コマセ釣りと聞くとアジやマダイに青物などを連想するが、初夏から最盛期を迎えるイサキも代表格の一つ。
ヒットしたときのキューンと竿先を絞り込む心地よさと食味のよさ。
そして何よりも、よほど海況が悪くない限り、お土産が確実なところがうれしい。
私の大好きなイサキが3月から南房で解禁となり、連日トップが規定数の50尾に達しているとなれば釣行しないわけにはいかない。
そこで4月11日、洲ノ崎港の佐衛美丸に車を走らせた。
佐衛美丸での席決めは予約順となっており、船着き場に集合して早川忠信船長に名前を呼ばれた人から席に荷物を運ぶシステム。
当日は乗船者9名で私は右ミヨシに入った。
各自支度が整ったところで、「ちょっと早いけど出ましょう。ポイントは目と鼻の先だから投入の準備をしてください」と船長が告げ5時20分に港を離れる。
早朝から良型連発
5分ほどで洲ノ崎沖の最初のポイントに到着し、「着きましたよー。タナは海面から22mです。ハリス分の3m足して25mまで下ろしたら、タナまで誘い上げてください。ここは大きいのが出るので頑張って!」とさっそく開始の合図が出た。
船長によれば、底から5mくらいがタナの目安だが、ポイントは根周りで水深が変わりやすいため、そのつど指示ダナを告げるので聞き逃さないように、とのこと。
釣り場は洲ノ崎沖を中心とした水深30~40m前後
出典:
開始1投目から、右ミヨシ2番の森田さんが気持ちよさそうに竿をしならせ30㎝級のイサキを抜き上げる。
続けて左ミヨシの安倍さんが同級を釣り上げると、右トモ2番の中村さんが34㎝のグッドサイズを取り込む。
船長の言うとおり、その後もこのポイントでは30~35㎝級の良型が釣れたものの、いずれも単発で数がのびないうえ、潮の具合かアタリが出るのが右舷に偏っている。
34㎝のグッドサイズを釣り上げた中村さん
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丸まる太った個体が多い
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6時15分過ぎ、船長は移動を決断。
指示ダナ28mで再開すると、ここでは追い食いを狙ってダブル、トリプルと効率よく釣れたのだが、サイズは大中小と様ざまだ。
存分に数釣りを楽しめる
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私が撮影のため船内を見て回っていると、左ミヨシ2番の市川さんの竿にコツンときた次の瞬間、ギューンと引き込まれてバチンとハリスが切れた。
あまりにも突然だったので、市川さんはなすすべもなくあぜんとするばかり。
相手は特大のイサキかマダイか、あるいは根周りに潜む大型の根魚かは定かでないが、いずれにせよ、いざというときに備えてドラグの調節はしておきたい。
追い食い狙いで釣果アップ
7時半に再び移動。
次のポイントの指示ダナは35m。
ここでも活発にイサキは食ってきたが、潮が速くなり、ひと流しで1投か2投の展開となる。
8時になったところで私も参戦。
イサキ釣りは、正確なタナ取りと適度な誘いが大切だ。
道糸の色変わりとマーカーで水深を計るのはもちろん、投入後、余分な糸フケが出ないようにサミングすることも忘れてはならない。
コマセカゴの調節は下窓を完全に閉め、上窓を3分の1くらい開けるのが基本だが、潮が速いときは上窓を2㎜ぐらい開ければ十分。
コマセを出しすぎるとイサキが飽食してしまうので注意しよう。
指示ダナより3m下まで仕掛けを下ろしたら潮になじむまで少し待ち、コマセを振りながら誘い上げてタナに合わせる。
活性が高いときは、指示ダナに合わせた直後にキューンとくるのだが、少し待ってアタリがなければ、スーッと竿先を上げて誘う。
コマセの煙幕の中で動く付けエサに反応してイサキが食ってくるというあんばいだ。
佐衛美丸では、付けエサにバイオワームを用意してくれているが、私はあわよくばマダイもとスケベ根性を出し、上2本のハリにバイオワーム、先バリは持参したオキアミを付けて投入。
仕掛けはハリス1.5~1.7号3本バリ、コマセカゴはFLサイズ、オモリ60号。付けエサは米粒くらいに切ったバイオベイトが配られる。オキアミは持参
出典:
指示ダナまで誘い上げるとすぐにキューンときた。
数をのばすには追い食いを狙うことが大事。
軽く合わせを入れ、掛かったイサキが暴れると、それがいい誘いとなる。
2度目のアタリがきたところで巻き上げ開始。
思惑どおりイサキをトリプルで取り込む。
こんな調子で空振りなしで釣り続けていると、ギューンとこれまでにない強い引き込みがきた。
慎重に手で巻き上げ無事取り込んだのは、後検寸35㎝で体高のあるでっぷりとしたイサキと、塩焼きにするとおいしいタカベ。
指示されたタナに仕掛けを正確に合わせることが大切
出典:
気をよくしてそれからも釣り続けていたのだが、1尾目が掛かって追い食いを狙っていたらガッツーン。
バチッと瞬時に1.75号のハリスが切られた。
しまった。
ドラグを締め過ぎていた・・・と後悔しても後の祭り。
おそらく初めに掛かった小型のイサキに何かがウバ食いしたのだろう。
最後に早朝良型が釣れたポイントに再び移動。
ポツリポツリと30㎝級が釣れて、11時半の沖揚がりを迎えた。
私の釣果は25~35㎝級のイサキが30尾、タカベ3尾、メジナ1尾。
ほとんどの方が規定数の50尾に達していたようだ。
今シーズンの南房イサキは絶好調。
皆さんも出かけてみてはいかがだろう。
追い食いを狙って数をのばした市川さん
出典:
知っ得!背ビレのトゲにご用心
釣った魚をおいしくいただく下処理として血抜きがおすすめ。
イサキのエラブタにハサミを差し込み、パチンとエラの付け根を切り、海水を張ったバケツに入れて血が出てくればOK。
血が抜けた魚はすみやかに水氷を張ったクーラーにしまおう。
イサキは背ビレに硬いトゲがあり、素手でつかむとケガをするおそれがある。
血抜きの作業はフィッシンググローブや軍手をはめて行おう。
イサキ釣りはグローブや軍手に加え、魚つかみがあると便利
出典:
Tackle Guide
イサキ仕掛けのハリスは1.5~2号が目安。
魚の活性が高いときは、さばきやすいハリス2号で手際よく釣り、食い渋ったときは、1.5号と号数を落とすのがおすすめ。
市販仕掛けのハリはムツバリとチヌバリがあるが、付けエサにオキアミを使うなら、オキアミを付けやすいチヌバリを選ぼう。
当日のイサキ仕掛け
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隔週刊つり情報(2021年5月15日号)※無断複製・転載禁止