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オニカサゴは今が熱い! 1kg超主体で魚影濃厚

隔週刊つり情報編集部

オニカサゴというと冬のイメージのある魚だが、外房では初夏から夏場にかけてが良型が釣りやすくなる熱いシーズンだ。

取材した外房大原港の松栄丸にはそれを知るオニカサゴフリークたちが集結。

この日は勝浦沖100~120mダチを狙ったが二枚潮で底が取りづらい状況。

苦戦が予想されたものの上がるオニカサゴはみな1kgオーバーで良型主体だった。

トップ3尾、船中15尾ほどで中井一也船長によると最近の状況と比べてもう一つとのことだったが、それでもこれだけの成果が出るのは魚影が濃い証拠だろうか。

冬場の外房は苦手、という人も海が穏やかなこの時期なら安心して挑戦できるだろう。

釣行の写真

食味も最高だ

エサ切りにおすすめセラミック包丁

船上でのエサ切りにはペティナイフや小出刃を使っている人が多いが、鋼の包丁は海水に触れると錆が出てしまい、ステンレスの包丁はすぐに刃が甘くなって切れ味が落ちてしまう。

この日、隣の方にすすめられたのがセラミック包丁。

セラミック製なので錆びることはなく、海水で濡らしてタオルで拭えば汚れもすぐに落ちる。

硬度が高いためステンレス包丁と比べ切れ味は段違いによいとのこと。

試しに使わせてもらったが、ステンレス包丁では切れなかったサバの皮がスーッと気持ちよく切れた。

まさに船上のエサ切りにうってつけの包丁だった。

4000円前後と値段はちょっと張るが、それでも使ってみたくなる製品だった。

包丁の写真

切れ味もよかった

オニカサゴは潮通しのよい水深80~150mの海底を狙う。

外房地区では、勝浦沖~御宿沖にかけての水深120m前後にツブ根交じりの砂地が広がり、オニカサゴの好ポイントを形成している。

鍋ネタとして美味な魚と知られているせいで冬がハイシーズンと思われがちだが、一年を通して狙うことができる。

オモリを海底スレスレにキープしつつアタリを待つ釣りなので、波が穏やかな日和が釣りやすい。

梅雨時は比較的海が穏やかな日が多く、根魚狙いには適した時期だといえる。

取材した外房大原港の第一松栄丸では150号オモリを使用するので、竿はその重さに合った7:3調子を選ぶ。

オニカサゴ専用竿も市販されているが、汎用竿でも150号オモリに対応した7:3調子の竿が使いやすい。

手持ちで誘いをかけることが効果的なので、全長は2m以下で軽量のものを選びたい。

ライトゲーム用として市販されている150号オモリに対応するH調子もこの釣りに使い勝手がよい。

リールはPE4号が300m以上巻けるサイズの中型電動を使う。

仕掛けは腕長40cm前後のテンビン式で、2本バリが標準的な仕掛けになる。

ハリスは8号、ハリはムツやホタの18号を使い、仕掛けの全長は1.5~2.5mにする。

オニカサゴはハリスの太さや長さはあまり気にしない魚と言われているが、エサの動きは重要だ。

基本的に短い仕掛けのほうがエサの動きは大きくなり、アピール力に優れる。

エサは大きめにカット

エサはサバの切り身を使う。

エサのサイズは2cm×15cmくらいと大きめのほうがアタリは多い。

市販のパック入りサバ切り身エサにはなかなかこの大きさのものがないため、オニカサゴ釣りをする人は自分でエサを切る人が多い。

第一松栄丸では、朝イチにフラッシャーサビキでサバ釣りをする。

釣ったサバを船上で切り身にしてエサにすることができる。

また、あらかじめ家で切ったサバエサを持ち込む人もいる。

船にも塩漬けのサバが用意されているので、それを好みの大きさにカットして使うこともできる。

