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湾奥カワハギ攻略

隔週刊つり情報編集部

本格的シーズンに入ったカワハギ、目下のところは東京湾内の釣り場が優勢のようだ。

東京湾内といえば竹岡沖や内房周辺、下浦沖などが知られるが、もう一つ、最も湾奥に位置する第二海堡周辺も無視できない。

本来は9~10月の初期限定の釣り場だが、今期は予想外の魚影の濃さで、しばらくは狙えそうな雰囲気だ。

第二海堡周辺といえば超浅場と岩礁帯攻略に尽きる。

水深は浅い所で4m、起伏に富んだ地形で根掛かり対策も必須。潮具合により底だったり宙に浮いたりというタナ変化、活性によりタックルや仕掛けの工夫、サイズは15~20cm、メインはワッペンとなるから釣り方にも工夫を要するベテラン好みの釣り場でもある。

釣行の写真

▲このエリアのカワハギは食味も楽しみ

カワハギのオモリ

カワハギ釣りでは、色はもちろん形や光、音など様ざまな工夫がなされたオモリが使われる。

これはトーナメントシーンのみならず通常の乗合船においても同様で、ただの鉛のオモリを見ることのほうが珍しいくらいだ。

そんな中、池田直行さんは普通の小田原型のオモリを使っている。

「色んなオモリも使ったことはありますが、あまりこれといった効果を感じなかったし、僕にとって1個600円もするカワハギ用のオモリはやっぱ高いので(笑)」と初々しくその理由を語ってくれた。

ちなみにタコベイトやスカートなどの装飾パーツも使わないという。

「この色はほかの人が使っていないはず、これで人より1枚でも多く」なんて思っている私は恥じ入るばかりだ。

オモリ

▲オモリは関係ない?池田さんは鉛オモリで73枚

池田さんがワッペン用にセレクトしたハリ

▲池田さんがワッペン用にセレクトしたハリ

秋本番を迎えカワハギも本格シーズンに突入した。

各地で好釣果が聞かれる中、目下のところ一番ホットな釣り場と言えるのが東京湾の第二海堡周りだ。

この1~2年の間に注目度が急上昇している釣り場で今年も9月中旬から釣果が出始め、9月22日にはなんと束釣りも飛び出した。

その後もトップ60~70枚の釣果が続出するに至り、この状況を検証すべく東京湾奥浦安の吉野屋への取材を敢行した次第。

当日は幸運にもその束釣りの当事者であり、カワハギ界では「スーパー高校生」、「ミニ乃介」(カワハギ釣りの先輩である荒井良乃介さんの名前にちなんで)の愛称でも知られる池田直行君との同乗がかなったので、池田君の釣り方を交え海堡周りの攻略法を紹介していく。

釣行の写真

▲ワッペンサイズは14~15cmくらい

浅場でザクザクの根周り

第二海堡とは富津岬と横須賀を結ぶライン上にあり、東京湾のほぼ真ん中に位置する明治時代に首都圏防衛の目的で造られた人工の要塞島だ。

第二海堡の周辺は起伏の激しいガチガチの根だが、少し離れると砂泥地もあり、これがカワハギの棲家としてうってつけなようだ。

吉野屋のカワハギ船を担当する石原一樹船長によると、中ノ瀬や木更津沖のコッパ(小型)カワハギが徐々に南下する(深場に移動する)途中に海堡で一時期を過ごすのではとの推測で、例年秋が深まると釣れなくなる釣り場だという。

「今年の出だしは型こそよかったものの数が出なくてあれ?って感じでしたが、シケ後に水温がほんの少し下がったら群れが回ってきたようで、いきなり船中300枚とか釣れ始めました。この調子ならもうしばらくは釣れると思うけど、今年は木更津の沖堤にコッパが少ないなんていう情報もありますから、意外とパタッと終わっちゃうかも。そうしたら竹岡方面を狙いますから海堡のカワハギ釣りをやりたいならお早めに」とのことだ。

