オキナヒメジの特徴・見分け方 | 写真から探せる魚図鑑
オキナヒメジの図鑑ページです。オキナヒメジの特徴がわかりやすい写真を掲載!オキナヒメジの特徴、生息場所や釣り方、オキナヒメジの美味しい食べ方など、オキナヒメジについて詳しく解説しています。
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ある年の7月半ば、和歌山県の切目崎沖へひとつテンヤの釣りに出かけたとき、仲間がオキナヒメジ(地元ではメンドリと呼んでいます)を釣りました。
オキナヒメジは、スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属の魚で、南日本の暖かい海に生息しています。
細長く赤い魚体には白いストライプが入っていて、生意気にもアゴの下には立派なヒゲを生やし、見かけが少しケバいため誰も持って帰ろうとしないので、私が頂いて帰りました。
以前にも、オキナヒメジの煮付けを食べたことがあって、その美味しさを知っていたからです。
家に帰ってから煮付け以外に美味しい食べ方はないものだろうかと調べてみたら、刺身や身の表面を炙った焼き霜造りが美味しいとありました。
そこで、半身を煮付けに残りの半身を焼き霜造りにして食べてみました。
焼き霜造りは、オキナヒメジの見かけとは裏腹にその身に上品な甘さを秘めており、特に皮身には旨みが凝縮されていました。
よく冷えた吟醸酒と一緒に、妻と二人でぺろりと平らげたのは良いのですが、翌日の早朝、二人とも激しくお腹を下してしまいました。
朝の一時は二人で交互にトイレに駆け込む始末でした。
そして、僕は熱まで出してしまったのです。
これは、腸炎ビブリオ菌の仕業でした。
腸炎ビブリオ菌とは、主に海水中に生息する好塩菌の一種です。
腸炎ビブリオ菌に汚染された魚介類を生で食べてしまうと、人に感染して腸炎ビブリオ食中毒という感染性胃腸炎を発症します。
今回私が持ち帰ったオキナヒメジの他、シイラなどにも皮膚に腸炎ビブリオ菌を持つ個体がいるようです。
これらの魚の全部の個体が腸炎ビブリオ菌に汚染されているわけではないので、たまたま私たちが食べたオキナヒメジが菌を持っていたということになります。
腸炎ビブリオ食中毒は、サルモネラと並んで発生件数の最も多い食中毒です。
昔から魚を生食する日本では特に多く、ヨーロッパやアメリカではあまり見られませんでしたが、最近は和食ブームもあって外国でも寿司や刺身が食べられるようになり、発生件数が増えているそうです。
症状はひどい下痢や嘔吐、発熱などですが、特に体が弱くなければ命に関わることはなく、2~3日で症状が治まります。
腸炎ビブリオ菌は、海水中では水温が20度を超えると活発に増殖する菌なので、夏場は特に感染者が増えるようです。
これから暖かくなってくる季節なので、釣った魚を食べる際はぜひ気をつけてくださいね。
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