2月1日、東京湾のメバルが解禁となった。
横浜本牧長崎屋では初日からトップ55尾の好釣果が出た。
この時期、東京湾のメバル釣りには、モエビと呼ばれる3cmほどの生きたエビを使う。
エビでメバルを釣ることから、エビメバルと呼ばれている。
水温が上昇しはじめ、濁り潮が入る3月はエビメバルの最盛期だ。
シンプルな胴つき仕掛けに、20号の軽いオモリのエビメバルは簡単だけど奥の深い釣りでもあり、初心者からベテランまでが楽しめる。
長崎屋が狙うメバルポイントは航程5~20分、本牧沖を中心に川崎沖から八景沖と数多くのポイントがある。
東京湾で釣れる主なメバルは標準和名シロメバル
出典:
全長3m前後のメバル専用竿がおすすめ
竿は全長3m前後の専用竿が使いやすい。
1.8m前後のライトゲームロッドでも使えるが、仕掛けの長さが2mほどあるため2.4m以上の竿をおすすめしたい。
竿の調子は胴にかかるもので、穂先が軟らかいことが条件。
硬い竿だと食い込みが悪く、追い食いもさせにくい。
リールは小型両軸リールにPE1~2号を巻いておく。
オモリは20号を使う。
仕掛けは胴つき3本バリが標準だ。
メバルは高いタナまでエサを追うこともあり、活性がよいときは上バリから食ってくる。
このため、エサの間隔が広くとれる3本バリ仕掛けをおすすめしたい。
胴つき仕掛けで大切なのは、糸の絡みにくさだ。
とくにメバル釣りでは0.8号や1号といった細いハリスを使うため、ハリスが幹糸に絡むと糸グセがつきやすい。
接続にクロスビーズを使った仕掛けは糸絡みが少ない。
長崎屋の船宿仕掛けは極小クロスビーズを使っているので、これからエビメバルをやってみようという人にはとくにおすすめしたい。
エサのモエビは小さい容器に小分けにして配られる。
尾羽根をハサミで切り取り、背側を軽くつまんで腹をハリに向ける。
切り口からハリを刺して1節目まで通したらハリ先を返して腹側へと抜く、これで完了だ。
人によってはもう一度ハリを返して背側に抜く人もいるが、長崎屋では腹側にハリを抜く。
オキアミの付け方と同じだが、刺すのは第一節だけと浅い点が異なる。
チョン掛けで頼りなく見えるが生きエビは意外と丈夫なので外れない。
そして浅く刺すことにより回転しなくなり、ハリスの絡みも減る。
エサの付け方は大事なポイントなので、自信がなかったら船長や仲乗りさんにチェックしてもらうといいだろう。
東京湾のエビメバル仕掛け~横浜本牧・長崎屋の例~
長崎屋で出会ったベテランは皆さん3m前後の専用竿を使っていた
出典:
船宿仕掛けはハリス0.8号の3本バリ、ハリはヤマメ8号
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NOTE
エビメバルが春限定の理由
エビメバルは2月に始まり4月の頭くらいまでの釣りだ。
季節が限定される理由は、エサにモエビを使うため。
水温が高くなってくるとモエビはすぐに弱ってしまう。
メバルがいなくなるわけではなく、モエビをエサに使えなくなるためエビメバル釣りは終了となる。
代わりにアオイソメじゃ釣れないのか?と思ったが、「(昼の)メバルはイソメじゃ(生きエビの)10分の1くらいしか釣れないなぁ」とは、大船長の長崎恵夫船長。
エサはモエビ。エビが動かなくなったり白くなったら交換しよう
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エビエサの付け方
①尾羽根をハサミでカット②切り口からハリを刺し・・・③1節目までハリ先を進める④腹側にハリ先を抜いて完成
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正確なタナ取りとスローな誘いが重要
エサを付けたら、いよいよ投入だ。
船長はメバルの反応の上に船を乗せて止める。
シロギス釣りのように船を流して広く探るのではなく、ピンポイント狙いの操船だ。
メバルのポイントは狭く、タナも浮いたり沈んだりしているので、正確なタナ取りと誘いが重要になる。
船長は、底からのタナを教えてくれる。
「底から2~3mオモリを切って、探ってみてください」というようにだ。
