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東京湾の最強釣法、ノンストップバイブレーションで狙うはドラゴン級

隔週刊つり情報編集部

第30回の沖釣りカレッジはダイワフィールドテスター・高槻慧さんを講師に迎えてのノンストップバイブレーション講座。

今や東京湾のテンヤタチウオで主流釣法になったノンストップバイブレーション。

パイオニアである高槻さんにそのテクニックを教わり、さらにステップアップを目指そうと16名の受講者が集まった。

釣行の写真

▲当日の参加者は抽選で選ばれた16名。多数のご応募ありがとうございました

出船前にバイブレーション釣法の成り立ちからエサ付けまで、みっちり1時間の講習を行ったのち8時前に出船。

バイブレーション釣法の考案者でもある一之瀬丸の一之瀬遥斗船長はまず猿島沖で船を停める。

そして海面からの指示ダナ46mでスタートすると、さっそく船内アタリ連発、2人3人と巻き始めた。 

釣っている人の誘いを見て高槻さんは強めのたたきと弱めのたたきを5秒ごとに繰り返してアクションに変化をつけるようアドバイスして回る。

その後もアタリは続き、ほとんどの人が型を見たところで個別アドバイス。

その内容はタックルの構え方からたたきのパターン、合わせのタイミングから掛け損じたときのリカバリー方法、エサの巻き方、潮境の見極め方など多岐に渡った。

受講者の方もこれまでうまくできなかったこと、疑問に感じていたことなどを高槻さんにストレートに質問し、熱き講義が展開される。

釣況のほうも朝方に比べアタリはやや少なくなったものの常にだれかが掛けているという状況。

サイズも80cm前後が主体だったところへ1m超えの良型が交じる割合がアップしてきて、テンヤタチウオとしてはこの上なく面白い展開。

アタリがあれば教わるほうも教えるほうもより具体性が増し、カレッジとしても内容の濃い一日を送ることができた。

午後2時前に沖揚がり。

釣果は最大126センチを含みトップ16本、10~12本前後の人が多く、みなさん充実した笑顔で散会となった。

東京湾のテンヤタチウオは今が秋シーズンのピーク。

ノンストップバイブレーション釣法をスキルアップして、充実したタチウオライフを送っていただきたい。

釣行の写真

これまで自己流でやってきたので基本を一から教わりたいという人は多かった

INFORMATION

東京湾奥金沢八景 一之瀬丸

備考=予約乗合、出船7時。

ほかヤリイカ、マダイ五目、カワハギ、午前午後アミ五目など乗合各種。

出船状況はHPで確認。

仕立も各種受付

POINT 高槻流イワシエサの付け方

Lesson.1 ノンストップバイブレーションの成り立ち

ノンストップバイブレーションとは、竿をたたき続けることでテンヤを揺らし、そのアクションの中でアタリを察知して掛けていくというもの。

所作自体は非常にシンプルで、だれにでもすぐ真似はできるが、極めようと思ったら奥深いテクニックがある。

その究極奥義を知りたいと今回のカレッジには16名の受講者が集まったが、高槻さんはまずノンストップバイブレーションの成り立ちからていねいに解説を始めた。

東京湾のテンヤタチウオがブレイクしたのは2020年から。

当初は色いろな釣り方が試されたが、その中で頭角を現したのが渡辺太吾さんのDトゥイッチ。

その後に登場したのが東京湾奥金沢八景・一之瀬丸の一之瀬遥斗船長が生み出したバイブレーション釣法。

いずれもよく釣れるテンヤタチウオ釣法として瞬く間に浸透していったが、さらに進化、発展させたのが高槻さんのノンストップバイブレーションであり、三石忍さんのエレキテル釣法。

