三浦半島西部のビシアジは、アジだけでなく、季節に応じて様ざまな魚を狙えるのも魅力の一つ。
そんなアジ五目で周年出船している船宿の一つが三浦半島葉山あぶずりの愛正丸。
目下のところは葉山~城ケ島沖の水深90~115m前後を狙っており、アジは20~40cm級をトップ30尾前後と安定して釣れている。
期待の+αは、目下は落とし込みサビキや釣った小アジをエサにした泳がせ釣りでブリ・ワラサやカンパチ、ヒラメが狙えるほかサバの切り身でマダイやムツ、メダイやカンコなどもヒットしてくる。
取材日は二枚潮とサバの邪魔が多く思うような釣果は上がらなかったが、好日に当たればたくさんのおいしいアジとうれしいビッグゲストに恵まれることもある。
![釣行の写真]()
三浦半島のアジ五目は周年人気のターゲット
出典:
アジ五目のタックル&仕掛け
五目で色いろ狙うとなると準備が大変そうに思えるが、愛正丸ではレンタルタックルを含め仕掛けなども常備されているので、通常のビシアジ釣りに行く感覚で大丈夫だ。
![レンタルタックルの写真]()
愛正丸のレンタルタックルは竿、電動リール、ビシ、仕掛け付きで1000円
出典:
今週末はナライ(北東風)がちょっと強く、場所によっては出船を見合わせるところもありそうな予報だ。
しかし、釣行日が限られる週末アングラー、やっぱり釣りには行きたいもの。
そこで今回は三浦半島葉山あぶずりの愛正丸のアジ釣りへ。
選択の理由は
①季節風に強いこと。
北東風なら三浦半島の山々が遮ってくれるので、よほどの強風でも吹かなければ出船は問題なし。
②タックルの準備も簡単。
ほかの釣行予定が急きょ中止になったとしても、パパッと支度を切り替え出かけることができる。
③そして何より釣果が連日安定していることだ。
釣れるアジのサイズは大中小交じりだが30~40cm級の大アジだけでも好日に当たれば20~30尾の釣果に恵まれることも珍しくない。
小アジも侮れない
釣行したのは2月中旬の3連休最終日。
休日といえども連休の最終日というのは空いていることが多いものだが、当日は定員の18名と満員御礼。
私は竿出しを控えることになったが、画撮りをするなら船上は賑わいあるほうがいい。
皆さんにあいさつしながら船上を回ると、ビギナーでも気軽にチャレンジできる釣りとあってオールレンタルでの人が7名。
また6~7名の人が食わせサビキ仕掛けをスタンバイしている。
基本はビシアジ釣りなのだが、愛正丸では食わせサビキや釣れた小アジの泳がせでブリ・ワラサ、カンパチ、ヒラメやビシ仕掛けの先バリにサバの切り身を付けてマダイやメダイ、クロムツ、カンコなどを狙うのもOK。
おいしいアジに加えハッピーゲストも狙えるとあれば人気の理由も理解ができる。
7時の出船でまずは航程20分ほどの葉山沖90mダチの魚礁ポイントへ。
「いいですよ。下から5mです。食わせサビキの人は底を1mくらい切ってください」
ここは小アジ主体ながらも数が出る場所。
その小アジの群れに青物やヒラメが着いており、年末ごろはそれらが連日のように上がっていたとのこと。
現在はそのピークも過ぎてしまったが、取材前日も食わせサビキで2.4kgのヒラメが上がったそうだ。
船中あちらこちらでアタリが出始め、15~20cmのアジが上がり始める。
食わせサビキで大物のアタリを待つ人、泳がせ用にオケに貯める人、お土産用にしっかりとクーラーにキープする人などスタイルは様ざまだが、型が出始めたことで船上は早々に活気に沸く。
小アジといえども侮るなかれ。脂の乗りは大アジにも劣らない。
手間はかかるが半身の刺身や酢じめにすると抜群にうまい。
しばらくするとサバのアタリも出始めた。
オマツリの元凶でもあるが、脂が乗ったマサバとあればリリースする人などだれ一人といない。
あえてタナを高くしてサバを狙う人もいるくらいだ。
![釣行の写真]()
うれしいマサバも交じる
出典:
知っ得! 仕掛けは多種類を用意しよう
