日本人の好きな魚で常に上位にランクインする大衆魚のマアジ。
釣りをしない人だって、たたき、フライ、干物など一度は口にしたことがあるポピュラーな魚だが、最近ではブランド化され高級魚として扱われることも多い。
今さら説明する必要もないが東京湾で「金アジ」と呼ばれるマアジは最高ランク。
金色に輝く魚体は脂の乗った証拠で、おいしさに疑う余地なしである。
加えてライトタックルでの釣りは引きの強さにも定評があり、釣って面白く食べておいしいということで老若男女から人気を集めている。
電車釣行派におすすめの船宿
そろそろ秋の荒食いが始まるのではと9月下旬に出かけたのは東京湾奥羽田大師橋際の「かめだや」である。
江戸前の老舗で、周年ライトアジで出船し、シロギスなどとともに常連さんやリピーターの多い人気船宿だ。
アクセスもよく、JR蒲田駅の東口まで送迎してくれるので電車釣行派にも重宝がられている。
私も送迎バスを利用して宿に7時ちょい過ぎに到着。
すでにお客さんは全員集まっているとのことで、あいさつもそこそこに乗船場へ。
以前シロギスの取材でお世話になった鈴木祥太船長が当日のライトアジを担当。
あいさつをしてそそくさと船に乗り込み船内を見回すと、すでに皆さん準備万端の様子。
すぐ定刻の7時半になり私を含め8名で河岸払いとなった。
JR蒲田駅の東口から送迎してくれるので電車釣行にもおすすめ。
出典:
小移動が奏功
多摩川をゆっくり下り、海に出てから船は富岡方面へと進路を取る。
最近好調な釣り場で、牛肉でいう「A5ランク」のように脂が乗ったアジが釣れるポイントである。
海に出てから30分チョイの船旅で到着。
最初に狙ったのは岸壁の側。
すぐ反応が見つかり釣り開始となった。
「水深は20m。底から2mを狙って」と船長からアナウンス。
すぐに左ミヨシのベテランにアタリ。
しかしこれはゲストのカサゴ。
3~4投目に船内最初のアジが取り込まれたが、後はカサゴのオンパレードになる。
これには船長もアジに食い気がないとみて早々に移動。
さほど離れてはいないが、今度は沖目の平場で再スタート。
こちらは水深16mと先ほどより浅い。
タナは同じく底上2m。
ところがここでもゲストのイシモチが先にハリ掛かりしてきてアジ釣りの邪魔をする。
ただサイズが大きくてイシモチ好きには評判がいい。
しかし船長的には気に入らないようで、また移動となった。
と言ってもほんの少し動いた程度である。
水深も先ほどと同じだが、こちらのほうがアジの食い気があったようで移動後の1投目から顔を出し、その後もポツポツと船中でだれかが釣り上げている。
ベテランの方も、「タナが合えば食ってくるし、誘いをかければアタリは頻繁に出るよ」と話しながら竿を曲げた。
釣れるアジは25cm前後の中型主体でサイズ的にはベリーグッド!
金色に輝き、おいしさをアピールしている。
状況は悪くないとみた船長はここでアンカーを投入、じっくり狙う作戦に出る。
するとこれが的中。
コンスタントにアジが上がり、40cm級の良型の群れとも遭遇して船内バタバタと大にぎわいだ。
ベテランは手返しが早く数をのばしている。
バリバリ釣れているわけではないが時折ダブルもあり決して悪い状況ではない。
船長的にはどこかで入れ食いが起きることを期待しているようだが、写真を撮る私的にはちょうどいい釣れ方である。
入れ食いになると写真を撮らせてもらう状況じゃなくなっちゃうからね。
当日の釣り場は富岡沖の水深16~20m。
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タナは底から2m前後。
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食べごろサイズの20~25cm級主体。
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入れ食いを求めて
初心者が2名いたが、最初はおぼつかなかった動作も次第に慣れてきてそれなりに釣り上げている。
初心者も船長のちょっとしたレクチャーで釣れるようになる、これが手軽に楽しめるライトアジの魅力であろう。
当日は曇天で風が少し吹いていたが、むしろアジ日和といった感じ。
風波で海面がポチャポチャしてシェード(影)になり、アジの警戒心も薄れたのだろう。
間を空けずに食ってくる状況は午後1時過ぎの潮止まりになっても続いていて、この時点でベテランは40尾以上をゲット。
サイズがいいだけにクーラーはすでに重そうである。
今日はここで最後まで粘るかなと思ったら「移動しま~す」と船長。
これまたさほどの移動ではないが、アジの場合ほんの数メートル違っただけでまったく食いが違ってくるから小移動も侮れない。
ところが、これは裏目に出てスカを食らった。
釣れているぞ~!と仲間の船の誘いで来た船長、「ダマされた!」と笑っていた。
そこでもう一度動いたのだが、これが大当たり!
すでに2時近くになってポツポツと想定外の雨も降りだしたのだが、この雨がアジを呼んだのか、それとも上げ潮に乗ってやってきたのか、バリバリと食い気が立って入れ食いタイム突入である。
操舵室の船長も待望の食いに笑みがこぼれる。
ベテランさんに「入れ食いですか?」と尋ねると「入れ食いで~す」と声も弾んでいる。
投入ごとにアタリがきてトリプルが2度、3度と続き、まさに入れ食いだ。
こうなるとコマセをまいてタナに合わせれば釣れちゃう状況で、ビギナーもベテランも釣れ方に相違はない。
数をのばすには取り込みで手前マツリをしないことに尽きる。
結局この食いは止まることなく、沖揚がりの3時を迎えて後ろ髪を引かれながらの納竿となった。
トップは左ミヨシのベテランで19~42cmを82尾。
20~25cm級が主体だけに25Lのクーラーはほぼ満タン。
スソの初心者も28尾と大健闘。
イシモチやカサゴ、サバなどゲストも交えお土産には十分な釣果である。
同宿はレンタルタックルの貸し出しをしており初心者も大歓迎。
東京湾の金アジは秋の深まりとともにさらにおいしくなっていきますぞ!
ベテランはさすがの手返しで数をのばす。
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慣れた人は70~80尾釣る。
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貸し道具は仕掛け2枚付。
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知っ得!ライトアジのコツ
「アジ釣りにおいてはタナ取りが重要です。指示ダナが海底から2mの位置にある場合は、海底から2水深ですから3度にわけてコマセをばら撒き、タナを見極めて待つ釣り方と、タナを見定めた後でコマセをばら撒き、耳を澄ませる手法を状況によって最適に使い分けています。初心者の皆さんは、まずは道糸に1m毎に付けられた印を参考にして、タナを正しく確認することを意識してください。コマセをばら撒いて、釣竿の先端をゆっくり動かすと、あとは大物が食いつくのを待つだけですよ」というのが経験豊かなアングラーの意見です。
食いが立つとタナに合わせた途端にアタリがくる。
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東京湾のライトアジ仕掛け例
竿は専用竿のほか、オモリ40号に対応した7:3調子のゲームロッドなどが使いやすい。
リールはPE2号前後を巻いた小型両軸でOK。
付けエサはアカタンとアオイソメの両方が用意されている。
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【隔週刊つり情報(2021年11月1日号)※無断複製・転載禁止】