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茨城海域のヒラメ全面解禁年末年始は大判のチャンス

隔週刊つり情報編集部

12月1日、茨城県海域のヒラメ釣りが全面解禁となった。

先行する鹿島、波崎に続いて日立久慈、大洗の各港でもヒラメ乗合がスタート、初日から多くのファンで賑わいを見せた。

解禁初日、日立久慈漁港の宮田丸からの出船では日立沖の水深10~25m前後を横流しで狙い0.5~1kg前後を中心に3kg級の良型も登場。

船中全員がヒラメを釣り上げ、この海域のポテンシャルを十分感じ取れた。

すでに岸寄りの浅場にはイワシの反応もあり、今後は大ビラメへの期待も高まる。

トップシーズンに突入した茨城のヒラメ、チャレンジするなら今!

釣行の写真

▲開始早々に釣れた船中第1号

オモリでアピールするのもあり

当日はゴールド系やチャート系のアピールカラーに目玉やシールが付いオモリを使っている人も多かった。

「カラーのオモリに食い付いてきたヒラメを何度も見たことがあるから、魚を寄せる効果はあるよね」と船長。

釣行の写真

▲濁り潮のときはよく目立つので使いたい

茨城県のヒラメ釣りは例年どおり11月1日より鹿島沖など南部エリアの解禁からスタート。

波崎、鹿島の船宿がヒラメ乗合を出し始めた。

そして、12月1日の茨城県海域全面解禁により日立久慈漁港や大洗からもヒラメ乗合が始まった。

茨城エリアのヒラメの模様を見てみると、一足先に解禁した鹿島、鹿島新港、波崎新港出船では、鹿島沖の水深25~30mの岩礁帯や魚礁周り、波崎沖の水深30~40mの根周りで、0.5~1kg前後が主体ながら、これに3~4kg級が交じってトップが規定数の10枚に達する日も見られ、今後も見通しは明るい。

解禁して間もない日立久慈漁港出船では日立沖の水深10~25m前後の砂地に点在する根周りや堤防周り、大洗出船では大洗沖の水深20m付近の根周りや岩礁帯を狙っている。

いずれも1kg前後を主体に3~5kg級交じりでトップ5枚前後と数もまずまず。

上り調子のまま年末を迎えそうだ。

なお、日立久慈漁港の宮田丸で取材した解禁初日の模様については後ほどレポートする。

釣行の写真

▲岸寄りの浅場で釣り上げた1kg級のヒラメ

釣行の写真

▲初日は5~8枚釣った人が多かった

タックル&仕掛けは定番のヒラメ用でOK

ヒラメ釣りのタックルは右図のとおり。

竿は全長2.5m前後のヒラメ専用竿がおすすめ。

感度に優れた専用竿なら海底の変化やイワシが暴れる様子が分かりやすい。

ほかに全長2m前後でオモリ80号対応のライトゲームロッドでもいい。

リールはPE2~3号の道糸を巻いた小型両軸もしくは小型電動。

大型が掛かったときのためにドラグ調整をしておくこと。

片手で強く引っ張ったときに滑り出すくらいが目安となる。

仕掛けはハリス6号80cm前後。

捨て糸は4号40~50cm前後だが、潮が濁っているときはヒラメがエサを見つけやすくするため20cmまで短くするのもありだ。

ハリは親バリと孫バリがあり、孫バリはシングルフックとトリプルフックの2種類。

船長がビギナーにおすすめする孫バリはトリプルフック。

「トリプルはシングルに比べてハリ数が多いから掛かりやすい。スレで掛かることもけっこうあります」と船長。

エサのイワシは生きがいいほどヒラメの食いがいいとされ、ウロコの取れたイワシは弱りが早く、アピール度も低くなる。

そのためエサ付けは手早く行うことが大切だ。

ハリの刺し方は、親バリは口掛けと鼻掛け、孫バリは背掛けと尻掛けとそれぞれ2通りあるが、宮田丸では素早くエサ付けしやすい付け方として親バリを口掛け、孫バリは背掛けをすすめている。

エサ付けは腹側から手のひらで包むようにして握るとイワシが暴れにくくなり、ハリを刺しやすくなる。

「慣れないとイワシを強く握りすぎたり、滑り落としてしてウロコがはがれてしまうから、慣れない人は自分が付けやすいほうで構わないよ。それから孫バリは浅く刺し抜いてね。深く刺しすぎると弱っちゃうから」と船長。

釣行の写真

▲1.5kg級であれば1枚でヒラメづくしが楽しめる

状況に合わせたタナ取りをアタっても早合わせは厳禁

横流しであれ、エンジン流しであれ、通常は50~100cmほどオモリを底から離し、こまめに底ダチを取りながら釣るのが基本となる。

大型のヒット率を上げるのによく言われるのが、高いタナで大ビラメが食うというもの。

船長も海底からオモリを2~3m上げて待つのは有効だという。

目の前にいるエサしか狙わない小型と違い、大型は体力もあり泳力も優れているので離れていてもエサを見付ければ追いかけてくるらしい。

ただし、これは潮が澄んでいるときの話で、潮が濁っているときはエサを見付けにくいため、船の揺れでオモリが底をトントンとたたく低いタナのほうがいい。

生きエサを泳がせて狙うヒラメ釣りはなんといってもアタリがきてから合わせるまでの駆け引きがだいご味だ。

エサを飲み込むのをじっと待ち、タイミングよく合わせが決まり、竿が弧を描いた瞬間がたまらない。

基本的にはヒラメ釣りのセオリーどおり、アタリがあったら道糸のテンションを一定に保ちながら強い引き込みを待ち、さらにエサを完全に飲み込ませるつもりでひときわ大きな引き込みまでじっくり待つ。

