オモリで底を確認しながら釣るとなぜか安心する。
そしてなんだかんだ言って、アタリが多いと楽しい。
この2点だけでも、メバル・カサゴをおすすめする理由は十分だ。
日々温かくなる海の上で、の~んびりと魚信を楽しもう。
故郷・広島では港で小さなメバルしか釣ったことがなかった成瀬樹里さん。1尾目が28㎝で驚き!
出典:
ここで言う「東京湾奥」は富津岬と金沢八景を結んだ線の北側のエリア。
釣り場は岸沿いの建造物や自然の根周りで、ポイントの水深は10~20m台。
また、ここで言う「メバル・カサゴ釣り」は、主に生きたモエビをエサにして狙う「エビメバル」。
今は業者から購入しているケースがほとんどだが、ルーツは普段からメバルが捕食しているエビを河口や船着き場で採って使う、地産地消の釣り。
現在もエビメバルで出船している船宿や港は、いずれも昔からメバル釣りが親しまれてきた地域=街にあり、電車やバスで釣行できる。
東京湾奥 メバル・カサゴ船MAP
メバル・カサゴは竿で釣る?見落としがちな道糸とハリス交換
竿は船釣り用メバル専用竿のほか、いわゆるゲームロッドでもいい。
ただ、迷った際には次の点に留意してみよう。
Q長い竿と短い竿どっち?
3m以内であれば、長いほうがおすすめ。
メバル釣りは仕掛けが安定しているほうが食いがよいため、船の揺れを吸収し、かつ、竿の操作だけで底の凸凹をかわせる長めの竿が有利。
Q硬い竿と軟らかい竿ならどっち?
オモリ20号を背負わせてグニャリと曲がらない範囲(たとえばMとML)であれば、軟らかめがいい。
これは長さと同じく、仕掛けを安定させ、魚に食い込ませるため。
また、細かなアタリに合わせなくていいので軟らかいことによるデメリットは少ない。
Qスピニングでもいい?
たとえばキス竿でもOK。
ただし、短くやや先調子になるため、波の揺れをかわしにくく、食い込ませる際もやや送り気味にするなどの工夫が必要になる。
底ダチの取り直しもやや面倒だが、キャストしやすい点が建造物の際狙いなどで利点になることも。
◇
また、意外と見落としがちなのが道糸。
細すぎると根掛かりするたびに高切れしてしまうが、太いと思いのほか流されてオマツリの原因になる。
目安としてはPE0.8~1.5号。
太くても2号以内にしておきたいところだ。
仕掛けは胴つき2~3本バリで、ハリス1.5号前後と、沖釣りの中では細いのが特徴。
ハリも強度より軽さを優先した軸細。
この釣りのキモはエサを自然に漂わせることなので、ハリスがヨレたり縮れたら即、交換。
そのために替えバリ(ハリス付き)は必ず携行。
細いハリスを結び直すのはなかなか大変だけど、その手間が魚信を呼ぶと信じて、頑張ろう。
なお、竿が2m以内の人や、扱いに慣れていない人は2本バリ仕掛けがおすすめ。
ただ、メバルは浮いていることも多いので、タナを探ることができ、チャンスが多いのは3本バリ仕掛け。
そのためにも、竿はやや長めが扱いやすい。
(上)仕掛けのさばきやすさ、安定した誘いなど2.4~3mの竿の利点は多い(下)底をこまめに取り直すのは忙しくなるが、スピニング仕様のキス竿でもいい
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東京湾奥 メバル・カサゴタックル
メバルの長所を逆手に取るにはエサ付けと交換が必須、のわけ
メバルは視力に優れる、と言われるが、魚類学者に聞いたところ、実際、目はたいへんよく、間違いなくハリスも見えているそうだ。
そのメバルをエサに食い付かせるには、ハリスなどに違和感を抱きつつも「食い付かずにいられなくする」ことが必要。
それが生きエサの動きや、姿、形。
つまり、メバルは目がいいからこそ、あんなに小さなモエビの脚のモシャモシャした動きや、透明感のある頭部が見えて、捕食スイッチが入ってしまう、というわけ。
そう、生きたモエビは、生きているからこそ、メバルに食い付かせずにいられなくする。
視力という相手のストロングポイントを逆手に取る作戦で、まさに魚と人間の騙し合いだ。
繰り返しになるが、モエビは生きているほど効果的で、妙な姿勢になってはいけない。
もし、白く変色して、丸まってクルクルと回転していたら、まずメバルは食い付かない。
それだけに、エサ付けと、こまめなエサの交換が、この釣り最大のコツとなる。
メバルはバケやルアーでも釣れるが、それこそシルエットと動きがメバルに効くため。
逆に言えば、動きや形の悪いバケやルアーは、まず釣れない。
時短モードで手返しUP!
