今や関東でもアオリイカの主力釣法となったティップランエギング。
三浦半島東部の剣崎沖では9月下旬よりいち早く乗合船がスタート。
取材した三浦半島剣崎間口港の喜平治丸では剣崎沖の水深15~25m前後を狙い、300~800g級をトップ10杯前後とまずまずの釣果を上げている。
シーズン初期は水深も浅く、育ち盛りのアオリイカが餌木へ好反応を示す好期。
中小型が多いものの、アタリは多く数が釣れるのでティップラン入門にも最適。
今号発売の11月にはそのほかのエリアも開幕、アオリイカのシーズンも佳境を迎える。
チャレンジするなら今がおすすめだ。
 
  ![釣行の写真]()
  ▲こまめに餌木のカラーを替えて釣り上げた
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  ▲掛け損ねたあとすぐにステイさせて乗せた
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中村さんのティップランエギング用タックル&餌木
中村さんのタックルは、竿はバットパワーがありながらも穂先は繊細で聞き誘い釣りに最適な「ラグゼEGTR X S65M+-solid」。
リールは餌木の回収が楽に行えるハイギアタイプの3000番のダブルハンドル仕様。
道糸はサンラインの「ソルティメイト アメイザー×8」0.6号にリーダーが「ソルティメイト エギリーダーBS」2.5号2m。
餌木はヤマシタの「エギ王TR」27gで、重さを調節する「エギ王TE シンカー」も必須だ。
 
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  ▲竿はティップラン専用でリールはハイギアタイプが釣りやすい/アメイザー×8は滑らかで投入時に餌木がスムーズに沈む
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  ▲取材日はパープルカラーの餌木への反応がよかった/シンカーは7~40gまでそろえている
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10月15日、イカ釣りの名手、中村勇生さんが三浦半島剣崎間口港の喜平治丸へティップランエギング釣行するというので同行させてもらった。
5時10分から席決めがあるので、それまでに船宿に集合し、乗船名簿を書いて氷を受け取る。
時間になると事前にノートに記入した名前の順に釣り座を決めて受付へ。
その後、船宿の台車に道具などを乗せて船着き場へ向かう。
 
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  ▲目下は500g前後がアベレージ
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連鎖は2連チャン
当日は平日にもかかわらず2隻出しの満船。
鈴木麻毅生船長が舵を握る1号船の左舷トモに中村さんと並んで入る。
6時半に出船し、剣崎松輪港の前のポイントに到着。
「水深18mです。釣り始めはどのくらいの流れがあるか分からないので、15gか20gのシンカーを付けたほうがいいですよ」と船長からのアナウンスで開始。
船は横流しで釣り人は片舷に並ぶため席の優劣はほとんどなく、釣果の差はほぼ腕の差と言っていい。
基本的な釣り方は餌木が海底に着いたら巻きシャクリを5~6回行いステイ。
シャクリの動きでイカに餌木をアピールし、止めたときに抱き付かせるイメージだ。
中村流の釣り方は「聞き誘い釣り」。
ステイのあと竿先を竿一杯まで立てて餌木を引っ張り上げて動かす。
中村さんはこれまでこの釣り方で好釣果を上げ続けている。
開始から10分、トモ3番の泉さんの竿が曲がった。
グイーン、グイーンと独特な引きを見せて上がってきたのは300g級のアオリイカ。
続いて右隣の方も同サイズを釣り上げる。
船長はアタリがあるときはじっくり流すが、反応がなければすぐに移動してくれるのでテンポよく釣りが楽しめる。
松輪港の前から間口港の前の水深15mへ移動し再開すると、すぐに中村さんが1杯目をキャッチ。
「朝イチはケイムラが効きますね。最初の1杯を釣ると安心しますよ」と中村さん。
次の流しでは胴の間の松山さんにヒット。
ティップラン初挑戦のため取り込みをどうしていいか分からず、リーダーをつかんで抜き上げようとしたらボチャン。
初アオリは幻となった。
しかし次の投入で再びヒット。
小型ではあったが船長がタモ入れして今度こそ初物を手にした。
「やったー。帰ったら刺身にして食べます」とうれしそうな松山さん。
同じタイミングで中村さんにもヒット、同サイズをキャッチする。
「だれかがアオリを掛けたら集中したほうがいいです。チャンスですから。ただ今日は澄み潮なので警戒心が強いので、よくて2連チャン、単発がほとんですね」と中村さん。
この釣りは、だれかが1杯釣ると連鎖するように次つぎとヒットすることがしばしばある。
このときは2連チャンで打ち止めだったが、群れが濃く濁り潮でイカの活性が高いときは3連チャン、4連チャンと続くこともあるそうだ。
 