第二海堡周りの特徴は、まず水深が浅いこと。

一番浅い所では4m、深くても15mほどで、当日は10mを切る場所がほとんどだった。

もう一点はなにせ根がキツイこと。

少し船がズレただけで水深が何mも変わることはざらで、油断していると根掛かりが頻発する。

しかし意外なほどに砂泥地もあり、そこを見極められればキャストでの釣りも可能だ。

釣れるカワハギは小型主体。

取材日は思った以上に型がよく15cm級がメインだった。

20cm近いものも交じったが、第二海堡では基本的にワッペン級主体のコッパゲームと考えたほうがよいだろう。

ただでさえオチョボ口でエサ取り名人のカワハギ、コッパサイズとなればなおさらで、これを掛けにいくゲーム性の高さにカワハギファンたちは夢中になるのだ。

釣行の写真

▲すばしっこいワッペンサイズに合った誘いで掛けていく

ハリとハリスを自分好みに!

最近は各メーカーともハリス付きカワハギバリのバリエーションが豊富で、色いろなタイプのハリでハリス長の違うものが市販されている。

それでも気に入った組み合わせがなく自分でハリを結ぶという方も少なくないはず。

筆者もその一人でとくにコッパ以下のウルトラワッペン対策で色いろと試してきた。

セオリーとは逆をいくが、ワイドなハゲバリにしなやかなタイプの2号ハリス10cmは結構いい思いをしているし、投げ釣り用のキスバリにはカワハギに使えそうな小バリもあって、ハリを飲まれるくらいに吸い込みのよさを感じることもある。

あれやこれやと妄想しながらハリを結ぶのも楽しいが、最近のハリはフッ素加工をしているものも多いので、スッポ抜け防止のために仕上げの瞬間接着剤は忘れないようにしたい。

竿は硬調をセレクト

ワッペンサイズのごくわずかなアタリをキャッチするには手感度に優れた硬調ロッドがほしい。

軟調ロッドでは手感度が落ちるだけでなく、根の荒い第二海堡では急なカケ上がり(下がり)への対応が遅れて根掛かり率が高くなってしまうのだ。

スーパー高校生の池田君が使うのは大西釣具工房のカワハギ斬HH。

シリーズで一番硬調な竿だ。

「普段は軟らかい竿も使いますが、海堡周りをやるときはこの竿ですね。カーボントップなので感度抜群で、手感度からくる情報量の多さを生かして、探る釣りを意識しています」と池田君。

カワハギの触りや気配からいる場所を探り、そこで掛けにいく釣りをしているのだと言う。

そのほかリールや仕掛けは通常時のカワハギと同じ物でOKだが、やはりハリだけは小バリを使う。

吸い込み系のハリでは、ダイワのスピード、がまかつのくわせ、シマノなら吸わせなどから、好みでシリーズ中一番小さなものを選択する。

ハゲバリ系ではその形状から、開いた先端部分がカワハギの口に入ればハリ掛かりするので、大きさは吸い込み系のハリに比べて影響は少ないが、それでも一応シリーズで一番の小バリを使用する。

好みではあるが筆者の経験上ではフトコロの広いワイドなハリがコッパには効果的だと思う。

ちなみに池田君はダイワのゼロネオフック3.5号とスピードの6.5号で、スピードは10cmハリスにしているそうだ。

ハリス長が違うとエサの動きも変わる。

どちらのエサに反応がよいか、食い込みがよいかのパイロット的な意味合いもあり、3本バリのうち、1本、10cmハリスのハリを交ぜるのは効果的だと思う。

釣行の写真

▲女性にも大人気のカワハギ

基本は縦の釣り

コッパカワハギを釣るには縦の釣りが基本となる。

むやみにキャストすると一発必中で根掛かりする第二海堡ではなおさらだ。

オモリ着底後すぐに1mルほどタナを切り、竿先をユラユラと揺らしながら誘い下げていく。

途中チクチクとかチリチリと違和感を感じればそこがタナ。

何枚かでエサを奪い合うような活性の高いときには、その場でユラユラを続けていると勝手にハリ掛かりするが、基本的にはユラユラを続けて底まで連れていって、カワハギが下を向いた状態を作り掛けにいく。

