東京湾はタチウオとマアジが好調をキープ。
今や江戸前の大看板として休日ともなるとどちらの船も満員のお客さんでにぎわいを見せている。
ライトタックルで狙うため老若男女問わず手軽に楽しめるのが人気の秘密だが、食べておいしいということも魅力の一つ。
その両雄をリレーで狙うという何ともぜいたくな乗合を東京湾奥東大井の「いわた」がリクエストで出船するとの情報を聞き、8月下旬に出かけてみた。
宿に着いたのが出船の30分前だったが、すでに予約者全員がそろい今や遅しと出船を待ちわびている。
しかも当日は2隻出しで船上は大にぎわい。
夏休み最後の週末とあって親子の姿も見える。
こういう場合、どちらの船に乗って取材するか大いに迷うところだが、当日の紅一点が乗船していた1号船に乗り込んだ。
浅場で勝負!
1時間ちょっと走ったところで釣り場の富津沖に到着。
浅場で釣れる夏タチの聖地である。
盛夏にはバリバリ状態だったが、秋の到来が近づき少し落ち着いてきた感じ。
それでもまだまだいけそうな雰囲気があるとは船長連の見通しで、アベレージサイズが若干大きくなったような気もする。
潮回りしていると、すぐ反応が見つかったようで岩田登行船長から「どうぞ」と開始の合図が出た。
水深は18m前後。
「2m程度底を切ってから、5m前後上まで誘って」とアナウンスが続く。
波もなく晴天の釣り日和。
タチウオのご機嫌もよく、1投目から船中でバタバタと取り込まれる光景が目に入ってくる。
サイズは70~80cm級が中心で、ネクタイなどと呼ばれる極端に小さいのはほとんど交じらず、十分おかずになる大きさだ。
しかし、しばらく食いがよかったものの、潮止まり近くになってタチウオの姿を見る間隔が長くなっていった。
アタリは頻繁にあるようだが、ハリにエサの切り身が半分残る食い逃げが多発。
浅場のタチウオはお手軽だが、意外とハリ掛かりさせるのが難しいところもある。
それもまた面白さではあるのだが・・・。
紅一点のお嬢さんも1本目は釣れていて、2本目は竿を大きく曲げてのナイスファイト!
隣のパパちゃんも自分で釣った以上にうれしそうだ。
その後は朝ほどの盛り上がりはなかったものの、11時15分までタチウオを狙い、トップの10本が数名。
残念ながら誘いが合わずオデコの方が1人出てしまったが、初心者もそれなりに健闘した。
サイズは65~92cmと中小型が主体。
ドラゴン級も顔を見せたが惜しくも海面でハリス切れ。
浅場とはいえ、いつ大物が食ってもおかしくないので油断禁物。
ちなみに同宿は出船前に釣り方などのレクチャーをしてくれるので、慣れていない方は聞いておいたほうが安心だ。
タチウオは底から5mの範囲を探った
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魚の活性が高い早朝に連続ヒット
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小さくてもアタリがあると楽しい
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タチウオを持つときは鋭い歯に注意
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当日はほとんどの人がテンビン仕掛けだったが、同船はテンヤ釣りも便乗OK
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タチウオの釣果は平均5本前後
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中小交じりでダブルも
後半は船長が替わって、同宿ホープの高野光太船長の操船でライトアジに転進。
すでに仲間のアジ船に連絡を取って状況を把握しているところがさりげなくすごい。
しかし、昨日はバリバリに釣れていたのが、この日は早朝のゴールデンタイムだけで、日が昇ってからはポツポツとの悪い知らせ。
しかもジンタ(豆アジ)が多いとの情報。
アジはツンデレなところがあり、機嫌がいいと一日入れ食いなんてこともあるし、前半は悪くても帰り際にバリバリ食ってくることもあるからそう悲観しなくても大丈夫!と不安とともに期待もしてみた。
釣り場は木更津沖。
すでにライトアジ船が釣りのまっ最中。
目を凝らして見ていると時折銀鱗が踊っているのが目に飛び込んでくる。
悪いと言っても型は出ているようだ。
さっそく仲間に入れてもらい釣り開始だ。
しかし最初の場所は不発ですぐ移動となった。
2カ所目もすぐ移動。
ようやく3度目の移動で気の利いた群れに遭遇。
竿入れしてすぐにリールを巻く音が響いてくる。
面白いことに20~25cm前後の中アジばかりの人がいれば、ジンタばかりの人も。
これはたぶんにタナの合わせ方の違いなのであろう。
サイズがバラバラなのは魚影の濃い証拠でもある。
ジンタが多ければ今後も期待十分だ。
それにアジは小さくても空揚げ、南蛮漬け、フライと色んな揚げ物でおいしくいただけるからウエルカム。
湾奥のアジのフライは格別だ。
水深は15m前後と浅く、さきほどのタチウオ同様お手軽度は満点。
初心者でもノープロブレムで楽しめるし、タチウオ&アジのリレー船は一度で2倍おいしいからグルメ派にもおすすめだ。
釣り始めはボツボツだった食いが、なんと午後1時を過ぎたころから活発になってきた。
簡単にいうと潮が効いてきたのである。
相変わらずサイズは不ぞろいであるが、空振りが少なくなり順調だ。
ダブルも目に見えて多くなった。
食いがよくなれば、入れ替えが増えるからコマセも効いて相乗効果が生まれる。
2号船も隣に来て釣り始めたが、すぐに結果が現れて好調の仲間入りだ。
親子連れのお嬢さんもダブルを連発して好調。
なぜか小型が多いものの本人は満足そうである。
その後もアジの食いは衰えず、2時過ぎに沖揚がりを迎えた。
アジの釣果は14~25cmを3~34尾(2隻の高低)。
タチウオと合わせてお土産はたっぷりだ。
タチウオはこれからサイズもアップして一層面白くなるし、アジも水温が下がればもっと数が期待できるだろう。
食欲の秋を満喫するには、どちらもうってつけのターゲットですぞ!
アジは木更津沖を狙った
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アジのタナは底から2m前後
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親子で竿を並べてリフレッシュ
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食べごろサイズの中アジは、刺身でよし、焼いてよし
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小ぶりのアジは空揚げがおすすめ
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知っ得!タチウオ&アジのコツ
タチウオは誘い、アジはタナ取りが肝心。
初心者は出船前の船長のレクチャーを聞き逃さないこと。
1魚種ごとの釣り時間が短いリレー釣りは手返し勝負だから、タチウオは1本バリ、ライトアジは2本バリとシンプルな仕掛けを使って手前マツリを軽減しよう。
釣り方は船長が教えてくれるから初心者も安心
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タチウオ&ライトアジ仕掛け例
タックルはタチウオ竿やゲームロッドと小型両軸、もしくは超小型電動リールの組み合わせでタチウオとライトアジに対応できる。
タチウオは標準オモリ50号だが、速潮や釣り場が深いときは80号を使う。
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隔週刊つり情報(2021年10月1日号)※無断複製・転載禁止