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最高峰の大型根魚南伊豆にモロコを追う

隔週刊つり情報編集部

モロコ(標準和名クエ)は最大で40kg以上に成長する大型の根魚。

数ある大物釣りの中でも、そうは釣れない希少性と、抜群の食味に定評がある。

そんなモロコをほぼ周年狙って出船するのが南伊豆手石港の敬昇丸。

今年は5月上旬に23kgと30kgが釣り上げられている。

5月下旬の取材日は神子元島周りの水深30~50m前後を狙い、一日に15kgと32kg、2尾のモロコが上がる快挙を達成。

「モロコは潮が気に入ったときしか口を使わない魚で簡単には釣れませんが、水温が上がると活発にエサを追うため、これから夏に向けて数が出るので期待してください」とは肥田能研船長。

敬昇丸のモロコ乗合は8人限定のため週末ともなれば満船必至。

早めの予約が南伊豆でプレミアムターゲットを手にする第一歩だ!

釣行の写真

★スタンディングスタイルでモロコとのガチンコファイト!

釣行の写真

★大きく開いたモロコの口に船長がギャフ打ちをして取り込む

アカハタやカサゴ狙いの根魚五目の便乗もOK

敬昇丸ではモロコ船に便乗してアカハタやカサゴ狙いの根魚五目も楽しめる。

釣り方は自由で胴つき仕掛けのエサ釣りやタイラバ、ジギングでもOK。

標準和名クエは、九州方面ではアラと呼ばれ、関東の釣り人にはモロコの名で知られる40kg以上に育つハタ科の大型魚。

根が荒い岩礁帯に生息し、釣りでは主に沿岸の浅場から水深100m前後までを狙う。

南伊豆のモロコは周年狙えるが、数、型ともにピークを迎えるのは水温が上がって活発にエサを追う夏。

メインとなる釣り場は神子元島周りで、そのほかに石廊崎沖や近場のポイントを狙うこともある。

モロコ専門乗合で出船しているのが南伊豆手石港の敬昇丸。

5月28日の取材日は、神子元島周りの水深30~50m前後を狙い、15kgと32kgを釣り上げた。

当日は潮が緩く、その中でも潮が止まり始めた時間帯や潮止まりに食ってきた。

肥田能研船長によると、状況にもよるが比較的潮が緩いときのほうがモロコが口を使う確率は高いらしい。

釣行の写真

2日連続でモロコにチャレンジした藤堂哲也さん。1日目はバラシ、2日目に15kgを上げた

釣行の写真

タナは底から3~4m上、まめなタナの取り直しを繰り返していると、突然竿先が海面に突っ込みファイト開始

タックルはエサ釣り(サバ)用と泳がせ用の2セットを準備

南伊豆のモロコ釣りでは生きたサバを泳がせて狙うため、早朝の1時間ほどサバを釣ってからモロコのポイントへ向かう。

エサ釣りのタックルは図のとおりで、仕掛けはフラッシャーサビキが定番。

サバ釣りのタナは50~100m前後と幅があり、群れの移動が速いこともあるので電動リールが必須。

泳がせ用のタックルをエサ釣りに流用すると、道糸がPE12号以上と太いため、周囲とのオマツリが頻発することがある。

竿はともかくリールはPE4号前後を巻いた中型電動の使用を厳守のこと。

モロコ用の竿は全長1.8m前後の泳がせ用ワンピースロッド。

いわゆるスタンディングファイト用の竿でも、ハリス40号対応のモデルであればロッドキーパーにセットしたまま巻き上げることもできる。

リールは道糸PE12~15号を200m以上巻いたレバードラグタイプ16~20番クラスの両軸、もしくは大型電動(シマノなら6000番、ダイワなら800番)。

モロコを掛けたら一気に底から離すべく、ドラグは15kg以上に設定しておく。

仕掛けはリーダーが80~100号2m以上。


ハリスは60~80号1.5~2m。

魚の重量だけを考えればハリス40号でも足りるかもしれないが、40号では根に擦れたり魚体やヒレのトゲに当たって切れることがある。

ハリはクエバリなどの30~40号。

35号を基準に、サバが小ぶりのときは30号、大きい場合は40号と、エサの大きさに応じて使い分けるのが理想のため、30~40号とハリのサイズを替えた仕掛けを用意しておきたい。

