強烈な引きと美味で人気のシマアジ。
ここ数年は近場の南房~外房エリアの沿岸でも気軽に狙えるようになった。
周年シマアジ五目乗合で出船している南房相浜港の松丸では9月に入ってから模様が上向いてきた。
目下は布良瀬の水深15~20m付近を狙い、0.8~1kg級を主体に2kg前後の良型交じりでトップ5尾前後の釣れ具合。
ウイリー仕掛けを使うオキアミコマセのシャクリ釣りで、仕掛けを着底させたら根掛かりしないよう素早く底を切り、5~6m上までシャクリ上げていく。
ゲストが多彩なのもこの釣りの魅力。
9月上旬の取材日はオオモンハタやメイチダイ、スマやイサキ、マダイなど多彩な魚が釣れて楽しませてくれた。
![釣行の写真]()
▲シマアジの魚影は濃厚。当地では周年狙える人気ターゲット
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カンパチ狙いの泳がせ釣りも楽しめる
シマアジのポイントである布良瀬では8月下旬からカンパチが回遊し、泳がせ釣りで連日のように3~6kgロ級が上がり盛り上がっていた。
松丸では四隅の釣り座限定で釣ったムロアジをエサに泳がせ釣りを楽しむことできる。
取材日はシマアジを狙いながら、泳がせタックルを置き竿にしてカンパチを狙っていたが残念ながら顔を見ることはできなかった。
![釣行の写真]()
▲泳がせ釣りは四隅の釣り座で可能だ
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▲エサはシマアジ狙いで掛かった25cm前後のムロアジ。付け方は鼻掛け・ミヨシにはイケスがあり、釣れたムロアジを生かしておける
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シマアジといえば引きも強く、美味な魚で釣り人であればだれもが一度は釣ってみたい憧れのターゲットだろう。
ここ数年で近場の沿岸でも釣れるようになり、身近な釣り物の仲間入りを果たした。
最近有望なのは南房エリア。
取材した相浜港の松丸はシマアジ五目乗合で周年出船中、秋を迎えて模様が上向いてきた。
主な釣り場は布良瀬で、この時期のポイント水深は15~20m前後と浅い。
シマアジの釣果は日によるムラはあるものの、800g主体に2kg前後の良型もけっこうな頻度で交じりトップ5尾前後。
ゲストが多彩なのも魅力の一つで、ヒラマサやカンパチ、ワラサ、マダイ、イサキ、メイチダイ、フエフキダイ、オオモンハタ、イシガキダイなどが交じって楽しませてくれる。
![釣行の写真]()
▲常連氏が釣り上げた当日最大2.3kg
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タックルはイサキ用でもOKウイリー仕掛けにオキアミも
良型シマアジのほかワラサ、カンパチ、ヒラマサなどの青物が交じる海域でもあるので、竿はグラスムクのワンピースがおすすめ。
コマセを振り出しやすく、取り回しがいい全長2m前後が使いやすい。小型シマアジに狙いを絞り、大物がきたらバレて元もとくらいの気持ちでいるならゲームロッドでもOKだ。
リールは中型両軸もしくは小型電動PE3~4号の道糸を200m以上巻いておく。
リールはドラグ性能に優れたものが望ましい。
ドラグ設定は事前にやっておくこと。
片テンビンにセットするコマセカゴはFLサイズでオモリ60号が標準。
テンビンに2mm径のゴムクッションを50cm付けておく。
仕掛けはハリス4~6号、全長2.2mの2~3本バリで枝バリにはウイリー、先バリは空バリタイプが主流。
松丸の西藤裕船長推奨は2本バリで、3本バリ仕掛けよりも1本ハリが少ない分エサ付けの時間が短縮でき、その分早く投入できるからだという。
なお、オキアミの付け方はチョン掛けや通し刺しなどなんでもOK。
「付けエサのオキアミはコマセから拾えますが、気になるようでしたら持参してください」とのこと。
ハリはウイリー、空バリともにヒラマサ11~12号。
細軸は伸ばされることがあるので軸がしっかりして強靭なハリのほうが安心だ。
シマアジには白、青、グリーンのウイリーが実績カラーだが、「うちではウイリーバリにもオキアミを刺すように言ってるからね、色は全く関係ありませんよ」と船長。
エサ取りも多い場所なので、ウイリーはあくまで保険的な意味合いとのことだ。
コマセカゴの調整はコマセがオキアミということもあり、上窓は半分、下窓は5mm開けるのが基準で、タナを2往復させて回収したときのコマセの残り具合で微調整していく。
コマセがきれいになくなっているようなら少し閉め気味に、残りが多いようなら開け気味にする。
理想はほんのわずか残ってくるくらい。
コマセカゴに詰めるコマセは6~7割でOKだ。
底から5mをコマセシャクリで狙う
仕掛けを投入して着底したらすぐにリールを巻いて底を切る。
底は起伏が激しく根もキツいため、もたついていると根掛かりしてしまう。
底を切ったら海面に向けた竿先を水平位置までスッとシャクリ上げて数秒止める(ポーズ)。
シャクった分だけリールを巻きながら竿先を海面に向ける。
これを海底から5m上まで繰り返す。
アタリがなければ仕掛けを再着底させて底からのシャクリを繰り返す。
それでもアタリがなければ仕掛けを回収してコマセを詰め直すのが一連の流れとなる。
この釣りは誘い方で釣果が大きく変わるとのこと。