(左上)尾羽根を切らずにそのままチョン掛け(右上)ゴリは口先にチョン掛け(左下)基本は背に抜く方法。エビが動かなくなったり、白く変色したら交換
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(上)下が冷凍キビナゴ。釣れてくるカサゴが明らかに大きかった。アタリがきても、いつも以上に待つのがコツとか(下)キビナゴやカツオのハラモで大型を狙ってみたぞ
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根魚のすみかを見つけたら止めてじっと待つ戦略
釣り方は動より静。オモリを底に着けて、あるいは離して、じっと待つ。
注意点としては、「激しい動きは避けること」
最近ではカワハギ釣り経験者が増えているためか、底をコンコンコンコンコンと、早いテンポで激しく小づく人を見かけるが、これはメバル、カサゴを警戒させるだけ。
彼らのテリトリーにオモリの雨を降らせる攻撃みたいなものだ。
くれぐれも底ダチを取り直したり、誘う際は「怪しいモノではありません」といった雰囲気を醸すため、そ~っと動かす。
竿を上下させる速度は毎秒10㎝ほどが目安でいいはずだ。
狙い方は大きく分けて2つ。
オモリで底をていねいに探って根の起伏の大きさをイメージできると、とたんに釣れるようになる
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(左)根魚アパート?といった感じの小さめの根でもカサゴがたくさん着いていることがある(右)ピンポイント狙いのときは船を細かく姿勢修正。船が動いている間は底ダチを取り直さず、ジッと待つ
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メバル・カサゴの釣り方はシンプル
①根がない(根掛かりしない)とき
いわゆるバースなど、建造物周りに多いシチュエーションで、魚たちが付近の壁など、やや宙層に着いていることもある。
このときはオモリを底に着け、道糸を張らず、たるませずの状態で1分ほど待つ。
アタリがなければゆーっくりと1mほど上げて10秒ほどストップさせてから、ゆーっくりと下ろし直す。
②根がある(根掛かりしやすい)とき
オモリを着底させたとき、カチンとかガリッと硬質な感触が伝わってきたら根掛かり注意。
そっとオモリを底から離す。
オモリを底からどれぐらい離すかは根の凹凸によるのだが、20㎝から50㎝ほどが目安となる。
大切なのは、オモリを宙に浮かせた状態で安定させること。
フワフワと上下させたり、頻繁に素早い動作で底ダチを取り直すのは前記のとおり逆効果だ。
オモリを上下させるとき、ていねいに、そっと動かすのがコツ。激しい動きはメバルに嫌われる
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良型アジが結構交じる。逆に、ライトアジでも良型メバルがよく交じるそうだ
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アタリがきたら・・・
アタリは竿先にククク・・・と小さく現れることもあるが、ほとんどの場合、竿を止めて仕掛けを安定させているうちにグググッ!と明確に出て、そこで気付く。
ここで慌てて合わせず、しっかり引き込むまで待つ。
魚の動きでハリ掛かりを促す「向こう合わせ」で、引き込まれたら根に潜られないよう竿をゆっくり持ち上げて、そのしなりと手応えを味わいながらリールを巻き始めればいい。
興味がある人はぜひ!バチコンでメバル
徐々に人気が上昇しているアジ釣りの「バチコン」は、ワーム仕掛けで胴つき1本バリである。
ワーム仕掛けのアジ対策と完全に同一規格で、メバル・カサゴ船でもメバルが獲れるため、ぜひ紹介したい。
推奨はスピニングタックルで、キスや一つテンヤ用の竿で大丈夫。
根がそこまで激しくない場所では、軽く投げて斜め前方からリトリーブ。
図にある通りがイメージです。
「これはキス釣りと同じだ!」と感じる方は頭がよいでしょう。
そう、キス釣りに自信のある人であれば、すぐに要領がつかめるでしょう(根が激しいところでは船下を狙い、底か中層で静止させ待つ)。
リーダーの長さ、ハリスの長さは、今回釣れた一例を参考に。
ワームはアジング用でも、メバル用でも大丈夫。
日中の場合、ケイムラなどの透明な自然色が基本になると思いますが、グローやイエローなどのアピールカラーと交互に試すのがおすすめです。
バチコンタックル
(上)ワームはケイムラ系のクリア(ラメ入りなど)、小魚を模したナチュラルカラーのほか、グリーン、イエロー、ピンクなどアピール系もアリ!(下)日中でもヤル気のあるメバルはアタってくる。場所によっては1~2m上げて止めておくのも一手
出典:
樹里メモ・初めてのカサゴ五目釣りへ
船長の優しいレクチャーを受けていざ出発!
エサは上にエビ、下にゴリを付けて挑戦です。
オモリが底に着いたら待つ。
一度ゆっくり上げて、また底に着いたら待つ。
誘いはあまり入れずに5回くらい繰り返していると・・・ツンツン!ってアタリがきて、クンクンッて感じの引きがきましたっ!
割とでかいっ!
というか意外と引くっ!
バレるかもしれないから顔には出さずに心の中でるんるんしながらゆっくり上げたら28㎝のメバル!
釣りをしながら考えたのは晩ご飯のこと。
メバルは煮つけ、カサゴは空揚げ、お刺身も・・・
この日はコンスタントにアタリがあって、天気も午後からポカポカ。
カサゴ・メバル釣りを一日楽しめました。
また行きたいっ!
カサゴ五目、魅力ありです!
当日の模様はYouTubeつり情報チャンネル「成瀬樹里の沖釣りぶち楽しいわぁ♪」にてお届けします。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!
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隔週刊つり情報(※2021年3月1日号)※無断複製・転載禁止