タナは海面下5m！新潟マダイ乗っ込み中！

新緑の季節を迎えた5月、東京都内から車で約4時間で行ける日本海・新潟県上越エリアではマダイが乗っ込みに突入し、爆釣している。

当地のマダイは3～4月のプレ乗っ込みをへて5月に本乗っ込みを迎えるが、取材した新潟県上越市直江津港・謙信丸の兼玉武雄船長によると、ここ数年はプレ乗っ込みらしい釣れ方が見られないまま5月にいきなり本格的な乗っ込みに突入しているとのこと。

今年は5月9日に荒食いが始まり、1～2kg主体に3～4kg級もコンスタントに上がってトップは2ケタをマーク。

当地の乗っ込みマダイの特徴は、指示ダナが海面下5mと浅いこと。

船長の話では乗っ込みになると直江津沖の水深30～50m前後のポイントにマダイが産卵のために集まり水深に関係なく海面下10mまで浮いてくるという。

浮いているマダイは警戒心が強く、船が近付くと群れが散ってしまうため魚探ではなくソナーで反応を探しているとのこと。

タックルは左図のとおり。

コマセカゴはオモリ80号、大きさはLサイズ。

ハリスは全長12mが標準で、ハリスを長くして付けエサを潮に乗せて遠くまで運び、ソナーに映る船の周囲にいるマダイに食わせる。

ハリスの太さは5号が標準。

コマセダイで使うにはやや太く、食いが渋くなりそうだが乗っ込みでは太さの影響はないそうだ。

ハリはマダイ11～12号。

関東のコマセダイでよく使われる8～9号に比べて大きいが、ハリスと同様にハリの大きさによって食いが変わることはない。

5月11日の取材日は、14名の釣り人を乗せて5時に出船。

港前の水深35m前後のポイントで反応を見つけると、「コマセでマダイを浮かせるのでなく、最初から浮いているマダイを狙います。コマセを振って寄せるわけではないので、置き竿にして船の上下動でコマセカゴからポロポロと出ていれば十分です。タナは上から5mです。どうぞ！」と船長からのアナウンスでスタート。

開始早々に右トモ3番の方の竿が大きく曲がる。

一定の速度でリールを巻くが5mだからあっという間だ。

仕掛けが上がったらコマセカゴをつかんでオケに入れ、ハリスをたぐり込む。

タモ取りされたのは1.5kg級のマダイ。

これを皮切りにアタリは右舷に集中し、1～2kg級のマダイが立て続けに取り込まれた。

今年で三度目の挑戦で待望のマダイを釣り上げた岡松さんは、「今日は会社の釣りクラブのメンバー6名で遊びに来ました。

一昨年はボウズ、昨年はシケで出船できなかったので、今年こそ釣りたいと思っていました。

よく釣れるとは聞いていましたが、ここまでスゴイとは思いませんでした」とうれしそうに話していた。

その後、アタリが遠くなり反応を探して移動し、船中ポツポツの拾い釣りの展開となる。

後半になると潮が変わり、直江津沖の水深30m前後のポイントへ移動。

すると今度は左舷で1～2kg級のマダイが連発し、足元のオケがマダイで埋まっていく。

やがて活性が高くなったのか、マダイが浮いてきて指示ダナが3mになることも。

釣れるマダイもサイズアップし、2～3kg級が目立つようになってきた。

左胴の間の綿貫さんはこのチャンスを逃さす2～3kg級を３連発で釣り上げると、「2～3kgのマダイが浅ダナでバリバリ釣れるなんてここでしか味わえないよ。周りでもよく釣れているね。ほら！」とミヨシを見るようにうながす。

見ると左ミヨシの酒井さんがハリスをたぐっている。

浅ダナで釣れるマダイは元気で、ハリスをたぐる間も激しく抵抗する。

走られたらハリスが緩まないようにテンションをかけながら送り込み、止まったらたぐり寄せるヤリトリで良型のマダイが浮上。

できるだけ驚かせないようゆっくりタモへ誘導し、取り込まれたのは当日最大の3.5kg。

同時にツ抜けも達成した。

「これぞ乗っ込みという釣れ具合ですね。楽しい～」とてもうれしそうな様子の酒井さん。

その後も船中で良型マダイが釣れ続く中、13時に沖揚がり。

釣果は1～3.5kgのマダイがトップ14枚。

ツ抜けは4人で平均5枚と皆さん笑顔が絶えない大満足の一日となった。

当地の乗っ込みは6月中旬まで。

終盤になると直江津沖から名立沖の水深40～50mへ舞台を移し、引き続き浅ダナでの攻防が楽しめる。

★指示ダナ5mにタナを取る場合、仕掛けを投入し、10m沈めて10～20秒ほど潮になじませる。

コマセカゴを振るとマダイが警戒して寄ってこなくなるので、コマセは振らずに5m巻き上げて指示ダナに合わせ、置き竿にしてアタリを待つ。

新潟県上越市直江津港

謙信丸

025・543・8316

▼備考＝予約乗合、5時出船