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手軽だけどド派手な根魚五目が面白い キントキ&マハタのダブルキャスト!

隔週刊つり情報編集部

外房大原沖ではキントキをメインとした根魚五目が面白い。

うれしいことにこの時期はマハタもよく交じるとあって、キントキ・マハタ五目といった様相だ。

5月28日に取材した外房大原港の敷嶋丸では、キントキは35cm前後の良型主体に5~13尾と好調。

さらにマハタは2kgクラスの良型交じりで船中10尾超えと予想以上の食いだった。

胴つき3本バリ仕掛けでだれでも手軽に挑戦できて、ダブル本命に加えてカサゴなどのゲストも豊富。

使用オモリは80号、狙う水深は25~100mほど。

ヒラメ竿などの軟調竿を使う人が多く、派手に曲がり込むシーンが多く見られた。

キントキは大型になると脂の乗りもよく、上品かつ味わい深い食味が楽しめる。

これから盛夏にかけて有望な根魚五目だ。

釣行の写真

レギュラーサイズは35㎝前後

釣行の写真

カサゴやウッカリカサゴも定番ゲスト

支給のエサは2種類

敷嶋丸では乗船前にエサが2種類配られる。

サバの切り身とカタクチイワシだ。

どちらを使うかは好みで選べばよい。

サバの切り身は端のところにチョン掛けにする。

カタクチイワシは下アゴからハリを刺し、鼻っ面の軟らかい骨の部分にハリ先を抜くようにして付ける。

サバの切り身の長所はエサ持ちがいいこと、カタクチイワシの長所はマハタや青物などの食いがいいところだ。

キントキが多点掛けで釣れ上がるようなときにはサバが効果的だし、ゲストが多い時間帯にはカタクチイワシを使いたい。

3本のハリを同じエサにするのではなく、ミックスしてそのときの食いのいいエサを探してみよう。

外房大原港・敷嶋丸の根魚五目乗合は、胴つき3本バリに身エサを付けて沖の岩礁帯を狙う。

この釣りで主役級のターゲットはキントキ(標準和名チカメキントキ)だ。

群れをなして回遊する魚で、大きな反応に当たったときなどは何人もの竿が同時に曲がり、一荷や3尾で釣れ上がってくる。

ほかに交じる魚で代表的なのはハタ、カサゴ、メバルだ。

これらはキントキと同じく根を好む魚である。

ハタの仲間にはマハタ、アカハタ。

カサゴの仲間にはカサゴ、ウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、メバルの仲間にはメバル、ウスメバルと種類も多い。

