南房洲ノ崎もカワハギ有望ポイントの一つ。
洲ノ崎栄ノ浦港の早川丸が狙っているのは大房岬~洲ノ崎にかけての館山湾周辺。
今年は水温が高めに推移していることもありまだ魚は散っている状況だが、釣れるカワハギは22~25cm前後の良型ぞろい。
魚体も産卵期からしっかり回復していて、力強い引き味を楽しめる。
水温が22度を下回るようになれば魚も固まり数ものびるはず。
比較的魚もスレておらず釣りやすいので初心者にもおすすめのポイントだ。
![釣行の写真]()
ワッペンサイズは少ないから初心者にも釣りやすい
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手返しアップの便利アイテム
カワハギ釣りに限らないが、手返しよく釣るためには釣り座周りの整理整頓は欠かせない。
そして意外と気になるのが釣った魚を入れておくバケツやオケの位置。
近過ぎると邪魔だし、遠いのも不便。
ちょうどいい所に置きたいと思っても海水が出るホースが届かない、なんてことはよくある。
そんなときに便利なのが延長用のホース。
内径12mmの物を1m用意すればたいていの船で使用できる。
ビニールホースに比べと多少高くなる(1000円少々)が、シリコン製が軽くて柔らかく、持ち運びや取り扱いが楽でおすすめだ。
![アイテムの写真]()
延長ホースを用意しておくと釣り座周りの整頓に役立つ
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9月中旬現在、各地のカワハギ釣りは「群れが固まっておらず、広く散っていて拾い釣りの展開」で、どこもツ抜けできれば上等といった状況だった。
そんな中トップ15~20枚と頭一つ抜けた釣果を出していたのが南房洲ノ崎栄ノ浦港の早川丸で、さっそく取材へと赴いた。
![釣行の写真]()
今年も9月からスタートした洲ノ崎のカワハギ。良型主体に順調な幕開けとなった
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悪あがきは必要だ
早川丸がテリトリーとするカワハギ釣り場は栄ノ浦港前、館山湾内、富浦沖とあるが、「今期は今のところ館山湾内がメインですね」とカワハギ船担当の早川元樹船長。
館山湾内は意外に釣り場は広く、キャストの釣りも可能な砂泥地から根掛かり必至の魚礁、定置網跡などバラエティに富んだ釣り場でもある。
このところほかのエリアに比べ釣果が安定していますよね?と船長に話を向けると、「いや~ウチもほかと同じ感じですよ。まだ水温27度もあるからね。広く探っての拾い釣りだから、潮が流れないと厳しい釣りになりますよね」とはカワハギ船担当の早川元樹船長。
それでもまずまず釣果が出ているのは、館山湾内には広い範囲に数多くのポイントがあるからだろう。
当日は私を入れて5名だったので、全員右舷に並んでの出船となった。
釣り場は館山湾内で、まずは洲ノ崎側の南寄りのポイント、水深22mから釣りを開始した。
すると1投目から歓声が上がる。
着底即掛けで竿を曲げたのは私の左隣の女性。
「いきなりきました~」で20cm級を抜き上げる。
この後同行の男性も負けじと3連発で威厳を保つ。
どれもが20~25cmの良型だ。
絶好調スタートに思えたがその後はアタリが途絶える。
しばらく観戦していたが、手持ち無沙汰となり私も竿を出してみる。
オモリの感触から底は砂泥地で所どころ硬い根がある感じ。
その根周りでもゲストはおろかエサも取られない。
細かくポイント移動を繰り返していると、誘い下げている最中にジジジッと糸が擦れるようなアタリが出た。
そのままゆっくりと誘い下げゼロテンでアタリを待つと、比較的素直にカカカッときて17cmとやや小型ながらうれしい1枚目が釣れる。
上で触りを出した魚らしく、掛かっていたのは一番上のハリだった。
それから20分ほどたって、今度はオモリトントンで釣っていると、まとわりつくような気配があり、そのままトントンしていると、これも素直にカツカツッと食い込んでくれて20cm級を釣ることができた。
