間もなく本格的なシーズンの幕開けとなるカワハギ。
近年では「夏ハギ」として出船する宿も増えている。
内房エリアもそのひとつで、勝山港では8月より乗合船がスタートした。
釣り場は港近くの勝山沖が中心で、水深は10~30m。
まだ魚が散っているのかアタリは散発的ながら、20~25cm前後の良型主体にトップ10枚前後の釣れ具合。
秋の訪れとともに水温が下がると群れが固まり、ワッペンサイズも活発にアタリを送ってくるはず。
そうなれば一気に数がのびていくだろう。
![釣行の写真]()
このサイズが増えてくれば数釣りが楽しめるようになる
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夏場のアサリエサの取り扱い方
夏場のカワハギ釣りではエサの管理も重要だ。
エサ用のトレイには少量(30分で使い切るくらいの分量)ずつ入れるようにして、残りはクーラーボックスに保管しよう。
時節柄冷凍アサリを使うこともあるかと思うが扱いは同様。
出船前に解凍し好みで塩など添加剤をまぶしたら、少量をトレイに入れ残りはクーラーに入れておこう。
![エサの写真]()
エサ用トレイはフタをして直射日光が当たらないようにしたい
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真夏日、猛暑日と暑い日が続くが、そろそろ秋の釣魚も気になるころ。
ビギナーからトーナメンターまで幅広い人気のカワハギも、本格シーズンを前に様子が気になる魚の一つだ。
年間を通して出船する三浦半島久比里を除いては、いち早く専門乗合を出船させたのが内房勝山港の宝生丸で、さっそく今期の内房カワハギの模様をリサーチすべく取材に赴いた。
内房のカワハギ釣り場は竹岡、金谷、勝山、富浦、館山の各沖となるが、勝山沖は竹岡沖と並びトーナメントの会場となるほど人気の好釣り場だ。
勝山港出船の場合、主なポイントは勝山港前、浮島周り、岩井袋沖など港至近の場所が多く、保田沖や富浦沖へ走る場合でも航程10~20分ほどだ。
ポイントの形状は、砂泥地にツブ根が点在する平たんな場所、緩やかに起伏がある場所、ソフトコーラルの根周り、岩礁帯と変化に富んでいるのもこのエリアの特徴。
岩礁帯でも勝山沖や保田沖は比較的もろい岩質で、根掛かりしてもテンションをかけ続けているとポロッと外れることが多い。
富浦沖は硬い根が多く、根掛かりするとガッチリと掛かり、仕掛けやオモリをロストする確率は非常に高い。
宝生丸では8月に乗合を開始し、連日トップ10枚前後。
「まだカワハギは広く散っている状態ですね。このところ濁り潮が入ってきているのも悪条件です。もう少し水温が下がってくれば群れが固まり出して釣果ものびると思いますけど」とはカワハギ船担当の高橋賢一船長だ。
勝山といえばエサ取りが異常に速い『高速ワッペン』が名物で、これとのゲームを楽しみにするコアなファンも多いが「今年は水温が高めだからワッペンが出てくるのは10月くらいになるのでは?」と船長は予測する。
8月下旬になると大半のカワハギは産卵を終えているが、エサの食い方はスローな場合が多い。
群れていないのでエサに対してライバルがいないためマイペースで捕食できるからだろう。
なので釣り手はそのあたりを意識して釣る必要がある。
![釣行の写真]()
ここ内房勝山もファンには人気のスポット
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スローな食い方に対応するタックル&仕掛け選び
タックルでいえばまず竿の選択で、もし複数本持っているならその中でも軟らかめで、ティップ(穂先)部分の比較的長い竿が、スローな食い込みのカワハギに適している。
ただしこれも一般論であって、その人の釣り方や好みによっても違ってくる。
注意したいのは軟らかければなんでもいいかというとそんなことはなく、まずは手感度でカワハギの気配を察知してから食わせの間を作る必要があり、軟らかめの竿で手感度も兼ね備えるとなると、ある程度のランク以上の竿がほしいところだ。
仕掛けは、ハリスは長めが有効なことが多いが、これも釣り方と好みの問題。
シーズン問わず長ハリスを好む方もいればそうでない方もいる。
最初は6~7cmの標準ハリスと10cmの長ハリス、ハリもハゲバリ系と食わせ系を交ぜて、様子を見ながらアジャストしていくのが一般的だ。
ただ一つ確実なのは、この時期は大型が多いのでハリは通常期よりもワンランク大きめか、パワータイプの丈夫なハリを選ぶほうがよいということ。
広く散った状態のカワハギに対しては、エサを見付けてもらうことが第一歩。
集魚板やシリコンスカートのほか、オモリも派手な色や発光オモリなどを使いカワハギへのアピールを狙う。
また大きめのアサリを付けたり、2個付け、3個付けも有効な手段だ。
エサを見付けてもらい食わせの間を長くしてハリ掛かりさせる
食い込みのスローなカワハギに対しては、長めに食わせの間を与えるのがいいが、前述したとおりまずはエサを見付けてもらわなければ始まらない。
オモリ着底後1~2m底を切ってから仕掛けを大きく動かしアピールする。
この時期、カワハギのタナは底付近がほとんどだが、遠くのカワハギにも仕掛け(エサ)に気付いてもらうように浮かせてアピールさせたい。
ポイントにもよるがキャストできるならキャストして広く探るのもありだ。