カワハギは普段下を向いて海底のエサをついばんでおり、その状態にすることで食い込みがよくなる、つまりハリ掛かりさせやすくなるからだ。

オモリが底に着いてからも仕掛けは動かし続ける。オモリが立ったり寝たりの細かなオモリトントン状態が演出できればベストだ。

仕掛けの動きを止めるとあっという間にエサを取られるので、常に仕掛けを動かし続けるのがコツだ。

アタリや気配が出ているからと同じタナで釣り続けると、ハリは丸裸にされる。

オモリを底に着けて掛けにいっているときも同様で、掛けアタリ(=合わせれば掛かるアタリ)が出なければ一度50cmほど仕掛けを持ち上げ、再度誘い下げて仕切り直しをすることで出やすくなる。

合わせのタイミングは、チリチリチクチクの中でカツッ!と硬質なアタリが出たとき、またはチリチリチクチクが重みを増したとき。

強い合わせは不要で軽く聞き合わせる感じ。

カンカンカン!とハリに乗ればリールを巻きながら合わせを強めてやる。

なお、コッパゲームに限らないが数釣り勝負となったときには、手返しの早さがモノを言う。

エサ付けやら仕掛けの扱いなどはもちろんだが、最初のアタリで確実に掛けて釣ることが一番の手返しアップにつながる。

1枚釣った後に1個エサを付ければよいのと、3個エサを付けるのでは大きく差が付くからだ(分かっていてもこれがなかなか難しいのですけどね)。

根周りをキャストで攻める

これまでコッパカワハギ釣りの基本を解説したが、当日の池田君は基本的にキャストしての横の釣りだった。

ポイントを熟知しているというのもあるが、船下を狙う釣り人でも4~5個のオモリをロストする中、「今日のロストは1個だけ」というのだから恐れ入る。

キャストした後は底が根周りと判断すればオモリを浮かせてからカーブフォール、砂泥地ならばズル引きやオモリトントンを織り交ぜてカワハギのいる場所を探っていく。

カワハギの気配を感じ取り「いる」と判断したら、ゼロテンで掛けアタリを待つ。

これで掛けアタリが出なかったり掛けられなかったりしたらわずかにテンションを抜く。

これでもダメだったらもう少しテンションを抜く。

と三段階に分けるイメージで釣っているとのこと。

見ていると最初のゼロテン、もしくは二度目のわずかにテンションを抜いた状態から面白いようにポンポンと掛けていた。

ちなみに仕掛けには飾り物は一切なし、テンションを抜きやすくするためにウエイトビーズを使っているだけだ。

終わってみればこの日も73枚でダントツの竿頭。

おそらく2番手でも30枚釣っていないと思われる中での驚きの大釣果だ。

この日は私も途中で竿を出してみた。

船下狙いの縦の釣りではカワハギの気配を感じはするものの、なかなか掛けられるアタリが出なかった。

底から1mほど上でチクチクときて、そのまま底まで連れていき極小幅のオモリトントン、そこでもチクッ!とはアタるのだが、単発のアタリが多く掛けられないのだ。

ちなみにこの数日前に竹岡沖で、同じ釣り方で1時間少々で14枚釣って鼻が伸びていたのだが一気にへこんだ。  

仕掛けを上げてみるとアサリのワタだけかじられている。

活性の低いときの特徴的な食い方だ。

しかしポンポンと連釣する池田君を見ていると活性が低いとはとても思えない。

これは推測だが超浅場の釣り場ゆえ(このときは水深4~7m)、船下ではカワハギがエンジン音や魚探の音波を嫌っていたのではないかと思う。

試しに慣れないキャストをしてみたところ、2枚連釣できたのであながち間違ってはいないような気がした。

もっともそれから調子に乗ってキャストし続けたら、あっという間にオモリを5個もロストした……。

とにかく現在、第二海堡周りにはカワハギがたくさんいる。

水深が浅いから手感でも目感でもアタリはよく分かる。それをいかに掛けにいくか?腕の見せどころであり、スキルアップにもってこいの状況&釣り場と言えよう。

ぜひ、挑戦していただきたい。

INFORMATION

東京湾奥・浦安 吉野屋

047・351・2544

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隔週刊つり情報(2023年11月1号)※無断複製・転載禁止

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