ここ数年で南房布良沖周辺でも周年の釣り物として定着しているシマアジ。
釣れ具合にムラはあるが、たとえ本命は不発だとしてもマダイやイサキ、メイチダイなど多彩なゲストがクーラーを賑わせてくれる。
釣り場は布良沖の水深12~24m前後。
シマアジ用のバケ仕掛けでシャクリながらタナを探ってもいいし、マダイ用の長ハリスでじっくり置き竿で狙ってもいい。
![釣行の写真]()
メイチダイは最近増えている
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今回編集部から取材依頼があったターゲットはシマアジ。
シマアジと聞くと「遠征の重装備」といったイメージはあるが、南房エリアでも出船している宿があり、手軽にシマアジを狙えるのがうれしい。
しかし非常に手ごわい相手でもあり、3kgを超えるとその疾走力は強烈で、根ズレによるハリス切れや口切れによるバラシが付きものの魚だ。
それだけに大物のシマアジを釣り上げたときの喜びもひとしおで、「今度こそ5kg以上のオオカミ(大型のシマアジのこと)を」と夢見て通う釣り人も多いようだ。
沖釣りはイメージ的にターゲットによって癒し系、テクニック系、ガテン系などあるが、シマアジはそういった意味ではロマン系とでも言うのだろうか。
私も夢を見ようと5月11日、釣友と2人で南房布良港の良和丸へ出かけてきた。
![釣行の写真]()
引きの強い魚が多いのでヤリトリは慎重に
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今日はイケるかも!?
4時半過ぎに準備が整ったところで私を含めて7名で出船。
真沖のポイントに15分ほどで到着すると、「水深24m。タナは海底から6m前後」と志村良一船長から開始の合図が出た。
海底にはカジメが生い茂り、所どころに根が存在している様子。
シマアジ専用の全長2m前後の仕掛けなら底から2mルほどの位置から10mまで誘い上げていくのがセオリー。
コマセシャクリ釣りの要領になるためシマアジ以外にも様ざまな魚が釣れ、イシダイ、コショウダイ、ヤガラ、季節によってはカンパチやらヒラマサなどの青物、今の時期はマダイとイサキ、メジナが主なゲストとなっている。
ただ「果敢にシャクリ続けるにはもう体力的に辛いし、これでもシマアジが食ってくるときもあるから」とベテランさんたちはオールラウンドに対応できる全長6~8mのロングハリスで置き竿釣法の方もいて、今回は3名がそのスタイル。
なおこの場合、海底から10m上にタナを取ればいい。
朝一番はシマアジ釣りのゴールデンタイムとなっており、期待どおりに1投目から左舷ミヨシの長田さんの置き竿にヒット。
海面を見ているとシルバー色の魚体がキラキラと光を反射しながら上がってきて700gほどのシマアジを釣り上げた。
写真をお願いすると「もっと大きいのが釣れたときに」と渋る長田さんに「すぐに済みますから」と無理を言って撮らせてもらう。
開始早々シマアジが姿を見せたことから、このときにはだれもが「今日はいける」と思ったのだが……。
しかし、その後シマアジはなかなか姿を見せてくれない。
常連さんたちが海面を覗き込みながら「この潮色だとなあ」と渋い顔。
今日の潮はまるで南国の海を想像させるように澄み切っており、シマアジが警戒しているのかもしれない。
それでもイサキの群れが多いのか、25~35cmのイサキが置き竿の方たちにも飽きない程度に釣れ続き、とくに右ミヨシの白金さんは果敢にシャクリ上げてくるスタイルのためイサキのヒット率も高かった。
釣友の塙君もイサキを釣り上げ「この時期のイサキはうまいよね」と言って血抜きをしてクーラーに収めている。
「後ろで赤いのが上がったよ」との船長の言葉に右舷トモに行ってみると小山さんが600gほどのマダイを置き竿で釣り上げていた。
すると塙君が「これはイサキの引きと違う。シマアジかも」と言うのでタモを持って構えていたのだが、すくい取ったのは定番ゲストの30cmのメジナだった。
知っ得! イサキの血抜きに注意
ゲストで釣れるイサキをよりおいしくいただくためには血抜きすることをおすすめする。
ただイサキは激しく暴れるので、素手でつかむと硬いヒレで手が傷だらけになってしまう。
そこでイサキをつかむときはフィッシンググローブを着用すれば、魚も手で滑らず、ヒレの棘に刺される心配も減る
![魚の写真]()
イサキをつかむときは注意
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フィナーレに大型登場 !?
8時50分になり、船は灘寄りの水深12mに移動。
ここから私も釣りに参加してメジナ、イサキと連釣していると白金さんが、「これはシマアジっぽいですよ」とヤリトリを開始。
水深が浅いのでギュギューンと元気よく抵抗したのだが、釣れ上がったのは岩礁帯を住み家にしているフエフキダイ科のメイチダイだった。
この魚は刺身がおすすめで、漁獲量が少ないために新鮮なものは高値で取り引きされていると聞く。
9時半になるとイサキの活性がさらに高くなってついイサキ用の細仕掛けを使いたくなるような葛藤もあったのだが、常連さんが「ここで5月の初めに釣った3kgのシマアジだよ」とスマホの写真を見せてくれたこともあり、ハリスの号数を落とす気にはなれなかった。
そのとき、私にもイサキとは明らかに違うシグナルが到来。
ショートハリスなのでマダイではないだろうから「相手はイシダイか?」と思ったのだが、私が釣り上げたのも35cmのメイチダイだった。
このまま終わってしまうのかと思われた沖揚がり15分前のこと。
左舷トモの置き竿スタイルの北条さんが大物のアタリをとらえた。
いよいよフィナーレに大型シマアジの登場かと皆の期待を受けつつ、慎重なヤリトリの末に釣り上げたのは2kgジャストのきれいなマダイだった。
そして11時過ぎに沖揚がり。
潮が澄み過ぎてしまった影響かシマアジは朝の1尾に終わったものの25~35cmのイサキは各自15~20尾ほど確保できたのでお土産には困らなかった。
聞くと他船でも同様な結果だったらしく、自然には勝てないと実感した次第。
南房のシマアジはまだまだロングランで楽しめるターゲット。
ゲストも多彩であのシマアジとの強烈なファイトを一度味わったらやみつきになること間違いなし。
あなたもそんな大型シマアジを夢見てぜひとも南房に釣行してみてほしい。
ちなみに今回釣れたイサキもメイチダイも抜群にうまかったことを付け加えさせていただく。
![釣行の写真]()
長ハリスで最大2kgのマダイが上がった
出典:
Tackle Guide
シマアジ仕掛けのハリは空バリ、ウイリー、スキンと色んなタイプがある。
空バリにオキアミを付けると多彩な魚が釣れるが、エサ取りが多い場合はウイリーなどの擬似餌タイプがおすすめだ。
船宿information
南房布良港 良和丸
0470・28・2965
▼備考=予約乗合。集合時間4時半、沖揚がり11時ぎ。無料駐車場あり
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隔週刊つり情報(20024年6月15号)※無断複製・転載禁止