カワハギがエサに気付いたら(と信じて)、ユラユラと誘い下げていく。着底したらオモリトントンでアタリを待つが、ユラユラからトントンまで誘い下げのスピード、幅などを変えて、その日そのときのカワハギがエサを食べる気になる誘いを探していく。
カワハギがエサに寄ってくると、手感度に優れた竿ならジジジッとかカサコソといった仕掛けにまとわりつくような気配が感じられる。
ここから掛けにいく動作で、これもその日そのときによってまちまちだが、誘い続けるならソフトにゆっくりと、動かさずに待つならゼロテン状態からわずかにテンションを抜いたり逆にかけたりでアタリを待つのが定石だ。
アタリが出てからは、通常期であれば手感度ではカツンと硬質なアタリ、目感度ではクッと竿先を押さえ込むようなアタリが合わせどきとなるのだが、この時期はワンテンポ遅らせたほうが確実性は高まる。
カツンとかクッのあとに出るクククッと連続した食い込みアタリまで待って合わせたほうがバラシは少なくなるからだ。
カツンとかクッはカワハギがハリを口の中に入れたサイン(アタリ)なのだが、食い込みが遅いときにそこで合わせると、ハリ先が歯に当たったり唇の皮一枚に掛かったりでバラシが多くなる。
実際にはカツンのあとにエサを吐き出しアタリが消えることもあるし、反射的に合わせてしまうことも多いのだが、ここは勇気を持って合わせをワンテンポ遅らせることを意識しよう。
合わせはゆっくりと竿を持ち上げる聞き合わせ。
ハリに乗ったのを感じたら、少し強めに合わせるかリールで巻き合わせる(実際には合わせるといっても、カワハギが頭を振ったときに向こう合わせで掛かっていると思う)。
大型の取り込みは抜き上げずタモ取りが無難。
ハリが歯に乗っているだけで刺さってないなんて場合は海面バラシもあるからで、貴重な1枚は確実にものにしたい。
群れが散っているためキャストして広く探る
8月中旬、内房勝山港宝生丸のカワハギ釣りに釣行した。
この暑いのにカワハギ?なんて思うなかれ、当日も夏休み期間中とはいえ平日にもかかわらず15名もの釣り人が集まる人気ぶり。
数こそ出ないものの釣れれば型がいいのが魅力。
この時期ならではのスローな食い込みにアジャストする釣趣も面白い。
カワハギ釣りも四季折々の楽しみ方があるのだ。
5時に出船し、港前の浮島周りの水深22mから探っていく。
1流し目は空振るも2流し目に左舷胴の間で立て続けに2枚上がる。
仕掛け、釣り方を見ると、集寄を3枚付け、オモリ上にもシリコンスカートと派手な仕掛けで、オモリトントンからゆっくりとたるませていくスローな釣り方だ。
この流しでは右舷トモでも2枚上がったが、その後はたまにポツリの展開。
まだカワハギは広く散っている状態で、コンタクトは少なめでエサも取られないことが多いようだ。
その後、水深12mの浅場でもやってみるが状況は同じ感じ。
エサを見付けてくれれば比較的素直に食い込むカワハギもいるようで、ポツリポツリとは釣れるものの連発することは少ない。
ただ型はよく魚体も産卵から回復していて、ヒレピンのマッチョなカワハギが多かった。
8時前から私も竿を出してみた。
皆さんの釣りを見ていてカワハギにエサを見付けてもらうのが大事と感じたので、オモリ着底後、2m以上底を切り、ユサユサと大きく仕掛けを揺らす。
その後、ゆっくり誘い下げていき、着底したらオモリトントン。
これを繰り返すこと数度、誘い下げの途中でカサカサと気配を感じる。
オモリを着底させゆっくり小さくトントンとやっているとカツンときた。
合わせたいのをグッと我慢し、チチチッと出たアタリに合わせるとハリ掛かり。
ちょうど比較的カワハギの濃い場所に当たったのだろう。
同様にしてすぐに連釣することができた。
9時半近くになって保田沖の水深20~25mのポイントへ移動。
ここでもカワハギのアタリ方は同様。
魚の活性は低くなく、食い込みまで時間はかかるが、興味を持ったエサには何度も食ってくる感じでポツポツと釣っていく。
しかし合わせのタイミングはやはり難しく、巻き上げ途中で3枚もバラシがあったのは今後の課題だ。
この後も同様なパターンでスローなカワハギとの駆け引きを楽しんで12時に沖揚がりとなった。
釣果は1~9枚。
後半キャストして連発させた左舷ミヨシ氏と私がトップだった。
内房勝山のカワハギもこれからが本番。港の中にはミニワッペンがたくさんいるとの情報もあるから、今後は勝山名物『高速ワッペン』との駆け引きも存分に楽しめそうだ。
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18~23cm前後が多かった
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群れが固まれば数は一気にのびる
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カワハギ釣りは女性にも人気
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INFORMATION
内房・勝山港 宝生丸
0470・55・2777
▼備考=予約乗合、4時半集合。ワラサへも出船
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隔週刊つり情報(2024年9月15号)※無断複製・転載禁止