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良型主体で乗りは明確! 鹿島沖のヤリイカに期待

隔週刊つり情報編集部

長い年には5月まで続く春ヤリシーズン。

その注目フィールドの一つが茨城県南部海域。

今年は開幕が遅れ気味で1月下旬から徐々に模様が出始めた。

茨城県南部の鹿島新港からの出船では鹿島沖の水深120~150m前後を狙っているが、今のところトップで5~6杯と数はのびていない。

ただしサイズは胴長30~40cm級の身の厚い美味な良型ぞろい。

今後は新しい群れの来遊に期待したい。

タックルはオモリ150号、PE3号を巻いた一般的なヤリイカ用でOK。

サバは小さくてツノが飲み込まれることがそれほどないから、仕掛けはプラヅノ11cmチのブランコ式がおすすめ。

ツノ数は慣れた人は7~8本、入門者はトラブルの少ない5本がいい。

釣行の写真

胴長30~40cm級の良型ぞろい

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桜井丸では海水とエアーを充填した袋にヤリイカを入れて生きたまま持ち帰ることができる。

セルフサービスだから料金は無料。

やり方が分からないときは船長に聞けば教えてくれる。

春に向けて盛り上がる茨城海域のヤリイカ釣りがついに始まった。
 
今注目を集めているのが北茨城エリア。

茨城県平潟港第15隆栄丸の鈴木和次船長によれば、「今年は例年より半月ほど早い2月上旬のスタートとなりました」
 
釣れるヤリイカは胴長40~45cm級のジャンボサイズが主体でトップは30~50杯前後と絶好調。

群れは濃くて追い乗りを狙えば2~3点掛けは当たり前で、いいときは5~6点掛けもあるという。

「このヤリイカは北から下ってきた群れなので、南部海域にいる群れとは別のようです。釣り場は航程1時間半ほどの平潟沖、水深180~200mの根周りを狙っていて、反応は底付近です。オモリは150号でサバが多いときは早く沈めるため200号を使ってもらっています」
 
まだ始まったばかりで本番はこれからと船長は太鼓判を押す。
 
もう一つの注目エリアが茨城県南部海域。

例年であれば年明けから波崎~鹿島沖のカンネコと呼ばれるポイントで釣れ始めるのだが、今年は遅れていて鹿島港や鹿島新港出船では1月下旬から開始。

釣況は胴長30~40cm級主体に45cm級の大型交じりでトップ10杯前後といったところ。
 
鹿島新港の桜井丸での取材日はヤリイカ探索船として出船、カンネコの水深120~150mを広く探った。

ヤリイカの反応を探しながら、浅いほうで乗るか深いほうで乗るか探ってみたところ、「深いほうが乗りがよかったようです。釣れ方は終日ポツポツ釣れるときもあれば、今日のように朝イチにバタバタと釣れるときもあるんですが、ヤリイカの群れが小さくてなかなか数がのびません」と大川真一船長。
 
茨城のヤリイカは例年ならこれから少しずつ釣り場が北上、その後群れは徐々に浅場へ移動してそれとともにポイントの水深も浅くなりライトタックルでも楽しめるようになるのだが、今のところどうなるのかは分からないとのこと。

2月中旬現在の釣果は少しずつ上向いているので、新しい群れが本格回遊するのを期待しようではありませんか。
 
ここからは大川船長に教わったヤリイカを釣るためのタックルや仕掛け、釣り方などを紹介しよう。

釣行の写真

茨城のヤリイカは春~初夏にかけて一番人気の釣り物になる

道糸はPE3号を推奨 ツノは5~8本でOK

ヤリイカ釣りで大切なのが釣り座のセッティング。

たとえば右舷の場合は上図のような配置で基本的には風上にタックル、風下側に投入器を置いて、その間に立って釣りをすると仕掛けをさばきやすい。

手前マツリの原因になるので釣り座に物を置かないこと。
 
タックルは下図のとおり。

竿は150号のオモリを背負えるヤリイカ専用。

8:2調子くらいで穂先がしなやかな竿のほうがアタリが見やすい。
 
リールは良型が多点掛けで釣れることもあるので、巻き上げパワーに優れた中小型電動、シマノなら200~3000番、ダイワなら300~500番クラスが目安となる。
 
道糸はPE3号を300m以上、高切れしたときのことを考えるとできれば400mは巻いておきたい。

細い道糸は潮切れがよく、アタリを取りやすい。潮流の影響を受けにくいのでオマツリの軽減にもなる。

「オモリは狙う水深や潮流などで使い分けるので120号と150号を用意してください」と船長。
 
仕掛けはバラしにくく、多点掛けも狙いやすいブランコ仕掛けが標準。

波による船の上下動が大きい日が比較的多い鹿島沖ではこれが大切だ。
 
プラヅノは11cmのシングルカンナで、ピンクやブルー、ケイムラなど定番カラーをチョイス。

形状は色いろあるが、当地で人気、実績ともに高いのはたまご型のレンズ球体が光を膨張させ、濁っていてもアピール力があるヤマシタの「たまご針」で、桜井丸の船宿仕掛けにも採用されている。
 
