多彩な魚が顔を出す五目釣りは、一度に色んな魚が釣りたい欲張り派におすすめのメニュー。
ひとくちに五目釣りと言っても釣り方は様ざまあるが、今回取材した九十九里飯岡のハナダイ五目は、アミコマセとウイリー仕掛けを使ういわゆるコマセシャクリで、ハナダイやマダイなどタイ類をメインに、根魚や青物など多彩に釣れる人気の乗合船だ。
2月下旬、飯岡港の第3潮丸へ。
ここは周年ハナダイ五目を看板に掲げる老舗船宿で、当地のポイントを熟知した潮田公成船長に近況を聞くと、「最近は飯岡沖の魚礁周りを中心に狙っています。ハナダイは30~35cm級主体で、1~2kgのマダイも交じります。それとカサゴやメバル、ハタなど根魚もよく釣れてますよ」と明るいコメントが返ってきた。
2kg以上のマダイが交じることもある。大物に備えてあらかじめドラグを調節しておこう。
出典:
メバルラッシュ
当日は好天に恵まれ、乗船者18名の盛況ぶりで5時15分に出船。
船はナギの海を南下し、40分ほど走って最初のポイントに到着。
ほどなく協定開始時刻の6時を迎え、「準備ができた人から始めてください。水深は25m、底から5mまで反応があります。ここは魚礁周りで根掛かりしやすいので注意してください」とのアナウンスでスタート。
釣り方は、とくに指示ダナがアナウンスされない場合は底から10mほどシャクリ上げてタナを探るのが基本。
しかし船長が「○~○mに反応があります」などとアナウンスしたときは、指示ダナの範囲を集中して狙う。
開始早々、左ミヨシ2番の川田さんにアタリがきて25cm級のメバルをダブルでキャッチ。
続いて左胴の間の小関さんも同級をダブルで釣る。
魚探に映った反応はメバルの群れのようで、船内あちこちで竿が曲がり、30cmに迫る良型を交えて次つぎにメバルが上がる。
船長によれば、濁った潮が釣り場に差し込む春先はメバルの新群れがどんどん入ってくるそうで、この時期はメバルが主役並みに釣れる日も珍しくないとのこと。
その後はメバルとともにカサゴやホウボウ、ウマヅラ、サバ、アジなどが顔を出し船上が活気づく。
食いが一段落すると船長はすぐに移動をしてくれて、魚礁周りのポイントを転々と探っていく。
「水深35mです。底から10mくらいまでハナダイのような感じの反応が出ています。ここも根が荒いので、根掛かりに注意してください」
この日は、大半の人が竿を手に持ち積極的にシャクリ上げてタナを探っていたが、最初に30cm級のハナダイを釣り上げたのは置き竿釣法の川田さん。
「のんびり海を眺めながら置き竿で釣るのが好きなんですよ」と言う川田さんは、置き竿で電動リールのシャクリ機能を駆使してタナを探るハイテク派。
当日はこの楽らくスタイルで人一倍アタリを出させ、メバルやハナダイ、ホウボウ、カサゴ、ウマヅラなどを釣り上げた。
川田さんの1枚を皮切りに、左胴の間の大崎さんと鈴木さんがハナダイを釣る。
しかし、ここからハナダイ祭りが始まるものと期待したが後が続かない。
「濃い反応が出ていますが、潮が気に入らないのか・・・なかなか口を使ってくれませんね」と船長も首をかしげる。
釣り場は飯岡沖の水深25~35m 。
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(左)良型のダブル。(真ん中)メバルは底から3~4m付近で食ってきた。(右)魚礁周りを釣るときは根掛かりに注意。
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(左)置き竿釣法でヒットを連発していた川田さん。(真ん中)30cm近い大型も。(右)20cm前後がアベレージ。
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(左・真ん中)底から5~10mほど誘い上げてハナダイをキャッチ。(右)いい群れに当たるとウスメバルがバタバタ上がる。
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当日は30~40cm級のホウボウが船内5尾ほど上がった。
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胴つき仕掛けもあり!?
