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ムズ面白さは健在 湾奥の冬タチウオ順調

隔週刊つり情報編集部

東京湾のタチウオが依然として湾奥で釣れている。

取材した浦安からの出船ではポイントまで航程35分ほど。

水深が20m前後と浅いからといって夏のように小型ばかりではなく、80~100cm前後主体でいい日はトップで15本ほど釣れている。

とはいえ釣果はアタリを掛けられるかどうかによっても変わってくる。

その難しくも面白いところがタチウオ釣りの魅力で、今の時期はとくにテクニカルなゲームが楽しめる。

釣行の写真

ツ抜けを目標に頑張りたい

アタリがないのになぜかエサは取られっぱなし。

やっとアタったと思っても全然掛けられない。

でも、お隣さんはよく釣っている。

これって悔しいですよね。

だからこそ、また船に乗りたくなるんです。

えっ、なんの話かって?

もちろんタチウオ釣りのことですよ。

今回出かけたのは東京湾奥浦安の岩田屋。

家族的な雰囲気があって親しみやすく、ビギナーにも優しく接してくれる船宿だ。

釣り物はリクエストなどによっても変わるが11月26日はテンビン仕掛けのタチウオ。

この日は私を含めて10名が乗船した。天気は穏やかな晴れ。

6時45分に出船し、ポイントを目指す。

さてさて、どこへ行くのやら。

幸いなことに週末限定で仲乗りをしている佐野和哉さんがこの日はプライベートでタチウオ釣りを楽しもうと乗船していたので、航行中に近況を聞くことができた。

「この秋はしばらく猿島~走水沖で釣れていましたが、11月上旬からは湾奥の水深20m前後で群れが見られます。今日も同じでしょう」

釣り場の写真

湾奥にタチウオの群れが集結

出足は順調

ちょうど干潮時に当たったため船は旧江戸川河口の三枚洲を少し遠回りして通過。

7時40分、ポイントに到着した。

周りを見渡せば東西は千葉と神奈川のほぼ中間に位置。

そして南北は東京のビル群とアクアラインまでがこれまたほぼ同じ距離。

うーん、まさに湾奥としか言い表せないポイントだ。

北からの微風の中、潮回りしていると僚船も次つぎにやってきて7~8隻が船団を作る。

これっていつものタチウオ釣りのシチュエーション。

座席で合図を待つみなさんも、いやが上にもヤル気が高まっているに違いない。

やがてエンジンがスローになると間を置かずにブザーが鳴り、続けて船長からのアナウンス。

「はい、お待たせしました。オモリは40号にしましょう。水深は20m。タナは18から上に3mまでをやってみてください」との合図が出ると私を除く皆さんはそれぞれに仕掛けを投入。

