1月下旬、外房、三浦半島、相模湾で一斉にマルイカ乗合がスタートした。
釣り場は違えど、ポイントの水深はいずれも90m前後の深場が中心。
こう聞くとマルイカは難しいうえに深いからな~と敬遠してしまう人もいるかもしれないが、実は初期の深場はスレてないフレッシュな群れが多いからビギナーでもマルイカを釣る大チャンスなのだ。
そのことを実証してみようと、今回はマルイカ釣り初めての片原恵麻さんにチャレンジしていただいた。
先生役をお願いしたのはご存じイカ生こと中村勇生さん。
当日は三浦半島剣崎間口港の喜平治丸より出船し、剣崎~城ケ島沖の水深85~98m前後を狙ってトップ54杯、平均20~30杯という好日ではあったが、恵麻さんも無事にツ抜けを達成しマルイカ釣りの魅力を知ることができた。
昨年同様、当たり年の気配を感じられる今シーズンの出足。
このままの勢いで初夏の本格期へ向かってほしい。
![釣行の写真]()
今年もロングランになることを期待
出典:
フォーセップで簡単墨抜き
最近、イカ釣り師の間で密かなブーム?になっているフォーセップ。
墨袋と内臓を簡単に抜き取ることができるので、調理するときに墨で汚れないばかりか臭みもなくなりイカのおいしさがアップするとか。
興味のある方は一度お試しを。
1月末より外房、三浦半島、相模湾と各地でマルイカ乗合がスタートした。
主な釣り場は小湊沖、剣崎~城ケ島沖、亀城根周り、エボシ沖などで、水深はおよそ90m前後、場合によっては130mくらいまでを攻める。
マルイカだけに釣果の変動は致し方ないが、2月上旬の時点では悪い日でもトップ20~30杯、よければ50~60杯ほど釣れている。
シーズン初期は深場での釣りが中心になるものの、まだスレていない群れも多いため着乗りで多点掛けしたり、水深が深いため一流し1投になることも多いから、投入したときに着実に乗りをキャッチできれば比較的満遍なく釣れる傾向にある。
これが最盛期の浅場での釣りになるとイカもスレてきてアタリを出すことさえ難しくなり、一流しで繰り返し投入できるから手返しの差で大きく釣果に差がついてしまう。
1~100杯なんて極端な釣果になりやすいのもこの時期だ。
なので水深が深いことを除けば、シーズン初期の深場のほうが慣れない人にも釣りやすいといえる。
というわけで、今回はご存じマルイカマスターの一人、がまかつ・インストラクターの中村勇生さんにビギナー向けの初期のマルイカ攻略を教えていただいた。
モデルになってもらったのはマルイカ釣り初挑戦のマルキユー・アンバサダー片原恵麻さん。
取材日は剣崎~城ケ島沖の水深85~98m前後を攻めトップ54杯、平均20~30杯の好日で、恵麻さんも12杯釣ることができた。
では、当日中村さんが恵麻さんに教えた深場マルイカのタックル&仕掛け、釣り方を見ていこう。
竿は宙釣り対応のタイプを
まずは道具立て。
竿に関してはマルイカ専用がベストだが、現在は様ざまなタイプのマルイカ竿が販売されているので、セレクトにはちょっと注意も必要。
端的に言えば、ゼロテン釣法に特化した竿では初心者には扱いづらい。
オモリを底に着けた状態でアタリを取ることを前提に設計されているから、オモリを浮かせてしまうと穂先にアタリが出なくなってしまうことがある。
おすすめは当日中村さんが用意したがまかつのデッキステージマルイカ160のような宙釣りにも対応できるタイプになる。
竿よりも、深場ではリールのセレクトがけっこう大事になる。
水深が深いため超小型電動を使うのはありだが、手巻きリールに比べてどうしても持ち重り感があり、イカが乗ったときの感触が分かりづらくなる。
深場の手巻きに耐えられるのであれば、小型両軸のほうが断然乗り感は分かりやすい。
ただしパワータイプでは巻き上げが遅くなるし、ハイギア過ぎても巻き上げが重く感じる。
中村さんはだいたいギア比7:1くらいのリールを選んでいるそうだ。
道糸はPE1号以下を200mは巻いておく。
高切れに備えて予備のリールや道糸も用意しておきたい。
仕掛けは直ブラ主体の5本ヅノ。
オール直結の仕掛けに比べアタリを取る感度は劣るものの、巻き上げ中や取り込みでのバラシ防止には効果的。