また、季節によってはヒラメ、青物(ワラサ、カンパチ)、メダイと五目釣りならではの多彩な魚種が顔を見せてくれる。

一年中楽しめる釣りだが、穏やかな海況の日が多い初夏~秋にかけてがこの釣りのベストシーズンになる。

ポイントまでは港から小一時間程度、大原沖を中心に、太東~岩船沖と広い範囲に渡る。

釣行の写真

2kgクラスのマハタは超うれしい。現在はゲストというより本命の一つだ

釣行の写真

キントキの標準和名はチカメキントキ。白身の高級魚だ

竿は食い込み重視で軟らかめがおすすめ

竿は全長2.4m前後の6:4調子がよい。

イカ竿のような先調子の竿だとアタリを弾くことがあるので、胴にかかってオモリに負け気味の竿がいいだろう。

ヒラメ専用竿を使っている人が多く見られるが、食い込みを重視した結果だろう。

使用するオモリは水深や潮によって80~50号を使い分けるので、コマセ青物用のワンピースロッドなども使い勝手がよい。

狙う水深は25~100mと幅広いので、リールは小型電動リールが使いやすい。

道糸はPE3~4号。

先糸は付けても付けなくてもどちらでもよいが、海面からタナ取りをする場合があるので、先糸を付ける場合はその長さも把握しておこう。

ドラグはハリス6号の強さに合わせてきつめに調節しておく。

仕掛けは胴つき3本バリを使う。

船宿仕掛けはハリに角セイゴ18号を使っている。

ハリは丸セイゴやムツバリでもいいが、良型のマハタやヒラメが食うこともあるので、強度の弱い細軸のハリは避けたほうがよい。

乗船前にサバの切り身とカタクチイワシの2種類のエサが配られる。

エサ持ちのよいサバの切り身、マハタやカサゴの食いがいいカタクチイワシと特徴があるが、3本のハリに2種のエサを振り分けて、その日の食いのよし悪しを見ながら使うエサを替えてやるといいだろう。

