「今年のキハダは釣れ過ぎですね。西から東、相模湾中どこにでもいますよ」と今シーズン絶好調のキハダの釣況を語ってくれたのは三浦半島葉山あぶずり、長三朗丸の栗飯原有詞船長。
そんな絶好調ぶりを反映するように10月中旬の葉山あぶずり港は多くの釣り人で、まさにごった返すといった表現が相応しい賑わいぶり。
14名のハンターを乗せた三十二号船は6時半に出船。
前回取材時は平塚沖にキハダ船が集結したが、現在は葉山から航程30分ほどの江ノ島沖、3号ブイ周辺の海域が主戦場となっている。
「いいよ、35m」のアナウンスで釣り開始。
マグロ(キハダ)というと釣り方も特別難しいのではと思っている人も多いかと思うが、アタリがくるまでのプロセスは一般的なコマセ釣りとなんら変わりはない。
基本は指示ダナ+ハリス分まで下ろしたところからコマセを数回に分けて振り出しながら指示ダナにセット。
あとはキハダに選ばれることを祈るのみ。
こまめにコマセを打ち替え続ければだれにでもヒットのチャンスはある釣りなのだ。
ちなみに右舷ミヨシ1番、常連の岡田さんにコマセの打ち替えのピッチを伺ったところ「2分」とのこと。
理由は船長がうるさいからと冗談半分で答えるが、それだけコマセの打ち替えとアタリの回数は比例するということだ。
飲まれ切れ、ハリ外れといったバラシは掛かり所による運次第だが、アタリがきても慌てることなくキハダの走りが止まるまで待ち、ヤリトリまで持ち込めれば50%はキャッチできたも同然。
あとは船長、仲乗りさんらのアドバイスどおりにヤリトリすれば念願の1本をゲットできるはずだ。
![釣り場の写真]()
取材した10月中旬時点では江ノ島沖にキハダ船団ができていた
出典:
![ロゴの写真]()
マグロ、カツオにこだわる長三朗丸のロゴ “thon”はフランス語でマグロという意味
出典:
11ヒットでも食いは今イチ !
「周りに出てきたよ」のアナウンスが発せられると、ほどなくして左舷ミヨシ2番の成田さんの竿にヒット。
しかし、ファーストランを交わしたところでテンションが消える。
飲まれ切れだった。
2発目のアタリは右舷大ドモの北川さんに。
しかしこれも残念、ハリ外れ。
「反応、すんごい出てるんですけど」と激熱アナウンス。
「食ったぁっ!」
雄叫び?を上げたのは岡田さん。
ファーストラン、セカンドランを交わしたところで仲乗りとして乗船しているおかみさん(由巳大船長の奥さん)がリングを投入。
巻き上げ態勢に入ると船長が横に着き釣り人をサポート、船長の横には操舵リモコンを持ち船長をサポートするおかみさん。
絶妙の呼吸でキハダの疾走に合わせて船を操舵。
残り数mのところで船長が道糸をつかみ鬼たぐり。
あとはタモ入れのみといった段階だったがサメに……2分の1本となってしまった。
しばしの静寂を破ったのは左舷胴の間の美女アングラー浦瀬さん。
慌てることなく350mまで走らせ、リングを投入。
十分キハダを弱らせてから電動ウインチで高速巻き上げ。
拍手喝采、見事29kgをキャッチした。
「(反応)バリバリだよ。すんごいことになっちゃってるんだけど」との船長アナウンスのとおり浦瀬さんのヒット後は怒涛のメガヒット連発。
時折襲来するカツオが邪魔者扱いされるほど。
左舷ミヨシ1番の成田さんが29kgをキャッチ。
先週60kg級を海面でバラしてしまったという右舷ミヨシ2番の丸山さんは海面で尻尾をかじられたものの28kgをゲット。
先週の半分のサイズだがリベンジ成功に満面の笑み。
沖揚がりまで残りわずか。
ここで意地を見せたのは岡田さん。
ちょっとサメに甘がみされてしまったが、ほぼ完全体で23kgをゲット。
それでも「今日は食いが今イチですね」と船長。
11回のヒットでかじられ含め5本のキャッチでそう言えるのは今年の釣況がいかにいいかという表われだ。
「モンスターもいいですけれど、今のようにレギュラーサイズが数釣れるほうが大勢の人に喜んでもらえるからいいですね」
キハダに憧れる釣り人の夢をかなえてあげたいという船長の想いが感じられるコメントが印象に残った取材であった。
まだ間に合うぞ!
夢のキハダへレッツトライ!!
![釣行の写真]()
浦瀬さんのキハダは29kg
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![釣行の写真]()
丸山さんのキハダは海面で少しサメにかじられてしまったが28kg。2年越し、毎週通って念願のゲット
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![釣行の写真]()
当日は船中11ヒットで5本をキャッチ
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![釣行の写真]()
カツオはうれしいゲストだがキハダ狙いの場合はちょっとした邪魔者に…
出典:
キハダの保管態勢も万全
マグロ、カツオに強いこだわりを持つ長三朗丸は釣った魚の鮮度にもこだわる。
30kgクラスが10本以上余裕で入る保管用のボックスには8分目までの氷が用意され、別に150lの大型クーラー、座席下の収納スペースにも氷が満杯に積載されてる(おそらく300kg以上)。
しっかりと潮氷漬けにされるので体温が高いキハダも内部まで十分に冷やされる。
保管にはキハダ1本につき氷代として1000円の料金が発生するが、1000円分の氷を買ったとしてもキハダを冷やすには足りる量ではないので有料とはいえ良心的なサービスといえよう。
船宿 information
三浦半島葉山あぶずり 長三朗丸
090・5344・1958
▼備考=予約乗合。出船時間は予約時に確認。別船カワハギ乗合も受付
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隔週刊つり情報(2024年11月15号)※無断複製・転載禁止