ヨッシーこと吉岡進がルアー釣りを中心に色いろな釣り物を狙い、毎回釣りの楽しさを伝えていく当連載「EnjoyEveryFishing(略してE2F)」。
第14回は外房大原沖のスーパーライトジギング(以下SLJ)。
4月中旬に釣行したのは外房大原港の広布号。
野島幸一船長が向かった釣り場は御宿沖の水深30~60m前後。
船長によると目下のところこの海域で主に釣れるのはワラサ、サバ、マハタ、カサゴ、マダイらしい。
ポイントに到着するとベイトの反応がバッチリ映っているとのこと。
「潮が速いので100~130gにしてください」と船長からの合図でスタート。
船はドテラ流しで広く探っていく。
Profile
◆よしおかすすむ
1982年生まれ。
ヨッシーの愛称で親しまれている。
一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーを得意とする。
ジャッカルソルトプロスタッフ、シーガーインストラクター。
まずはSLJ用ルアー「バンブルズジグTGSLJ」100gで底付近の根魚と宙層の青物を狙う。
ジグを投入するとフォールでいきなりサバがヒット!
これを皮切りに船内のあちこちでサバが入れ食いに。
根魚を狙おうにも宙層でサバがで食ってくるためジグが底まで届かない。
ヨッシーはフォールスピードの速い「TGバンブルズジグバンプ」120gにチェンジ。
これが奏功し底付近でマハタがヒット。
その後しばらくワラサを狙ってみるが反応はなく、マダイ狙いに切り替える。
広布号のSLJ乗合はタイラバもOKなので「TGビンビンスイッチ」120gでタダ巻きすると狙いどおりマダイを釣り上げた。
今回は専用ロッドとルアーを使い外房の釣りを楽しんだヨッシー。
![釣行の写真]()
▲サバの群れが濃くフォールで連発
出典:
SLJの釣り方 ワンピッチ ジャーク
SLJの基本はワンピッチジャークで底上10mまで探る。
底から5m上まではスローな誘いで根魚にアピール。
アタリがなければ1秒間にハンドル1回転のワンピッチジャークで宙層を探り青物を狙う。
タイラバの釣り方 一定の速度で巻く
基本は海底まで落とし、着底したら糸フケを出さずに即、巻き上げに移り、10mほど一定の速度(毎秒1mを基本に早くしたり遅くしたりして反応のある速度を探る)で巻き上げて落とす。
これの繰り返し。
#Enjoy Every Fishing Tackle guide
SLJ&タイラバタックル
ドテラ流しで重めのジグを使うときはベイトタックルがおすすめ。
タイラバは全竿先が軟らかく胴にかけて曲がり込み、元はしっかりしている専用ロッドが使いやすい。
当地では大型のヒラマサがヒットすることもあるので、広布号では道糸はPE1.2号を推奨している。
#船宿インフォメーション
外房大原港
広布号
070・3526・1091
外房大原でSLJを楽しませてくれる広布号。
SLJの普及に積極的な野島幸一船長は、もちろんビギナー大歓迎。
ドテラ流しで片舷にしかお客さんを入れないので、オマツリもしづらい。
ポイントを熟知しているので、アタリが遠くなればすぐに移動してくれるためやる気を維持できるし、ていねいなアナウンスで状況を伝えてくれるからとても釣りやすい。
船にはアンチローリングジャイロを搭載しているので横揺れを大幅に軽減してくれ、ウネリが気にならないほど釣りがしやすい。
![釣行の写真]()
▲野島 幸一船長(右)
出典:
4月19日、正午の外房大原港に、笑い声が響きわたった。
岸壁に着けられた広布号を囲みながら、釣りを終えた者たちが楽しげな時間を過ごしている。
話している内容に耳を傾けると、「ペヤングの食べ方はこうだ」「カップ麺はどうだ」と、あまりにもくだらない。
しかし一つ言えるのは、そこにいた全員が明るく、そしてやたらと元気なことだった。
外房のウネリの中、6時間にわたり釣りをしていたとは思えないほど余裕がある。
前夜に強い低気圧が足早に通過した影響で、この日の御宿沖はかなりガチャガチャしていた。
大きなウネリが四方八方から押し寄せ、2ノットもの速い潮と強い北風がぶつかりあう。
だが、広布号は平気な顔でポイントを探る。
もともと全長約20mと大型のこの船には、アンチローリングジャイロ(ARG)が搭載されているのだ。
ジャイロの回転により発生する力を利用して、波の揺れを相殺する装置が、ARGだ。
主に横揺れを低減する。
その効果には、ヨッシーことジャッカル・プロスタッフの吉岡進さんもビックリだ。
「釣りしながら気付いたんだ。あれ?荒れてるのにそんなに揺れてないって。ARGすごい」
もともと船に酔うことがほとんどないE2F取材班の面々だが、ヤセ我慢でできているライターのタカハシゴーなどは、黙っているだけで気持ち悪くなっていることがあるようだ。
その彼をしても、荒れた外房の海で顔色が悪くなることもなく、しっかりと釣りをやり切った。
