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[E2F(第3回)]東伊豆宇佐美港出船のロックフィッシュゲーム

隔週刊つり情報編集部

ヨッシーこと吉岡進がルアー釣りを中心に色いろな釣り物を狙い、毎回釣りの楽しさを伝えていく新連載「Enjoy Every Fishing(略してE2F)」。

第3回はソフトルアーなどで根魚を狙うロックフィッシュゲーム。

今回はアカハタとカサゴを中心に数が釣れていて、多彩なゲストも交じる東伊豆エリアへ釣行した。

取材で訪れた二階屋丸のロックフィッシュ船は、ソフトルアーやメタルジグで狙うルアー釣りのほか、テンヤやブラクリ仕掛けを使ったエサ釣りと釣り方の自由度も高く、思い思いの楽しみ方ができるのもいいところ。

釣り場は宇佐美~網代沖の水深20m前後。

ヨッシーはルアー釣りをチョイス。

1oz(約28g)のオモリに「アイシャッドテール」3.8inをセットしてアンダーハンドでキャスト。

着底させてリフト&フォールで誘うとゴンッ!と気持ちいいアタリがやってきてアカハタやカサゴが次から次へと釣れ上がる。

北に初島、南には伊豆大島を眺めながら風光明媚な東伊豆の海で時間を忘れてロックフィッシュゲームを堪能したヨッシー。

詳しくはこのあと!

