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隠れた名所!相模湾でタチウオを釣る!(庄治郎丸/相模湾・平塚港)

隔週刊つり情報編集部

相模湾にタチウオがいることは昔から知られていたが、遊漁船での釣果が注目されたのは23年前の1999年のこと。

本誌で連載していた「タイムマシーン」では東京湾、駿河湾に続く第3の釣り場として注目された当時の記事を紹介している。
 
それによると、もともと船長たちも定置網にタチウオが入ることは知っていたが、釣り物として狙うことはなかった。

それがこの年の夏、集中豪雨によるダムの放水が影響して相模川の河口域に濁り水が広がり、それまで沖合にいたタチウオが水深20m前後の浅場に集まってきた。

それを狙ってみたところ、トップ50~70本の爆釣劇となる。
 
ところが翌年以降は専門の乗合船は出ず、夏場の一時期にライトルアー船で交じる程度となっていった。
 
そんな経緯のあった相模湾のタチウオ狙い、3年ほど前からタチウオ乗合が復活、今年も平塚港の庄治郎丸で出船が始まったと聞き、さっそく出かけてきた。

記事の写真

2013年10月1日号の連載「タイムマシーン」

釣り方はテンビン、テンヤ、ルアーの3通り

庄治郎丸のタチウオ船担当は大堀耕史船長。

自身もタチウオ釣りが好きで、反応を探せば乗合船が成立するのではないかと探索を重ね、3年前にスタートさせたとのこと。

その年は夏から始め、年末まで続いたという。
 
釣り場は平塚~大磯沖辺りが中心で、ポイントの水深は潮具合などによって変わる。

取材時は水深50~80m前後が中心だったが、潮が澄めば水深100m近い深場になったり、夏場は岸寄りの水深10~20mといった浅場で釣れることもあるそうだ。
 
庄治郎丸での釣り方はテンビン、テンヤ、ルアーの3パターン。

ほかの船ではライトヒラメ五目のように最初にサビキ仕掛けでカタクチイワシを釣って、それをエサに使う釣り方をすることもあるが、エサが釣れない場合にどうするか、また普通のタチウオ釣りがしたいというお客さんの声も多く、現在では生きエサ方式はやっていないそうだ。
 
なおルアーの場合はミヨシのほうへ固まってもらうというが、テンビンとテンヤのエサ釣りはとくに席を分けることもなく、釣り方も好きに替えていいフリースタイル。
 
とはいえ混雑時のオマツリを防止するため道糸はPE2号以下、テンビンはオモリ60号が標準で、テンヤもそれに合わせて60~80号、ルアーは150~180gのジグの使用を推奨している。
 
竿は一般的な各種タチウオ用やゲームロッドでOK。

リールは現在はまだ水深がやや深いこともあるから超小型~小型電動が便利だろう。

エサは、船で用意されるのはサバの切り身だけ。

そのほか宿でキビナゴや冷凍イワシの販売はあるが、船では追加購入できないので、必要なら事前に購入しておく。

ただテンヤ用の冷凍イワシはやや小さめだったから、本格的にテンヤで釣りたい人は持参したほうがいい。

船の写真

相模湾でタチウオ乗合をいち早く定着させた平塚港の庄治郎丸

相模湾のタチウオタックル&仕掛け

仕掛けの写真

(上・中)タックルは東京湾と同じもので大丈夫。テンビン、テンヤ兼用で使える竿だと便利(下)テンビン仕掛けはオモリ60号が標準

仕掛けの写真

(上)メタルジグは160g前後の重めを用意しておこう(下)軽いテンヤでオマツリが多発するようであれば増しオモリで調整

付けエサ

エサの写真

(左上)船で支給されるサバの切り身(右上・中)ハリ軸に対してセンターへ真っすぐ縫い刺しにする(左下)テンヤに合わせたイワシを使いたいなら持参がベスト(右下)宿で売っているイワシなら頭を落とさず付けたほうがいい