サバのほかにはアナゴ、鶏皮、イイダコ、カツオの腹身、イカの切り身など、各自が好みのエサを持参して使う姿も見られる。

お気に入りの特エサを持ち込んで試してみるのも、オニカサゴ釣りの楽しさだろう。

誘いの後は食う間を与える

釣り方の基本は、オモリを底スレスレにキープすることだ。

仕掛けの長さが1.5mだとすると、海底から50cmくらいのところにオモリがあるのが望ましい。

波によって仕掛けは上下し、船が流れることによって仕掛けは引きずられる。

これらの動きが誘いになる。

さらに、竿先を小刻みに動かすことにより、イレギュラーな動きを加えてやることも効果的だ。

また、竿を大きくゆっくりとあおって仕掛けを浮かせてから、元の位置までゆっくり落とし込む誘いも交ぜるとよい。

これはエサが上から落ちてくる動きでアピールとなる。

いずれの場合も誘いをかけたあとは必ず静止する時間を取り、オニカサゴがエサに食いつくための「間」を与えることも忘れないようにしたい。

動いているエサが止まった瞬間に、アタリがくることが多い。

「動かして誘い、止めて食わせる」と覚えよう。

また、オニカサゴのポイントはカケ上がりを流すことも多く、水深が変化していく。

タナを取り直して、常に底スレスレをキープするよう心がけよう。

タナの取り直しは誘いも兼ねているので、まめにタナを取り直す人ほとアタリは多くなる。

オニカサゴのアタリは小さい。

コツンとかモゾッとした感じで竿先に小さな変化が現れる。

このときに即合わせするとスッポ抜けてしまうことが多いので、アタリがあったら気持ち竿先を送り込むようにして、一呼吸(2~3秒)おいてからゆっくりと竿を立てて合わせを入れるとハリ掛かりしやすい。

竿を立てたときに魚の重みがあったらハリ掛かりしているので、電動リールを中速にして巻き上げる。

ハリスが切られることはまずないが、オニカサゴは口の脇にハリ掛かりした場合、ハリ穴が広がって外れやすい。

糸を緩めないように巻き上げて、海面にきたらタモ入れを頼もう。

オニカサゴは背ビレ、腹ビレに毒を持っている。

刺されると激しい痛みに襲われるので、くれぐれも注意したい。

とくに夏場はサンダルで釣りをする人がいるが、素足の上にオニカサゴを落として刺されるといったケースもみられるので、サンダルでのオニカサゴ釣りは避けたい。

魚の写真

トゲをカットするときはトゲの行方に注意

潮方が悪いときは入れ直す

さて、底近辺に仕掛けをキープするシンプルな釣りだが、この釣りでは潮方について常に意識したい。

潮方とは、上潮(表層近くの潮)と底潮(海底近くの潮)の流れる状態だ。

上潮と底潮が同じような感じで流れていれば、仕掛けは真っすぐに下りていく。

しかし、外洋の場合は上潮と底潮の流れが違うことがしばしばある。

上潮は流れているが底潮は動いていない、上潮は北に流れているが、底潮は北東に流れているなど、潮の状態に違いが生じる。

それがわずかな違いであれば問題ないが、ときにはタナを取り直すと糸がどんどん出ていってしまう状態になることがある。

船長が「潮方が悪い」と言う状態だ。

これを気にせずにどんどん糸を出してしまうと、3つの不具合が生じる。

1つは道糸にフケが出るためエサの動きが悪くなり食いが落ちる。

また、魚が食ってもアタリが分かりにくい。

さらに反対舷の人とのオマツリが多くなる。これを防ぐには、仕掛けを上げて入れ直すのが最も効果的だ。
 
100m以上の仕掛けを上げ下げするのは面倒と感じるかもしれないが、急がば回れの格言のように、多少の手間と時間をかけてもよいコンディション(糸が真っすぐ立っている状態)を多く作るほうが重要と考えよう。

