまうためだ。

シーズン中盤以降の流し釣り、流し込みの釣りでキハダを狙うときは遊動式を使うのは自由だという。

コマセカゴはプラカゴ、ステン缶のいずれかを使用する。

サイズはLサイズ相当まで。

前半戦の釣り方は一気にコマセをまくイメージなので、コマセが出やすい調整をする。

ただし、コマセの量は一人3kgまでと決まっているので、ガンガンやっているとあっという間にコマセがなくなってしまうことも。

こんなときは細身のステン缶がおすすめ。

コマセの量を半分程度に抑えることも可能だ。

コマセカゴのオモリは80~130号程度。

船宿によって指定される場合もあるが、最近は120号前後の重めを使う人が増えている。

これは仕掛けを早くタナに届けるためで、道糸も太めを使う人が多くなっていることから、重めのオモリを推奨する船もある。

予約時に確認しておこう。

●カツオ仕掛け

カツオは爆発的、暴力的とも言える引きを見せる。

キハダ、キメジはヒットすると真下に潜ることが多いが、カツオはサバが巨大になったようなものでトリッキーな動きを見せる。

オマツリとバラシは避けられない。

3kgクラスになるとヒット数の半分取れれば上出来というレベルだ。

バラシはハリス切れ、ハリ外れが多いが、中でも取り込み時にバラすことが多い。

それはハリスをつかんでからタモ入れまでに時間がかかってしまうため。

これを防ぐにはハリスの全長を短くすることだ。

カツオの仕掛けは2~3mほどだが、たぐりに自信がない、慣れていない人は2m前後の短めの仕掛けにする。

もし市販仕掛けが3mだったら、1mカットして使用する。

短くすることで、コマセカゴをつかんだ後ハリスを一たぐりでカツオの顔を海面に出すことができる。

こうすれば一発でタモ入れが可能。

仕掛けが長いともう一たぐり必要になり、ここで手を滑らせて走られてバラシ、というパターンが多い。

取り込み時は手を滑らせないためにグローブの着用を。

食いが渋いときは長めのほうがいいこともあるが、取り込める確率は長いほど減っていく。

逆に食いがいいときは1.5mもあれば食ってくる。

今シーズン開幕時に釣れた3kgクラスのカツオの場合、ハリスは16~18号、ハリはヒラマサ14~15号などを使用する。

バラシの原因はハリが小さすぎることにもあるので、食いがいいときほど大きめのハリを使用したい。

●キハダ仕掛け

追っかけ釣りのキハダ仕掛けはハリス22号前後、全長4.5~6m。

ハリはキハダの16号前後。

この釣り方は群れが船下を通過するときに、コマセをまき仕掛けが落ち着いた状態になっていないと食わないので、潮なじみがいい短めのハリスで狙う。

その日によってカツオが多かったり、キハダをメインに狙ったりと様ざま。

船上でその日にマッチした仕掛けを作るなど、臨機応変に対応できるようにしておこう。

船上で仕掛けを作る自信がない人は、色いろなパターンの仕掛けを用意しておいたほうがいい。

スピードが釣果を左右する

シーズン前半のメインとなる釣り方、追っかけ釣りの場合、とにかくスピードが勝負となる。

柳沢船長によると、カツオもキハダもきれいにコマセをまこうとするのではなく、パッパッとさっさとまいてタナに素早く持っていくことが最も重要だという。

コマセが出て、仕掛けが安定した状態になったところで群れが通過すると、ヒット確率が上がる。

●カツオの釣り方

指示ダナより2~3m落とした場所から一気に素早くコマセをまいてタナにセットする。

手持ちで竿先を少し下げた状態でアタリを待ち、竿先に変化が出たらしっかりと竿を持ち上げて合わせを入れる。ここで合わせを入れるとバラシが軽減できる。

電動リールの場合は食ったら即スイッチオン。

糸を一切出さないようにして強引に巻き上げる。

もし道糸が出てしまうようならドラグ調整が緩い証拠なので、さらに締めていく。

カツオのタナが15~20mなど、幅がある場合はなるべく上のタナで食わせたい。

15mと20mだと、カツオの可動範囲が変わってくる。

深いタナで食わせるとオマツリやバラシのリスクも増える。

●キハダの釣り方

キハダは船長から「キハダもいるよ。キハダの人は40m」、「キハダの仕掛けを用意しておいて」などとアナウンスがあり、カツオ狙いからチェンジする。

両狙いの場合は、カツオを何本か釣ってからチェンジしてもいい。

この時期の釣り方は仕掛けが違うだけでカツオと同じ。

ただし、こちらの場合はドラグはやや緩めに設定する。

手持ちで竿を持ち、アタリがあったら勇気を持って思いっきり合わせる。

その後は走るのに任せて最初は道糸を出してやる。

いきなり疾走した場合は、止まってから合わせを入れてヤリトリスタート。

重量感があまりない場合はキメジの可能性も。

引きと重さを見て、大型のようなら無理をしない。

電動リールを使用する場合は、竿をやや立てた状態にして持ち、一定の負荷をかけ続けて巻いていく。

いきなり軽くなった場合は、上に泳いでいる可能性もあるので、スピードを上げて常にテンションをかけた状態にする。

いきなり走り出したら走らせてやる。

ヤリトリ終盤になったら船長や仲乗りさんの指示に従う。

ヒットしたものの突っ込みは最初だけ、フワフワしたり怪しい動きをしていたらカツオの可能性が高い。

この場合はドラグをしっかり締めて一気に巻き上げる。

この釣り方はコマセの濃いところに魚が突っ込んでくるので、胴の間でのヒット確率も高くなる。

くれぐれも油断なく!

シーズンも始まったばかり。

今年はどんなドラマが生まれるのか。夢を追いかけよう!

シーズン序盤はエビングも

コマセ船ではテンビンにオモリ代わりのジグ、ハリにソフトルアーを組み合わせたエビングの釣りも可能(要予約)。

シーズン初期はキハダのヒット率が高く、コマセで釣れ出すまではエビングの独壇場ということもある。

チャレンジしたい人はお早めに!

ジグの写真

ジグは200~250gを使用

リールの写真

電動リールを使った電動エビングも

釣行の写真

電動エビングでキメジを3本ゲットした富永さん

釣行の写真

「8回アタって3本しか取れ なかったよ」と田辺さん。一度はキメジらしきアタリでハリス切れもあったそう

I N F O R M A T I O N

三浦半島・葉山芝崎 五エム丸

046・875・2349

備考=予約乗合、6時出船。マダコへも出船

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隔週刊つり情報(2023年9月1号)※無断複製・転載禁止

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