一番上を直結にしてあるのはスッテを竿先まで巻き上げられるので取り込みやすくなるため。
スッテのカラーに関しては、深場ではあまり気にする必要はないと中村さん。
当日も恵麻さんに見た目で直感的に選んでもらっていた。
オモリ号数は船宿指定に従うが、深場の時期は60号を指定する船が多い。
![釣行の写真]()
ゼロテン専用竿はバットから穂持まではしっかりした張りがあり穂先だけが極端に軟らかい仕様のためオモリを浮かせてしまうとアタリが出ないことがある。初心者が宙釣りをするときは全体にもう少しマイルドな調子の竿のほうが扱いやすいはず
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アタリの出方と乗り感をつかむことが大切
釣り方は、初めてなら宙釣りから始めることをおすすめする。
ゼロテンからスタートしてもいいが、見よう見まねではアタリを出すこともままならない。
まずは穂先に出るイカのアタリを知って、イカが乗ったときの重さを感じることが大切。
そのためには宙釣りのほうが確実ということだ。
具体的には、船長から合図が出たらなるべく遅れないように投入する。
仕掛け落下中は竿先を下げ気味にして、リールのスプールに親指を軽く振れる程度に当てて余分な糸フケが出ないようにする。
マルイカは着底直後が最大のチャンス。
オモリが着底したときに糸フケが大きく出ていると着底直後のアタリを見逃してしまう。
船長が告げる水深と、道糸のマーカーを見て着底が近づいたらすぐに次の動作に移れるように備えておく。
着底したらリールのハンドルを素早く1~2回転させ底を切る(オモリを底から離す)。
そのまま穂先がブレないようにピタッと止めてアタリを見る。
5秒ほど待ったら竿先を上下に細かく動かしタタキを入れ、再びピタッと5秒ほど静止。
このタタキと止めを3回ほど繰り返してもアタリがなければスーッとゆっくり上へ誘い上げてみる。
それでもアタらなければそのままリールを10mほど巻いて仕掛けを落とし直す。
いわゆる「巻き落とし」と呼ばれる動作で、一度仕掛けをイカの視界から消すことで、投入直後と同じフレッシュな状況を作り出せる。
基本的な釣り方は以上の繰り返しで至ってシンプル。
問題はアタリが分かるかどうか。マルイカのアタリはクイクイッと竿先を引き込んだり、フワッと持ち上げたりと様ざま。
イカの活性が高ければ傍目にも分かるほど派手なアタり方をするが、乗り渋ると穂先が動いたのかどうかも怪しい小さなアタり方もする。
竿の使い込みと慣れの問題が大きいが、とにかく少しでも違和感を察知したら合わせてみることが大切。
そしてもう一つ、イカの重みを感じる乗り感。
現在釣れているマルイカは大中小様ざまなサイズ。
良型や多点掛けした場合はある程度確信を持って巻き上げられるが、小型の場合は付いているかどうかあやふやなことも。
水深90m前後の長丁場だから、できるだけ空上げは避けたい。
乗り感をつかむためには、前述したように電動よりも手巻きリールが有利になる。
マルイカ釣りは、釣り方自体はシンプルなものの、釣果は慣れや感覚に頼る部分も大きい。
逆に言えば、授業料を払った分だけ上達できる可能性があるということ。
今回はビギナー向けに宙釣りの釣り方を紹介したが、ゼロテンでもたたいて止めて、巻き落としの繰り返しという基本は変わらない。
ある程度宙釣りに慣れてきたら、海の穏やかな日にゼロテンに挑戦してみるのもいいだろう。
今回の取材でも、後半ゼロテンに切り替えた恵麻さんはしっかりとマルイカを釣っていた。
中村さんにつきっきりで教えてもらったということもあるが、イカがスレていないシーズン初期の深場だからこそチャレンジしてみる価値はある。
![釣行の写真]()
慣れた人はゼロテンロッドを使いこなす
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![釣行の写真]()
枝ス短めのブランコで着実にゲット
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1月29日、三浦半島剣崎間口港の喜平治丸さんへマルイカ釣りに出かけました。
なんと、実は初めてのマルイカ釣りに挑戦!