この日は食い渋るハナダイに代わって根魚が絶好調。
メバルがコンスタントに釣れ上がり、時折ウスメバルの群れに当たるとバタバタッと25~30cm級が船内のいたる所で取り込まれる。
右ミヨシのベテラン稲葉さんが胴つき仕掛けでカサゴとウマヅラを一荷で釣り上げた。
同船のハナダイ五目乗合は胴つき仕掛けもOKで、船でもウイリー、胴つき仕掛けともに各種販売。
オモリ別付けタイプのコマセカゴなら両方の仕掛けに対応できる。
稲葉さんは、前半はウイリー仕掛けでタナを広く探りハナダイを狙っていたが、アタリが遠かったため、食いが立っている根魚に的を絞り底付近を攻める作戦にシフトチェンジ。
底ダチを取り直すとき比較的根掛かりしにくい胴つき仕掛けに交換し、ハリにオキアミを付けてメバルやカサゴ、小型のマハタを釣り上げていた。
「うちはオマツリしなければ自由に楽しんでもらってます。一つテンヤの同船もOKですよ」と船長。
コマセ釣りと一つテンヤのタックルを持参して両方楽しむ常連さんも多いとのことで、左胴の間の鈴木さんもその一人。
当日は込み合っていたので一つテンヤは遠慮したそうだが、コマセ釣りの仕掛けに一つテンヤ用に持参した7cmほどの冷凍エビを付け、ヒガンフグやショウサイフグなど、ほかの人が釣っていない魚種をゲットした。
日が高くなってからも根魚の食いは衰えず、沖揚がり間際に左胴の間の小関さんが1.5kgのマハタを釣り上げる。
仕掛けはハリス2号と細かったものの、あらかじめドラグを調節していたのが功を奏したようだ。
11時半に沖揚がり。
当日はハナダイ、メバル、ウスメバル、カサゴ、マハタ、ホウボウ、ヒガンフグ、ショウサイフグ、アジ、ウマヅラ、ササノハベラ、サクラダイなど十目以上で賑やかな釣果を得た。
「潮具合が今ひとつでハナダイの食いが悪かったですね」と船長は残念がったが、当地のハナダイ五目は春がベストシーズン。
温和な潮田船長を慕って通う常連さんは気さくで優しい人ばかりで、慣れていない人がいればサポートしてくれるから初心者も安心。
魚種も釣り方も多彩な潮丸のハナダイ五目を、ぜひ皆さんも楽しんでいただきたい。
(左)1.5kg級のマハタを釣った小関さん。(右)太ったマサバも上がった。
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(左、真ん中)エサに7cm前後の冷凍エビを使い、良型のヒガンフグとショウサイフグを釣った鈴木さん。(右)いい群れに当たるとウスメバルがバタバタ上がる。
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(左、真ん中)当日はメバルととともにカサゴもよく釣れた。40cmオーバーのウマヅラも登場。
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ひじ掛け付きの快適座いす
「潮丸の席に設置された座いすはクッション付きで座り心地が最高なんです。優しい船長の人柄が船の装備にも現れてますよね」とは、置き竿釣法で楽しんでいた常連の川田さんの談。
ポカポカ陽気の下、ホスピタリティ満点の潮丸のハナダイ五目でリフレッシュしましょう!
潮丸は大型船で、釣り座の間隔も広くて快適。
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Tackle Guide
ウイリー仕掛けはハリス2号を基準に、食い渋ったときは1.5号がおすすめ。
しっかりドラグを調節しておけば40cm級のハナダイも上がってくる。
付けエサ用のオキアミは船で販売。
(左上)空バリ併用タイプのウイリー仕掛けは先バリにオキアミなどを付ける。(左下)仕掛けを自作するときは、サンライン「アジーロ船ハリス」など高強度で柔軟性を備えた高性能フロロカーボンハリスがおすすめ。(右)付けエサ用のオキアミ、船宿仕掛けは各種販売。コマセカゴはFLサイズ、オモリ60号。
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