しかしその後のアタリは遠く、8時過ぎに「少し走りますよ」で館山湾でも大房岬寄りの北側へと移動する。
水深は25mほどで、ここでも我慢の釣りは続いた。
釣れるカワハギが25cm級交じりですべて20cmオーバーと良型なのが救いだが、時速1~2枚で各自3~4枚釣るのがやっとだ。
まだカワハギが散っている状態で、まずはカワハギにエサを見付けてもらわないと、ということでヒラヒラスカートや集寄を取っ替え引っ替え、オモリも色いろ替えたりエサを2個付けにし目立たせたり、もちろん誘いもワシャワシャと大きく動かしたりスローな誘いにしたりと色いろ試して2枚を追加する。
どれが効果があったのかは時速2枚では判断が付かないし、なかったのかもしれない。
ただカワハギ釣りはエサを取られなければ始まらない。
またそのときの状況によっても違うと思うが、ただ手をこまねいているだけではダメで、エサを見付けてもらう、追ってもらうあの手この手(悪あがき?)は必要だ。
その悪あがきの引き出しが多く、その確度の高い人が名手、達人と言われているのだと思う。
気分的には 20枚以上
残り時間も1時間を切り、朝やっていた南側のポイントへ移動となった。
ここは下に魚礁が入っているそうで「ポイントが狭く潮が流れていると攻めるのが難しい場所。潮が止まったので来てみました」と船長。
「根掛かりに注意して」で再開。
そしてここで爆釣が始まる。
カツンと硬く強めのアタリの後、底で激しく抵抗し、それをベリベリッと引きはがすようにして底を切る。
途中の強い引きを竿でいなして上がってきたのはウマヅラ。
「フライ、バター焼きでうまいよ」と船長。合点承知でもちろんキープだ。
3枚連続でのウマヅラに、ここはウマヅラマンションか!悪態をつきたくなるが、その後徐々にカワハギも顔を出し始める。
キタマクラ交じりなのでエサ追いもよく、掛けられなければあっという間にツルテンにされる。
しかし仕掛けを下ろすたびにアタリは出るから、後は掛けられるかどうかの腕勝負だ。
初めのうちはいつもどおり上で誘って気配を感じ、底に連れていって掛けるイメージで何枚か連釣したが、そのうちに上のタナでけっこうアタるようになってくる。
底から2mくらい上のタナで仕掛けを揺らしていると、ジジジッときてそのうちにカッカッカッとハリ掛かりする。
久びさに宙の釣りで連発。ウマヅラ、キタマクラ交じりではあるが、いや~楽しいのなんの。
1分とエサは持たないからエサの消耗は激しく、エサがなくなり船長から追加エサが支給されるくらいに好食いを楽しんだ。
船長もいつもよりも延長して釣らせてくれて12時過ぎに沖揚がり。
船中の釣果は船酔いの方を除き4~16 枚で、私は11枚だった。
ウマヅラほかゲスト交じりのためラストの爆釣も思ったほどカワハギの数はのびていなかったが、気分的には20枚以上釣った感覚だった。
これがもう30分早く釣れ出せばと惜しい気持ちもあるが、それは次回の楽しみとしておこう。
今期の館山沖は良型中心で型にはまったく文句なし。
かなり強烈な引きっぷりで楽しませてくれる。
船長の話では「ワッペン級の小型はごく浅場にいるみたい」とのことなので、これらも沖に出てきて固まり出せば、もっと数ものびることだろう。
大会エリアになることも少ないので、目を吊り上げたトーナメンターばりの釣り人が少なく、比較的ゆったりのんびり釣れるのも洲ノ崎出船のカワハギ釣りのいいところ。
ビギナー向けとしてもおすすめできる釣り場だ。
![釣行の写真]()
後半の魚礁周りでは底上2~3mの宙で食ってきた
出典:
船宿information
南房洲ノ崎栄ノ浦港 早川丸
0470・29・1095
▼備考=予約乗合、5時半出船。別船はスルメイカへ
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隔週刊つり情報(2024年10月15号)※無断複製・転載禁止