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バラムツの脂は食べると危険!?謎が多い深海魚の特徴や釣り方を詳しくご紹介!

船釣りマガジン 編集部

深海魚の一種であるバラムツは、脂が多い魚として知られています。

大トロに匹敵するほど美味しいと言われるバラムツですが、実は食品衛生法で販売が禁止されていることをご存知でしたか?

これには、バラムツの脂に含まれる成分が密接に関わっています。

今回はそんなバラムツの生態を紐解き、脂の危険性や釣り方をご紹介します。

バラムツ以外の脂身の多い魚についても触れていますので、早速チェックしていきましょう!

バラムツの基本情報

バラムツとは、スズキ目クロタチカマス科に属する海水魚です。

体長は1~2m程度にまで成長し、全体的に黒っぽい体表をしています。

大きな目と鋭い歯を持ち、ウロコにトゲがあるのが特徴です。

ちなみに、このトゲがバラのトゲに似ていることからバラムツと呼ばれるようになったと言われています。

バラムツは深海魚の一種で、水深400~800mに生息しています。

温帯~熱帯地域に多く、日本では主に北海道~九州までの太平洋沖でその姿が確認されています。

バラムツについて詳しくは図鑑でチェック!

バラムツに含まれる脂の正体

バラムツは英語でOil fishと呼ばれるほど脂身の多い魚です。

この脂はバラムツの筋肉に含まれており、ワックスエステルという特殊な成分で構成されています。

バラムツがこのような特殊な脂を多く含む理由は、浮力を調整するためです。

ほとんどの魚は浮き袋と呼ばれる気体の詰まった袋状の器官を持っており、その中の気体を出し入れすることで自由に水中を泳ぐことができます。

ところがバラムツなどの深海魚が棲む海域は水圧が高いので、浮き袋による気体の出し入れが難しくなります。

そのため、浮き袋の代わりに特殊な脂肪を全身に纏うことで、浮力調整をおこなっているのです。

ちなみにワックスエステルはバラムツの他、アブラソコムツやオオメマトウダイ、クジラなどの魚にも含まれています。

バラムツの販売が禁止されている理由

ワックスエステルはろうそくの蝋に似た物質で、一般的な魚や肉に含まれる脂とは異なります。

そのため人間の体内では消化できず、摂取するとそのまま体外に排泄されます。

気が付かない間に肛門から脂が流れていたという事例も多く、それが「バラムツを食べるときはオムツ必須」と言われる理由です。

また、それだけでなく下痢や腹痛などの消化不良や脱水症状を引き起こすこともあるようです。

このような危険性があることから、バラムツなどのワックスエステルが含まれている魚は、1970年から食品衛生法に基づいて販売が禁止されています。

バラムツの釣り方

バラムツは食用には向きませんが、引きの強さからスポーツフィッシングのターゲットとして人気があります。

深海から体重30~40kgの巨体を引き上げる手応えは抜群で、ゲーム性の高さに魅了されるアングラーが多いようです。

バラムツの釣り場は特に静岡県の駿河湾や和歌山県の白浜沖が有名で、捕食活動のため比較的浅い場所に上がってくる夜に船から狙います。

深海魚を狙うときは、ヤリイカやウルメイワシなどを使ったエサ釣りがメインになります。

仕掛けをボトムまで落としたら、ロッドを上下に動かして誘いましょう。

アタリが伝わってくればしっかりフッキングし、強い引きに備えます。

大物をターゲットにするとはいえバラムツはヒット率が高い魚なので、気になる方はぜひ釣りに挑戦してみましょう!

ちなみに釣り上げた個体は、体表のトゲに注意しながらリリースしてあげることが大切です。

先ほど述べた通りバラムツは浮き袋を持たない魚なので、深海魚でも急激な水圧の変化に耐えることができます。

釣りを楽しんだら優しく海に戻し、元気な状態で帰ってもらいましょう。

実際にバラムツを釣り上げる様子は動画でチェック!

大手釣具メーカー・テイルウォークの公式YouTubeチャンネル『tailwalk テイルウォーク』では、駿河湾でのバラムツ釣行の様子を視聴できます。

30kg超えのバラムツとの豪快なファイトは、手に汗握る展開です。

実際に使用したタックルについても紹介されているので、バラムツ釣りに興味のある方はぜひ参考にしてください。

バラムツ釣りにおすすめのタックルはこちら!

