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茨城県日立沖の一つテンヤは大ダイ+多彩なゲストが魅力

隔週刊つり情報編集部

茨城のマダイ釣りといえばなんといっても一つテンヤ。

取材した日立沖ではこの春は水温が高いこともあり、水深25~30mと比較的浅いポイントで釣れている。

本命のマダイは1kg前後が主体だが、時折2~3kgの良型も交じってくるから侮れない。

取材日も最大3.2kgを筆頭に2.2kg、2.6kgのマダイが上がった。

仮にマダイの食いが悪くてもクロソイ、アイナメ、ムラソイ、メバルやカサゴなど多彩なゲストが交じってくるのでアタリは多く、初心者でも気軽に楽しめる魅力的なエリアだ。

釣行の写真

一つテンヤマダイは日立沖の定番ターゲット

エサのシルエットも重要?

取材日に3.2kgと2.2kgの良型2枚をそろえた常連の海老澤一人さん(高根沢町)にコツを尋ねてみたところ「このところマダイはエサのシルエットを気にするのではないか?先週もそうだった」と教えてくれた。

シルエット?と聞き返すと、大きいエサには反応が悪いそうだ。

海老澤さんは小ぶりの冷凍エビを選び、さらにテンヤもタングステン5号と小サイズを使い、良型交じりでマダイ9枚を釣り上げ竿頭になった。

小さいエサに食いがいいとは、従来から言われるビッグベイト・ビッグフィッシュの逆をいくセオリーで興味深く感じた。

今の時期、日立沖には宙層に小型イワシが回遊しているせいで、そのイワシに近いシルエットに興味を示しているのかもしれない。

エサの写真

海老澤さんのエサ付け

日立沖の一つテンヤ概要

茨城県日立久慈漁港出船でのマダイポイントは、港前の久慈沖を中心に北の会瀬方面、南の那珂湊方面と広範囲に渡る。ツブ根や岩礁地帯が点在し、変化に富んだ海底が続くため、多彩な魚種が顔を見せるのが特徴だ。

