南房乙浜港の信栄丸はこの夏から一つテンヤ乗合を開始し、マダイプラスαの釣りが人気を博している。
そのプラスαとはこのアカハタで、南房エリアは浅場にアカハタが生息する根が多く、40cmオーバーの良型がヒットしてくる。
取材日は前半の2時間をマダイ、後半にアカハタを狙い、マダイは1kg未満を一人2~3枚だったが、アカハタは10尾前後釣った人もいた。
エビエサを使った通常のテンヤはもちろん、ワームを使ったりタイラバ、ジグで狙ったりと楽しみ方は色いろ。
前日には4kgオーバーのマダイも上がっており、こちらも大型のチャンスがある。
おすすめワーム
今回、信栄丸の常連さんが使用して高実績を上げていたのがベイトブレスのワーム「藻蝦」。
55gのタイラバヘッド、オフセットフックを装着してこちらのワームをセット。
迷ったらこちらの持参がおすすめかも。
![おすすめのワーム]()
▲とにかくよくアタっていた▲タイラバヘッドとオフセットフックを使用
出典:
本来、南房エリアの夏場はスルメイカで大いに賑わっていたが、近年の不漁ぶりは深刻で「釣りで狙うには厳しい」と判断する船宿も多く、ほかの釣り物で出船せざるを得なくなってしまったというのが昨今の状況だ。
南房乙浜港の信栄丸は秋の夜クロムツ釣りが始まるまでの「つなぎ」として一つテンヤマダイをスタートさせた。
このエリアは元もと夏場はコマセダイで大型が出ていたが、最近ではコマセ釣りといえばシマアジ狙いを指すほどになり、マダイを狙う船が減少。
だが、大ダイが回遊してくるいいポイントが近場には多くあるし、さらにアカハタも狙えるというプラスαを売りにすることで一つテンヤの乗合船をスタートした。
つなぎ的存在も、40cmを超える良型のアカハタが浅場で釣れることで人気を集め、つなぎではもったいない存在になりつつある。
今後の展開次第では十分に主役になり、周年狙う可能性も秘めている。
「まだ始めたばかりなのでポイントも回りきれていませんが、分かってきたらもっと面白くなりそう」と松井仁船長は言う。
マダイは開始から大型がヒットするものの、ラインブレイクのバラシが多かったという。
取材した8月11日の前日には70cm、4kgオーバーの大型が出て、大ダイが潜んでいるのは確認できた。
その日の状況にもよるが、朝の2時間はマダイ狙い、後半は浅場の根周りでアカハタを狙うとのこと。
「アカハタは湧いてくるような魚じゃないから、釣れていてもまめに移動するようにしています。そこは理解してください」と船長は度たびアナウンスする。
そのアカハタだが、取材日は40cm前後交じりでトップ10尾前後だった。
小型はリリースしたが、良型の姿が目立った。
ポイントは無数にあるようだが、釣り切ってしまうと根が枯れてしまう。
そうならないために、ポイントをしばらく休めたり、まめに移動しながら狙うとのことだ。
![釣行の写真]()
▲朝イチの1投目にきた
出典:
アカハタはワームが大当たり
タックルの基本はスピニングの一つテンヤ用だが、周りの人に迷惑がかからないならルアー、タイラバなどどんな釣り方をしても構わないという。
マダイは目下のところ水深30~40m前後を狙うことが多い。
テンヤは8号前後をメインに使用したい。
慣れない人はまずは底を取る必要があるので、重めの号数も用意してほしいとのこと。
目下は10~12号くらいまで用意しておけば問題なさそう。
タイラバ、ジグは40~60g前後で対応できる。
アカハタ狙いの場所はグッと浅くなり水深10m前後。
テンヤを使用する場合は5号前後で対応できるが、マダイと同じ号数でもOK。
アカハタはテンヤに通常のエビエサを付けてもいいし、サバの切り身を持参してエビエサの代わりにしてもいい。
固定式でもいいし、遊動式でも取材日は同様にアタリは出ていた。
中でも突出したアタリを出していたのは、中通しのタイラバヘッドとエビの形をしたワームを組み合わせたものだった。
ベイトブレスの「藻蝦」を使っていた人がアカハタ、カサゴのアタリはダントツだった。
オフセットフックを使用していたが、このワームをテンヤに付けても食っていたので、ぜひ用意しておきたいアイテムだろう。
ちなみにアカハタ狙いの場所でもタイラバ、ジグなどでも狙えるが、根掛かりは増えるので注意。
テンヤともに予備は多めに用意しておきたい。
船長によると、まだこの釣りは確立しているわけではないので、色いろ試してみてほしいとのこと。
![釣行の写真]()
▲連続ヒットもあったが根を枯らさないためまめに移動する
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![釣行の写真]()
▲このサイズはうれしい
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ポイント近く雰囲気は最高!