船長からの指示は「底から5m」と出るが、これはあくまで基本でとくにビギナーを意識したものだという。
活性が高いとき、シマアジはコマセを追って浮上する。
「竿頭になるような人は海面近くまでシャクってきてますよ」とのこと。
シャクリのスピードとポーズの目安は、活性が高く食いのいいときはシャクリは早くポーズも1秒と短め(時にはポーズなしも)、食いの渋いときはシャクリは遅めでポーズも3秒と長めが効果的なことが多い。
早いシャクリに反応するときには上へ上へと逃げるエサを追いかけて食い、反転して海底に戻ろうとするためしっかりとハリが掛かり、掛かり所もいい場合が多い。
一方、ゆっくりとしたシャクリのときは居食いに近い状態で、スッポ抜けたり掛かり所が悪く口切れでバレたりすることも多くなる。
![釣行の写真]()
▲底から5~6mまでシャクリ上げて探る
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取り込み時のバラシを防ごう
シマアジ釣りはバラシが付き物。
たとえばサメに邪魔されないようガンガン巻けばハリス切れか口切れ必至だし、走らせ過ぎると根に持っていかれてラインブレイクしてしまう。
水深が浅い分難易度も高く、一筋縄ではいかないものだ。
防ぎようのないバラシがある一方で、釣り人側でなんとかなるものもある。
それが取り込み時のバラシだ。
取り込み時に竿をキーパーにかけるとテンションが緩んでバレるケースがとても多いと船長は言う。
これを防ぐためには、竿は自分の横に置くこと。
同じ理由でコマセカゴもオケに置かないほうがいい。
仕掛けが短いので、写真のようにコマセカゴをつかんで腕を上げれば魚は寄せられる。
少しでもキャッチ率を上げるために覚えておいてほしい。
コマセシャクリ釣りの基本動作
布良瀬のシマアジ盛況潮が流れて食い活発!
9月10日、南房相浜港の松丸へ。
当日集まった釣り人は8名。
乗船準備が整い4時50分に出船し、10分ほどで布良瀬の水深15~20mのポイントに到着。
「始めてください。水深15mです。根掛かりに気を付けて底から5mを探ってください」との船長からのアナウンスでスタート。
開始早々、右ミヨシ2番の北さんにアタるが、上がってきたのはオオモンハタ。
続いて右トモにもアタリがあり、合わせたがハリ掛かりしなかった。
その後、30分くらい流して広く探ったがアタらないので潮回りする。
次の流しは左ミヨシの仁平さんにアタリ。
キュッと合わせると竿先が深く入り込んでヒット。
竿を脇に挟みしっかりとホールドしたまま電動で巻き上げていると船長が駆け寄り、スパッと一発でタモ取りした。
船中1尾目は1.5kgのシマアジ。
「3シャクリ目でドンときました。オキアミの目を狙いにくるシマアジをイメージして頭だけ取られないようエサを丸掛けにしたのがよかったのかもしれません」久しぶりだというシマアジを手にうれしそうな仁平さん。
次の流しでは群れの濃い場所に差しかかり、船内あちこちでアタリ。
うまくハリ掛させる人もいれば、空振りする人もいる。
ここでは小型のシマアジが船中3尾上がった。
その後は潮が緩むとマダイやイサキ、メイチダイなどが顔を見せるようになる。
布良瀬は色いろなゲストが釣れるのも楽しみで、食べてうまい魚も多い。
やがて潮が動き出すと左舷でシマアジラッシュに突入。まずはミヨシの仁平さんと胴の間の井上さんにダブルヒット。
仁平さんは残念ながらサメに邪魔されて仕掛けをロストしてしまったが、井上さんが1.3kgのシマアジをキャッチ。
「シマアジがエサに気づいて追いかけてくるイメージで、始めはゆっくりシャクって徐々に早くしてみました」とのこと。
井上さんを撮影していると、左トモの安西さんのワンピースロッドが海面に突っ込んだ。
良型のシマアジも回っているようで、ヒットした直後の引きは強烈。
魚が走ったときは竿を斜め上に構えて引きに耐え、抵抗が弱まってから巻き上げる。
ポンピングはバラシの原因になるのでポンピングしない。
慎重にヤリトリして、船長の差し出すタモに収まったのは2kgのシマアジ。
淡いイエローストライプが入ったプラチナグリーン、体高のある魚体はまさに沖釣り師の憧れだ。
この時合に、幸せな思いをした方が右舷にもいた。
ミヨシ2番の北さんだ。
底から5シャクリまで誘ったところでヒット。
強烈なアタリとともにギュンギュンと道糸が引き出される。
春には5kg級のシマアジを上げているベテランで危なげなく寄せてくると、2.3kgのシマアジを船長がすくい上げた。
後半になると置き竿にする人も出てきた。
やはり誘い続けるのは体力的にきついのかもしれない。しばらくすると右トモの常連氏の置き竿が海面に突っ込んだ。
良型のシマアジかと思ったが、上がってきたのはスマ。
これを最後に11時の沖揚がりを迎えた。
釣果は0.8~2.3kgのシマアジが一人0~4尾。
安西さんや北さんはこの日10回のアタリがあったという。
アタリが遠い時間帯もシャクリ続けたことがアタリの多さにつながったのだろう。
![釣行の写真]()
▲1kgあれば頬が緩む。味覚も格別だ
出典:
![釣行の写真]()
▲3kg前後のスマが回遊中
出典:
INFORMATION
南房・相浜港
松丸
080・1154・5283
▼備考=予約乗合、4時半集合
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隔週刊つり情報(2024年10月15号)※無断複製・転載禁止