最近は少なくなってしまったが、東京湾奥にもオモリ130号を使う、いわゆるノーマルスタイルのビシアジで出船する船はある。
その一軒が小柴のはやぶさ丸。
ノーマルビシアジは深場や速潮でも攻められる利点があり、当日も観音崎周辺沖の水深70m前後を狙ったが、速い潮にもかかわらずアタリは頻繁。
25~30cm級を主体にトップ50尾以上の好釣果。
状況は比較的安定しているので、今後も中型主体に数釣りを満喫できるだろう。
釣っても食べてもアジほど飽きない魚はない
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東京湾のアジは周年楽しめる人気のターゲットだ。
釣り方はオモリ40号のビシを使ったライトタックルとオモリ130号のビシを使ったノーマルタックルに大別される(千葉県側はオモリ80号)が、狙う水深の違いはあっても釣り方自体の基本は一緒だ。
東京湾のアジの魅力はその食味にあるが、何よりうれしいのは安定した釣果が続いており「東京湾のアジは期待を裏切らない」という点だろう。
今回お邪魔した小柴のはやぶさ丸も一年を通してアジで出船しており、このところは20~40cmのアジがトップ50~60尾、直近では79尾と絶好調。
しかも20cmに満たないアジは数にカウントしていないとのこと。
そこで1月13日、釣友2人と東京湾のおいしいアジを求めて出かけてきた。
はやぶさ丸は周年ショートアジで出船
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アンドンビシはオモリ130号。仕掛けはハリス2号の2~3本バリ
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うらやましいサバ
出船前に小山船長にこの時期のアジの釣り方の特徴をうかがうと、「この時期は深場を狙うので、コマセは力強くしっかりと振り出すこと。
水温が下がるとアジは活発に動き回らないのでコマセを振った後にゆっくりでもいいから誘いを入れること。
潮が澄む傾向にあるので仕掛けのハリスは2号以下にすること。
とにかく手返しをよくしてほしい」とのアドバイスをいただいた。
当日の乗船者は私を含めて8名と席に余裕があったのでおかみさんも仲乗りの合間に竿を出すらしい。
7時少し前に夫婦船のはやぶさ丸はポイントに向かって出船。
30分ほどして観音崎の北側、水深68mに到着すると、「やってください。タナは底から2mです」と開始の合図が出た。
コマセはビシにギッシリ詰めると出が悪くなるので7~8分目ほど入れて皆さん投入。
しばらくの間はみんなでコマセを振ってアジを寄せるための共同作業だ。
ほどなくして最初に魚信をとらえたのは左舷胴の間のおかみさんだった。
海面にアジを浮かせたら手際よくタモで取り込む一連の動作は無駄がなく「さすが」のひと言だ。
間を置かずに左舷ミヨシ2番の田中さん、左舷ミヨシの佐藤さん、右舷トモの鈴木さんと後に続く。
サイズはどれも25~30cmの中型で実にうまそう。
コマセ効果で船にアジが着いたのでヒット率は上がってきたものの、大潮の下げの時間帯とあって道糸がミヨシ側からトモへ向かって大きく流されるためオマツリによるバラシも見受けられた。
このような場合は仕掛けの投入は真下に下ろすのではなく、両サイドの道糸の入り方を見て、振り子の要領で前方へ投入、落下中も余分な糸フケを出さないようにサミングするのが鉄則だ。
すると「これはなかなかのサイズですよ」と左トモの沓掛さんが釣り上げたのは40cmに迫る良型のアジ。
右舷トモの鈴木さんはダブルを決めた後に「重たい。重たい」と大きく竿をしならせてリーリングを開始。
「これは大アジの3点掛けかしらん」とカメラを構えていると、なんと釣れ上がったのは良型のマサバとアジのダブルで、「いいな~」と船内でうらやむ声が上がる。
今のマサバは脂が乗って極上品なのを皆さんご存じなのだ。
そんな中、ペースが上がらないのは釣友の米光さんで、「みんな海面でバレちゃうのよ」と弱り顔。
「それは恐らくタナが低いからだよ」と私。
タナが合っているとググッと明確なアタリで上アゴに掛かるのでバレは少ないが、タナが低いとモゾモゾとしたアタリで口の横の薄皮に掛かるため巻き上げの際にハリ穴が広がって取り込みの際にバレるケースが増えるのだ。
丸まる太ったサバも釣れた
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知っ得! 速潮時のタナ取り
アジ釣りには正確なタナ取りが欠かせない。
とくに速潮時は投入の際に余分な糸フケが出ないようサミングを行い、底ダチを何度か取り直してなるべく道糸が真っすぐ立ってからタナを取るようにする。
タナを取ったらそのときの道糸の傾きを覚えておいて、それよりも垂直になったらタナが下がった、斜めになったら吹き上がってタナから外れたと判断。
そんなときは再度着底させてタナを取り直すといい。
空振りなしで28投
撮影も順調に進んだことから10時から私も釣りに参加。
着底を確認して3度ほど底ダチを確認したら1m巻き上げたところで最初のコマセをまき、ひと呼吸置いたら50cm巻き上げて再びコマセをまきポーズを入れる。
そして海底から2mまで巻き上げて誘いを入れるとグググッとうれしい魚信。
釣り上げたのは本日のレギュラーサイズである25cmのアジだ。
2投目、3投目と同級のアジを釣り上げて余裕が出たところで4投目は初めのアタリでは巻き上げずに、その位置で誘いを入れ、新たな魚信が加わったところでリーリングを開始。思惑どおりにダブルでアジを抜き上げる。
この調子で空振りなしで釣り続けていたときのこと、これまでにないほどの激しい引き込みが竿を揺さぶった。
慎重に巻き上げを開始したものの竿先が海面にギューンと突っ込み、2度目の突っ込みの際にプツンとハリスを切られてしまった。
おそらくマダイの仕業と思われるが、ドラグを締めすぎていたのが災いしてしまった。
しかし、その後もアジは順調に釣れ続き、11時を回ったころには潮も緩んできて釣りやすくなってきた。
タナも潮の速いときは底から1.5mだったが、潮が緩むにつれて高くなって、最終的に底から3mがヒットゾーンになった。
そしてアジは一日中途切れることなく釣れ続けたので、船は一度も潮回りをしないで済み、私も28投してすべてヒット。
空振りなしで沖揚がりの13時を迎えた。
釣果は20~38cmのアジがトップで53尾。
平均で40尾以上の好釣果となり皆さんクーラー一杯で帰途についた。
その後もはやぶさ丸はトップで50尾以上の釣果を続けている。
この機を見逃さずにみなさんも出かけてみてはいかがだろう。
この日は平均40尾は釣れていた
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25cm前後の食べごろサイズが多かった
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Tackle Guide
竿はオモリ負荷表示80号前後で全長1.6~2mの7:3~8:2調子。
仕掛けはハリス2号の2~3本バリが標準だ。
船宿information
東京湾奥小柴 はやぶさ丸
080・9558・7530
▼備考=予約乗合。出船7時、沖揚がり13時
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隔週刊つり情報(2024年2月15号)※無断複製・転載禁止