ハリの結び方は、太いハリスに向く南方延縄結びがおすすめ。

結び方はイラストを参照していただきたい。

ハリのチモト側が外掛け結び、フトコロ側が内掛け結びの2重構造なので、外掛け結びをマスターしていれば結ぶのはそれほど難しくない。

エサはサバで、釣ったサバは船の前後に設置されたイケスで生かしておく。

船長によれば、サメが食ってくることも多いので1人15尾くらいは必要とか。

今のところ群れが濃いのでエサにちょうどいい30cm前後のサバが順調に釣れているし、念のために予備エサとして冷凍サバを積んでいくのでエサの心配はないそうだ。

ちなみに取材日は前日に釣ったサバをクーラーに入れて保存したものを使用。

生きエサと死にエサで食いに影響はないという。

ただし生きエサの場合は、モロコが近付いたときにエサが暴れるため、アタリを待つ間のドキドキ感が味わえるとのこと。

(左)オモリ200号。仕掛けはバラけないようジッパー付きの袋などに入れておこう(右)ハリを丸飲みされて切られないようハリスは強化チューブで補強しておく

CLUMN 根掛かりの対処

ハリスが太い仕掛けで根掛かりした場合「根切り棒」などと呼ばれる滑り止め付きの丈夫な棒に5~6回道糸を巻き付け、棒をしっかりつかんで引っ張って切る。

まめなタナの取り直しが一番の誘いになる

モロコは底付近に定位してエサを待つといわれており、エサのサバを底付近にキープすることが肝心。

釣り方は図のように、仕掛けが着底したら3~4m巻き上げて待ち、15~30秒に1回のペースでタナを取り直す。

モロコのポイントは海底に起伏があるうえ、カケ上がりの斜面を流すことも多いので、まめにタナを取り直して根掛かりを防止。

この一連の動作が誘いにもなる。

船長によるとタナを取り直してちょっと待ったときにアタリがくる場合が多いという。

15kgを上げた藤堂哲也さんと32kgを釣り上げた前田収司さん、ともにタナを取り直して一呼吸置いてからアタリがきた。

「モロコのアタリはゴツンと乱暴に竿先をたたくように出ますが、ここで合わせるとほとんどスッポ抜けます。必ず竿がギュンと引き込まれてから合わせてください」と船長。

竿を手に持っているのなら力一杯竿を起こして合わせ、置き竿の場合は力の限りハンドルを巻く。

いずれにせよモロコを掛けたら根に突っ込まれないよう一気に5m以上巻き上げる。

底から離してしまえば勝機あり。

最初の突っ込みこそ強烈だが、大型とはいえ相手は根魚。

マグロ類のような持久力はないうえ、ある程度巻き上げると水圧変化に耐えられずおとなしくなる。

モロコが見えたらいよいよ取り込み。

海面に浮いたモロコが暴れることはほとんどないが、慎重にハリスをたぐって船に寄せ、口にギャフを掛けて船内に引き上げる。

とはいえ、20kg以上のモロコともなればその重量感は相当なもの。

ましてドラグをガッチリ締めた状態でのスタンディングファイトはモロコの力をまともに受け止めることになる。

ヤリトリに自信がなければ置き竿釣法に徹し、ウインチで巻き上げるのが賢明だ。

COLUMN 便乗で根魚五目が楽しめる

敬昇丸ではモロコ船に便乗して根魚五目が楽しめる。

主なターゲットはアカハタとカサゴ。

釣り方は自由。

たとえば一つテンヤタックルでタイテンヤにサバの切り身を付けて釣ったり、ライトゲームタックルにオモリ30 号の胴つき仕掛けで狙ってもOK。

アカハタのアベレージは25~35cm、カサゴは25~30cm級、釣果は両方合わせて一人20~30尾とお土産も十分。

なお、仕掛けやエサは持参となるので、色いろ試してみるのも面白い。

船宿information

南伊豆手石港 敬昇丸

090・7026・1991

備考=予約乗合、4時集合、集まり次第出船

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隔週刊つり情報(2023年7月1号)※無断複製・転載禁止

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