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開幕から良型主体の数釣り 今が釣りごろ大原沖イサキ

隔週刊つり情報編集部

外房大原沖のイサキは5月上旬から本格始動。

開幕から30cm近い良型主体に定量の50尾に達する日も多く安定した釣果が続いている。

取材した大原港の天の清栄丸はこの日、大原沖のタナ12~15mでスタート。

コマセを鋭く振り出すと開始からキュンキュンとイサキ特有のアタリが出て楽しませてくれた。

サイズは25~35cmでほとんどが丸まるとした良型だったのも見逃せない。

サイズがいいからダブル、トリプルともなれば想像以上の引き味も楽しめる。

水温が安定するこれからの時期は釣りやすく食べても最高の時期。

すでに真子や白子もしっかりと入り、帰ってからのお楽しみも格別。

コマセ釣りの基本とも言えるイサキ釣り。

ここから始めるのもおすすめだ。

釣行の写真

見るからにおいしそう

ADVICE イサキは口が弱い魚

取り込みのときにハリスを緩めてしまうとポロリとイサキが外れることがしばしばある。

これはハリが口の脇に掛かっているときが多い。

イサキの口の脇にハリが刺さると、ハリ穴が広がって外れやすくなるためだ。

取り込み時はハリスを緩めないように気をつけよう。

上アゴならバレることはほぼない。

アタリがあったら竿先が引っ張られた分を引っ張り返すように合わせを入れると、上アゴにしっかり掛かる率が上がるので試してみてほしい。

魚の写真

上アゴに掛かればバラシも激減

ゴールデンウイークが終わって薫風が心地よく吹き始めると外房エリアのイサキ釣りが本格化する。

乗合船は九十九里片貝~外房勝浦の各港から出船。

イサキが寄り付く根は沖から灘まで広く点在し、狙うタナは海面から10~20mと浅く釣りやすい時期だ。

5月から梅雨時にかけてのイサキは、産卵を前にして活発にエサを追うため丸まると太っているのが特徴だ。

白子や真子をしっかり持ち、これらの食味を楽しみに通うファンも多い。

太東~大原沖から勝浦地区の海中公園~勝浦灯台沖など好ポイントは数多い。

今シーズンは30cm前後の良型ぞろいで、早くも定量(外房では50尾に規定)に達する釣果も多く出ている。

この時期に最も釣果に安定感のある釣り物といえる一方で、コマセカゴの調整や誘い方などで釣果に差が出る釣りでもある。

今回は大原港出船のイサキ釣りを解説する。

外房大原港出船のイサキ乗合は、夜明けごろ(午前4時前後)に出船して昼前に帰港というパターンだ(釣り時間は5時~11時)。

主なポイントは大原~太東沖で、ポイントまでの航程は30~60分と差がある。

大原沖ではタナは10~15m、太東沖では若干深く20~25mのタナを狙うことが多い。

いずれの場所でも高根の周りに着いている反応を狙う。

エサなしカラーバリが手返しよくおすすめ

イサキ釣りのコマセカゴはFLサイズ60号と規定されており、サニービシがコマセの調整がしやすく使いやすい。

下は閉め切って上窓が3分の1くらい開くように調整する。

このコマセカゴの調整がイサキ釣りの第一歩であり、最も重要といってもよいかもしれない。

その理由は後述するが、コマセカゴを回収したときに、中にコマセが残っているくらいがちょうどよい。

竿は全長2m前後の7:3調子が使いやすい。

ライトゲーム用と銘打った汎用的な竿をおすすめしたい。

60号のオモリをシャクって、竿先がフワリと曲がってゆっくり戻るようなアクションのものを選ぼう。

軟らかめのタチウオ竿なども使いやすい。

小刻みにシャクってコマセをまくので、軽量の竿を選ぶことが大切だ。

リールは手巻きでも電動でもよいので使い慣れたものを選ぼう。

リールも軽量のほうが疲れが少ない。

道糸にはPE2~3号を巻いておく。

腕長30~40cmのテンビンに30cmのクッションゴムを付ける。

仕掛けはムツバリまたはチヌバリを夜光塗装したカラーバリで、エサは付けずに釣るのが主流になっている。

取材した天の清栄丸ではイカタンが用意されていてエサを使うこともできるが、食いがよいときにはカラーバリで手返しよく釣るほうが釣果はのびる。

オキアミを持ち込む人も見かけるが、ウマヅラが多いときにはイサキより先に食ってしまうので、このエリアではオキアミエサの効果はそれほどないと思える。

また、ウイリーバリを使ってもよいが、ウイリーは東京湾口のように誘い続ける釣り方では効果的だが、大原沖では指示ダナまで浮かせてハリを止めて食わせるので、カラーバリに分があるように思われる。