エサはコノシロの切り身だ。

すると5分もたたないうちに左舷トモ2番でヒット。

その取り込みが終わらないうちに右舷胴の間でもリールを巻き始めた。

釣れたのは二人とも本命タチウオ。

サイズはほぼ1mといってよく、重量感もタップリだ。

岩田船長によれば、直近では80cmから1m級がアベレージで、幅もあるので食べておいしいとのこと。

それに少し遅れて釣り上げたのは右舷ミヨシの佐野さん。

船中3本目を手にすると、次の投入でも連続ヒット。

「今のところは素直にアタリを出してくれますね」

2本取り込んだ直後に話を伺うと、釣れたパターンはどちらも同じ。

船長の指示どおり水深18mまで仕掛けを下ろし、そこから少しずつ誘い上げていくと1.5mほど巻き上げたところで小さな手応え。

その後にコツコツときて、やがてハリ掛かりにつながったとか。

そうした説明を聞いていると、隣の右舷ミヨシ2番にもヒット。

こちらも1m級をゲットした。

およそ10分流したところで移動の合図。

直前に再度右舷ミヨシ2番で釣れたので、最初の流しは合計6本となり、この時期としてはまずまずのスタートといえるだろう。

次の流しはタナ17mから3m上まで。

ここでもポツポツ釣れ、なんの問題もなし。

約15分で流し変えとなる。

さて、次の流しで私も仕掛けを下ろしてみた。

佐野さんから情報をいただいていたので、最初の1本はなんなくゲット。

18mから小刻みに誘い上げていくと、約1m上の17mでコツコツとした手応えがあり、それをやり過ごしながら同じタナで待っていると再度コツコツ。

それに合わせるとガッチリと乗ってきた。

釣行の写真

80~100cm前後が多い

知っ得!ていねいに エサを付ける

岩田船長によれば、タチウオ釣りのコツの一つはエサをていねいに付けること。

「誘い方なども大事な要素でしょうが、慣れない人はエサをていねいに付けることから始めてみてください」

エサをきちんと付け、指示ダナを探ってもアタリを感じられなかったら仕掛けを疑ってみることだそうだ。

「市販の仕掛けはとかく余分なもので飾りがちですが、ウチではシンプルな逆テーパーをすすめています」

船に積み込んであるのはメーカー品のほか、手作りのものも。

釣れないときはお試しあれ。

エサの写真

エサの中心に真っすぐハリを刺す

後半は難易度アップ

開始から約1時間半後の9時5分。

ここまではほぼ順調に釣れ続き、トップは佐野さんと左舷トモ2番の5本。

さらには全員が型を見た。

この調子なら半数くらいがツ抜けすると思っていたところ、突然、思わね横槍が入ってしまう。

タグボートが近付き、大型船通過に伴う移動をうながされたのだ。

こればかりは仕方ないところ。

各船はそれぞれにポイントを離れて大型船をやり過ごす。

通過後は再び船団としてまとまるがそれからの釣れ具合がおかしくなってしまった。

もちろん私の竿にも反応なし。

どうしたことかと、ここは船長に聞いてみた。

「魚探に反応は出ています。でも、不思議なくらい食ってきません。潮が動かないので、そのせいなのでしょうか」

当日は長潮だそうで、この時点での潮速は0.5kn。

また、風がさらに弱まってポカポカ陽気になったのも影響したのだろうか。

船中全体がまったりしてきた中、10時を過ぎたところで佐野さんが7本目のタチウオを取り込んだ。

「難しいけれどモタレが分かったときは釣れます。モタレがあればそのタナを維持。それより上まで巻くと、今日はアタリが出ないんですよ」

そう教えてくれた佐野さんだが、私にはモタレとやらがよく分からない。

けれどせっかくヒントをいただいたので神経を集中させる。

「ん、なんか重い。これって、もしかして」

重いと感じたタナを維持していると、やがてコツンコツン。

合わせたいのはやまやまだったが、それもガマンして次のアタリで合わせる。

なんとなんと、乗りました。

状況が厳しくなってからの1本。

これがあるからタチウオ釣りはハマるんでしょう。

この後はさらにアタリが少なくなり、11時を過ぎるとまるで沈黙。

ラスト近くの流しになってようやく上向いたものの13時50分に左舷胴の間氏に7本目、右舷ミヨシの佐野さんが9本目を釣り上げたのが最後の釣果となって14時20分に沖揚がりとなった。

「いつもはもっとアタリも多いし、こんなに難しくありません。これに懲りずにまた来てください」と船長。

難しいけれど、自分の読みどおりに釣れたときの快感は格別。

いつものことながら、タチウオ再チャレンジの思いを胸に家路についた。

釣行の写真

このサイズでも肉厚でおいしい

釣行の写真

浅場だけに引きは強い

Tackle Guide

岩田屋のタチウオ船では道糸PE2号以下がルール。

オモリは40~60号。

ハリスはストレートなら8号前後。

船宿仕掛けは全長2.5mの逆テーパー式。

ハリはタチウオバリの2/0が標準。

リールは、当日は浅場だったため手巻きでも対応できたが、群れが深場へ移動した場合には電動使用が無難なところ。

船宿information

東京湾奥浦安 岩田屋

047・351・2862 

▼備考=予約乗合、7時出船。カワハギ、アジへも出船

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