相模湾のタチウオ仕掛け例

誘いのパターンを見つけられるかが釣果のカギ

取材したのは5月11日。

シケ前の好天ナギ日だったからか、平日なのに12名と盛況。

お客さんに話を伺うと、タチウオが好きで各地へ釣行するという人もいたが、ほとんどが地元の方で、タチウオは相模湾でしかやらないという人が多かった。
 
この日はジギングの人はおらず、エサ釣りだけ。

テンビンの人が多く、テンヤ専門は2人、二刀流の人が2人といった布陣。

予約の人がそろった6時過ぎに出船となった。
 
最初のポイントは港を出てすぐの平塚沖、水深67m、海面からの指示ダナ35~45mで開始となる。
 
さて、相模湾のタチウオはどんな感じなのだろうと船中の様子を見ていると、さっそく左舷トモのテンヤにヒット、目測120cmオーバーの大型が上がる。

大型も交じるとは聞いていたが、これはなかなかのサイズ。
 
続いては左舷胴の間のテンビン仕掛けにヒット。

こちらは見た目80cm前後。

船長に聞くとやはりテンヤのほうが大きいのがくる傾向はあるらしい。
 
その後の展開に期待したが、後が続かない。

船長によると、ここ数日は反応はあっても朝のうちは口を使わないことが多いそうだ。
 
船中3本目が上がったのは1時間ほどしてから。

水深75m、海面からの指示ダナ60~70mのポイントに移動してからだった。
 
右舷ミヨシで上がったのは70cm級。

ただし単発で、潮回りを繰り返して20分後、左舷ミヨシ2番でようやく80cm級が上がる。
 
皆さんに様子を聞いて回ると、テンビン仕掛けの人はたまにアタリはあるようだが、テンヤの人は全くアタらないという。
 
9時を回って大きくポイント移動、大磯ロングビーチの西側へ。

水深は同じく75m前後。

ここでテンビン仕掛けの人にポツポツとアタリが出始め大小交じりで何本かのタチウオが取り込まれる。
 
ただ、見ている限りではそれほどアタリは多くないので、どんな釣り方をしている人がよく釣っているのかというパターンのようなものは感じられない。

そこで船長にヒットしやすい誘いのパターンがあるのか聞いてみるとテンビン、テンヤともあまり大きく派手に動かしすぎないほうがいいとか。

竿先を小刻みに動かしながら、きっちり止めの間を入れる感じがいいらしい。
 
東京湾同様、一つのパターンにとらわれず、その日そのときの状況に合った誘いを見つけていくのが釣果をのばすコツになりそうだ。
 
ちなみに基本的には指示ダナの範囲を探り、高切れも多くなるので指示ダナ下限よりは仕掛けを下ろさないほうがいいそうだが、アタリがなければ指示ダナの上下を幅広く探って構わないとのことだった。
 
その後も群れの移動が速いようで水深70~80mから水深90~100m前後を細かく移動、船長の指示ダナも海面から50~60mだったり70~80mだったりと反応に合わせてその都度アナウンスしてくれる。
 
そのかいあってか時どき連チャンもあったりして船中ポツリポツリと追加されていく。

ただ、朝一番に上がったドラゴン級は交じらず、大きくても100cm止まり。

ほかの釣り場と同じく、食いの悪いときは型も小さくなる傾向にあるようだ。
 
午後1時に沖揚がりとなり、釣果は0~5本。

取材日以降も釣果にムラはあり、いい日でトップ10数本だが、今後梅雨~初夏に濁りが入るようになればトップで50~60本釣れる好日があるかもしれない。

現状では決して簡単に数釣れるとはいえないが、反応がある限りは出船していくとのこと。

難敵攻略も面白さの一つなので、タチウオマニアはぜひ一度お試しを。

タナの探り方イメージ

釣行の写真

基本的な誘い方は東京湾と変わらない。あとはいかにその日のパターンを見つけられるか

キビナゴも効果あり

テンビン仕掛けの付けエサは東京湾ならサバかコノシロ、駿河湾ではサンマが定番だが、この日は船宿で販売しているキビナゴエサを使っている人も何人かいた。

船長に聞くと「けっこうアタリはある」そうだ。

カタクチイワシを釣ってエサにする船もあると本文で書いたが、見た目が似ているからか!?
 
目からハリ先を入れ、切り身と同じように縫い刺しにするとエサ持ちがいいという。

エサの写真

(上)宿で販売していたキビナゴ(中)下アゴから上アゴへ抜いてしまいがちだが・・・(下)縫い刺しに付けるのがベスト

釣り人の写真

濁りが入れば今後急浮上もあり うる

釣行の写真

この日はテンビン仕掛けのほうに反応がよかった

隔週刊釣り情報(2022年6月15日号)※無断複製・転載禁止

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