東京湾のテンヤタチウオ界をリードする名手たちが切磋琢磨し、現在のスタイルを作り上げたと言っていい。

釣行の写真

▲大型が交じる割合が高いのもテンヤタチウオの魅力

Lesson.2 ノンストップバイブレーションメリットと竿の構え方

ここからはノンストップバイブレーションに話を絞るが、この釣り方が画期的だったのは、たたき続けること。

全国的にテンヤタチウオの釣り方は誘いの後に必ず止めの間を入れるというのがこれまでのセオリーだった。

しかし、東京湾では誘いの最中にもアタリが出ることがけっこうあり、そこに着目したところ、ご存じのような一大フィーバーとなった。

ノンストップバイブレーションのメリットをあげると、動かし続けるため「常に変化を感じ取れる」ところにある。

低活性時や、タナが狭かったり底反応だったりするときに強く、ほかにもタチウオがエサをかんでいる時間が長い、潮境を感じやすい、単純で簡単などのメリットもある。

一方、デメリットとしては常にたたき続けるため体力的な負担が大きい、要するに疲れやすいことがあげられる。

この点に関して高槻さんは、竿の構えにいくつかバリエーションを持たせ、疲れてきたら違う竿の持ち方をするといいとアドバイスする。

釣りに限ったことではないが、同じ姿勢で同じ作業を繰り返すと集中はできるものの疲労感は半端ない。

適度に体を動かしたほうがリラックスできる、ということに近い。

具体的には①両手持ち。

これはノンストップバイブレーションの基本となる構えで、片方の手でリールをパーミング、もう片方の手でリール前のグリップを支える。

リールを握るほうの手は支点として動かさず、グリップを支える手でたたきの動作を入れる。

グリップを支える位置や握り方も人によりやりやすい場所があるので、自分に合ったスタイルを見つけるといい。

②抱え込み。

バットエンドを脇に挟み、両手でリールをパーミングする。

バットエンドを支点にリールを動かしてたたきを入れる。

③は②の変形。

バットエンドを脇に挟まず、肘に当てて支点とする。

以上の竿の構えのうち2パターンくらいは身につけて、交互にバイブレーションしていくと体力的な疲労を比較的抑えられる。

Lesson.3 パラメーターで分析する誘いの違い

バイブレーションによって海中でのテンヤはどう動いているのかイメージしてみよう。

一つはイワシの尻尾がピリピリ震えるような動き。

もう一つはテンヤのヘッドがヘコヘコ上下するような動き。

3つめはテンヤが左右にローリングするような動き。

そして、実はテンヤが全く動いていない場合。

おおよそこの4パターンになり、イメージどおりにテンヤを動かせるようたたき分けられるのが理想だ。

というわけで、ただ漫然とたたき続けるのではなく、テンヤの動きをイメージすることでどんな誘いが合っているのかを見つけやすくもなる。

誘いのバリエーションを見極めるときに、パラメーターに分けて考えると分かりやすいと高槻さんは説明する。

パラメーターの内訳は、①たたきの回数②たたきの強さ③たたきの幅④リールの巻き速度⑤止めの回数⑥止めの長さ、になる。

これを、名手の釣り方に照らし合わせて見るとそれぞれ特徴が見えてくる。

同じような動きをしているように見えても、実際にやっていることは細かく違うことが分かる。

みなさんその中で微調整して、そのときのベストな誘いを見つけ出しているわけだ。

ちなみに釣っている人の動作を見ているだけではたたきの強弱など分かりづらいこともある。

そんなときは、道糸のマーカーの動きを見ると一番テンヤの動きに近いので分かりやすいと高槻さんはアドバイスしてくれた。

Lesson.4 応用テクニックあれこれ

ここからはノンストップバイブレーションの応用と合わせやリカバリーについて触れておこう。

まず応用テクニックとしてあげられるのは3つ。

①定点ノンスト

②強弱ノンスト

③ノンスト中に一瞬チョイ下げ。

①は低活性時などタナが狭いときに効果的で、リールを巻かずに一定の場所でたたき続ける。

いわゆるタナの決め打ち。

②は同じ強さでたたき続けるのではなく、強いたたきと弱いたたき3~4パターンくらいを4~5秒に1回変えながらたたいていく。

すると、どこかでアタることが多く、正解を早く見つけやすいという。

③は、たたいている最中に一瞬フッと竿先を下げてフォールのアクションを入れることでリアクションでアタってくることがあるそうだ。

たたいている最中のアタリがよく分からないという人は多いが、この点について高槻さんはこう話す。

テンヤタチウオでのアタリは3種類。

一つはタチウオが下からテンヤをつついて竿先を持ち上げる、いわゆる跳ね上げアタリ。

たたいている竿が一瞬フッと軽くなった感触がある。

もう一つはタチウオがテンヤにかじり付いて引っ張る、いわゆる引き込みアタリ。

たたいている最中にグンッと重みを感じる。

この二つについては比較的分かりやすいはず。

難しいのは、タチウオがテンヤをくわえたまま追従してくるとき。

明確な重量変化は伝わらないものの、何か近くにいるなという気配は感じる。

いわゆる違和感になるが、アタリかどうかな?と思ったら、とにかく合わせてみること。

それも竿を振り上げるような大きな合わせではなく、竿先をちょっと持ち上げる程度の小さな合わせ。

アタリであればすぐになんらかの答えが出るという。

フワッと竿先を持ち上げたのであればリールのハンドルを回して巻き合わせ。

引き込みアタリであればググッと竿が持ち込まれるのでそのまま巻く。

とにかく違和感があれば、すべて合わせてみる。それを繰り返すうちに、違和感がより明確に、タチウオがテンヤをくわえていると分かってくることがある。

そんなときには合わせを入れずにたたき続け、巻くスピードを少し速めてみる。

すると、食い込みのアタリに変わる。

これがいわゆる深追い掛けで、アタリ即合わせでバレやすいときには試してみたい。

アタリがあって、合わせてもハリ掛かりさせられなかったとき。

掛け損じたときのリカバリー方法は二つ。

一つはスッと竿先を下げること。

これは食い渋りや引き込みアタリのときに有効。

一方、活性が高く、跳ね上げアタリで掛け損じたときは、合わせ幅の分だけリールを巻いてテンヤが下がらないようにする。

タチウオの目線からテンヤが消えないようにすることでアタリ返しが早く、その確率も上がるというわけ。

釣行の写真

▲120cm級は船中数本上がった

釣行の写真

▲今回の講座で教わったことを今後に生かしていただきたい

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隔週刊つり情報(2023年11月1号)※無断複製・転載禁止

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