今回参加いただいた7名の受講者は、ほとんどがテンヤタチウオ経験1~2回。
これまで見様見真似でやってきた人が多く、思うような釣果を上げられなかったそうだ。
そんな皆さんに、まず最初に三石忍が教えたのはエサの付け方。
タックルや釣り方の前に、まずしっかりとエサが付けられていなければアタリを出せない。
第14回沖釣りカレッジは三浦半島走水港の高取丸にて開催。当日のレクチャー内容 誌面でも分かりやすくお届けしよう。
出典:
三石忍が教えるテンヤタチウオのポイント①【エサはていねいにしっかり巻く】
これまでテンビン仕掛けの釣りでも一番大事なのはエサ付けと教えてきたが、それはテンヤの釣りでも同様。
テンヤに巻いたイワシが生きているように見えなければ、食い渋ったタチウオはアタってこない。
活性のいいときならどんなエサでも釣れることはあるが、活性の低いときにいかにアタリを出すかを考えれば、やはりエサの付け方が大事になる。
エサ付けで重要なポイントの一つがテンヤとの一体感。
うまく巻けていない人はテンヤのヘッドからイワシの身がはみ出していることが多い。
ここに潮流の抵抗を受けてテンヤがおかしな動きをしたり、釣っている間にイワシがずれてきたりする。
基本手順は上のカコミにまとめたとおりだが、まずはテンヤとのバランスを考えてイワシの頭をカット。
腹側はハリ軸を隠せるように段違いにトリミングするのが忍流。
内臓は出したほうがいいときと残しておいたほうがいいときがあるので、その日の状況に応じて変えてみる。
続いてテンヤのハリ軸に真っすぐイワシを乗せたら、ワイヤーをできるだけ密に巻いていく。
巻き幅が広かったり、巻き方が緩いとタチウオがかんだときに歯がワイヤーを引っ張り、いわゆるワイヤー掛かりという状態になってバレやすくなるし、イワシがずれているとせっかくタチウオがアタってきても2回、3回と追ってこなくなる。
なおワイヤーの巻き方には頭から巻いて尾のほうで止める一方通行の巻き方もあるが、慣れない人ほど折り返して頭で止める巻き方のほうがきれいに巻けると三石忍。
ちなみにテンヤに付属している80cmのワイヤーでは短くて最後まで巻けないことがあるので、別途100cmくらいのワイヤーを用意しておくのがおすすめ。
そのほかエサの管理などはこれまでお伝えしてきたとおり、あらかじめ何個かのテンヤへエサを巻いておき、残りのエサを含めてすぐに使わない分はクーラーへしまって鮮度を保つ気遣いを忘れずに。
三石忍が教えるテンヤタチウオのポイント②【エレキテル釣法は 力を抜いて竿を構える】
東京湾のテンヤタチウオの釣り方はデッドスロー、ストップ&ゴー、ジャーク&ステイといった誘いがベーシックだった昨年からずいぶん様変わりしてきている。
現在、好釣果を上げる人の誘いはトゥイッチやバイブレーション系のテンヤを小刻みに動かす釣り方が多い。
だが、常にテンヤを動かし続けるこれらの釣り方は体力的な負担も大きい。
そこで三石忍が提唱しているのが、だれでも楽に誘いを入れられるエレキテル釣法。
簡単に言えば電動リールを微速で巻きながら竿を動かす釣り方になるが、ポイントは竿の構え方にある。
左手でリールを軽くパーミングしたら、右手はリールの前10~30cmを下から指で支える。
コツはリールを強く握りすぎないことと、竿尻を脇へ挟み込まないこと。
これまでの釣り方のように竿を抱え込むようにすると、うまく竿の動きをコントロールできない。
できるだけ軽くフリーに竿を持つことで、リールを支点に右手の指を弾くようにするだけで竿を動かすことができるようになる。
あとはその日のタチウオの活性により止めを入れたほうがいいのか、ノンストップがいいのか、巻き速度は早いほうがいいのか、遅いほうがいいのか、最適な誘いを見つけ出していく。
アタリは動かしている最中に竿先を跳ね上げたり引き込んだりするが、基本的には即合わせ。
取材日は幸いタチウオの活性がよく、アタリ自体は皆さんそれなりに出すことができた。
しかしなかなかハリ掛かりさせられないケースも多かった。
ここで三石忍が指摘したのが、アタリの見過ぎ。
合わて掛からなかったときに、動きを止めて竿先を見過ぎてしまっているという。
ハリ掛かりしなかったら食い込みを待つのではなく、すぐにテンヤを動かしてさらにエサを追わせる。
掛からなかったときこそ、見切られないようにより激しく動かしたほうがいいというのが三石忍のアドバイスだ。
ハリ掛かりしてからの注意点は、大型はドラグを効かせてヤリトリすること。
強い引き込みでズルッとドラグが滑るくらいに緩めておく。
ドラグは毎投入調整する癖をつけておき たい
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合わせて掛からなかったらすぐに次の誘いへ
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三石忍が教えるテンヤタチウオのポイント③【取り込みは 必ず両手で行う】
最後の詰めは取り込み。
必ず竿を立て、リーダーをつかんでから竿を置き、両手でたぐって風下側へ抜き上げるようにする。
この手順を常に体に覚え込ませておけば、いざドラゴンが掛かったときでも落ち着いて取り込めるはず。
竿を持ったまま片手で抜き上げようとすると、小型ならともかく、120cmを超える大型はまず抜き上げられない。
普段から両手で取り込む癖をつけておかないと、いざというときに体が反応できない。
もう一つ多い取り込みでの失敗が、竿を寝かせた状態で竿先付近のリーダーをつかもうとすること。
こうした取り込みは竿先が曲がり切っており、タチウオが海面下でひと暴れした瞬間に竿先を破損してしまうケースが多いので注意していただきたい。
そのほか取り込みの不手際を指摘される人は、キーパーの設置場所と自分の立ち位置が逆だったり、リーダーをつかむ前に竿を持ち替えないため取り込みでもたつきバラす人が多かった。
今回のカレッジに参加した皆さんの印象を三石忍に聞いてみると、とにかくタチウオがなんらかのアクションをしたときに慌ててしまう人が多いということ。
アタリが出てからもそうだし、取り込むときもそう。
あたふたすることでミスにつながらないよう、落ち着いてタチウオとのヤリトリを楽しめば、自然と釣果ものびてくるはずと締めくくってくれた。
まずまずの取り込みに見えるが竿とキーパー、自分の立ち位置が逆なので風上側に取り込んでしまっている
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慣れない人が片手で取り込むとトラブルの元
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【隔週刊つり情報(2021年12月1日号)※無断複製・転載禁止】