メバルの生息場所は根や障害物が多いところで、底のアップダウンは激しい。
そして船はピンポイントで反応の上に止めるが、潮や風に押されると少しずつポイントからずれていくので、船長は船の位置を修正する。
このため、釣り人から見ると水深がちょくちょく変わることになる。
なので、同じタナばかり取っていると、場所によっては低かったり高かったりして、メバルの泳層から外れてしまうこともある。
そこで、タナを探るという操作が必要になる。
底から2mにタナを取ったら、50cmほど下げてみる、または上げてみる。
こうして広いタナにエサを置くことがメバルへのアピールになる。
このときに大切なことは、すべての動作をゆっくりとやることだ。
メバルは臆病な魚で、道具の上げ下げには敏感に反応すると言われている。
シャープな動作はNGだ。
時計の秒針の動きの、その半分くらいのスピードで、そろりそろりと竿を上げ下げするのがよい。
メバル釣りのタナ取りや誘いは、雪道の車の運転と同じで「急」が付く動作はNGだと覚えておこう。
潮が濁っていたりで活性が高ければ、タナを取って待つとすぐにアタリが出ることが多い。
アタリがあったら竿はそのまま動かさずに追い食いを待とう。
最初に掛かったメバルが引くことでほかのハリのエサを揺らし、2尾目、3尾目が掛かってくる。
竿先の重みが増えたところでリールを巻き始めよう。
エビメバルの基本は正確なタナ取り
ポイントは護岸際や建造物周り、まめに底ダチを取り直して指示ダナをキープ
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取り込みはスーッと竿を立て抜き上げる
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一番の食い渋り対策は〝誘い上げ〟
しかし、タナを取ればすぐにアタリがくる日ばかりではない。
澄み潮や水温が急に下がったときなどは反応があってもメバルはなかなかエサを追わない。
こんなときは、誘い上げでメバルにエサをアピールしてやる必要がある。
タナで待ってもアタリがないときは、ゆっくりと竿を上げて、エビが上へ上へと動く様子を演出してやるのだ。
メバルは上を向いた状態でエサを待っている。
メバルにアピールするには、エサが魚から遠ざかっていくようにするのがよい。
このとき大事なのは、あくまでゆっくりと持ち上げること。
活性の低い魚ほど、スローな動きのエサに反応すると覚えておこう。
誘い上げのためには、長さが3m以上ある竿が有利だ。
竿先を頭上まで上げたときに、高いタナまで誘えるからだ。
メバルは時には底から5~6m上まで浮いてくることもある。
そしてもう一つ大事なことは、誘い上げた後は必ず静止させること。
メバルが食うための「間」を作ってやるためだ。
スローな誘い上げでアピールし、止めて食い込ませる、このパターンで食い渋りを攻略しよう。
エビメバルの釣り方イメージ
3m前後の長竿なら、水平から斜め上まで竿を持ち上げれば3mくらい誘える
出典:
ベテランの小技を盗め
東京湾の小物釣りでは、どの釣り物でも細部までこだわるベテランが多い。
メバル釣りでは、オモリを黒く塗っている人を見かけることが多い。
これは、メバルはオモリの光沢を嫌う、ということからきている。
道糸はPEラインを使うが、ナイロン3号くらいの先糸を3~10mほど付ける人もいる。
これは、食い込みをよくするためだ。
メバルがエビに最初の一撃を加えたとき、竿が硬いと違和感で吐き出してしまう。
メバル竿の穂先が軟らかいのも食い込みをよくするためだが、先糸にナイロンを使うのはさらにショックを軽くする目的がある。
長崎昭船長に、釣れる人と釣れない人の差はどこにあるのでしょう?と聞くと、よく釣る人は、
①エサをていねいに付ける。
②エサをまめに交換する。
③魚が食うタナを早く見つける。
④多点掛けにして数をのばす。
と教えてくれた。
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隔週刊つり情報(2022年3月15日号)※無断複製・転載禁止