イカ生さんこと中村勇生さんに教えていただけるということで釣行前からとても楽しみにしていました。
当日の釣り人は10名。
私たちは右舷ミヨシに入り、全員準備ができたところで定刻より少し早めの6時45分に出船しました。
今回、マルイカ初心者の私にイカ生さんが用意してくれたのは1番上が直結、2番目から直ブラになっている5本ヅノ仕掛け。
オール直結に比べてアタリの明確さは劣るものの、掛かったイカが外れにくいそうです。
航程10分ちょっとで剣崎沖のポイントに到着。
船長がイカの反応を探してくれます。
シーズン初期のため、この日の水深は約85~100m。
時期が進むにつれて徐々に浅くなり、なんと一番浅いときは約7mになることもあるとイカ生さんが教えてくれました。
当日は風が強いこともあり、マルイカ初心者の私は宙釣りからスタート。
オモリが着底したらすぐに底を切り、数秒キープ。
ここでアタリが出なければオモリを浮かせたまま数回たたき、またキープ。
これを3回繰り返したあと、聞き合わせるようにゆっくりと竿を上げていき、それでもアタリが出なければ10回ほどリールを巻いて巻き落としをします。
イカ生さんいわく、止めたときにアタリを出すので、着底後のキープ時は集中するポイント!
さっそく1投目。
着底したらオモリを切ってキープすると、イカ生さん「あ!今のモゾモゾッてしたのもアタリだよ!」
私「え、今の小さい動きですか!?」
マルイカのアタリは繊細と聞いていたけれども、予想以上に小さいアタリもありビックリ。
風が強く波もある中、竿先の角度をキープするのに必死で、アタリをしっかり取れるか不安になってきました(笑)。
![釣行の写真]()
まずは宙釣りからスタート、イカの乗り感を覚えたい
出典:
イカの重みがうれしい!
そんな中、新しいポイントに到着すると初めて明確なアタリが!
竿先がピクッとした瞬間、すぐに合わせます。
手巻きのリールなので「今日は筋トレになりそうだ~」と思いながらもゆっくり9m上げてくると、かわいいマルイカが海面に現れてくれました!
初めてのマルイカゲット、うれしい!!
9時ごろ、剣崎沖から城ケ島沖へポイント移動。
風はだいぶ落ち着き、釣りもしやすくなってきました。
違和感があればすぐに合わせるようにすると、無事に第一目標の5杯を達成!
このままあわよくばツ抜けしたい……。
合わせた後は竿の重みでイカが付いているかいないかを判断しますが、だんだんイカの重みが分かってくると、その重みがうれしくてたまりませんでした。
11時。
だいぶ宙釣りにも慣れてきたのでゼロテン釣法も交ぜてみることにしました。
着底したらオモリを底に着けたまますぐに数回たたいて止める。
やることは宙釣りの動作と同じです。
するとゼロテン1投目ですぐにアタリが!
宙釣りに比べてゼロテンを維持するのは難しいですが、アタリはより明確に出るようになりました。
その後も、小さいけれども明確ないいアタリが。
「今までよりも重い!!!サイズがいいのかな?」
そんなことを思いながら上げてくると、なんとマルイカダブル!
やった~!
12時45分。
納竿まであと45分のところで、よりゼロテンを楽しむためにゼロテン寄りの竿にチェンジ。
するとビックリ。
掛けられないアタリも多いものの、アタリ数がとても増えました。
なんと終了間際にはこの日初めて一流しで2連チャン!
第2目標のツ抜けも達成できました。
マニアが多い印象のマルイカでしたが、みんながハマる理由が分かりました。
繊細なアタリとそれを掛けたときの気持ちよさ、手にくるイカの重み、最高でした。
とはいえ、この日私が取れなかったアタリはまだまだたくさんあったと思うので、今シーズンまたチャレンジしにいきたいと思います♪
![釣行の写真]()
恵麻さんの記念すべき初マルイカ
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![釣行の写真]()
浅場と違って釣果に極端な差はつきにくい
出典:
船宿information
三浦半島剣崎間口港 喜平治丸
046・886・1110
▼備考=予約乗合、7時出船。準備でき次第早めに出船するので5時半までに集合。別船はヤリイカなどへ
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隔週刊つり情報(2024年3月1号)※無断複製・転載禁止