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  ▲だれかが掛けたら連チャンのチャンス
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知っ得!中村流・重さ調整用シンカーの付け方
ヤマシタのティップラン専用餌木「エギ王TR」に「エギ王TR シンカー」をセットする手順を中村さんに教わったのでご紹介。
①ヘッドに調整用シンカーをかぶせる。
この付け方にするとシンカーがガタつかなくなる。
②付属のゴムをアイの後ろに掛ける。
③続いてゴムをシンカーの後ろに掛けて完了
④15gをセットした状態で釣り始めて餌木を引いたときに重いと感じれば10gへ、軽いと感じたら20g、30gと重くしていく。
 
  
Tackle Guide
竿は穂先が繊細でバットパワーのある専用が使いやすい。
ラインはPE0.6号の道糸に2.5号2mのリーダーがベースで、根掛かりが多い場合はPE0.8号にリーダー3号とワンランク太くする。
 
  
イカの活性が上がる
水深20mのポイントへ移動。
再開直後にミヨシ4番でヒット。
竿が大きく曲がり、強い引きからして大きそうだ。
慎重に巻き上げて海面に姿を現したのはなんと良型モンゴウイカ。
船長によると今年はよく交じるらしく、このあと船中2杯釣れた。
10時を過ぎると、「潮変わりのタイミングを狙って移動します」とのアナウンスで水深22mのポイントへ移動。
1投目からトモ3番の泉さんにヒット。
着底と同時に乗ってきたという。
潮が流れてイカの活性も上がってきたようだ。
ここから中村さんの独り舞台。
300~500g級のアオリイカを連発する。
同船者の皆さんも中村さんの釣りが気になって仕方ないようだ。
「聞き誘いでイカのいる層を探っていたのですが、海面下2m付近でステイさせると乗ってきます。おそらく活性の高いイカが底から追いかけているんだと思います」と言いながら合わせを入れてもう1杯追加する。
隣で話を聞いていた泉さんにも待望のアタリ。
キュッと合わせるが空振り。
それを見ていた中村さんは、「餌木は沈めないで。ステイさせるとまたアタるから」とアドバイス。
近くで聞いていた方の視線が和泉さんの竿先に集まる。
5秒後、ティップが動いた。
今度は合わせも決まり、3杯目となる600g級のアオリイカをキャッチ。
「空振りして落とし直すとせっかくやる気のあるイカがいなくなっちゃう。そのままステイさせればチャンスは続きますから」と中村さん。
昼になり再び間口港の前へ戻る。
残り1時間で中村さんはツ抜けを達成し、11杯目を上げたところで13時半の沖揚がり。
釣果は300~800gのアオリイカが一人0~11杯。
1~3杯の人が多かった。
今後の見通しを船長に聞いてみると、「11月に入ってしばらくは数釣りが楽しめると思います。その後、1kg級が交じり出すようになると数から型狙いにシフトしていくでしょう」
潮が濁り新群れが回遊すればまた釣れるようになるとのことなので、剣崎沖のティップランは今後も視界良好だ。
 
  ![釣行の写真]()
  ▲ティップランエギング初挑戦で2杯キャッチ
  出典:
 
  
船宿INFORMATION
三浦半島剣崎間口港
喜平治丸
046・886・1110
▼備考=予約乗合、6時半出船。
シャクリアオリイカ、ヤリイカ、キハダ、ワラサへも出船
 
  
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隔週刊つり情報(2024年11月15号)※無断複製・転載禁止