指示ダナ+仕掛け分落としコマセをまき始める

大原沖のイサキの釣り方は、まずは船長の指示ダナプラスハリス分、仕掛けを下ろす。

指示ダナは待ちダナをアナウンスすることが多い。

「タナ15m」のアナウンスでハリスが3.5mなら、海面から18~19mまでコマセカゴを下ろす。

船によっては「18~15m」と幅をアナウンスする場合もあるが、この場合は18mまで下ろして15mで待つようにする。

コマセカゴを18mまで下ろしたら、50~80cmほど竿先をシャクリ上げて止める。

このときにコマセカゴの調整がうまくいっていれば、コマセがパラッと少量こぼれることになる。

シャクった後は竿先を下げながらリールを巻く。

このときコマセカゴが下がらないように竿先を下げる幅と巻き取る糸の長さを同じにする。

コマセカゴが上へ上へと動く要領だ。

これを数回繰り返して、待ちダナの15mに合わせる。

まり、3mの範囲を小刻みにコマセをまきながら、コマセカゴを上昇させたことになる。

あとは竿を静止させてアタリを待つ。

とくに誘いは必要ない。コマセによって浮いてくるイサキが食うのを待つ、

といったイメージだ。

1~2分ほど待ってアタリがなければ18mまで下ろし、再度コマセをまきながら待ちダナの15mに合わせてアタリを待つ。

この繰り返しでアタリがなければ、いったん仕掛けを上げてコマセを詰め替える。

このように、イサキ釣りはけっこう忙しい釣りだと言える。

アタリは明確に竿先が引き込まれる。

基本的に向こう合わせだが、竿先が引っ張られた分だけ引っ張り返すように小さな合わせを入れることにより、ハリが上アゴにしっかり掛かるのでバラシを減らすことができる。

最初のアタリで掛かったら、竿先に魚の重みをかけたままキープし第2、第3のアタリを待てば多点掛けが狙える。

30cmを超えるイサキの引きはかなり強い。

とくに多点掛けした場合に無理にリールを巻くとハリスが切れることもあるので、魚が引いたら竿でため、止まったら巻き上げるようにしてゆっくり浮かせてくるとよい。

ビシを手にしたら、ハリスを緩めないようにしてゆっくりと魚を抜き上げる。

釣行の写真

ハリの近くのハリスをつかんで一気に抜き上げる

コマセカゴの調整が最重要な理由とは

イサキを釣るにあたって、海中の状態をイメージして釣ることは大切だ。

イサキの反応は根周りに出る。

反応は根のてっぺんだったり、根の縁だったり、ときには根と根の間に反応が出ることもある。

船長は反応の位置や潮の流れを見ながら、群れを誘い出すように船を流す。

イサキの反応の真上(あるいは斜め上)からコマセをまくようにして、イサキを浮かせて食わせるのがそのパターンだ。

ここでは、コマセカゴを待ちダナ+ハリス分より下げないことが重要で、タナを守らずにコマセカゴを海底近くまで下げてしまうと群れが浮かないばかりか、根掛かりで仕掛けを失う原因にもなるので注意しよう。

コマセ釣りも狙う魚によって目的が異なる。イサキ釣りではコマセを縦に帯状にまくことにより、根に着いた魚を浮かす目的がある。

そのためには少しずつコマセを出し続けてやる必要があり、それが最初に書いたコマセカゴの調整が最重要とする理由でもある。

回遊する群れを止めるワラサ釣りのように、ドカンと一気にコマセをまいてしまうと、イサキはコマセに着いてしまい浮いてこない。

コマセカゴの調整と小刻みなシャクリで、イサキを浮かせるようにイメージしながら釣ることが釣果をのばすコツだといえる。

この時期のイサキは脂が乗って食味は格別。

ただし、イサキは傷みやすい魚ということは意識したい。

好調時にはついつい釣ることに夢中になって、バケツの中に大量の魚を放置し酸欠で死なせてしまいがちだ。

バケツで死んだ魚は味が落ちてしまう。

あらかじめクーラーの中に海水氷を作っておいて、バケツに10尾ほどイサキが溜まったら、生きたままエラを切って氷水の中に泳がせるようにすると、忙しい釣りの最中でも手軽に絞めることができるのでおすすめしたい。

