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外房の一つテンヤ活況 イワシの群れに潜む大ダイ獲得のチャンス

隔週刊つり情報編集部

外房の一つテンヤ船で中~大ダイが荒食いしている。

1月中旬ごろから岩船~大原沖にかけてイワシの大群が来遊し、その群れに着いたマダイを狙っているのだ。

当地で〝イワシパターン〟と呼ばれるこの現象は、大ダイの出現率が高いビッグチャンス。

今シーズンは3~4kg級は当たり前、5~6kg級はおろか7kgオーバーの特大サイズも上がっている。

釣り場の水深はわずか10m前後。

この浅場で大ダイが食うと強烈な引きを見せ、まるで青物のように横走りする。

ただしイワシパターンの一つテンヤは、通常の釣り方はあまり通用しない。

エビエサの代わりにソフトルアーをセットし、キャスト&リトリーブで底付近のタナを広範囲に探ることがポイントとなる。

イワシパターンがいつまで続くかは神のみぞ知るところだが、できるだけ早めの釣行をおすすめする。

ソフトルアーの当たりカラーを探そう

ルアー釣りはカラーセレクトが釣果を左右することが多く、マダイ釣りのソフトルアーでもそれが言える。

坂下船長いわく、「グロー系の実績が高いけど、ドジョウのような地味な色に食うこともある」そうだ。

まずはグロー系のアピールカラーと、赤茶系または青系のナチュラルカラーを用意してチャレンジするのがいいだろう。

ちなみにこの日の当たりカラーは大ダイ2枚がヒットしたオキアミカラーだった。

ルアーの写真

当日の大ダイを独占した方のヒットソフトルアーは「エコギア熟成アクアスイムシュリンプ」4inのオキアミカラー

大原沖のイワシパターンはアタれば大ダイの期待度MAX

イワシパターンは、一つテンヤのマダイ釣りで、とくに浅場のイワシの群れに着いた大ダイを狙う釣りの総称だ。
 
外房大原港の富士丸では年が明けてから水深10m前後のイワシ反応の中を流して、7.4kg、6.4kgの大ダイ含みで4kgオーバーのマダイがコンスタントに釣れている。
 
食えば大型が多いのがイワシパターンの特徴で、船上ではエビエサの一つテンヤ仕掛けを始め、ソフトルアー、メタルジグ、タイラバなど、釣り人は様ざまな釣法でイワシパターン攻略に工夫を凝らしている。