とくにクロソイ、アイナメ、ムラソイといった北の海域の魚も多く見られるのは日立沖の魅力の一つだろう。

例年なら春先は40~50mの水深を狙うことが多いが、今年の冬はあまり水温が下がらず、取材時の3月下旬には水深25~30mと浅い場所で釣れ始めている。

ゴールデンウイークごろにはさらに水温も上がり、釣りやすい20~25mの水深で楽しめそうだ。

釣行の写真

クロソイは日立沖ならでは

春はタイラバもおすすめ

テンヤは6号と8号を潮の速さや水深によって使い分けるのが基本だが、その重さにあまり固執する必要はない。

底ダチが取れるなら4号や3号と軽くしてもよいし、逆に底ダチが取りにくいなら10号を使ってもよい。

底ダチが取れる重さ、ということを前提にしてなるべく軽いテンヤを使うのがいいだろう。

テンヤの色はオレンジ、赤金、夜光などが定番だが、潮によってはグリーンのテンヤにアタリが多いこともあるので、定番の色で食いが悪いときに試してみるといいだろう。

タックルは他地区と同じく、全長2m前後の一つテンヤ専用ロッドに小型スピニングリールを使い、道糸はPE0.8号を巻いておく。

先糸にフロロカーボンの3号を3mほど結べばよい。

この釣りで大切なのはドラグ調整で、道糸を指で持って引っ張り、ジリジリと糸が出ていくように調整しておく。

また、タイラバもとくに春の時期は効果的なことがある。

マダイが高めに浮いているときは、スピーディーに広いレンジを探れるタイラバに良型マダイが食うことも珍しくないという。

大さん弘漁丸では一つテンヤタックルとタイラバタックルの両方を持ち込む二刀流釣り師の姿も見られる。

タイラバヘッドは60~80gを使い、隣の人とオマツリしないように重さを調整しよう。

春は高めのタナを意識

一つテンヤの釣り方はいたってシンプルだ。

ひとことでいえば、底に着いたらタナを切ってときおり誘いを入れつつアタリを待つだけだ。

図1をベースに春シーズンの日立沖の釣り方を詳しく説明する。

まず、着底したらなるべく早く底を切るようにする。

海底はそれほどきつい根ではないので、テンヤを引きずらなければ引っ掛かることは少ない。

それでも着底後に放っておくと船でテンヤが引っ張られて根掛かりの原因になる。

底を切ったら、指示ダナに合わせる。

海底から2m前後のことが多いが、春先は浮いた反応が見られることがしばしばある。

反応が浮いているときは底から5mなど高い指示ダナになることもある。

船長のアナウンスを聞き逃さないようにしよう。

タナに合わせたら、そのまま動かさずに待っていてもアタリはあるが、より積極的に広いタナを探るようにするとアタリが増えることがある。

タナに合わせた位置から、竿をゆっくりと頭上まで持ち上げる。

これによりテンヤはタナから2mくらい浮くことになり、そこの位置で数秒静止させてエサを魚に見せるようにする。

浮いているマダイに高い位置でエサをアピールするためだ。

その後、ゆっくりと竿を下げて、最初のタナに戻す。

これはマダイに効果的な落とし込みの誘いになる。

秋シーズンは底スレスレを狙ってマダイを食わせることもあるのでタナの取り直しは頻繁に行うが、春シーズンはそれほどタナを取り直す必要はないと思う。

仕掛けが吹き上げられて、高いタナに入ったことで浮いたマダイが食ってくることがよくあるので、タナの取り直しは20~30秒おきと長めのインターバルにするのが筆者の春マダイの釣り方だ。

