ライトタックルがもてはやされる中にあって、周年ノーマルタックルのビシアジで出船するのが東京湾奥小柴のはやぶさ丸。
オモリ130号のビシを使うことで潮の流れの速い深場を狙えるため、釣れるアジの平均サイズがいいのが魅力だ。
取材日は港前の小柴沖35mダチを中心に狙い、27~28cmの中型主体に40cmオーバーの大型も交じりトップで30尾ほど。
食いのいい日なら倍以上釣れることもある。
はやぶさ丸は7時出船、13時揚がりのショート船だから暑い夏にもおすすめだ。
(上)老若男女に人気がある(中央)食べごろサイズが多かった(下)一荷でも釣れた
出典:
安定した人気の東京湾のアジ。
最近はライトアジばかりが注目されがちだが、130号のビシを使ったアジ釣りにはライトアジにはない魅力がある。
それは潮の速いやや深めのポイントを狙えるため、釣れるアジの平均サイズがいいこと。
どんな料理にも使いやすい27~28cm級の中アジを中心に、身が締まったコリッコリッの刺身が楽しみな40cmオーバーの特大アジも釣れる。
もちろん東京湾内のアジだから味のほうも保証付き。
今回は東京湾奥小柴のはやぶさ丸から出船、夏アジ釣りを楽しんできた。
知っ得!ビシアジ船でのマダイ狙い
東京湾内の通常ビシで狙うアジ釣りでは、マダイが掛かることもけっこうある。
じゃあってんでハリスを長くしたりオキアミエサを持参したりするとこれが食わない。
ビシアジ釣りで交じるマダイはミンチに寄ってくるからなのだろう。
ハリスを2.5~3号とやや太く、ハリは太軸のムツバリにするくらいが仕掛け上のせいぜいの対策。
付けエサもアジ釣りのままアカタンかアオイソメでいいが、ミンチから拾うイワシの肝や釣れたアジやサバを2cmくらいの小さなタンザクに切っても効果があるようだ。
2.2kgのマダイが釣れた
出典:
時速10尾の好ペース
この日は3連休の中日とあって満員御礼の盛況ぶり。
ちょっと強めに南風が吹いていたが、「このくらい風があったほうが涼しくていいですよ。皆さんそろったので出ましょうか」と定刻よりも10分ほど早くもやいを解いて沖へと向かった。
釣り場は港前の小柴沖で、「水深35m。タナは2m」で釣り開始。
しかし10分とたたず「反応が戻ってこないので回り直します。上げてください」のアナウンスが出る。
細かな操船で仕切り直して再度の投入、ここでは反応にバッチリ乗ったようで、すぐにアタリが出始めた。
ところが掛かり所が悪かったのかバラシの連発。
船長から「掛かり所を見てタモ使ってよ」と檄が飛ぶ。
30cmを超える良型のため、掛かり所が悪いと重さに負けて抜き上げるときに落ちてしまうのだ。
海面でアジを見てハリ穴が広がっているようなら躊躇せずタモを使ったほうがいい。
そのため、はやぶさ丸では出船前に各自の釣り座間にタモが1本ずつ配置されている。
予報よりも風が強めで多少波っ気があって少々釣りづらいが、しばらく釣り続けるうちにビギナーと思しき方たちも徐々にコツをつかみ、取り込み率もだいぶ上がってきた。
はやぶさ丸ではおかみの晴美さんが仲乗りとして乗り込み、オマツリ解きはもちろんコマセ配りや釣り方のアドバイスもしてくれる。
その指導も上から目線でなく女性らしい優しい口ぶりで受けがよく、普段お客さんが少ないときには自身も釣りをするというから、アドバイス内容には説得力もあるのだ。
さてさて、アジの食いは順調で画撮りも順調。
皆さんが釣るプックリ太った体高のあるアジを見て、早く自分も釣りたい食べたいで、私も竿を出させてもらうことにする。
振り子の要領でビシを潮上の沖目に投入。
着底後は糸フケを取り1m巻いて軽く2振り、そこから1m巻いてフワッとコマセをまき、もう50cm巻いてアタリを待つ。
すると、引ったくるようにググン!と強めのアタリ。
30cm級の幅広良型が3本バリ仕掛けの一番上に掛かってきた。
