PR

会員登録(無料)

ログイン

[ツリガチ!(第22回)]東京湾のバチコンアジング

隔週刊つり情報編集部

ヨッシーこと吉岡進がエサ、ルアー釣りを問わず、様ざまな釣り物にガチでチャレンジしていく連載「ツリガチ!」。

最終回は東京湾奥のバチコンアジング。

バチコンとはバーチカルコンタクトの略称で、軽量のジグヘッドに3インチ前後のソフトルアーを付けた胴つき1本バリ仕掛けを船下に投入してアジを狙う釣り方。

誘いがハマればエサ釣りと同じくらい釣れるときもあるし、ハマらなければアジがいるのにまったく釣れないこともある。

その奥深くて難しいところが面白くて近年、人気急上昇中の釣り。

東京湾ではライトアジ船に便乗して楽しむことができる2月下旬に釣行したのは東京湾奥金沢八景・太田屋のライトアジ乗合。

池田船長が向かった釣り場は港至近の八景沖水深25~30m前後。

ポイントに着するとエサ釣りの方が25~30cm前後のアジをポツポツと上げる。

ところがバチコンで狙うヨッシーにはアタリがない。

その後もソフトルアーを替えたり、誘い方を色いろ試してみるものの釣れたのはメバルのみ。

結局午前船はまさかの不発となり、午後船へ乗船するヨッシーの結果はいかに。

プロフィール

よしおか すすむ

1982年生まれ。

ヨッシーの愛称で親しまれている。

一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーを得意とする。

ジャッカルソルトプロスタッフ、シーガーインストラクター。

バチコンアジングタックル

バチコンアジングの釣り方イメージ

#船宿インフォメーション

東京湾奥金沢八景

太田屋

045・782・4657

備考=予約乗合、午前船7時15分、午後船12時15分出船。

別船ルアータチウオ、マダイへも出船。

釣行の写真

▲エサ釣りでは体高のあるアジがたくさん釣れた

「アジは怖い」

これはツリガチ取材班の本音である。

「まんじゅう怖い」的な、ウラの思惑がある話では、断じてない。

本当に怖いのだ。

東京湾の船釣りにおいてアジといえば、風のごとく、そして水のごとく、そこら辺にいて当たり前、と思われガチである。

実際、ライトアジ(以下LTアジ)は周年ほぼ安定して釣れることから、東京湾の定番釣り物になっている。

おいしいアジがよく釣れるとあって、船釣り入門としても人気だ。

しかし、そのアジを船からソフトルアーで釣ろうと思った瞬間に、話はかなり変わってくる。

専用の胴つき仕掛けにソフトルアーを装着し、垂直方向の釣りでアジに迫ることから「バーチカルコンタクト」と名付けられた、いわゆるバチコンである。

状況を読みながらソフトルアーやリグ(仕掛け)、そしてアクションをあれこれトライできるのは、ルアーフィッシングならではのだいご味だ。

このバチコン、でかいアジが釣れると評判だ。

東京湾ではLTアジ船への同船が基本だが、エサよりワンサイズでかい40cm級のギガアジが釣れることもある。

その実力を目の当たりにしたエサ釣り師が、「えっ!?ホントにソフトルアーでそんなにでかいアジが釣れるんだね!今度やってみようかな」と驚きの声を上げる場面も少なくない。

また、「ソフトルアー=でかアジ=数はエサ釣りの勝ち」と思われガチだが、ときには数釣りでエサ釣りを凌駕することもあるという。

「基本的に数釣りという点ではコマセが有利なのは確か。でも、ソフトルアーでしか釣れない、ということも経験してるよ」と、ジャッカルプロスタッフのヨッシーこと吉岡進さん。

ヨッシーが言うなら間違いない!そして今日はきっとそんな日だ!ヨッシャーヨッシー、行くぞ!と、鼻息荒く東京湾奥金沢八景の太田屋に乗り込んだヨッシー&ツリガチ取材班。

