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2月になると各地で寒サバ釣りがスタートする。
魚影の濃さでは外房勝浦沖がとくに有名だが、三浦半島城ケ島沖でも50cmクラスの特大サイズが釣れるとあってこの時期に人気を集めている。
今回取材した三浦半島宮川港の二宮丸、宮川剛船長によると、城ケ島沖～沖ノ瀬では40cm前後の中大型主体に50cmを超えるような特大サイズが交じるようになるという。
その数は釣れるときでも一人数尾と多くはないが、幻級とも言える特大サバを一度食べてすっかりファンになる人も多いのだとか。
船長もそんなファンの一人で、1月下旬から乗合船を出している。
この日はゴマサバが多かったが、これからマサバが増えていく
この時期にサバがおいしくなるのは産卵前に栄養をしっかりと蓄えるためだが、3月中旬から下旬にかけて真子や白子を持ち始めるとスーッと脂が抜けてしまう。
このため期間限定の釣りとも言え、釣れ始めたらスグに行くべし、なのである。
二宮丸のシーズン初日となった取材日は、手探りで反応を探していったが中型は多く釣れたものの特大サイズは姿を見せなかった。
この日は北東の強風が朝から吹いていて狙えるポイントが限られたが、これからは海がよければ沖ノ瀬も期待できそうだと船長はいう。
この海域にはサバだけでなく、オアカムロ、ウルメイワシも多く、3つの食味を楽しめるのも魅力の一つだろう。
釣り方はフラッシャーサビキを使用したサビキ釣り。
釣り方自体は難しくなく、だれでも気軽に数釣りを楽しめる。
竿はオモリ200号に対応した全長2m前後の中深場用、ビシアジ竿など。
あまり短いと仕掛けを扱いにくくなるので、2mほどあったほうがいいだろう。
リールは中小型電動。
PE3～4号を400m以上巻いておくと安心。
仕掛けはフラッシャーサビキで、ハリ数は5～7本程度。
船宿で購入できる仕掛けは幹糸14号、枝ス10号と太めの仕掛けだ。
このくらいの太さがあると、仕掛けのトラブルが少なく、オマツリ時にも比較的解くのが容易。
ハリも大型なのでバレにくく、あくまで特大サイズを念頭に置いた仕掛けになっている。
ハリ数は慣れない人は５本程度と少なめのほうがいいだろう。
ハリ数が少なければ手前マツリのリスクも軽減し、手返しも早くなる。
ただし、この釣りは一度にたくさん付けるのも魅力の一つ。
自分の技量に合わせてハリ数を選択しよう。
オモリ200号が背負える竿にダイワ400～500番、シマノ2000～3000番の電動リールを組み合わせる。
フラッシャーサビキは船上での販売あり。
仕掛けは船ベリのマグネットに並べておき、船長の合図でオモリを投下する。
このとき、仕掛けの上部（道糸側）の幹糸かヨリ取りリングをロッドキーパーに固定しておく。
固定しておかないと、風で仕掛けが勝手に落ちていってしまうこともあるためだ。
取り込み時も同様で、しっかりと固定すると取り込みが容易になる。
船長からの合図は「タナ100～140m」などと、宙層に出たサバの反応に合わせて出る。
この場合は、リールのカウンターが100m近くになったらサミングしてストップ＆ゴーしながら140mまで落としていく。
サバが食うと竿先が激しく揺れて仕掛けを止めることが多い。
ここでそのまま落とし続けると手前マツリを誘発するので、食ったと思ったらすぐにクラッチを入れて巻き上げを開始する。
指示ダナ下限まで落として食わなければ、電動でタナの上限まで巻き上げて、再びサミングしながら落としていく。
多くの場合は1尾付けば、そのまま巻き上げてくるだけで多点掛けしている。
巻き上げはロッドキーパーに掛けたまま電動の中高速で巻き上げる。
アタリと巻き上げ中にある程度何が釣れているか判断できると船長は教えてくれた。
ゴマサバの場合は浮き上がるような引きで食い上げることが多いそう。
それに対して大型のマサバは下へ下へと引くという。
この判断があらかじめできれば、「大型のマサバがいる！」と用心した取り込みが可能になる。
取り込みは前述したように、幹糸やヨリ取りリングを固定してから行う。
固定したら両手でたぐるように引き寄せてきて、魚を船ベリの内側に入れたら魚外しで外していく。
外したハリはそのままマグネットに装着しておき、次のハリまでたぐっていく。
この取り込み方法だと、仕掛けがヨレにくく再投入が簡単になるが、魚を外しているときにその下にいる魚がバレてしまうこともある。
そんなときは、一度すべての魚を足元に並べていき、仕掛けの上側の魚から外していく。
この場合は、魚が暴れたり糸ヨレが激しくなり手前マツリしやすくなるので注意が必要。
下へ下へと竿が入り込む引きのときは大型のマサバがいると判断して、すべて取り込んでから外すのが無難。
それ以外のときは、その都度外していくといいだろう。
再投入する前は、仕掛けのヨレを取っておくこと。
たくさんサバを釣っているうちに枝スが切れてしまうこともあるが、1～2本だったらそのままの仕掛けで続けよう。
回収中は手前マツリ、ほかの人とのオマツリも多くなるが、オマツリしたと思ったら声をかけ合って同じくらいのスピードで上げてこよう。
最後はお互いの仕掛けを緩めないようにして解いていく。
2人分の仕掛けとオモリを上げてしまうとヨリが出て解くのが難しくなるので、オマツリ解きはできるだけオモリが海中にある状態で行おう。
寒サバは例年2月が最盛期。
極上の味覚をぜひ味わってみてほしい。
3尾、4尾掛けで一気に数がのびていく
朝は大型のウルメイワシが多 かった
おいしく食べるために釣ったらすぐにキンキンの氷水を張ったクーラーにしまっていこう。
宮川船長は特大サイズは血抜きして刺身で食べるのが大好きという。
しめサバなどでアニサキスが不安な場合は一度冷凍してから食べよう。
三浦半島・宮川港 二宮丸
090・8813・6049
▼備考＝予約乗合、6時半集合。クロムツなどへも
隔週刊つり情報（2024年2月15号）※無断複製・転載禁止
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