Profile

よしおか すすむ

1982年生まれ。

ヨッシーの愛称で親しまれている。

一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーを得意とする。

ジャッカルソルトプロスタッフ、シーガーインストラクター。

釣り人の心をヒットする言葉、「フリースタイル」。

ここに「プチ遠征」が加わると、これはもう楽しさ全開、盛り上がらずにはいられない。

ありとあらゆる釣りを、分け隔てなく、思いっ切り楽しんでしまうのが、エンジョイ・エブリー・フィッシング──E2F取材陣の(数少ない)取り柄である。

今回訪れるのは、東伊豆宇佐美港の二階屋丸だ。

チャーミングな笑顔と優しい語り口調の森昌史船長の操船で、ロックフィッシュを狙う。

主にはアカハタやカサゴだ。

「フリースタイルでOKです」と森船長。

キタ!フリースタイル。

とてもうれしい。

ルアーなら、3~4inのソフトルアー。

シャッドテール、カーリーテール、クロー系などが主軸だ。

ジグは30~60g。

そして森船長は「テンヤなら8~10号ですかね」と付け加えた。

エサ釣りもOKなのだ。

ルアー釣りとエサ釣りの両方が存在していることは、船釣りになんとも絶妙な面白さをもたらしていると思う。

イメージ的には「ルアーって言ったって、しょせんは疑似餌でしょう?ホンモノのエサには敵わないよ」と思いがちだ。

しかし、魚の活性や海の状況によっては、必ずしもそうとは言い切れない。

ルアー釣りとエサ釣りの両方OKというフリーダム系の船に乗船したことがある方ならご理解いただけると思うが、エサ釣りが常に圧勝ではない。

一般論としては、活性が低いときほどエサが有利で、高いときほどルアーが有利という傾向がある。

活性が低いと匂いや味に、活性が高いと動きに反応しやすいようだが、絶対とは言い切れない。

とにかく「絶対」というものがない、ということだけが、絶対の真理なのだ。

エサとルアーの両方を経験すると、そのことがより鮮明になる。

とか言いつつ、E2F取材班のイチロウこと鹿島一郎さんと、ライターのタカハシゴーは、事前にイソイソとエサ釣りの準備をしていた。

せっかく東伊豆までプチ遠征するのだ。

なんとしても魚の顔を見たいという欲望が高まり、確実性安全性安定感を追求すべく、つまり万一の低活性時の安パイ狙いでエビとカツオのハラモを用意するのであった。

魚の写真

アカハタのアベレージは25~30cm前後

ロックフィッシュの釣り方 オモリを離してフォールさせる

オモリを先に着底させ、それにソフトルアーを追従させて、フワフワと漂いながらオモリを追いかけるイメージ。

ラインテンションのコントロールが重要でフリーフォールだが、わずかにテンションをかけるのがコツ。

ソフトルアー、ジグ、エサ……。 フリーダムな釣りがスタート

主役であるヨッシーことジャッカル・プロスタッフの吉岡進さんの頭の中に、「エサ」の2文字はなかった。

ヨッシーは、どんな釣りにも喜びを感じる感性の持ち主だ。

ルアー釣りだけにこだわっているわけではなく、エサ釣りも楽しむ。

「ルアーでもエサでも、どっちでもいいんだ。ただ、テクニカルでゲーム性が高い釣りが好きなんだよね」とヨッシー。

ただ待つだけの釣りは、性に合わない。

自分で戦略を立てながら、色いろ試行錯誤して、答えを導き出したいのだ。

常に攻めの姿勢なのである。

5月30日は、朝からしっかりと雨が降っていた。前日に東海地方は梅雨入りが宣言されたうえ、台風2号の影響も多少あったようだ。

前日までの風は止み、空は暗い。

これはむしろ、根魚たちの警戒心を解く好条件と言えるのではないか……。

とかく自分たちに有利に考えがちな我田引水的な釣り人思考を炸裂させる、E2F取材陣なのである。

冒頭で「プチ遠征」などと述べたものの、都心から東伊豆宇佐美港まではクルマで2時間ほど。

遠いと言うのもはばかられる距離だ。

それでも伊豆には、一大観光地にふさわしい華やかな景色がある。

山と海が織りなす自然の豊かさは、そのまま「いい釣りができそう……」という予感につながる。

港を離れて30分。

小さな手石島のそば、水深約20mのポイントで釣りが始まった。

離れ小島のすぐそば、である。

テンションが上がる。

魚がいるとしか思えない。

魚の気配ムンムンの矢口高雄の絵の中に入り込んだみたいだ。

ヨッシーはビンビンスイッチマスクでスタートした。

「マスク」は、ビンビンスイッチのヘッド部分にかぶせるだけのカスタムパーツだ。

イチロウはソフトルアー、釣友でありE2F取材班のトモキこと板倉友基さんはジグ。

そしてライターのタカハシゴーはエサ。

期せずして、てんでバラバラに釣りが始まった。

すぐにアタリを出したのは、ビンビンスイッチマスクのヨッシーだった。

いい竿の曲がりを見せたが、惜しくもフックオフしてしまった。

なぜか守りに入ったタカハシゴーはエビから始めたものの、「エサ取りが多くてすぐにボロボロになっちゃうな~」と、カツオのハラモに変更。

序盤は、ジグからハラモへと素早く替えたトモキがカサゴを、そしてタカハシゴーがアカハタを連発することになった。

釣行の写真

60gのジグをリフト&フォールで誘い、 シャクったときにきた

エサは持参が基本

エサ釣りを楽しみたいなら付けエサは持参となる。

今回はテンヤのエサとしてカツオのハラモと冷凍エビを用意。

当日はカツオのハラモでオオモンハタやヒラメも釣れた。

30cmの壁にはばまれるキープサイズ狙いのアカハタ

エサ、強し……。

永遠の初心者・タカハシゴーがキープサイズのアカハタをバッタバッタと釣っているのだ。

そう、二階屋丸には「30cm未満のアカハタはリリース」というレギュレーションが設けられている。

これが燃える!少しでも大きいサイズを狙うために、知力体力時の運をすべて駆使するという、往年のアメリカ横断ウルトラクイズ的なオモシロ要素となっている。

ロックフィッシュに限らず、釣りにおいてサイズを狙うことはなかなか難しい。

しかし、山が高いほど登山家が魂を燃やすように、難易度が高いほど釣り人も熱くなるのである。


開始から2時間ほど経過したところで、ソフトルアーに変更していたヨッシーがキープサイズのアカハタを釣った。

アカハタも30cmを超えるとなかなかのツラ構えである。

色彩の華やかさに迫力と野生味が加味されて、釣り応えはたっぷりである。

7時50分、大きくポイントを移動する。

その時点で、アカハタキープサイズのトップは、エサ釣りにこだわるタカハシゴーの3尾。

