ライトアジ～釣れなくなったらここをチェック！～

初めてでも簡単に釣れ、沖釣り入門のターゲットとして人気の東京湾のライトアジ。

横浜～川崎沖、八景沖、木更津沖と各地で好調だ。

釣れ具合は釣り場によっても変わってくるが、目下のところ八景沖では20～25cm前後の中型主体に半日船であれば初めての方で10～20尾、慣れた方なら50尾以上釣れている。

ゴールデンウイークに向けて引き続き好模様が期待できそうだ。

取材した東京湾奥金沢八景・荒川屋のライトアジ乗合は、アジ釣りが初めてという親子連れやグループで盛況。

当日は潮が速く、ビギナーにとっては釣りにくい中、お客さんの手助けをしながら竿を出し、ダブルやトリプルを連発させていたのが仲乗りの栗林正勝さんだ。

そこで今回は栗林さんに食い渋り時など、釣れなくなったときの対処法を教えてもらった。

ライトアジのタックル、仕掛けの基本は図のとおり。

長さ1.8m前後、7：3調子でオモリ負荷20～40号の専用竿やライトゲームロッドに、PEライン1～2号を100m以上巻いた小型両軸リールを組み合わせる。

栗林さんのおすすめはノーマルもしくはローギアタイプの両軸リール。

ハンドル1回転で70～80巻けるハイギアは巻き上げが速すぎて、バラしてしまうことが多いという。

「一巻き50～60cmでゆっくり巻き上げるリールのほうがバラしにくいです」と栗林さん。

コマセカゴはアンドンビシと呼ばれるオモリ一体型で、金網製が多く使われる。

船宿には腕長20～30cmの片テンビンとセットになった貸しビシが用意されている（紛失時は実費）。

仕掛けはハリス2号、全長2mの2～3本バリが基本。

慣れない人は2本バリ、中小型主体で数をのばそうと思うなら3本バリといった使い分けが一般的。

栗林さんはハリス2号、全長2mの3本バリ仕掛けを40cmほどカットしてスナップ付きスイベルを結び直し、全長1.5mに詰めて使っている。

食いが渋くなったら太さを1.5号へ落とすそうだ。

「2mでもいいですが、初心者は短いほうが扱いやすいのでおすすめです」

ちなみに初心者が多い荒川屋の船宿仕掛けは、さらに短い全長1mの2本バリだ。

付けエサはアカタンと呼ばれるイカの角切りを食紅で染めたもので、ハリのフトコロにチョン掛け。

アオイソメは1～2cmに切って、ハリのフトコロに通し刺す。

栗林さんは潮が澄んでいるときはアカタン、濁っているときはアオイソメと使い分けている。

なおアカタンは船に用意されているが、アオイソメは別売とする船も多い（荒川屋は別売）。

「荒川屋では底上50cm～1.5mの間にアジの群れがいると想定して釣ってもらうため、底からハリス全長分＋50cmが指示ダナとなります」と栗林さん。

釣り方の基本は仕掛けを投入し、着底したら50cm巻き上げてコマセを振り出す。

続いてハリス分巻いてコマセを振ってタナに合わせてしばらく待つ。

全長2mもしくは短い1mなど長さの違う仕掛けを使っていても手順は同じだ。

栗林さんの場合は、底上50cm付近にアジを集めて釣っていくイメージ。

釣り方は仕掛けを投入し、着底したら糸フケを取り、道糸が真っすぐ立っているのを確認してから50cm巻き上げる。

ここでキュッキュッと2回コマセを振り出し、ハリス分巻いて指示ダナに合わせている。

アタリが遠くなったときは、次のような対策を試すといいそうだ。

①リアクションバイトを誘う

アジの食いが落ちると、タナを取ってしばらく待つ人が多いと思う。

しかし栗林さんは待たずに、振り幅30cmで軽く2回竿をシャクる。

一見するとコマセを振っているように見えるのだが、これは誘いで、仕掛けを動かしエサをアピールし、反射食い（リアクションバイト）を誘発させることを目的としている。

②ゆっくり誘い上げて落とし込む

リアクションバイトを誘ってもアタらないときはゆっくり誘い上げて落とし込む。

これには二つの目的があり、一つはアジを食わせるための誘い。

もう一つがアジの食いダナを探ること。

例えば50cm持ち上げたところでアタったのであれば、次からはタナを上げて、釣果につなげる。

③まめなタナ取り

栗林さんは①→②の誘いを行った後、仕掛けを再着底させて、タナを取り直している。

釣り場は平たんな場所ばかりでなく、カケ上がりなどもある。

まめにタナを取り直すことで、タナボケを回避しているのだ。

以上をまとめると、底から50cm巻いてコマセを2回振る→指示ダナに合わせる→リアクションバイトを誘う→誘い上げて落とし込む→タナを取り直す。

この手順を3回繰り返したら手返しする。

④最終手段は置き竿

誘ったり、タナを探ったりしても食わないときは置き竿だ。

不思議なことに周りでだれも釣れていない時間帯に置き竿で釣れることがたびたびあった。

しかもダブル、トリプルなど多点掛けになることも。

困ったときは「置き竿」という一手も、決して侮れないのだ。

最後に、潮が速くて釣りにくいときや潮止まりでアタリが遠くなったときの打開策を紹介しよう。

潮が速いときは仕掛けが流されて指示ダナに合わせているつもりでもタナボケしやすい。

こんなときはサミングをして糸フケが出ないように仕掛けを下ろす。

着底したときに道糸が流されて斜めになっているときは、道糸が真っすぐ立つまで数回底ダチを取り直そう。

逆に潮止まりなどで潮が流れていないときは反応はあるのに食わないことがあり、前記①のシャクる回数を3～4回に増やすのも効果的とか。

その際は誘ったあとに10秒待ち、食わせの間を与える。

これをアタるまで繰り返してアジにエサをアピールしよう。

アタリが遠くなったら栗林さんの対処法を試して、釣果アップを目指してほしい。