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ハリの豆知識~あなたはチモトの“チ”の意味を知っていますか?~

船釣りマガジン 編集部

魚を釣り上げるとき、なくてはならないもののひとつが釣りバリです。

ところが、釣りで毎回お世話になっているにも関わらず、意外と知らないことが多いのも事実です。

そこで今回は、釣りバリについて理解を深めていきたいと思います。

チモトの“ち”はハリのことだった!

少しでも釣りをかじったことがある方なら、ハリを結ぶ部分をチモトと呼ぶことはご存知でしょう。

それでは、なぜこの部分をハリモトと呼ばずに、チモトと呼ぶのでしょうか。

この質問に答えられる方は、意外と少ないように感じます。

紀州の老船頭の中にはいまだにハリのことを“ち”と呼び、アジやイサギを釣るためのカブラ針を“ちっち”と呼ぶ方も多くいらっしゃいます。

そう、まさに“ち”とはハリそのものを指す昔の言葉なのです。

「広辞苑」によると、『ち【鉤】釣針(つりばり)。神代紀(下)「其の故の-を責る」』とあります。

神代とは、神武天皇が即位する前の時代、つまり、神が国を治めていたとされる時代のことを指します。

神代紀は『日本書紀』の中でこの時代について記されている巻で、そこに“ち”という言葉が登場するのです。

しかし、釣りバリそのものはもっと歴史が古く、縄文時代の貝塚から出土したものが数多くあります。

これらは古代針と呼ばれ、その多くは獣骨や貝殻、木の股などを利用して作られたものでした。

チモト=ミミ?

チモトとは、鉤(ち)の元から来た言葉だと考えられています。

古代針から進化し続けてきたハリは、鋼で作られるようになってからはさらに種類も増え、チモトの形も多様になりました。

もっとも一般的なハリのチモトは、ハリスが抜けないように叩いて平たくしたものですが、その形が耳に似ていることからこの部分をミミと呼びます。

日本で作られるハリは、ほとんどがこのミミを持ったものです。

しかし、アユの掛けバリのように3~4本のハリを結束してイカリバリにするとき、平たくしたミミの部分が邪魔になってうまく結べないことがあります。

そのため、叩いてミミを作る代わりに、チモトの部分の内側だけに無数に切れ込みを入れたタイプのハリが誕生しました。

このハリはギザミミと呼ばれています。

漁師用のハリが撞木と呼ばれる所以

また、昔の漁師用のハリに多かったのがシュモク(撞木)と呼ばれるタイプです。

撞木は鐘などを鳴らすT字型の棒のことを指し、漁師がよく使っていたハリのチモトが、この鐘を叩く棒の形とそっくりだったためにこのような呼び名がつきました。

撞木の場合は、チモトがミミのようにカーブを描いて左右に広がっているのではなく、ほぼ直角に両横に広がっているため、ハリスが滑って抜ける心配がありません。

管つきバリにも様々なタイプがある!

チモトの部分を曲げて小さな輪にしたものは、管つきバリと呼ばれています。

この管つきタイプはアメリカやヨーロッパに多いハリで、日本では大物の泳がせ釣りやクエ釣り用のハリなどによく見られます。

また、同じような管つきでも、チモトを叩いて平たくし、その平たくした部分に穴を開けたイシダイバリなどは、穴さらえと呼ばれています。

管つきタイプのハリは、チモトに直接ハリスを巻き付けて結ぶ場合もありますが、たいていはハリスを管に通してからハリスも輪にしてスリーブなどで固定し、ハリが自由に動くようにして使うことが多いです。

このような結び方を、首振りタイプと呼んでいます。

最後に、ハリの各部の呼び方を紹介しておきましょう。

チモトの下、直線になった部分を軸と呼び、この軸とハリ先までの間をフトコロ、ハリ先の下についた突起をカエシやモドリと呼びます。

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