午前7時15分の出船段階では、元気いっぱいだった……。

釣行の写真

▲当日はアジのタナが目まぐるしく変わり、うまく対応できるとこのとおり

面白さ10倍、釣果10分の1 東京湾のバチコンアジング

船着き場を離れて20分ほど。

金沢八景沖、水深25m前後の根周りで釣りが始まった。

ヨッシーは、東京湾バチコンアジングの定番ソフトルアー、ジャッカル・ペケリング3インチのイソメグロークラッシュからスタートし、「まずは1尾」を手堅く狙う。

だが、この日の東京湾はひどく手厳しかった。

「アジは怖い」を身上とし、決して手も気も抜くことがないツリガチ取材班だが、手痛い洗礼を浴びせられまくるのである。

ヨッシーは、首をかしげた。

イチロウこと鹿島一郎さんは、天を仰いだ。

ライターのタカハシゴーは、表情を強ばらせた。

ソフトルアーをどう操作しても、アジからの反応が得られないのである。

バチコンは、決して難しい釣りではない。

軽くキャストし、着底したらゼロテンでステイ。

数秒待ってアタリがなければ、チョンチョンと竿先を揺するようにして誘いをかける。

アタリは「これがあの元気いっぱいのアジ!?」と思うほど、微妙なことが多い。

モゾッという竿先のモタレや、コンッという小さなものがほとんど。

ほんのわずかな違和感を逃さず、必ずビシッと合わせを入れる。

グッと竿先に重みが乗る。

軟らかめのロッド、PE0.4~0.8号という細い道糸、シンプルな仕掛け、10~15号の軽いオモリ、そして元気で口切れしやすいアジ。

これらの要素によって、ヤリトリはかなりスリリングだ。

ドラグも緩めに設定するので、ジジッと道糸を引き出されることも珍しくない。

そう、「どうせアジだし」といった甘えや緩みは一切許されないのだ。1尾1尾に真摯に向き合い、慎重に、そして大切にヤリトリする。

ドキドキしながら1尾のアジをバチコンで釣り上げたとき、「アジってこんなに素晴らしい魚だったのか」と改めて見直すことになるだろう。

このあたりは、東京湾で主流のLTアジとはだいぶ雰囲気が違う。

コマセでテンションが上がったアジは、ほとんどオートマチックにハリ掛かりしてくれる。

もちろんLTアジでもタナの合わせ方や誘い方、手返しなど十分すぎるほど奥深く、ベテランとビギナーでは釣果に大きな差がつくものだ。

しかし基本的に数十尾は釣れて当たり前、束超えでクーラー満タンも決して珍しくない。

一方のバチコンは、ソフトルアー選びやアクション、積極的な合わせ、スリリングなヤリトリによって、1尾の価値が急騰する。

感覚的ではあるが、バチコンでの1尾はLTアジの10尾に匹敵するほどの面白さがある。

面白さ10倍。

ゲーム性が高い釣りだからこそ、東京湾でも浸透しつつあるのだ。

「だけどね」とヨッシー。

「完全にコマセに着いている東京湾のアジの場合、釣果はLTアジ10に対してバチコン1、とも言われているんだ。面白さは10倍だから、1尾の満足度は高いんだけど、その1尾がなかなか、ね」

釣行の写真

▲ライトアジ初挑戦の板倉さんは開始早々にゲット

ソフトルアーをどう操作しても、アジからの反応が得られない !?

シブい。

LTアジでもなかなか釣れない。

今回、ツリガチ取材班のトモキこと板倉友基さんは、「絶対にアジを持って帰りたい!」と、一人LTアジで挑んでいた。

謀反である。

トモキはクロダイのヘチ釣りの名手であり、船釣り全般でその技量を発揮する。

彼の釣れっぷりは、よきベンチマークだ。

だが、そのトモキのLTアジでさえ、……ポツ……、といった具合。超がつくほどのスローペースでしか釣れていない。

ほかのお客さんも同様だ。

そうなると、「面白さ10倍、釣果10分の1」のバチコンにはかなり厳しい。

コマセへの反応自体が薄く、さらにソフトルアーにまったくリアクションしてこない状況では、正解の探しようがないのだ。

釣り開始から40分ほど経過した午前8時10分、ついにヨッシーがビシッと合わせた!