たまたまなのかもしれないが、釣り方とタナが合っていたようでこの後も連釣。
たいていは上バリに食ってきて、ハリも上アゴに掛かっているからバラシも皆無。
時速10尾の好ペース、1時間弱でツ抜けとなる。
しかし、このままいけばの皮算用は案の定通用せず、9時を過ぎて潮が止まるとアタリも遠くなる。
(左)いい日は70~80尾釣れる(中央)掛かり所が悪ければタモですくおう(右)しっかり保冷して持ち帰ろう
出典:
Tackle Guide
ビシアジ用のハリスは張のある製品がさばきやすく扱いやすい。
またマダイが掛かることも多いので強度に優れたハリスを選びたい。
当日も安価な市販仕掛けで、マダイどころか特大アジに切られるシーンを何度か目にした。
ない知恵を絞ってみる
9時半に「10分ほど走ります」とアナウンスが出て、次の釣り場は第二海堡周り。
水深はほぼ同じだ。
ここではまだ下げ潮が残っていたのだが食いは今イチ。
時折どこかでポツンといった感じだった。
そんなときに大きく竿を曲げたのが右舷トモ寄りに座る鯉田さん。
「ドラグをズルズルにしてるから大丈夫だと思うけど」と慎重にヤリトリして海面に浮かせたのは良型のマダイ。
アジ用のタモで大丈夫?と心配したが、無事お仲間のタモに収まり量ってみると2.2kgあった。
ハリス2.5号でエサはアカタン、ようはアジ釣りをしていてマダイが食ったわけだが、ヒラメなら海面まで比較的おとなしく上がってきてゲット率も高いが、マダイは途中強い引き込みを見せるから、ハリス2.5号の短ハリスで釣るのはなかなか難しい。
ベテランらしい見事なヤリトリだった。
その後は潮止まりタイムとあって苦戦する。
船長も色いろとポイントを変え、中には釣れるのが40cmオーバーの特大ばかりなんて所もあったが、全体には行き渡らず数はのび悩む。
残り時間も少なくなり、船長がラストに選んだのは朝イチと同じ小柴沖。
このころには上げ潮が効き出して周りではポツポツと中アジ主体で釣れ始める。
ところが私は連続底バラシの後、巻き上げ途中で何者かにウバ食いされるなどがあって波に乗り損ねる。
底バラシが多いのはタナが合っていないのだろうと50cm単位でコマセをまく位置、待ちダナの位置を変えてみるが結果は付いてこない。
相変わらず周りでは爆釣とは言えないもののアタリは出続けているのに、そのうち私にはアタリそのものがなくなってしまう。
ない知恵を絞って考えてみると、どうやらなんとかせねば!でムキになってコマセを強く振り過ぎていたよう。
このときには潮はけっこう速くなっていたから、濃くコマセを出すとアジはコマセの塊に着いていってしまうのでは?と思われた。
そこでビシにはコマセを半分くらいしか詰めず、コマセワークも肩の力を抜いてフワフワ程度。
薄いコマセが常に出続け、それに仕掛けが同調していることをイメージした。
たまにはヘタな考えも当たるもので、ようやくアタリが復活。
私にもポロポロと釣れ出した。
船長からは30分延長コールも出され、全員がアディショナルタイムを楽しみお土産を追加したところでこの日の釣りを終了した。
釣果は6~292尾で私は18尾。
型は23~42cmと良型中心だからクーラーはズッシリと重くなった。
この日は全体に食いは渋めだったが、70尾オーバーでクーラー満杯なんて日もある。
はやぶさ丸は13時までのショート船だから、夏場の暑さに弱い人にもおすすめ。
130号ビシで良型主体の夏アジを楽しんじゃいましょう!
(左)30cm級が主体の日も(右)どう食べてもおいしいサイズ
出典:
船宿information
東京湾奥小柴 はやぶさ丸
080・9558・7530
備考=予約乗合、7時出船
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隔週刊つり情報(2023年8月15号)※無断複製・転載禁止