ここではイワシパターンでは近年人気で実績も高い、ソフトルアーにスポットを当てて解説していく。

テンヤにソフトルアーを付ければ準備OK

ソフトルアーの釣りとは、エビの代わりにソフトルアーを付けたテンヤをキャストし、広い範囲を探る釣り方だ。

エビエサを使っても同様の釣り方はできるが、エビはキャスト時に頭が取れたり形が崩れやすく、そうなるとテンヤの動きが不自然になり食いが落ちてしまう。

ソフトルアーの釣りはエサ崩れの不安を解消しているのが特徴で、常にキャスト&リトリーブを繰り返す攻撃的な釣りでもある。
 
竿とリールは一般的な一つテンヤタックルでよく、テンヤは8号前後の重めを使う。
 
狙う水深は10m前後と浅く、軽いテンヤでも底は取れるが、遠投性と沈みの速さから8号前後がちょうどいい。

テンヤの代わりに25~30gのジグヘッドを使ってもよい。

また、タングステン製のテンヤは遠投性があり沈下速度も鉛より速く、高価ではあるがキャストを多用するソフトルアーの釣りには適していると言える。
 
ソフトルアーは3~4inのサイズを、真っすぐになるよう親バリに刺す。

孫バリはソフトルアーの中ほどに浅く刺しておく。ソフトルアーの色は、グロー系のアピールカラー(白、ベージュ)の実績が高い。

潮色によって当たりカラーが変わってくるので、赤系や青系のナチュラルカラーも用意しておくとよい。

リールのドラグは手で引っ張ってジリジリと糸が出るくらい、緩めに調整しておくのはエビエサの釣りと同様だ。

ルアーの写真

ソフトルアーのサイズは3~4in、テンヤは8号前後が釣りやすい

イワシパターン攻略のカギはキャスト&スローリトリーブ

通常、当地の一つテンヤはパラシュートアンカーを入れて船を広範囲に流して釣るが、イワシパターンの場合は反応の上に船を乗せて横流しにする。

これはヒラメ釣りに似ている。

反応が消えると船長は移動の合図を出し、再びイワシ反応に乗せる。

投入の合図で、すぐに仕掛けを入れられるようにしておこう。
 
釣り方はシンプルだ。

基本の釣り方を図1に示す。
 
テンヤをアンダースローで前方にキャストし、着水したら底まで落とす。

出ていく道糸が止まったら着底。

糸フケを取ってテンヤの重さが伝わったらリトリーブを開始する。

このときに着水から着底までのおおよその時間を覚えておくとよい。

マダイがフォール中に食うこともあるので、着底するのが遅かったり糸が止まった後に再び引っ張られるようなときは、糸フケを取って魚の重みを確かめ合わせを入れてやる。

リトリーブの速度はゆっくり一定にし、テンヤが底近辺を水平に動くようなイメージで引っ張ると、テンヤはわずかに上向きに動いているはずだ。
 
マダイ狙いの場合は、青物狙いのようにアクションは与えない。

タイラバの引き方のように一定速度でリールを巻こう。

巻く速度が遅いとテンヤが底を引きずるようになり、竿先にコツコツと海底をこする感触が伝わってくる。

ポイントには根やカジメが点在するので根掛かりもある。テンヤが底を引きずるときは巻く速度を少し早めてやる。
 
反対に、潮が速いときはテンヤはすぐに浮き上がるので、巻く速度をより遅くして、テンヤが浮き過ぎないようにする。

潮の速さ、船の流れる向きなどにより、テンヤの浮きやすさは変わってくる。

巻く速度を試行錯誤しつつ、テンヤが水平にヨロヨロと泳ぐ状態をイメージしながらリールを巻いてやる。
 
アタリの出方は様ざまで、明確に竿先を押さえ込むのもあれば、モゾッと小さいアタリしか出ないこともある。

違和感を感じたら合わせてやる。

マダイの硬い口にフッキングさせるためにしっかりとした強い合わせが必要だ。
 
ハリ掛かりしたマダイは、ゴンゴンと首を振りながら暴れる。

大ダイになると30m以上も糸を引き出して走ることもある。

魚が暴れているときは無理をせずに糸を出し、止まったら巻くの繰り返しで徐々に魚を浮かせていく。

水深が浅いため、なかなかマダイは弱らない。

海面に姿が見えてもひと暴れがあるので、タモ入れは慎重に行おう。

釣行の写真

エビエサでヒラメもゲット

大ダイを食わせた当日のヒットパターン

取材日に4.6kgの大ダイを上げた釣り人のヒットパターンは、図2のようにフォールを織り交ぜてのリトリーブだった。

基本のスローリトリーブだと、テンヤがあるタナを正確に把握することがなかなか難しい。
 
例えば、底から1mくらいを引っ張っているつもりでも、実際にはそれより浮いていたり、あるいは逆に底スレスレを引いていたりすることもある。

ソフトルアーの釣りは、あまり神経質にタナを合わせる釣りではないが、マダイの活性が高くないときなどは底近辺をていねいに攻めるほうがアタリを増やせる。

そんなときにリトリーブとフォールを組み合わせて底近辺をジグザグの動きで攻めるのが図2の釣り方だ。
 
ある程度テンヤを引いたところでいったん巻くのを止めて底まで落とし、着底したら再度リトリーブを開始することにより、テンヤの浮き過ぎを防止する。

また、フォール自体が誘いの効果を持ち、フォール時に食ってくることも少なくない。

図1、図2の二つの釣り方を組み合わせて、その日のベストパターンを探っていただきたい。

イワシパターンでのマダイ釣りは、決してアタリは多くない。

ただし食ってくれば4kg以上の大型が期待でき、メモリアルサイズの7kgオーバーの大ダイゲットも夢ではない釣りだ。
 
キャストとリトリーブの繰り返し、というシンプルな釣りだが、ソフトルアーの色、引くスピードやタナ、フォールのタイミングなど、ちょっとした要素の違いで、マダイのアタリがくるかこないかが分かれる釣りだと思う。
 
寒い中で大ダイのアタリを待ち続けるのは辛いが、そのぶん釣れたときのうれしさは数多いマダイ釣法の中でもトップクラスだろう。
 
富士丸では、イワシの群れが浅場に見られている間はイワシパターンの釣りを続ける。

イワシが抜ければ春の乗っ込みのシーズンになる。

例年だとイワシパターンは3月くらいまでだが、いつまでイワシがいるかは予測しにくいので早めの釣行をおすすめしたい。

釣行の写真

当日最大4.6kg。 イワシパターンはこのクラスがアベレージ

INFORMATION

外房・大原港 富士丸

0470・62・2016

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