さすがはプロ、さすがはヨッシー。

これだけ厳しい状況でもしっかりと釣果を出す男。

「よっ、信頼と安心と実績の吉岡進。カッコいいよ!」と、盛り上がるツリガチ取材班。

竿がギュギュンと引き絞られる。

キタキタ、よーし、ここから反撃だ!

近ちゃんこと近田編集部員の、カメラを握る手にも力が入る。

そうして上がってきたのは、春を告げる魚、メバルであった。

東京湾バチコンの定番ゲストだ。

「とりあえず魚の顔を見られてよかったよ」と、ヨッシーはガチの笑顔を浮かべる。

「ちょっと波があってどっちみち揺れるから、ソフトルアーはほぼ止めて、タナだけ探ってるんだ。そこにちょうどメバルがいてくれたんだと思う。ありがたいねえ」としみじみ語った。

ライター・タカハシゴーのメモは、ここで途絶えている。

午前11時半、午前船の沖揚がりを迎え、ツリガチ取材班のバチコン釣果は、まさかのゼロに終わった。

LTアジのトップが11尾だったから、せめて1尾は釣りたかったところだ。

「途中、おれとゴーさんにアジらしきモニョッとしたアタリはあったんだけどね」とヨッシー。

フッキングするほどは、ソフトルアーを吸い込んでくれなかった。

港に戻ると、ツリガチ取材班は顔を見合わせた。

全員の目に力がこもっている。

「やるか」

「やろうぜ」

だれひとりとして、これで終わるつもりはなかった。

午後船、ゴー!

潮回りは大潮で、11時が干潮である。

午後は上げ潮で、午前中は少し吹いていた風も弱まる予報だ。

ヨッシーも「午前が不発でも、午後に大食い、なんてことも珍しくないからね」と、期待する。

太田屋は、午前・午後の通しだと乗船料が割り引かれるのもありがたい。

モチベーションの高さ。

潮回りのよさ。

ナギ。

そしてリーズナブル。

好条件がそろい、これはもうアジが釣れるとしか思えない午後船は、12時15分に船着き場を離れた。

午前とほぼ同じポイントでの釣りが始まると、LTアジで挑んでいるトモキがいきなりパタパタとアジを釣った。

キタ!