ほかに7cmの赤白ウキスッテを1本交ぜるとアクションとシルエットの違いで目立つため、ヤリイカを寄せる効果が期待できる。
 
ツノ数はさばきやすさを考えて多くても8本、慣れない人は5本がいい。

状況によりサバが多いときもあるので、そんなときはツノ数を4~5本に減らすと被害が若干減るようだ。

当地ではサバだけでなくサメの被害にあうこともあるため、予備の仕掛けやオモリは多めに用意しておこう。

合図と同時に投入し着乗りを見逃さない

ヤリイカの群れにいち早く仕掛けを当てることが釣果に結びつくため、合図と同時に素早く仕掛けを投入することが重要。

投入前に投入器に収めたツノが絡んでいないか確認してからオモリを握って船長の合図を待とう。
 
投入の手順は合図が出たら正面にオモリを軽く投げ入れる。

すべてのツノが海面へ放たれたらロッドキーパーから竿を外して手に持ち、リールのクラッチを切り道糸がスムーズに出ていくように竿先を下げる。
 
投入後に最初に群れの中に仕掛けが入る着底直後、いわゆる「着乗り」を見逃さないこと。

着底したら竿先を下げたまま糸フケを取り、2~3秒ほど竿を止めて乗りを見る。

イカが乗ったら多点掛けを狙ってそのまま手巻きでゆっくり数m巻き上げる。

サバが多いときはトラブルを避けるため追い乗りは狙わずに一杯ずつ取り込んだほうがいい。
 
着乗りがなければ誘いに移る。
 
まず竿先を下げてオモリを底から1m離す。

カンネコのヤリイカポイントは根の上から釣り始め、徐々に砂泥底に流していくので、根掛かりしないよう底を切る必要がある。

砂泥底に差しかかっても、底を1m切るようにする。
 
1m底を切ったら竿先を下げた位置から水平までシャクって止める。

5秒くらい竿先で乗りを見て、乗りがなければ竿いっぱいまでシャクリ上げ、すぐに竿先をストンと下げてツノをアピール。

その後は1mずつ巻き上げてはこの動作を繰り返し、底から5m上まで誘い上げる。
 
底上5mまで誘い上げても乗りがなければ20mほど高速で巻き上げて落とし直す(巻き落とし)。

イカの視界から仕掛けを消してリセットするのが狙いで、新しい群れがいる所に落ちる可能性もあり着乗りも期待できるので、仕掛けが再着底したら乗りを見よう。
 
以上がブランコ仕掛けの基本的な釣り方となるが、状況により底ベタの反応や群れが浮いているときもあるので、それぞれの釣り方も紹介したい。

●底中心の釣り方

反応が低く底でしか乗らないときの方法。オモリを底に着けたままだとオマツリの原因となるので、オモリを底から1m離す。

竿先を下げた位置から聞き上げるように誘い上げて1~2秒待ち、乗りがなければ竿先をストンと下げてツノをアピールさせる。

これで乗らなければ巻き落とし。取材日は底ベタ反応を狙い、シャクらずに誘い上げるこの釣り方で釣れていた。

●宙層の釣り方
 
宙層反応を狙うときや多点掛けが期待できるシーンで有効なパターン。
 
船長の指示、あるいは着底20m前くらいからリールのクラッチを切り、スプールを押さえてズルッズルッと少しずつ仕掛けを下ろしたり、シャクリを入れながら段を付けて下ろしていく。

うまくすると仕掛けの落下が止められてイカが乗ってくる。
 
どのような釣り方であれイカの乗りは竿先がクンクンと小刻みに上下したり、イカの重みが伝わってくる。

当地のイカは胴長30~40cm級の良型主体なので比較的分かりやすいはずだ。
 
イカが乗ったら多点掛けを狙って数mゆっくり巻く。

重量が増したら追い乗り成功だし、たとえ追い乗りしなくても電動リールで巻き上げる。
 
巻き上げ速度は中速(目安は1秒で1m)で巻き上げる。

これでバラシが多いときはもう少し速く、身切れしてバレるときはやや遅くと、巻き上げ速度を調整する。
 
取り込みは再投入することを考えて投入器にツノを収めながら行う。
 
ヨリ取りリングなどを船ベリの内側に入れる、もしくはロッドキーパーの糸止めに道糸を止めて、手前から順番にツノを投入器に収めていき、イカが掛かっていたら外しながら取り込んでいく。

ブランコ仕掛けはバレにくいので落ち着いて取り込もう。

ゆっくりでもいいので、着実に一手ずつ回収することが大切だ。

釣行の写真

大中小交じりの3点掛けもあった

釣行の写真

型がいいから乗りは分かりやすい

釣行の写真

良型のヤリイカはどれも肉厚

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茨城県・鹿島新港 桜井丸

0299・94・2206

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