九十九里飯岡エリアでは6月にヒラメが解禁するが、これから好期を迎えるショウサイフグも狙い目だ。
取材した飯岡港の隆正丸では4月からフグ船をスタートしており、25~35cm前後を中心に40cm級も交じり、いい日はトップで20尾以上とまずまず。
目下の釣り場は航程30分、水深17mの砂れき底で根掛かりの少ないポイントと、近場で水深10~15m前後の根周りを状況に応じて狙い分けている。
「今年はやや数は少ないですが、そのぶん型がいいです。例年6月は一番いい時期なのでこれからは良型主体に数釣りが楽しめるはずです」と芳野船長は期待を寄せる。
カットウ仕掛けのエビエサの付け方
隆正丸のカットウ仕掛け用のエサはアルゼンチンアカエビ。
ここではエサバリに1匹そのまま付ける手順を船長に教わったので紹介しよう。
ハリ先をチェック
根掛かりを外したり、フグを釣ったらハリ先を確認。
ハリ先が甘くなったらシャープナーで研ぐ、もしくは新しいハリに交換しよう。
「例年5月からスタートするのですが、4月に入ってから一つテンヤマダイ乗合のゲストでフグがたくさん交じるようになったので、4月上旬からショウサイフグ乗合を開始しました」と話すのは、九十九里飯岡港・隆正丸の芳野幹雄船長。
当地のフグは周年釣れるが、同宿では例年、良型がそろう初夏の時期をメインに出船しており、今年もそのシーズンがやってきたというわけだ。
隆正丸を訪れたのは5月11日、私を含めて5名が船宿に集まった。
4時に受付して、エサのアルゼンチンアカエビと氷を受け取り、船着き場へ移動する。
全員が右舷に並び、私はトモ2番に入った。
準備が整ったところで4時45分に出船、航程30分で飯岡沖のポイントへ到着。
「ここ数日シケで出船できませんでしたが、シケ前はよく釣れていたのでまずはこのポイントからやってみます」と船長。
海はまだウネリが残っていて釣りにくそうだ。
![釣行の写真]()
飯岡沖のショウサイフグ釣りは6月に最盛期を迎える
出典:
知っ得! 一つテンヤで フグを狙う
隆正丸の常連さんの間で流行っているのが一つテンヤにカットウバリを付けた仕掛けでフグを狙うというもの。
船長に了承を得ればミヨシの突き出しで楽しむことができる。
タックルは一つテンヤ用でOK。
テンヤはタングステン製の15号、カットウバリはLサイズ。
エサはアルゼンチンアカエビで、むき身を小さくカットしたものを親バリにいくつか付ける。
釣り方はテンヤマダイと同じで仕掛けが着底したらリフト&フォールで誘う。
![仕掛けの写真]()
写真のテンヤはジャッカルのビンビンテンヤ、カットウバリはがまかつのF1を使用
出典:
良型主体でスタート
午前5時、船長から、「準備ができた方から始めてください。水深は17mです。潮が止まっているので広く探ってください」とアナウンスがありエサを付けたカットウ仕掛けが次つぎと投入される。
開始からしばらくアタリはなく何度か流し変えをするが、釣果のないまま5時半に移動となる。
15分ほど走って到着したのは屏風ケ浦が目の前に見える灘寄りのポイント。
「水深12mです。根周りを狙います。根掛かりに気を付けてください」とのアナウンスで再開すると早々にミヨシの五十嵐さんにヒット!
勢いよく横へ走っているので良型のショウサイフグに違いない。
テンションを緩めずに巻き上げて35cm級が取り込まれた。
さらに30cm級のフグを釣り上げて幸先のいいスタートを切る。
五十嵐さんはフグ釣りの熱烈なファン。
さぞやこだわりの仕掛けやエサを使っているに違いないと思いうかがってみると、「根掛かりする場所なので一段カットウ仕掛けにしました。エサはアルゼンチンアカエビとホヤを持参して色いろ試しています。1尾目はアカエビ、2尾目はホヤで釣りました」と教えてくれた。
しばらくすると私の左隣の千葉さんにもヒット。
強い引きに驚いた様子で夢中になってリールを巻いている。
抜き上げたのは30cm級のフグ。
「根掛かりしないよう底を切って待ち、アタったので即合わせしたら掛かりました。エサはバナメイエビを使っています」と満面の笑み。
8時にはミヨシ、ミヨシ2番の方もアタリを取って掛ける釣り方で25~30cm級をキャッチした。
その後はウネリの影響で底荒れしているのかアタリが遠くなる。
水深10~15mのポイントを探り、流し変えるたびに船内でポツポツと釣れ上がるもスローペースだ。
![釣行の写真]()
ベテランはアタリに合わせる釣り方で楽しんでいた
出典:
Tackle Guide
竿は全長1.5m前後のカットウフグ専用もしくはカワハギ竿、隆正丸ではオモリは25号で統一。
仕掛けは2段カットウ。透明パイプでハリスを保護しておくとフグにかまれたときに切られないし、仕掛けも絡みにくくなるのでおすすめ。
落とし込みで連釣
11時の沖揚がりまで残り1時間、私も竿を出す。
仕掛けを投入し着底したら糸フケを取り、10秒数えて軽くシャクって空合わせ。
続いて竿をゆっくり下ろしている間、竿先に集中するとコツコツとアタリ。
このタイミングで合わせてもカットウがフグより上の位置にあるので掛からない。
エサを追わせて海底までフグを引き連れて仕掛けを着底させてから合わせを入れるとズンと重みが加わる。
「バレるな。頼むからバレないでくれ」と心の中で叫び、リールを巻くとフグが海面まで浮いてきた。
見ると2本のカットウバリがボディをとらえガッチリとロックしている。
これならバレないだろうとエイヤーと30cm級のフグを抜き上げる。
その後も同じパターンで25~30cmのフグを2尾追加したところで沖揚がりの時間を迎えた。
釣果は25~35cmのフグを一人3~6尾。
数はのびなかったものの、釣れるのは良型ぞろい。
このサイズなら食べ応えも十分だ。
「今日はフグが散らばっていて拾い釣りという展開でしたが、いい群れに当たれば船内のあちこちで釣れるようになります。例年、群れが固まってくる6月から30~35cm級を主体に40cm級が交じります。海が穏やかな日はトップ20尾くらい釣れますよ。皆さんこのサイズを求めてうちに遊びに来てくれるんです」と船長。
飯岡沖のフグはこれからが本番だ。
船宿information
九十九里飯岡港 隆正丸
0479・57・5432
備考=予約乗合、4時集合。ハナダイ、6月からヒラメへも出船
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隔週刊つり情報(2024年6月15号)※無断複製・転載禁止