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イワシパターンに突入 外房大原のヒラメ好期

隔週刊つり情報編集部

各地でヒラメ釣りが折り返し点を迎えているが、ここ外房大原でもいよいよイワシパターンに突入する気配が見えてきた。

年明けから太東沖の浅場にイワシの群れが回遊、それを狙った良型のヒラメが釣れ始めたのだ。

取材日は最大2.5kg級にとどまったが、3~5kg級の大型も上がっており、シーズン本番はまさにこれからといった様相。

例年ならイワシの回遊は2月が最盛期となるので、まさにビッグチャンスだ!

エサはアジとイワシの混合

通常はエサには生きイワシが用意されるが、取材時はイワシ不足もあって小アジが半分ほど交じっていた。

筆者はアジは大ビラメに効果的であるイメージを持っている。

これまでアジエサで釣ったヒラメはほぼ3kg以上だ。

反面、アジは食い込ませるのが難しく、歯形だけ付けられて放されてしまうこともしばしばだ。

1kg以下のヒラメだとアジを飲み込むまでに時間がかかることがその理由だと考えている。

アジはイワシに比べて泳ぎがおとなしいため、孫バリは背掛けにするか、あるいは孫バリは打たずにおいて、泳ぎ優先にするのがアタリを増やすコツだと思う。

しかし、飲み込みが遅いアジをいかにしてヒラメに食い込ませるかには悩むところで、今後の課題でもある。

エサの写真

船のイケスにはアジとイワシが交じって入っている

外房大原界隈のヒラメ釣りは時期によって浅場や深場、平場や根周りと多彩なポイントを攻めるのが特徴だ。

中でもエキサイティングなのは、冬になって灘寄りの浅場にイワシが回遊してくる時期だ。

イワシの群れを追って、ヒラメが固まり活性が高くなるのがその理由だろう。

マダイで言うなら、春の乗っ込み時期のような感じだ。

2kg以上の型ぞろいで船中数十枚という釣果が出ることもあるのがこの時期だ。

釣行の写真

状況次第で数、型ともに期待できる

知っ得! 沖で流れるBGM

初栄丸は船上で音楽を流している。

遊漁船では珍しい。

取材日もベートーベン交響曲第5番やビートルズのアビーロードなど、馴染みの深い音楽が潮風に乗って聞こえてきて、音楽好きの私はリラックスして釣りを楽しむことができた。

船に積んでる音源はかなり多いそうで、その日の釣り客に合いそう(好まれそう)な選曲をしているとのこと。

リクエストすれば、好みの曲を流してくれるかも?