ちなみに取材日は上バリにサバの切り身、中バリと下バリにカタクチイワシのパターンが食いよく、下バリにはマハタも食ってきた。

また、ホタルイカを持参した人は食い渋りの時間帯にもポツポツとキントキを上げていた。

使いたい特エサがあれば持ち込んでみるのもよいだろう。

タナ取りは海底からメインで 反応によって海面からも

根魚五目のタナは基本的に底近くになるが、宙層のタナ指示が出ることもある。

海底は岩礁地帯なので、根掛かりには注意が必要だ。

底狙いの場合、オモリが着底したらすぐに糸フケを取って底を切る。

根掛かりする主な原因は、オモリが海底を引きずられて岩の隙間に入り込むことだ。

オモリを引きずらないことを心がけ、着底後に素早く底からオモリを離すようにすれば、根掛かりは避けられる。

タナはオモリを底から50cm~1m上げた位置でアタリを待つ。

このとき誘ってやるのも効果的だ。

誘い方は、ゆっくりと1mほど竿を持ち上げ静止させる。

数秒待ったら、竿を下げて元の位置に戻し静止させる。

エサを止めて食わせる間を作ることが大切で、動かしては止めるの繰り返しが誘いのパターンだ。

アタリがなければオモリを着底させてタナを取り直す。

海底は起伏があり水深が変化するので、タナの取り直しは重要だ。

水深が変化したときにタナの取り直しを怠ると、タナが高すぎてアタリが遠くなったり、オモリが底を引きずって根掛かりすることになる。

また、タナの取り直しが誘いにもつながる。

タナを合わせた直後にアタリが出ることも少なくない。

宙層狙いをすることもある。

宙層にベイトの反応が出ていると、その中にフィッシュイーターが交じっていることがしばしばある。

例えば「上から30mで止めて」というアナウンスがあったら、30mの道糸を出したところで止めてアタリを待つ。

アタリがない場合は、止めたタナの上下を1~2mの範囲で探ってみるのも効果的だ。

探り方は、道糸を1mくらい巻いては(または出しては)止め、を繰り返してやる。

このときにエサが動くので、誘いの効果もある。

底狙い、宙層狙いは、投入時にアナウンスがあるのでそれに従うようにしよう。

アタリの出方は魚種によって変わってくる。

キントキの場合は、竿先がモゾッと小さく引っ張られて戻る感じで、居食いをしているようなアタリが出ることが多い。

このアタリがあったら竿を立てて合わせを入れてやる。

竿が曲がり十分に重みが加わればしっかりとハリ掛かりしている。

マハタの場合は、いきなり竿先が突っ込むことが多い。

2kgを超えるとその引きは強烈なので、魚が引っ張ったときは無理せずに竿でためて、引きが収まったら巻き上げるようにする。

メバルのアタリは鋭く竿先を引き込むが、重量感はそれほどない。

カサゴ類の場合は、ゴツゴツと竿先をたたくアタリが出た後におとなしくなることが多い。

アタリから魚種を判断するのも、この釣りの楽しみの一つだろう。

釣行の写真

底狙いのときはマハタのチャンスだ

追い食い狙いで数をのばそう

キントキが食った場合は追い食いを狙ってほしい。

群れでいることが多い魚なので、一荷や3尾掛けが狙える。

多点掛けしたときの重厚な引きはキントキ釣りのだいご味でもある。

追い食いの方法は、まず最初のアタリでしっかりと合わせを入れてハリ掛かりさせる。

その後は基本的に食わせたタナのまま、あるいはゆっくり巻き上げるようにして追い食いを狙う。

食ってから糸を送ったりタナを下げると根掛かりするので注意しよう。

ハリ掛かりしたキントキは上に泳ぐことがある。

このときに竿先のテンションが抜けてくるが、その場合は糸を巻き取ってつねに魚の重みを竿にかけるようにする。

竿先にテンションをかける操作は、潮が速いときにはオマツリを防止する効果もあるので覚えておいてほしい。

食い上げたら糸を巻いて重みを乗せる、これを繰り返すと徐々に仕掛けが上がってくるが、群れが濃い場合はその間に追い食いをしてくる。

掛けたタナから5mくらい上げたら巻き上げを開始する。
 
40cm級のキントキになると1尾だけでも相当に重量感のある引きを見せる。

多点掛けの場合は竿が満月にしなり、ドラグをきつめに調整していても糸が出ていくほどだ。

巻き上げのときは、竿は水平に構えて竿の弾力を活用して引きをいなしながら上げるようにする。

海面に仕掛けの上端が見えたらロッドキーパーに竿を置き、両手で仕掛けをたぐって抜き上げる。

隣でタモを構えてもらい、ハリから外れた魚はすくい上げてもらう。

マハタやメダイ、青物の場合はタモ入れを頼もう。

通常は船長がタモを出してくれるが、何人もが同時にヒットしていて忙しい場合など、隣同士でタモのアシストをしよう。

釣行の写真

宙層に反応があるときは海面からのタナ取りも。そんなときはダブル、トリプルのチャンス

釣行の写真

船長がタモでアシストしてくれる

朝イチはとくに集中して!

この釣りは、朝方にキントキのいい群れに当たることが多い。

朝一番はとくに集中して釣るように心がけてみよう。

その見た目からも分かるようにキントキは目のいい魚で、天気がよく潮が澄んでいる日などは食い渋るときもある。

対して潮が濁ったり空が暗かったりするときは好条件となる。

取材日の状況は開始から1時間ほど好調な流しが続いた後、日が昇るとポツポツと散発的な食いに。

そして後半になって再び反応がよくなり始め、片舷全員の竿が曲がるほどの入れ食い状態もあった。

キントキは群れに当たると端から次つぎに竿が曲がっていく。

周りの人にアタリがあったときはチャンスタイムだ。

底ダチを取り直したり誘いを入れたりして、魚にアピールすることが好釣果につながる。

6月は梅雨に入り雨模様の日も増えるが、曇り空や小雨の日和はキントキにとって好条件になることが多い。

初めて大原沖の根魚五目を体験するにはうってつけの季節だと思う。

釣行の写真

この日、キントキはトップ13尾だったがサイズがいいので満足できる

C O L U M N レアな珍味?キントキのエンガワ

エンガワといえばヒラメが有名だが、実はキントキもしっかりしたエンガワが取れる。

このエンガワがコリコリしていて、脂が乗っていてとても美味なのだ。

ただし、おいしいエンガワが取れるのは35cm以上の良型だ。

小型だとエンガワ自体が細く、脂の乗りもそれほどではない。

良型キントキが釣れたときは、ていねいに三枚おろしにして、エンガワ部分を取り出してみてほしい。

そのおいしさにびっくりすると思う。

魚の写真

下部(腹側)に見えるのがエンガワ。ぜひお試しを!

船宿information

外房大原港 敷嶋丸

0470・62・1800

▼備考=予約乗合、3時半集合。ほかにイサキ、オニカサゴへも

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隔週刊つり情報(2023年7月1号)※無断複製・転載禁止

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