取材日は8月11日。
この日は筆者含めて8人で出船。
中には「3日連続です」という地元の常連さんも。
4時半の集合のあとすぐに出船する。
港を出てすぐの場所が目下のマダイのポイントのようで、5時ごろにはスタート。
水深は38m。
聞けば海底は根があり、そのてっぺん付近にはイサキの反応があるという。
前日はこのポイントで大型が出たそうで、みな期待を込めての第1投。
少しして左舷ミヨシで竿が曲がる。
上がってきたのは500~600gほどのマダイ。
遊動テンヤの8号を使用していた。
そのあとは右舷で連続ヒットも、上がってきたのはカサゴとウマヅラだった。
それからポツポツとマダイが上がり始め700g級も取り込まれた。
小型が多いがアタリは定期的にある。
良型ハナダイやショウサイフグの姿も。
釣り方は底を確認してから大きくリフト&フォールでエサをアピールしてやるというものだった。
筆者は45gのタイラバを投げては巻くを繰り返していたら、3投目に底から5mほどでガツッときてギューンと入り込んだ。
「それ、昨日の相方のマダイかも。慎重にやって」と船長。
昨日と全く同じポイントだそう。
重量は3kgはありそうだった。
真下に引き込む様はマダイのようだったが、途中からなかなか弱らないので青物を疑い出す。
船長はマダイの可能性があるので無理しないでいいというが、どうも怪しい。
残り10mを切ると円を描くように回り始めて青物を確信。
ワラサにちょっと欠けるくらいのサイズだった。
時刻はちょうど7時。
船長はアカハタ狙いを告げる。
港近くのポイントでスタートするが30分ほどはアタリがない。
船は港前から千倉方面へまめに移動しながら探っていくと、ようやく左舷でアタリがある。
竿を激しくたたくような引きで上がってきたのは42cmのアカハタ。
仕掛けは前述のワームだった。
1尾出てからは根を流すたびに2~3尾上がる。
一人にアタるとほかの人にもパタパタと食う。
何尾か釣れると船長は移動を告げる。
アカハタは35cm前後の良型の姿も目立つ。
これにカサゴもよく交じった。
ワーム、エビエサ、サバの切り身といずれにもアタリが出ていた。
しばしワームの釣り方を観察することに。
着底したら1mほど竿を持ち上げてそのまま落とす。
遊動式のタイラバヘッドが先に落ちて、あとからワームがヒラヒラと落ちていくイメージか。
すると竿先にガガガと根魚特有のアタリが出る。
そのまま重みを感じながら合わせを入れるとフッキング。
根に入られないように始めはゴリゴリ巻く。
この釣り方でアカハタ、カサゴを連発していた。エビエサのテンヤの場合は、底に着けっぱなしにしないで、やはり仕掛けを浮かせてアピール、根掛かりしないように誘いを繰り返しているとアタリが出るようだった。
お客さんからワームをいただき、固定テンヤにエビエサのようにして付けて落としてみた。
先ほど見た釣り方を真似していると、すぐにギュンギュンと鋭いアタリがある。
上げてくると20cmほどのアカハタだったが、これはリリース。
元気に泳いでいった。
この浅場でタイラバはどうだろうかと軽めのものを投げて引いてきたら、マダイ2枚、イサキ、カサゴを追加できた。
最後のマダイは700gほどあってちょっとビックリ。
根掛かりでタングステンタイプを2個ロストしてしまったが、アタリは多くあってこれもアリと思った。
様ざまな可能性を秘めた南房乙浜沖の一つテンヤ。
今後の展開に要注目のエリアだ。
![釣行の写真]()
▲テンヤ+エビエサにヒット
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![釣行の写真]()
▲マダイは水深30~40mを狙う
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![釣行の写真]()
▲マダイは大型は出なかったがアタリは活発
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INFORMATION
南房乙浜港
信栄丸
0470・38・2427
▼備考=予約乗合、4時半集合
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隔週刊つり情報(2024年9月15号)※無断複製・転載禁止