船の写真

船上BGMは初栄丸ならではのサービス

ナイスサイズが上がる

今年は正月休みが明けてから、イワシの反応が随所に見られている。

取材した初栄丸でも出船初日から4.52kgの大型が上がっていた。
 
ただし、まだ本調子ではなく、アタリは盛期ほど多くないという。

最初のアタリを見逃さないよう竿先に注意を払い、じっくり食い込ませてください、とは勝見雅一船長のアドバイス。
 
この日に用意されたエサはマイワシとアジが混在していた。イワシ不足のため小アジを交ぜて必要な匹数を確保しているそうだ。

サイズ的には大きすぎず小さすぎずちょうどいいサイズがそろっていた。

「太東沖へ向かう船が多いけど、朝イチは大型を狙ってみましょう」と船長。

昨日、一昨日と型物が上がったのは、航程10分ほどの港口のポイントだという。
 
水深17mから開始、イワシの反応は上層に浮いているとのこと。

浮いた反応よりも、底近辺まで広く出ている反応のほうがヒラメの活性が上がることが多い。
 
まだ夜が明け切らず薄暗い中、緩やかな北東風に船を当てて流していく。
 
調子のよい日ならすぐにだれかの竿が曲がるのだが、この日はしばらく沈黙の時間が続いた。
 
最初に竿が曲がったのは開始から30分後、日が昇り空が明るくなるころだった。

胴の間の女性が満月に竿をしならせてリールを巻いている。
 
魚が見えたと思った瞬間、船長が素早くタモを入れた。

帰港後検量すると2.47kg、冬の大原らしいナイスサイズのヒラメだった。
 
これを見て、みな竿を持つ手に力が入る。

しかし、この後何人かアタリがあったがいずれもハリ掛かりしない。

釣行の写真

朝一番はチャンスタイム

Tackle Guide

ヒラメ専用竿には7:3調子から6:4調子まで色いろなタイプがある。

海底の起伏が激しい場所で底スレスレのタナを攻めるときは小石や高根にオモリがぶつかったときの振動をキャッチしやすい7:3調子が使いやすい。

また、ウネリがある日にヒラメに与える違和感を軽減して食い込みをよくするには6:4調子が使いやすく、状況によっては5:5調子のマダイ竿が効果的な場合もある。

これがベストという竿は決めにくく、最終的には好みの問題に行きつくが、それぞれの竿の特性を考慮しながら自分に合った一本を選ぼう。

明日があるさ

船長はポイントを大きく移動させ、太東沖へ向かった。

こちらの水深は浅く7~10m、イワシの反応は広く出ているようで、大原出船のヒラメ船が集まっていた。
 
太東沖では、船長はイワシの反応の上に船を乗せ、広く流していく。

イワシの反応は出たり消えたり、また表層に出たり底層に出たりと様ざまだが、その反応には活性の高いヒラメが着いているはずだ。
 
タナは基本的に底を狙う。

ただし太東沖は海底の起伏がけっこうある。

仕掛けを入れたまま放っておくとタナが高すぎてチャンスを逃したり、タナが低すぎてオモリが底を引きずったりすることになる。

水深が変わるごとに「1m緩やかに上がります」というようなアナウンスをしてくれるが、まめなタナの取り直しがアタリを増やす。
 
海底は砂地だったり小石だったりで根掛かりは少ない。

それでもオモリを引きずっていると根掛かりすることもあるし、何よりも最初のアタリを見逃して食い込ませるチャンスを失うことになる。
 
エサがイワシとアジの2種類なので、どちらを使うかも作戦の一つだ。

アジは丈夫でエサ持ちがいいという利点はあるが、泳ぎと食い込みのよさではイワシに軍配が上がる。
 
アタリが少ないときにはアジで様子を見て、時合のチャンスにはイワシを使いたいという気持ちがあったが、その判断が難しい。
 
私にアタリがあったのはアジをエサにしていたときだった。

コン!という小さな、しかし鋭いアタリが最初に訪れた。

そのままの位置で次のアタリを待つが、なかなかこない。
 
ジワリと聞いてみると重みが伝わるので、ヒラメはアジをくわえていることは確かだが、ガツガツと飲み込む動作が伝わってこない。
 
しばらく糸を張りつ緩めつで食い込みを待つと、10秒ほどたってから竿先がグーッと持っていかれた。
 
ここが合わせどころ、とユックリ竿を起こす。

徐々に重みが増幅し、竿が満月に絞り込まれるはずだったが、途中で抜けるような感触が伝わり、重みは消えてしまった。
 
上げてみるとアジには歯形がついていた。

あれだけ待っても飲み込んでくれなかったようだ。

船ではその後に4枚のヒラメが上がったが、いずれもkgオーバーだった。

前日は船で20枚ほど上がったそうで、この日は潮が濁ったのが原因かアタリは少なかった。
 
私といえばせっかくのチャンスを合わせ損ねで終わってしまい無念ボウズ。

初栄丸では沖揚がりの時間が近づくと、坂本九の名曲「明日があるさ」が流れる。
 
この歌には癒される。

釣れても釣れなくても明日があるさ、次回の釣りはいいことあるさ、と九ちゃんに慰められつつ道具を片付けた。
 
まだイワシの浅場回遊は始まったばかり。

2月に入れば、水温も下がって大原ヒラメのベストシーズンへの突入が期待できる。
 
2月の大原沖では、タモ入れが間に合わないくらいの怒とうの食いっぷりを何度か経験しているので、そんな日に巡り会えることを楽しみにしたい。

釣行の写真

イワシパターンの本番はこれから

釣行の写真

なんとトラフグも釣れた

船宿information

外房大原港 初栄丸

0470・62・2807

▼備考=予約乗合、5時集合。タックル、長靴などレンタル無料。無料仮眠所あり。大原駅まで送迎あり。第1、3月曜定休

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