ただし、いきなり強く引き込んだら大型の可能性が高い。

一発でイワシを丸飲みにすることが多いからだ。

この場合は次の大きな引き込みを待たずに合わせてもいい。

合わせは聞き上げて竿に乗せるような感じで行う。

ヒラメはエサを飲み込んだら底に戻ろうとするので、反転したときの力を利用する。

竿を振り上げる、引っ掛けるような力任せの合わせはスッポ抜けやバラシの原因になる。

ヤリトリは竿を一定の角度に保ち、ゆっくり巻き上げてくるのが一般的。

ヒラメが突っ込んだらドラグを効かせて竿の弾力に任せて耐え、動きが止まったらリールのハンドルを巻く。

途中で何度か突っ込むときはその都度ドラグを効かせてじっと耐える。

これを繰り返して海面まで浮かせる。

型より数の日立沖開幕堤防攻めでヒラメ連発!

12月1日、茨城県海域のヒラメが全面解禁となった初日に日立久慈漁港の宮田丸を訪れた。

5時15分に集合し、宮田伊佐央船長にあいさつすると、「例年どおり港近くの岸寄りから始めていきます。潮が濁ってイワシが接岸しているから大型が釣れるといいんだけど」

当日の乗船者は13名、各座席には12~15cmほどのエサのマイワシが用意されている。

5時半になると無線から「ヒラメ釣りの船は出船してください」と連絡があり出船となる。

10分でポイントに到着し、「水深10m。オモリは80号です。準備ができたら始めてください」とのアナウンス。

消波ブロック付近を横流しで探っていくとバシャバシャと海面で何かが跳ねる音が聞こえてくる。

暗くて分からなかったが、空が白み始めると無数のイワシの群れがフィッシュイーターに追われているのが見えた。

次の瞬間、左舷のトモ3番、胴の間、ミヨシ2番で次つぎヒット。

上がってきたのはマトウダイ、良型のカサゴ、そしてイナダ。

その後は船中のあちこちでイナダが上がった。

青物の回遊が落ち着いたところで左胴の間の今泉さんが0.8kgのヒラメをキャッチ。

「初ヒラメうれしいです。暗かったのでエサのイワシを見つけやすくするため、イワシを底スレスレに泳がせるイメージで捨て糸は20cm。底ベッタリを狙いました」と今泉さん。

その後、右トモで1kg級のヒラメを取り込むと移動となる。

「例年ならここで3~4kgが上がるんだけど、まだイワシに着いてないみたいだね」と船長。

釣行の写真

▲日の出と同時に釣れたうれしい初ヒラメ

タナで明暗が分かれる

次のポイントは水深18m。

底は砂地で根が点在しているが根掛かりはほとんどない。

東の空が赤く染まるころ、潮先となる右舷が盛り上がりを見せる。

胴の間で0.8kg、ミヨシとトモでもほぼ同時にアタリがきて1kg前後のヒラメをキャッチ。

その後、船内のあちこちでアタリがあり、このポイントでほとんどの人がヒラメを釣り上げることができた。

次のポイントは堤防周りの水深25m前後。

底に捨て石があるので根掛かりに注意だ。

8時半、残り二人のうち右ミヨシがヒラメをキャッチすると最後の一人、右トモ3番も1kg級のヒラメを釣り上げて全員安打達成。

その後も船内ではアタリが頻繁に訪れるものの0.5~1kg前後が中心。

次第に良型への期待が高まる。

ほぼ全員が底トントンで狙っている中、タナを高くしていた右舷トモ2番の益子さんにアタリ。

ガガガッと食い込みを待つ間もなく竿先が海面へ向かって持っていかれたのでそのまま竿を立てる。

慎重にヤリトリして上がってきたのは当日最大3.2kgのヒラメ。

「底から3mで待っていたら、突然竿先が海面に突っ込んだので良型かなと思いました。サイズアップできてよかったです」と益子さん。

終盤になるとラッシュに突入し、船中のあちこちで0.5~1kg級のヒラメが取り込まれる。

中でも数をのばしたのは右ミヨシ2番の小又さん、右胴の間の今泉さん、左ミヨシ2番の小田部さんで10枚ずつキャッチ。

多めに用意したエサもなくなったところで12時の沖揚がり。

終わってみればほとんどの人が5~8枚のヒラメを釣り上げ、4~5kgの大型こそ出なかったものの、例年にないくらい数が釣れた開幕となった。

船宿INFORMATION

茨城県日立久慈漁港

宮田丸

0294・25・5560

▼備考=予約乗合、5時15分集合。

無料駐車場あり

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