また、潮方が悪いときには、仕掛けを長くする手もある。

これは、オモリが浮いたときになるべくエサが海底近くにある時間をかせぐためだ。

エサの動き自体は短い仕掛けに分があるが、エサが底をキープしている時間は長い仕掛けに分がある。

潮方は日によってはもちろん、一日の釣りの中でも頻繁に変化する。

潮方を意識し、そのよし悪しによって釣り方を変えることは好釣果につながるはずだ。

オニカサゴ釣りに限らず、中深場の釣りでは潮方を意識しての釣り方を心がけたい。

釣行の写真

ポイントは勝浦沖の水深100~120mほど 。誘ってアタリを引き出そう

毎年5月の連休を過ぎると、外房大原港の釣り物はガラリと変わる。

生きエサ釣りのヒラメとフグ釣りが終了し、代わって台頭してくる釣り物はイサキ、オニカサゴ、根魚五目、マダイといったところだ。

第一松栄丸、松栄丸は大型船2隻でこれらの釣り物をリクエストに応じて出船している。

中でも人気なのは旬を迎えたイサキ、そして美味なことでファンの多いオニカサゴ釣りだ。

取材日には松栄丸がオニカサゴ船、第一松栄丸がイサキ船とそれぞれに出船した。

日曜ともあってオニカサゴ船は人気でほぼ満船。

3時半に集合し受付が始まった、釣り支度が終わると船はゆっくりと港を出た。

オニカサゴのメインポイントは勝浦沖で、大原港からは航程50分ほどだ。

ひと口に勝浦沖といってもそのポイントは広く、勝浦灯台前を中心に、東の御宿寄りから西の鵜原近くまで、それぞれ灘寄りのポイント、沖寄りのポイント、砂地中心、根周りと多岐にわたる。

「そろそろフラッシャーの用意をしてください」とアナウンスが出る。

朝はエサのサバ釣りをする。

船でも塩漬けのサバは用意されているが、エサ持ちや皮の光り具合など、釣りたての生サバのほうが食いがよいと言われる。

また、特エサを持参して、フラッシャーのサバ釣りはパス、という人もいる。

サバの反応は海面から40~60m。

サビキを落として止めると、すぐにガクガクと竿先が揺れる。

数投するとエサには十分なサバが釣れ、さっそく船上でさばく人の姿が見られる。

「オニカサゴの仕掛けに替えてください。ゆっくり走るから切り身を作る人は作って」と中井一也船長のアナウンス。

オニカサゴは水深110mのポイントから開始した。

「こりゃ潮方が悪いなあ」の声が聞こえる。

右舷ではオモリが底に着いたときには道糸が右斜め前に流れていたのが、タナを取り直すたびに船下に入っていく。

120mで着底したが、タナを取るたびに1m、2mと糸が出ていく。

「上潮だけ動いて底潮が全然いかない」と船長。

船は潮で流されるが、仕掛けが置いていかれる格好で、糸がどんどん出ていってしまう。

釣行の写真

最初にサビキでエサのサバ釣り

最大は1.5kgの良型

反対舷とオマツリする人も出てきたので、「潮方が悪いから仕掛けをまめに入れ替えてください」と船長。

入れ替え回数を増やすことによりオマツリは減った。

そして、オニカサゴからのアタリがやってきた。

オニカサゴのサイズは1kg級が中心。

濃い蒼の海中から真っ赤な魚体が浮かび上がってくるのは壮観だ。

海面で暴れてハリ外れすることが多いので、タモで大事にすくう。

ときおり25cm前後のオニカサゴが交じるが、成長が遅い魚ということもありみなリリースしている。

オニカサゴは水圧変化に強いのでハリから外せば元気に海へ帰っていく。

船長は、少しでも釣りやすいところを探そうと、僚船と無線で情報交換しながらポイントを変える。

そのかいあって、日が昇るころには潮方もだいぶよくなり釣りやすくなった。

やはり潮方がよいほうがアタリも多くなる。

流し変えのたびに、だれかしらの竿が曲がる状況が続いた。

外道も多彩でメダイ、カンコ、オキメバル、ユメカサゴ、アヤメカサゴが交じった。

たまに大きなアタリでサメが上がってくるのはご愛敬か。

沖揚がりの時間を迎え、トップは3尾で最大は1.5kgだった。

前回出船の3~7尾に比べると数こそ出なかったが、前半は悪潮に苦戦したことを考えれば、十分な釣果と言えるだろう。

釣り座にかかわらず満遍なくアタリがきていたので、潮が素直に流れていればさらに数はのびたと思われる。

第一松栄丸、松栄丸では、午前船のイサキ、オニカサゴ、マダイのほか、人数がまとまれば午後船での出船も可能なので、興味ある方は問い合わせてみてほしい。

釣行の写真

この日の最大は1.5kg級だった

釣行の写真

オニとカンコのダブル

釣行の写真

1kgオーバーがメインだった

船宿information

外房大原港 第一松栄丸

0470・63・0593

▼備考=予約乗合、3時半集合。ほかイサキ、マダイへも

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隔週刊つり情報(2024年7月1号)※無断複製・転載禁止

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