外房のフグ釣りが好スタートを切った。
9月1日の初日に取材した大原港の春日丸が狙ったのは大原沖の水深15m前後。
暗いうちは小型主体だったが、明るくなってからは重量感たっぷりの30cmオーバーも交じるようになり、トップ65尾の釣れっぷり。
「毎年、解禁日は太東沖の水深30m前後を狙っているんですが、今年はウネリが高いため近場の大原沖を狙いました。小型中心でしたが数が釣れてよかったです」と中井船長。
今後は秋が深まり水温が下がるとともにフグの群れも固まり、大中小交じりで数釣りが期待できるようになるとのこと。
フグ釣り入門にもおすすめの時期なので、この機会にぜひともトライしていただきたい。
![釣行の写真]()
フグは外房大原でヒラメと並ぶ看板ターゲット
出典:
エサはアルゼンチンアカエビとホヤを使用
春日丸ではアルゼンチンアカエビ(1パック700円)とホヤ(1パック1000円)の2種類のエサが購入できる。
「エサにより食いが違うときもあるので、両方のエサを試してそのときに食いがいいほうを使ってみてください。1人当たり2パックは消費するので、アカエビとホヤを2パックずつ用意しておくといいでしょう」と船長。
外房大原のフグ釣り場は、港前の大原沖から北は太東沖、南は岩船沖とポイントは無数にある。
毎年ゴールデンウイーク終了から8月31日までを自主禁漁期間と定めていて、迎えた9月1日が解禁となる。
今年の初日に出船した大原港の第一松栄丸、敷嶋丸、春日丸、利永丸のフグ船はいずれもトップ50尾以上の釣れっぷりを見せた。
サイズは25cm前後を主体に30cmオーバーの良型交じり。
そんな話を聞けば、だれだってフグの腹のように期待を大きく膨らませてしまうに違いないだろう。
取材した春日丸の中井船長は、「毎年解禁日は太東沖の水深30m前後で釣るんですが、今日もその予定でいざ出船してみたら、台風の影響でウネリが高くポイントまで行けなかったため、大原沖の水深15m前後を狙うことにしました。小型中心でしたがトップで65尾釣れたのでよかったです」と好感触を得ていた。
![釣行の写真]()
サイズは25cm前後がメイン
出典:
1.5m前後の短竿が楽 手返し優先なら電動リール
カットウ仕掛けを使った釣りのイメージは図のとおりで、エサバリに付けたエサを食べにきたフグを掛けバリに掛けるというもの。
フグのアタリは小さいので、タックルはそれが分かる高感度の穂先を持ちながら、しっかりと合わせが効く張りのある胴を持つ竿、さらに一日中竿を手にして釣ることから、軽くて操作しやすい短めがおすすめ。
専用竿は9:1~:2の先調子で、オモリ負荷表示25~30号、全長1.5m前後が主流となっている。
専用竿のほかにカワハギ竿で代用することもできるし、当日はテンヤタチウオ竿を使っている方もいた。
目下のところ釣り場の水深は15~30m前後が多いため、リールは小型両軸が基本で、ハイギアタイプなら巻き上げも速い。
手返しがアップするからと、超小型の電動を使う人もいる。
食いが立てば巻き上げ回数が増えるし、良型ぞろいであれば巻くのも一苦労。
電動なら体力的にも楽だ。
道糸はPE2号がオマツリや根掛かりによる高切れのリスクが減るので使いやすいが、感度や潮切れを高めたいなら1.5号でもOK。
その場合は先糸としてフロロカーボン5~6号を1mほど結んでおこう。
仕掛けはオモリ25~30号、2段カットウが主流
仕掛けはオモリ、エサバリ、カットウバリ(掛けバリ)で構成されており、大原ではカットウバリを2つ付けた2段バリが主流。
時には尾の近くに2段目のカットウが掛かってくることもあり取りこぼしが少ないほか、ダブルで釣れることもある。
では1段バリでは釣れないのかというとそんなことはなく、中井船長によると、「入れ食いのときは1本(1段)バリがおすすめです。ハリを外しやすいので手返しがよくなり数がのびます。あとは根掛かりが多い場所で釣るときも1本がいいです」とのこと。
カットウ仕掛けは完成された船宿仕掛けや市販品もあるが、エサバリが一体化したオモリや替えバリといったパーツが単品でも販売されていて、それぞれ組み合わせて自作することもできる。
オモリは25~30号で、船で統一する場合と、状況で使い分ける場合があるので船長に確認したい。
大原のフグ釣りではアオヤギエサを使っていたが、ここ数年品不足で価格が高騰している。
取材した春日丸ではアルゼンチンアカエビとホヤを販売していて、皆さん両方のエサを使っていた。
