アジと並び東京湾で高位安定の釣れっぷりを誇っているイシモチ。
専門の乗合船は少なくマイナーなイメージはあるが、力強い引き味と食味のよさから根強い人気がある。
現在の釣り場は横浜沖の水深25m前後で、25~30cm級の中型主体に35cm級の良型も交じってトップ50~60尾。
仕掛けはアオイソメエサに胴つき2~3本バリで、オモリ底トントンでアタリを待つだけと釣り方もいたって簡単。
ビギナーからベテランまで、だれでも気軽に楽しめる点も魅力だ。
新店舗まもなくオープン
東京湾のライトアジやシロギス釣りでゲストとして釣れるイシモチ。
塩焼きやカルパッチョ、空揚げなどが定番料理だが鮮度が落ちやすい魚だ。
しかし、そこは釣り人の特権。
釣れたらすぐに血抜きをして海水氷の入ったクーラーに入れて鮮度を保ち、ぜひとも刺身で召し上がっていただきたい。
ショウガじょう油にくぐらせていただくと、サッパリとした食味でかむほどに上品な甘みが湧き出してきて日本酒がほしくなってしまう。
そんなイシモチを釣ろうと2月10日、釣友と東京湾奥金沢八景の黒川丸に釣行してきた。
知っ得!寒い冬にはカップ麺
寒い船上でいただく熱あつのカップ麺は格別だ。
黒川丸では出船前にリクエストするとポットを用意してくれるので頼んでおくといいだろう。
Tackle Guide
竿はメバル竿や軟調のゲームロッドが適している。
硬めの竿を使う場合は仕掛けの上にクッションゴムをセットするのも手。
仕掛けは2本バリと3本バリがあるが、それぞれの好みで選択すればいい。
出足は好調
東京湾のイシモチは10月から4月一杯くらいまでが主なシーズン。
どうやら今年はイシモチの当たり年らしく黒川丸でも2月は連日トップで50~60尾と好釣果が続いている。
定刻の7時半に14名を乗せて出船。
ポイントの横浜沖に8時10分に到着すると、「水深は23mです。始めてください」と船長から開始の合図が出された。
エサ付けはアオイソメの1匹掛け。
腹をギュッと押さえるとアオイソメがパクッと口を開けるので、素早く口の中にハリを掛けて縫い刺しにすればいい。
イシモチは海底付近を回遊してエサの虫類を捕食しているので、釣り方は底トントンをキープして時折竿をリフトしたらゆっくりと誘い落とすのが基本動作。
とにかくアオイソメをナチュラルにユラユラと動かすことによってイシモチにエサの存在をアピールさせることが肝心だ。
イシモチはアオイソメなどの虫類を捕食する際に引っ張るような動きをする場合もあるので初信はコツッときたり、突然ガクガクと激しく穂先を揺さぶったりもするが、ここで合わせを入れても十中八九ハリ掛かりしない。
エサを完全に飲み込んでギュンギュンと引くまで待ってからゆっくりと竿を立て、合わせを入れるようにしたい。
開始早々に右舷胴の間の佐藤さんが竿をしならせてリーリングを開始、30cmの良型のイシモチを釣り上げる。
続けて左舷ミヨシ2番の釣友、塙君が25cmのイシモチを抜き上げた。
この調子でバンバンとイシモチが釣れるかと思ったのだが、期待に反して船内ではポツリポツリといった状態が続き、とても50尾60尾と釣れるような展開ではない。
潮があまり流れていないのと、塙君がマアナゴを釣ったように底潮が濁っているのもイシモチの活性が低い原因かと思われる。
活性が低いと食い込みも悪く「あっバレた!」と言う声があちらこちらから聞こえてくる。
「キャストできる人はやってみて」と船長も広く探るようにマイクで告げる。
このような場合、キス竿にスピニングリールをセットした1本バリ仕掛けで遠投したらサビいてくると効果的なのだが、残念ながら皆さんそのような道具の用意はしていないようだ。
それでも潮上になるトモ寄りの人は比較的ヒット率が高く、徐々にイシモチの数をのばしていく。
残り30分で好転
そんな中、左舷胴の間で健闘していたのは井上さんご夫婦の旦那さんのほう。
「同じ竿と同じ仕掛けであなたは5尾も釣っているのに私はまったく釣れないのはなぜよ」と奥さんは不満顔。
二人の釣り方を見ていると奥さんのほうがしきりに竿を動かしているようで、活性が高いときなら正解なのだろうが、渋いときはそれがかえってイシモチに違和感を与えてしまっているのかもしれない。
しかし私が撮影のため右舷に移動してから戻ってくると奥さんの佳代子さんのタルの中にはイシモチが2尾泳いでおり、そして今まさに3尾目となるイシモチとヤリトリ中だった。
「ようやくパターンがつかめました。これから追撃よ」と夫婦バトルに熱が入ったようだ。
その後も小アジ交じりでポツリポツリの状態は続いたが、救いは釣れるイシモチが25cm以上の良型が多いことだろう。
残り時間も2時間半となったところで私も竿を出す。
これまでの状況から判断してあまり積極的に攻めるのではなく、ユラユラとしたソフトな誘いをしているとゴゴゴッと派手な魚信が穂先を揺さぶる。
が、ここは辛抱のしどころ。
ガクガクとたたくような魚信に変わったところで竿を立てて合わせを入れるとさらに突っ込んで激しく抵抗してくる。
この手応えがたまらない。 一定の速度で巻き上げて抜き上げたのは22cmのイシモチ。
この要領でポンポンとイシモチを連釣していると隣の席で苦戦していた塙君が、「釣り方を教えてよ」と言うので「今の時間帯は船の揺れで穂先が動くぐらいの誘い方がベストみたいだよ」とアドバイスする。
すると彼にもイシモチからのラブコールが増えて数をのばし始めた。
だが1時間もすると完全に潮が止まってしまい、我慢の時間が1時間ほど続く。
今日はこれまでかと思った沖揚がり30分前のこと、上げ潮が効き始めると一気に釣果が好転した。
しかも潮下だったミヨシの私の席が潮上の特等席になったものだから、入れ食い状態になって大忙し。
平均サイズもアップして35cmのイシモチが掛かったときは穂先が海面に突き刺さるほど突っ込まれてハラハラドキドキだった。
まだまだ釣れそうな雰囲気の中、残念ながら沖揚がりの時間を迎える。
釣果は18~35cmのイシモチを一人7~24尾、私はイシモチ20尾にアジ5尾を釣ることができた。
取材日は潮具合が思わしくなかったが、イシモチの魚影は濃いのでまだまだ期待できるだろう。
![釣行の写真]()
▲ご夫婦でイシモチ釣りを満喫した
出典:
船宿INFORMATION
東京湾奥金沢八景
黒川丸
045・781・8720
▼備考=出船7時半、沖揚がり13時。
別船はライトアジ、タチウオへ。
無料駐車場あり
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隔週刊つり情報(2024年3月15号)※無断複製・転載禁止