大物ゲスト狙いも楽しめる愛正丸のアジ五目釣りだが、図に示した食わせサビキ以外にも胴つき1本バリの泳がせ釣りでも狙うことができる。
ハリス8~10号、1.5~2m、ヒラマサバリ14~15号。
孫バリはなくてもOK。
捨て糸は使わずダブルスナップで親子サルカンとオモリを直接接続することがポイント。
サバの切り身でハッピーゲストを狙う場合は、根魚類だけならアジ仕掛けのままでもOK。
マダイやメダイまで視野に入れるのであればハリス4号2m、マダイバリ9号前後の1本バリで狙うのがおすすめ。
この仕掛けでデカアジも十分に食ってくる。
![魚の写真]()
小さいアジは泳がせ釣りのエサにもなる
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デカアジ出現で盛り上がる
一人10尾前後のアジを確保したところで10分ほど南下した115mダチへ。
「ビシ仕掛けの人は先バリにサバの切り身を付けてみてください」
この場所では大アジに交じりメダイやムツもヒットするそうだ。
しかし、30分ほど流してみたが潮が澄んでいるためかアタリはなく、秋谷沖の110mダチへ。
「デカアジの場所だからサビキの人もビシ仕掛けに替えてください」
そして「反応出てきたよ」のアナウンスと同時に数名の人にアタリ到来。
左舷3番の方、右舷胴の間のレディアングラーさん、左舷4番の方が見事なサイズのアジを取り込む。
それを皮切りに入れ食いとまではいかないが、釣れ上がれば35~40cmのデカアジばかり。
一人また一人と笑顔がこぼれる。
このサイズとなれば刺身はもちろんだが、半身のフライをぜひ食してほしい。
絶品ですよ。
左舷胴の間のビギナー3人グループの工藤さん、今村さんもデカアジをゲット。
後藤さんに至っては釣りそのものが今日が初めてという超ビギナー。
仕掛けのセット、リールの使い方すら分からずからのスタートだったが、私のお節介が少しは役に立ったのか、朝イチの小アジでも14~15尾釣り上げ、そしてここでも見事デカアジをゲット。
その後も勢いは収まらずデカアジの一荷釣りまで披露。
これには仲間2人もスゲー、スゲーと大盛り上がり。
どんな魚であれ、釣れれば純粋に喜んでいる姿に見ているこちらもうれしいばかりだ。
デカアジ出現ににわかに盛り上がった船上だったが、いかんせん潮が速く、オマツリが頻発。
そのロスタイム中にアジの反応もどこかへいってしまうといった悪循環。
転々とポイントを巡り、ファイナルステージは城ケ島沖。
「マダイもいるからビシ仕掛けの人はサバエサ付けてみて」
「小アジ持っている人は泳がせてもいいですよ」
ますます速くなる潮とサバの横走りによるオマツリでバラシも多いが、アジは上がればデカサイズ。
だれ一人として竿を置くことなく、黙々とコマセを打ち返す。
午後2時となり、ここでタイムアップ。
アジの釣果は大中小交じりでいい人で20尾ほど。
良型のマサバは5~6尾。
お楽しみのハモノ狙いはマトウダイが1尾のみだった。
水温低下と澄み潮、速潮と三重苦に大苦戦した一日となってしまったが、潮が直れば普段どおりの釣況に戻るだろう。
これから春シーズン、濁った春潮が入ってくればさらに釣況は上向くので、大いに期待したい。
![釣行の写真]()
状況次第でこのサイズが入れ食いになることも
出典:
![釣行の写真]()
この日のハモノはマトウダイ
出典:
Tackle Guide
細い道糸は潮切れはいいが、反面オマツリによる摩擦でのラインブレイクも多い。
無駄なロストを避けるためにも細過ぎる道糸はなるべく使わないほうが無難。
船長のおすすめは4号だ。
船宿information
三浦半島葉山あぶずり 愛正丸
090・3683・0914
備考=予約乗合。別船アマダイ、深場根魚五目も毎日受付。氷は漁協販売所で購入(300 円)
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隔週刊つり情報(2024年3月15号)※無断複製・転載禁止