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バラムツに似た注意すべき魚・アブラソコムツ

バラムツと同じスズキ目クロタチカマス科の魚に、アブラソコムツがいます。

アブラソコムツも体長1m以上に成長し、水深100mより深い層に生息する深海魚です。

見た目もバラムツとよく似ており、体内には特殊な脂であるワックスエステルを含んでいます。

そのため食用には向かず、バラムツと同様食品衛生法によって市場での流通が禁止されています。

釣りは引きが強く楽しいですが、持ち帰って食べるのは控えましょう。

ちなみに、アブラソコムツは大陸棚のある深海エリアや、静岡沖の相模湾から高知沖の土佐湾にかけて、さらに太平洋沿岸部の深海などにも生息しています。

日本近海の広範囲でその姿が確認されているため、船釣りでも狙いやすいです。

アブラソコムツについては下の記事で詳しく解説しています。

アブラソコムツについて詳しくは図鑑でチェック!

脂を多く含んでいても食べられる魚・アブラボウズ

これまでご紹介してきた通り、バラムツは人間の体内で消化できない脂を多く含むため、基本的には食用に向きません。

漁師の間では少量なら食べても問題ないと言われることもあり、大トロのような味わいに一定数ファンもいますが、食べる量に関係なく健康を害するリスクが伴います。

どうしてもバラムツのような脂身の多い魚を味わってみたい方には、アブラボウズを食べることをおすすめします。

アブラボウズはスズキ目ギンダラ科に属する深海魚で、中には体重90kgを超える個体もいるほど大きく成長します。

相場としては1kgあたり約2,000円程度で、1匹あたり10万円ほどの高値が付く高級魚です。

入手方法は船釣りで狙う他、通販や市場で購入することも可能です。

ちなみに、アブラボウズはバラムツと同様脂を多く含む魚で、体の約40%が脂肪分でできています。

しかしこれはトリグリセリドと呼ばれる中性脂肪の一種で、魚の他肉や食用油などの食品中に含まれるものなので、食べても害はありません。

アブラボウズの柔らかくクセのない白身は脂の甘みが感じられ、火を通しても硬くならないので様々な加熱料理に向いています。

特におすすめなのが煮付けや塩焼きで、凝縮された身の旨味と脂の甘みを存分に味わうことができます。

また、煮たり焼いたりすることで適度に脂身が落とされ、食べやすくなるのも加熱調理のメリットです。

ただし、食べ過ぎると消化しきれず下痢や腹痛を引き起こす可能性があり、地方自治体によっては1食につき刺身で60g、焼き身で120g以上を食べないようにと指導しているところもあるようです。

食べられる脂身であっても、程々に味わうようにしましょう。

アブラボウズについては下の記事で詳しく解説しています。

アブラボウズについて詳しくは図鑑でチェック!

バラムツは食べるよりも釣って楽しもう!

今回はバラムツについて詳しくご紹介しました。

人間の体内で消化できない特殊な脂を多く含むバラムツは、食べるよりも釣って楽しむのがおすすめです。

強烈な引きを堪能したら、釣り上げた個体は優しくリリースしてあげましょう。

アブラソコムツやアブラボウズなどバラムツに似た魚についても知識を深め、安全に釣りや食を楽しむことが大切です。

バラムツについて詳しくはこちらの記事をチェック!

この記事に関するよくある質問

バラムツを食べると危険なのはなぜ?

バラムツの筋肉に含まれる脂は、ワックスエステルという特殊な成分で構成されています。ワックスエステルはろうそくの蝋に似た物質で、一般的な魚や肉に含まれる脂とは異なります。そのため人間の体内では消化できず、摂取するとそのまま体外に排泄されます。また、下痢や腹痛などの消化不良や脱水症状を引き起こすこともあるので危険です。

バラムツの釣り方は?

バラムツの釣り場は特に静岡県の駿河湾や和歌山県の白浜沖が有名で、捕食活動のため比較的浅い場所に上がってくる夜に船から狙います。深海魚を狙うときは、ヤリイカやウルメイワシなどを使ったエサ釣りがメインになります。仕掛けをボトムまで落としたら、ロッドを上下に動かして誘いましょう。アタリが伝わってくればしっかりフッキングし、強い引きに備えます。

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