2番手が同じくエサ釣りのトモキで2尾、そしてソフトルアーのヨッシーが1尾。

イチロウは方針が定まらないうえに運にも若干見離され、キープサイズには至らない。

しかし、釣り開始から2時間ほどですでに全員が存分に魚の引きを味わっているとは、いかにも豊かなことである。

雨は降ったり止んだり強まったり弱まったりをランダムに繰り返しながら、天候は徐々に回復傾向にある。

空は少しずつ明るくなってきた。

「楽しいねえ」

竿先を眺めながらヨッシーが言った。

「ホント、なんでこんなに楽しいのか……」

理由をたずねても、明確な答えが返ってこない。

「なんでだろうね~」

ぼんやりとしている。

だが、恐ろしいほどのリアリティがある。

理路整然と楽しさの理由を述べられたほうがウソくさい。

エンジョイ・エブリー・フィッシングを地でいっている東伊豆のヨッシーなのである。

ロックフィッシュは、決して難しい釣りではない。

というのは、根魚連中が純朴でいいヤツらだからだ。

こんなことを言うと差別的かもしれないが、根魚たちは、モノゴトをあまり深く考えていないように思う。

だからルアー釣りだとしてもエサ釣りだとしても、底付近をトントンやっていれば、だいたい反応がある。

精密な根魚釣りもあるのかもしれないが、そんなに気を張らなくても気前よく釣れてくれる。

ときにはパッタリと食いが止まることもあるが、だからといってそれっきり、ということもない。

しばらく耐えていれば、だいたいだれかにアタリが出る。

「ロックフィッシュは、いる所に仕掛けさえ落ちれば、だいたい食ってきてくれる。

かわいいヤツらなんだよ」と言って、ヨッシーは笑った。

釣行の写真

8号テンヤにカツオのハラモを付けてボトムバンプさせると35cm級のアカハタが食ってきた

魚の活性とルアーの波動をバランスよく合わせる

時間が過ぎ、ポイントが変わる。

今度は少し北上して、水深は25m前後に。

視線を上げると、断崖絶壁が岬を作っていて、いかにも潮通りがよそさうだ。

険しい崖スレスレの位置を通る道路を、海面から見上げる。

海からしか見られない光景に、日常は結構ギリギリの線で保たれているんだなあ、と思う。

イチロウ、トモキ、タカハシゴーの3名は、すっかりカツオのハラモのとりこになっている。
 
10cmほどある大ぶりな切り身を縫い刺しするのだが、とにかくエサ持ちがいい。

魚が釣れても、よほどのことがなければそのまま使える。

素晴らしい手返しのよさである。

手返しのよさは、本来、エサ釣りに対してルアー釣りのメリットだ。

エサ取りにボロボロについばまれたり、魚が釣れるたびにエサを交換する手間は、ルアーにはない。

しかしハラモは、エサのアピール力とルアーの耐久性を併せ持っている。

10尾ぐらい釣っても、まだ使える。

多少ボロボロになっても食いは落ちない。

ハリを刺した穴が広がっていくとズレて回転を招くから、そうなったら交換すればいい。

イチロウ、トモキ、タカハシゴーの3名は、取り憑かれたかのようにカツオのハラモでロックフィッシュを釣っている。

だが、「今回はビンビンスイッチマスクとソフトルアーだけに決めてるんだ」とキッパリしていて、なんとジグさえも持ち込まなかったヨッシーに対して、一抹の敗北感がある。

潔いヨッシー。エサ、ジグ、ソフトルアーとありとあらゆる釣法でどうにか結果を出そうとする、残りの3名。

どっちが正解という話ではない。

しかし、釣りにゲーム性を見出すなら、ルールという名の足かせを設けなければならない。

なんでもアリの「フリースタイル」は、船宿の側からの決まりがないがゆえに、自分でルールを設けない限り、ふんわりとしたつかみ所のない釣りになってしまうのだ。

もし釣果がすべてなら、エサ釣り完勝という一日だった。

手練れのヨッシー+ビンビンスイッチマスク&ソフトルアーという組み合わせをもってしても、永遠の初心者タカハシゴー+エサに数では届かなかった。

だが、自分でコレと決めた釣法を貫き通し、やり切って、今日という一日をデータとして蓄積させたヨッシーが勝者のように思えてならない。

「エサ釣りと一緒にルアー釣りをやってて、不利を感じないかって?うーん、それはないな。エサの人がしっかりとターゲットフィッシュを釣ってるのを見ると、『やっぱり魚はいるじゃん』と思うんだ。それなのに釣れないのは、自分の何かが間違ってるってことだなって。そこを修正しながら思いどおりの釣りができたら、そりゃもう最高に楽しいよね」

釣りは趣味であり、遊びである。

何を求めて釣りをするかは、人それぞれでいい。

しかし5月30日、東伊豆の海域で最も釣りをエンジョイしたのは、釣果はさほどでもなかったヨッシーだったことは間違いない。

釣行の写真

当日最大40cmのアカハタ

釣行の写真

カサゴは25~30cm前後の良型がそろった

釣行の写真

フォール中のアタリに即合わせして釣り上げた1.5kg級のヒラメ

Enjoy Every Fishing Tackle guide ロックフィッシュタックル

根掛かりを外したり、ラインテンションをコントロールするには張りのあるベイトロッドが扱いやすくておすすめ。

ラインは根ズレ対策としてフロロカーボンを使用。

ソフトルアーはシャッドテールをメインにカーリーテールやクローも使う。カラーは赤やオレンジを中心にそろえておこう。

ヨッシーのメモリアルショット

二階屋丸の船着き場の前には温泉の手洗い場がある。

日により温度が違うらしく、この日はかなり高めで熱い。

そこでだれが一番長く熱い温泉に手を入れていられるか我慢大会を開催。

タカハシゴーVS ヨッシーの対決。果たして結果は……。

船宿インフォメーション

東伊豆宇佐美港 二階屋丸

090・7868・4135

新しい釣法に積極的にチャレンジする森昌史船長。

タイラバ、SLJ、ティップランエギングなど様ざまなルアー釣りを楽しませてくれる。

アカハタやカサゴを狙うロックフィッシュは、30センチ未満のアカハタをリリースすることさえ守れば、ソフトルアーやテンヤ、エサと釣り方は自由に楽しむことができる。

また、ルアーに限らず、マルイカやカイワリなどのエサ釣りも受け付けてくれる。

備考=予約乗合4時集合。午後船は電話確認。マルイカ、カイワリへも出船

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隔週刊つり情報(2023年7月1号)※無断複製・転載禁止

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