しかし、広布号を降りたE2F取材班が元気いっぱいにバカ話を繰り広げているのは、ARGの効果ばかりではなかった。
彼らが実際にバカだから……ということも少なからずあるが、何よりも釣りそのものが楽しかったからである。
![釣行の写真]()
▲タイラバでもサバが釣れた
出典:
ジグがドンドン流される!100g以上で速潮に対応
状況が厳しいことは、薄うす承知していた。
この春はとにかく天候が落ち着かない。
それでも、スーパーライトジギング(SLJ)には期待がかかる。
広大な根を持っている海域は基本的に豊かだし、SLJは「釣れるものを釣る」というなんでもアリなフリーダムな釣りである。
「なんか釣れるだろう」という、楽観的な甘い読み。
それを2文字の熟語にすると、「期待」になる。
E2F取材班は根本的に能天気な連中なので、「ナントカナルダロウ」と、広布号に乗り込んだのは朝6時だった。
40分ほど走って、御宿沖40mダチのポイントで釣りが始まった。
「潮が速いね~。2ノットあるかな。100g以上のジグを付けないと釣りにならないかもしれないね」と野島幸一船長のアナウンスが入る。
カッ飛びブッ飛びの速潮は、春の外房名物である。事前に船長からジグは100~130gという情報を得ていたので、能天気なE2F取材班もしっかりと重めのジグを準備してあった。
だが、それにしても速い。
水深は40mでも、着底までの間にラインは倍近く出ていく。
「こういうときは、どうすればいいのさ?」とタカハシゴーがヨッシーに尋ねる。
「とにかくジグを重くするしかない!」とヨッシーが答える。
「底を取らないことには、釣りが始まらないからね。まずはしっかりと底取りできるまでジグを重くしていくしかないよ」
今日の場合は、最低でも100gが必要だった。
こうなると、ライトジギングに近い重さだ。
SLJに明確な定義はないが、ヨッシーは「ジグ100g以下が一つの目安」と言う。
「それに伴って、PEは0.8~1.5号で、スピニングリールなら3000~4000番、ベイトリールなら200~300番あたり。ロッドも細身でライトだ。だからおれは、ジグの重さそのものより、タックル全体を見たときにSLJかどうかを判断してる。今日はジグこそ重いけど、タックルはSLJのものだからね。だから、間違いなくSLJ(笑)」
トモキこと板倉友基さんが、「あっ、なんかきた」と声をあげた。
ブルルルンとロッドが小刻みに引き込まれている。
これは……!?
![釣行の写真]()
▲着底後の巻き始めにマダイが食ってきた
出典:
ジグを落とすとサバだらけ外房の海で初夏のサバ祭り
ビビビビッ。
小刻みに、そして元気に、竿先が振動する。
船中1尾目は、サバだった。
すぐさまヨッシーが続く。
80gのバンブルズジグTGSLJに飛びついてきたのは、かわいいサイズのマハタだった。
ただ、ヨッシーとしては「船長の言うとおりだ。80gでは釣りになっていないな」という印象を持っていた。
「ラインが出過ぎていて角度も浅すぎる。これじゃジグはほとんど動いていないだろうな」
流し変えるや否や、広布号に乗るほぼ全員のロッドがいきなり曲がった。
「サバだ!」「サバ、サバ!」サバ祭りである。
「釣れる魚を釣る」がモットーのSLJだから、外道という概念はない。
タックルがライトだから、サバだってかなり引きが楽しめる。
つまり、全然アリである。
サバ祭りは、しばらくの間続いた。
「ジグが落ちないよ……」という声が、そこかしこから聞こえてくる。
着底を目指して落とされたジグが、途中でサバに食いつかれてしまうのだ。
海面からほんの10mほどでも食ってくる、サバ。
とことん陽気な魚である。
が、そんな中でもヨッシーが「……んっ!」と、大きくロッドを曲げた。
小刻みに震えない。
これはサバじゃない。
「なんだろね?」
これもSLJのだいご味だ。
色んな魚が釣れるから、上げてくるまで、何が掛かっているか分からない。
1ヒットごとにワクワクする。
上がってきたのは、先ほどよりサイズアップしたマハタだった。
ジグは、いつの間にか120gのTGバンブルズジグバンプに替わっていた。
ここがヨッシーのプロたる所以だ。
「宙層でサバに食われてしまうから、どうしてもジグが落ちていかない。だからフォールスピード重視型のTGバンブルズジグバンプにチェンジしたんだ。重さも120gにした。どうにかサバをかいくぐって底まで落とせれば、何かしら食ってくるだろう、と」その読みどおりのマハタだ。
ビッグサイズとはいかなかったが、納得の1尾となった。
![釣行の写真]()
▲2kg級のマダイ。バラしたあとの1枚は格別だ
出典:
沈みの速いジグで打開タイラバでマダイも出た
その後はなかなか手厳しい迷走が続いた。
ポイントを変えて反応に当てる。
「ワラサだと思うんだけどね」という野島船長の言葉にテンションは上がるが、ワラサより先にサバが食ってくる。