潮がほどよく流れているときは、タナの取り直しはせずに同じタナで誘いを入れながら釣ることもあるほどだ。

釣行の写真

今の時期は高めのタナも意識して誘っていこう

アタリと合わせ3パターン

アタリの出方は大きく分けて三つある。

一つは、竿先をいきなり持っていく派手なアタリだ。

これは魚が下に向かっているので、竿先を引っ張り返すような感じで合わせればハリ掛かりする。

最もハリ掛かりしやすいアタリといえる。

二つ目は竿先からテンションが抜ける食い上げのアタリだ。

これは一瞬道糸のたるみができるので、それをカバーするために大きい動作で合わせる必要がある。

また、魚がこちらを向いているので強く合わせてハリを口に貫通させるように心がける。

三つ目は竿先に小さく不規則なアタリが出るケースで、これは魚がエサを食べて泳いだときのアタリと考えられる。

そのままだとテンヤを吐き出してしまうことがあるため、鋭く合わせを入れてハリを口に掛けるようにする。

ハリ掛かりしたマダイは断続的に強い引きを見せるが、この瞬間こそが一つテンヤマダイで一番楽しいときだろう。

ドラグが滑って糸が引き出される場合はそのまま魚が止まるまで耐え、魚が止まったところで浮かせに入る。

あとは竿の弾力とドラグを利用して竿を一定の角度に保ったままリールを巻き続ける。

小型マダイはゴボウ抜きにしてもいいが、kg級であればタモを使おう。

釣行の写真

500~800g級が主体

多彩なゲストも日立沖の特徴

この釣りは、船を流しながら広い範囲を探る釣り方だ。

船長は潮の流れや風によって最適な流し方を選ぶ。

潮がほどよく流れ風も穏やかな場合はパラシュートアンカーを入れて流す。

潮の流れが弱かったり、向きが悪いあるいは二枚潮になっているときなどは、船を微速に入れながら糸を立てて流す。

ときには船を風にうたせ、ヒラメ釣りのように流すこともある。

海底変化に富んだ日立沖では、様ざまな魚が釣れる。

船は根周りを流したり、岩盤あるいは砂地の上を通ったり、浅場では海草の中を流したりと刻々と海底の状況は変わるが、そこに住む魚種も変わってくる。

日立沖の海中のイメージを図2に表した。

タナによっても釣れる魚が変わってくる。

底近くを狙う人には根魚が多くアタるし、仕掛けを人より浮かせるとハナダイが増えるなど違いが出る。

また、宙層の小魚反応(ベイト反応)に大ダイが着いていることも珍しくない。

これらを意識しながら色いろなタナを探ってみよう。

冒頭で述べたように、今シーズンは例年より水温が高く、浅い場所でマダイが釣れている。

20~25mの水深は底ダチも取りやすくアタリも明確だ。

5月の大型連休は産卵を迎えた乗っ込みダイも顔を出してくるころだ。

天気が安定して穏やかな日が続けば、日立沖のマダイ釣りは絶好のチャンスになるだろう。

釣行の写真

今年は例年以上に良型のマダイがよく上がっている

今年の3月は悪天が多い。

取材に行きたくとも足止めを食う日が多く、3月28日のこの取材も前日は大シケ、翌日は大雨予報と綱渡りのような日程だった。

大さん弘漁丸の集合は港の船の前、集合時間になると釣り座の抽選が始まった。

テーブル上の花札を引いて決める独特の方法が面白い。

大型船の大さん弘漁丸の舵を握るのは、大さんこと小泉大輔船長。

そして助手には弟の小泉良平船長が乗り込み、釣り人をフォローする。

船上でおしぼりを配ってくれるのはうれしいサービス。

エサの冷凍エビを溶かしながら出船を待った。

船長が選んだのは港を出て30分ほど北に走ったポイント。

正面には日立市街が広がり、その左手遠くには久慈浜の煙突、右手には高萩の山々が望めるロケーションだ。

「水深は24m、底から2~3mでやってみてください」のアナウンスが出る。

パラシュートアンカーは入れずに、横から風を受けて船はゆっくりと南へと流れている。

水深が浅いのと、潮の流れがそれほど速くないのでテンヤは6号で十分に底ダチが取れる。

開始して道具を落とした途端に左舷ミヨシが竿を曲げた。

抜き上げたのはアイナメ。

以前は飯岡や鹿島でアイナメ専門乗合も出ていたが、近年はめっきりと数が減ってしまった。

この日はアイナメに限らずムラソイ、クロソイといった日立沖ならではの魚も顔を見せた。

マダイのほうだが、前日のシケの悪影響がないかと心配していたが、それは杞憂で500~800gのマダイがコンスタントに釣り上げられる。

水温が安定しない春先だが、今年は高い水温で推移してきたのがマダイにとってはいい結果になっているのかもしれない。

気温は低く、防寒着を着込んでも震えるような陽気だったが、海の中はすでに春なのだろう。

釣行の写真

アイナメもちょくちょく釣れる

釣行の写真

メバルは良型が多い

高めのタナで良型

何度かの流し変えをした後、良平船長がミヨシに差してあるタモを取りにやってきた。

だれか大きい魚を掛けたかな?と見に行くと左の大ドモで竿が曲がっている。

糸が前に走り、なかなか寄ってこない。

これはマダイだったら良型は確実だろう。

魚はデカそうだが、釣り人も経験豊富で余裕のヤリトリを見せる。

ユラユラ揺れながら浮いてきた白い影はすぐにマダイと分かった。

タモに収まったのは3.2kgの良型だった。

釣り上げた常連の海老澤さんにタナを聞くと、かなり上げていて「5mより上で食ってきた」そうだ。

高めのタナでアタリが多かったため、徐々にタナを上げていって大型のヒットに結びついたという。

海老澤さんはその後も2.2kgを追加して凄腕を見せつけた。

遅れて竿を出した私にも底から3mのタナでモゾッとしたアタリ。

すかさず合わせるとハリ掛かりし、小気味よい引きが伝わる。

ドラグから糸が出るほどではないが、竿をガンガンたたく引きを楽しみながら600gのマダイを抜き上げた。

それにしても魚にメリハリのある釣れ具合だ。

マダイが続けて数人に食ったと思えば、メバルタイムがあり、カサゴタイムがあり、ハナダイタイムあり、釣れる魚で海底や魚群の状態を想像するのもまた楽しい。

そうこうしているうちに右のトモでタモが入った。

これは2.6kgの見事なマダイ。

前半一つテンヤ、後半タイラバと釣り方を変えていた人で、タイラバに食ってきたそうだ。

やがて沖揚がりとなり、トップはマダイ9枚。

2kgオーバーも3枚上がって、日立沖の魚影の濃さを伺えた一日だった。

しかし好調なのは取材日だけではなかった。

翌日は大雨、翌々日の30日は3.8kg含みで2kgオーバー33枚、シケを挟んで4月2日は3kg頭に2kgオーバー6枚と、シケも雨もなんのそのという勢いで、良型交じりで安定して釣れている。

これはゴールデンウイークごろがますます楽しみだ。

浅場に乗っ込む5kgオーバーの大ダイを期待して出かけたい。

釣行の写真

春は大ダイも上がりやすい。当日最大は3.2kg

釣行の写真

2.6kgはタイラバで釣れた

船宿information

茨城県日立久慈漁港 大さん弘漁丸

0294・52・3504

▼備考=予約乗合、5時集合。釣り座は出船前に抽選。貸し道具、仕掛販売あり

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