クーラーの中は血の海になってしまうが、鮮度を落とさず魚を持ち帰れ、おいしく食べることができる。

コマセカゴの写真

2往復して回収して少し残っているのがベスト

3時半に大原港に着くとすでに天の清栄丸には灯りがついていた。

ゴールデンウイークが過ぎ、大原港は落ち着きを取り戻したような静かな雰囲気だった。

ほどなく天野清樹船長がやってきて朝のあいさつを交わす。

4時前には釣り人がそろい、船は夜明け前の薄暮の中、ゆっくりと真沖へと向かった。

南西の微風で波は静か、やがて朝日が差し込むよい釣り日和だ。

ポイントまでは航程50分ほど、けっこう沖にきたなと思い始めたころ、エンジンがスローになり投入の合図が出た。

船長のアナウンスは海面から15mのタナ。

18mまで仕掛けを下ろし、軽くシャクりながら15mピッタリに合わせてアタリを待つ。

1投目、さっそく胴の間の釣り人がイサキを上げる。

サイズは23cmほどだったが、船長は小さいなと苦笑い。

すぐにポイント移動の合図が出た。

イサキは沖の潮通しのよい場所にある高根周りを狙う。

大原〜太東沖にかけては水深20~40mの範囲に数多くの根が散在する。

船長はそれらを次つぎに回り、イサキの食いがよい根を探していく。

2カ所目の根では良型が顔を出した。

30cmを超える太ったイサキだ。

バケツの中で窮屈そうに泳いでいる。

この日は潮がゆっくり流れていた。

大原沖のイサキ釣りは潮が速いとポイントの上をすぐに通過してしまうが、この日はちょうどよい感じで船が流れる。

タナを取ってしばらくすると、キュン!と小気味よく竿先が引き込まれる。

潮の流れもイサキの活性も上々のようだ。

ひと流しするとポイントを変えて次の根を攻めるが、どこを攻めてもイサキは好調に食ってきて、足元のバケツは埋まってきた。

釣行の写真

30cm前後の良型主体でうれしい

35cm級の大型も!

最初のアタリがきてもそのまま待つとダブル、トリプルでイサキが掛かってくる。

30cm級の3点掛けはけっこうな重量感で、リールを巻く手が止められることもしばしばだ。

ハリスは1.5号のため乱暴に巻き上げると切れてしまう太さだが、そのスリルもまた楽しい。

食いがよい日にはハリス2号でも食ってくるし、手返しを考えると太いハリスのほうが楽ではあるが、釣趣を楽しむ意味で大原沖のイサキにはハリスは1.5号をおすすめしたい。

日が高くなるにつれアタリが活発化して、タナを取ったらすぐにアタリがくるようになった。

こういうときは数釣りだけでなく良型狙いのチャンスでもある。

群れが濃いときは大型のイサキほどエサを追って上まで浮いてくる。ゆえに待ちダナを1mほど上げて高い位置にキープして待つと、その狙いどおり30cmオーバー主体に釣れてきた。

なかには35cmの大型も交じり、竿がのされるほどの引きっぷりを見せてくれる。

バケツに泳がせたイサキを血抜きして氷水の入ったクーラーに移す。

20尾も入れると24lクーラーは半分近く埋まってしまう。

そのくらい型がそろっている。

すでに抱卵も始まっているようで、太った魚体の魚が目立った。

船にはイカタンも用意されているが、この日はエサは付けずに夜光カラーバリのみで釣り続けた。

手返しがいいだけでなく、空バリだとハリスが絡みにくいというメリットもある。

鋭いアタリ、小気味よい引き、一荷釣りの重量感などなど、この日はイサキ釣りの楽しさを存分に味わえた。

沖揚がり時間になり、クーラーの中には43尾のイサキが収まりズッシリと重い。

家に帰ってウロコと内臓を取り、冷蔵庫に寝かせる。

刺身はしっとりと脂が乗り、塩焼きはホコホコとした身で旬の味を感じる。

大型のイサキはすでに真子や白子が大きくなっていた。

私のような痛風予備軍は食べすぎに注意だが、イサキの白子の爽やかな風味はこの季節ならではの佳味である。

釣行の写真

良型のトリプルはかなりの引きと重量感だ

釣行の写真

35cmクラスもけっこう交じる

INFORMATION

外房大原港 天の清栄丸

0470・62・0905

▼備考=予約乗合、4時前に集合。女性子供割引あり。ほかマダイ、根魚乗合へも

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隔週刊つり情報(2024年6月15号)※無断複製・転載禁止

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