釣行の写真

▲本牧沖ではエサ釣りで20cm前後のアジがよく釣れた

当日のLTアジ船で見付けた東京湾のバチコンアジングで〇〇ガチなシーン

午後船の下げ潮に高まる期待 しかしヨッシーが合わせない

午前船とはまるで違うオープニングに、期待が高まる。

釣り開始から15分、タカハシゴーがカサゴを釣る。

その5分後、イチロウにもカサゴがきた。

さらに15分後、タカハシゴーが再びカサゴを釣ると、ほぼ同時にヨッシーもカサゴをキャッチした。

「みんながカサゴを釣ってるのを見て、ソフトルアーを思いっ切り底にはわせちゃったよ」と苦笑いながらも、本日2尾目はさすがにうれしそうだ。

しかし、アジは食ってこない。

ヨッシーいわくアタリはあるが、ガチでソフトルアーを吸い込むほどの食い気はないようだ。

アジがほぼ入れ食い状態となったトモキの両脇を、ヨッシーとタカハシゴーが挟み、超接近戦を試みる。

トモキが振り出すコマセに、アジが寄っていることは間違いない。

コマセ煙幕のまっただ中にソフトルアーを漂わせるという、欲望ダイレクト釣法である。

だが、やはりモニョッというアジらしきアタリがあるものの、その頻度は極めて低く、吸い込みは極めて弱い。

常にアタリを鋭敏に察知するヨッシーでさえほとんど合わせないのだから、この日のアジはソフトルアーにはまったく興味を示していないと言っていいだろう。

本牧沖へと大きく移動したのは、午後3時のことだった。

居着きのアジを狙うポイントで、バチコンでも期待できる。

しかし、やはりヨッシーが合わせない。

アタリがないのだ。

業を煮やしたタカハシゴーが試しにサビキ仕掛けを落とすと、すぐに1尾掛かった。

続けてもう1尾。

2尾とも海面バラシに終わったが、確実にアジだ。

イチロウがアジの仕掛けにアカタンを付け、コマセを振るトモキの真隣に陣取ると、すぐにアジを1尾釣った。

サビキ仕掛けとアカタンへの反応を受け、イチロウはソフトルアーのサイズを1.5インチにまで下げたが、やはりアジは知らんぷりだ。

午後4時半、無念の釣り終了。

結局バチコンは、3人ともゼロと、大惨敗を喫してしまった。

午後船のLTアジは、トップが38尾。

バチコンで3尾は釣りたかったところだが……。

ヨッシーは、「コマセに着いてるアジが難しいのは確かだけど、ここまでアタリがないのも珍しいな……」と悔しがる。

「ソフトルアーを替え、オモリを変え、ハリスの長さを変え、アクションを変え、と、思いつくことは全部やってみたけど、まったく反応がなかった。こういう日もあるんだな……。アジはボーッとしてて、目の前に漂ってくるコマセを、ただ口を開けて取り込んでいるような感じだったんだろう。かと思えば、コマセに反応がなくてソフトルアーだけを食ってくるときもあるんだから、本当に分からない。やっぱり、アジは怖い。だからこそ、チャレンジのしがいがあるんだけどね」

釣行の写真

▲オモリを底に着けてアタリを待つとカサゴがヒット

釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!

【東京湾(神奈川県)・マアジ船】人気ランキング

【東京湾(神奈川県)・マアジ船】価格ランキング

隔週刊つり情報(2023年4月1号)※無断複製・転載禁止

船での沖釣りを中心に季節の釣り情報が満載!

隔週刊誌 つり情報

つり情報は、毎月1日と15日に発売されている隔週刊誌です。
旬の沖釣りをメインにあらゆるシーンの情報が掲載されており、初心者から経験者まで楽しめる内容でお届けしています。
釣り場や釣り船からのレポートは臨場感たっぷり!沖釣りアングラーには欠かせない釣り情報誌です。

公式HP・SNSをチェックしよう

  • つり情報公式HPへ
  • つり情報公式Facebookへ
  • つり情報公式Youtubeへ
  • つり情報公式twitterへ

公式youtubeチャンネルでは、
誌面連動動画いつでも観れます!

最新号はこちら!

「つり情報 3月15日号 No.1117」
3月1日(土)発売

つり情報 最新号はこちら

定価690円

巻頭特集
春はライトで
軽やかに!

夏休み目前!
お得な割引&キャンペーン情報

  • ライト五目
  • ライトウイリー
  • ライトアジ
  • ライト深海
第2特集
一つテンヤ&タイラバで狙う東京湾のマダイ

まだ間に合う!
夏休みのお得な割引&キャンペーン情報

第3特集
短期決戦で勝負!相模湾のカマス
沖釣りカレッジ26
晴山由梨の
ライトアジ教室

最新号はお近くの書店または釣具店でお買い求め下さい。

オトクな定期購読情報はこちら

オトクな定期購読情報はこちら

定期購読

電子書籍でも今すぐチェック

  • App Storeからつり情報公式アプリをダウンロード
  • amazon kindleでつり情報をチェック
  • dマガジンでつり情報をチェック
  • 楽天マガジンでつり情報をチェック

船釣り」カテゴリの人気記事

隔週刊つり情報」カテゴリの人気記事

人気記事