アルゼンチンアカエビは東京湾で主に使われるエサだが、エビエサのアタリはコツッと単発で出ることが多いので、アタリを見逃すといつの間にかエサが取られてしまっていることが多い。
エサ持ちのよさでいえばホヤがおすすめ。
しっかりした身なのでエサ持ちがよくアタリも明確に出やすい。
なお、エサの付け方は下の写真を参照のこと。
30cmほどシャクって誘いと空合わせを兼用
当日のポイントは大原沖の水深15m前後だったが、例年シーズン初期は太東沖の水深30m前後を狙うという。
どちらのポイントも砂地で根掛かりしないので釣りやすい。
釣り方は仕掛けを投入し、底に着いたら糸フケを取り、糸を張ったままオモリは動かさない。
船の上下動が大きいときは、竿の角度を変えて竿先を動かさないようにして、道糸を張ったまま仕掛けが動かないようキープする。
「オモリを底に着けたままずっとアタリを待つよりも積極的に誘いを入れたほうがいいよ」と船長が言うようにアタリを待ちっぱなしにしないで数秒おきに30cmの幅でシャクリを入れる。
このシャクリ動作が誘いと空合わせを兼ねている。
エサが海底からフワリと浮き上がる動きがフグにアピールすると同時にカットウの近くにフグが寄っていればハリ掛かりさせるための合わせになる。
シャクる間隔は、食いが立っているときは2~3秒ほど、エサが取られないときには5~秒ほどと、食い方に合わせて変える。
シャクる力加減は、フワリと軽く仕掛けを持ち上げる感じで十分。
力一杯シャクると、その勢いでエビエサが外れてしまうこともある。
シャクったあとは、竿をしっかり止め、仕掛けの重さを竿先で感じながらとにかくゆっくり仕掛けを下ろして落とし込み、着底させてアタリがあれば即合わせする。
落とし込みの最中にアタったときは即合わせしても空振りするケースがけっこう多い。
これは仕掛けを下ろしているときはフグよりも上にカットウバリがあるためだ。
アタリがあってもそのまま竿を下げ、エサを追わせて海底までフグを引き連れて仕掛けが着底したら一呼吸置いて合わせるとハリ掛かりしやすくなる。
これも大合わせは避け、30cmほど竿を立てればよい。
引っ掛けようとしたり、大きな合わせをすると、ハリ掛かりしなかったときにせっかく寄ってきたフグがエサを見失ってしまう。
だいたいのフグはエサに再アタックしてくる。
空振りしても、また底までゆっくり落とし込めばエサが残っている限りアタリが続くはずだ。
当たり前のことだがエサの付いていない状態で釣り続けてもアタリはない。
とはいえ慣れないうちはフグにエサを食べ尽くされたことに気づかないことがあるもの。
そこで試してもらいたいのが、エサの付いている仕掛けと付いていない仕掛けを落としてシャクってみること。
エサがあるときにシャクると手応えがあるが、エサがないときはとても軽い。
この違いを覚えておけば海中の仕掛けにエサが残っているかどうかの判別ができるようになるはずだ。
合わせがうまく決まると、グッと竿に重みが加わる。
アタリがなくとも空合わせでシャクった瞬間にグンと手応えが伝わることもある。
いずれの場合も、魚の重みを感じながら一定速度でリールを巻き上げる。
海面にフグの魚体が出たところで、周りに注意してから抜き上げる。
大型の場合はタモ入れを頼もう。
ハリを外すときは指などに刺さないように注意。
フグが暴れた弾みにハリを刺したりすることがある。
慣れないうちは、魚バサミなどでフグをはさんでペンチなどでハリをつかみ、ハリ先を下に向けてフグを落とすようにして抜けば安全だ。
ハリが2つともフグに刺さっているときは、ハリスが短いほうのハリから先に外すとトラブルが少ない。
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30cmを超える良型は釣り味も最高
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初日は平均20~30尾の釣果に恵まれた
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スペシャルゲストのトラフグも交じった
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INFORMATION
外房・大原港 春日丸
0470・62・0606
▼備考=予約乗合、3時40分集合、集まり次第出船
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隔週刊つり情報(2024年10月1号)※無断複製・転載禁止