ときにはパッタリとサバさえも姿を見せなくなる。
海から常に何かしらのリアクションがもらえるはずのSLJにしては、かなり厳しい状況である。
とにかく潮が速い。
この時期の外房の宿命だ。
水深50m前後のポイントで120gのジグを使っても、ラインが100mほど出てしまう。
「着底したかどうか、辛うじて分かる程度だなぁ……」とボヤくのはタカハシゴーである。
永遠の初心者にしてみれば、なかなかのタフコンディションだ。
「ラインがほとんど真横に近くなってると、ジグがどうなってるのかも分かんないよ……」
タカハシゴーの泣き言に、ヨッシーのレクチャーが始まる。
「さっきも言ったけど、とにかくジグを重くしよう!軽い仕掛けのほうが釣れる、というイメージがあるかもしれない。でも、軽さに憧れるのをやめましょう」
「大谷翔平じゃん」
「今日だと、150gでもいいかもしれない」
「試しに鉛製120gのスロー系ジグを使ってみたけど、まったく底が取れなかったよ」
「鉛ジグはシルエットが大きいし、スロー系は潮を受けやすい形状だから、この速潮では厳しいね。 やはりタングステン製がオススメ。おれが使ってるTGバンブルズジグバンプも150gまでラインナップされてるよ」
「SLJのタックルでも150gのジグが背負えるの?」
「そうだね~、SLJロッドだとMAX100gあたりで表記されてるから、メーカーとしては推奨しないと思う。でも実際はかなり余裕を見てのMAX表記だから、強度的にはなんの問題もないんだ。キャストせず真下にジグを落とす分には、MAX表記の倍ぐらいはイケるよ。もちろん、自己責任だけど(笑)」
「それにしても、あんなにラインが斜めになっちゃったら、どうやって釣ればいいのかも分からないんだけど」
「そんなに恐れることもないよ。潮が速くてラインが斜めになる状況って、裏を返せばそれだけ長く底付近を探れるってことでもあるんだ。リーリングせずに止めているだけでも、勝手にジグが底付近を泳いでくれる。たまに底を取り直せば、ジグがどれぐらい浮いてるかも分かるはずだ。野島船長はドテラ流しにしてたけど、すごく理に適かなってるんだよ。船が風に押されるから、次つぎに根を探っていけるんだ。ジグを動かさなくても、どんどん新しいポイントにジグが入っていくわけだから、実はこういうときって効率よく根魚狙いができるんだよ」
つまり、完全に横の釣りだ。
ジギング=縦の釣り、と思い込んでいたタカハシゴーには、目からウロコのレクチャーだった。
「激シブだね」と、ヨッシーが言った。
「今日は魚の機嫌が悪いね」と野島船長が言った。
広布号の最近の釣果は、決して悪くはない。
釣れる日にはワラサ、ヒラマサ、マダイ、そしてマハタなど、SLJらしい多彩な釣果を上げている。
しかし、ムラがある。
そして残念ながら今日は谷間の日だった。
それでも何かが起こる。
10時10分、真剣にヤリトリしているのは、トモキだ。
明るい彼にしては珍しく無言で、緊張感が高まる。
上がってきたのは、2kg級のマダイだった。
乗っ込みの到来を感じさせる、黒みがかった立派なオスだ。
「すいません、SLJじゃなくてタイラバで……」と頭をかく。
「とにかくシブかったので、どんどん波動を落としていったらタイラバに行き着いたんです。ちょこちょこ触りはあったんだけど、速潮でヘッドが浮いてしまう状況だったので、しっかりフッキングさせるのが難しかった。2kg級は、フォールで食った。ヘッドを狙ってきたんでしょう。うまく掛かってくれてよかったですよ~」
フリースタイルの広布号ならではの釣果。
そして状況に応じて臨機応変に釣法を変えたトモキの勝利だった。
最後の最後にヨッシーが120gのTGビンビンスイッチでマダイを釣りプロの面目を保ったが、かわいいサイズ。
外房の海に帰っていただいたところで、沖揚がりとなった。
「出会い頭の事故に期待してたんですけどね」とうなだれるのは、サバだけで終わったイチロウこと鹿島一郎さんだ。
「ま、オレは一応マハタを釣ったけどね……出会い頭の事故で」とタカハシゴー。
「おれは狙ってマハタを釣ったけどね」とヨッシーが言い返せば、「僕が狙って釣ったマダイも忘れないで~」とトモキが笑う。
激シブでも、やっぱりSLJは楽しい。
ARG&SLJで疲れ知らずのE2F取材班だった。
![釣行の写真]()
▲とにかくジグを落とせばすぐにサバが食ってくる
出典:
ヨッシーのメモリアルショット
取材ではヨッシーを始め、取材班の皆さんがエナジードリンクやチョコ、フルーツなど持ち込んで撮影が一段落するとモグモグタイムに突入。
今回ヨッシーが持ってきたおやつは、「スニッカーズミニ」。
一口サイズで食べやすく、ピーナッツとキャラメルがたっぷり入って小腹も満たしてくれる。
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隔週刊つり情報(2024年6月1号)※無断複製・転載禁止