名物ジャンボイサキ健在！これから一気に数釣りモードへ

イサキ開幕のトリを飾るのが6月1日に解禁を迎えた三浦半島剣崎沖だ。

今シーズンは周辺エリアでもイサキがよく交じっていたことから魚影の濃さは心配なさそうだったが、例年解禁日はコマセに慣れていないためか食い渋ることが多い。

それがたった一日で束釣り続出ということもあるから面白い。

今シーズンの解禁日はトップ50尾前後を釣る船も多く、まずまずのスタート。

例年にならって翌日から釣果もうなぎのぼり。

取材した剣崎松輪港の棒面丸では3日に70尾超え。

今年はさらにアジもよく交じり30尾以上釣る人も。

剣崎沖のイサキは数釣りと名物のジャンボイサキが魅力で、小型から大型まで脂の乗りは抜群。

今シーズンも大いに楽しめそうだ。

イサキはオケに生かしておけるが、クーラーに移すときに素手でつかむと背ビレのトゲが刺さって痛い思いをすることがある。

かといって、魚バサミでは暴れて大変。

そんなときに小型のすくいタモを持参すると便利。

梅雨イサキの言葉があるように、まさにシーズン真っ盛りのイサキ。

そしてこのシーズンインを待つように毎年6月1日に解禁となるのが三浦半島剣崎沖だ。

私もここ数年解禁日に釣行しており、今年は剣崎松輪港の棒面丸より出船した。

当日はグループ釣行のキャンセルがあったとかで、私を入れて4名と解禁日にしてはややさみしい人数での出船。

鈴木洋一船長の操船で一路イサキ釣り場の吉野瀬へと向かう。

反応を確認してポイントを決めると、「いいよ～。25mから15mでやって」のアナウンス。

周りにはひしめき合うような大船団ができていて、これも剣崎イサキの名物の一つだ。

しばらくはコマセまきと様子をうかがっていると、あにはからんや1投目からアタリが出る。

アタリの正体はアジ。

ただしこのアタリ方が半端ではなく、落としてすぐの入れパク。

3点掛け4点掛けで釣る方もいる爆釣ぶりだ。

型は25cm弱の中型中心ながら、時折40cm級の特大サイズも交じってくる。

ひとしきりアジでお土産釣りを楽しんだが、やはり今日はイサキが釣りたいと思っていると、心の声が聞こえたかポツポツながらイサキもアタリ出す。

25cm級の中型だが、おいしそうな剣崎イサキの体形だ。

剣崎のイサキ釣りはアミコマセを使ったウイリーシャクリ。

船長にタックルや仕掛け、ウイリーの色や付けエサの必要性などを聞くと、「ライトタックルが基本で、道糸はPE2号前後、ビシは40号でいいんだけど、潮の速い日もあるから60号が無難かな。仕掛けのハリスは1・75号が標準で、ウイリーの色は確かに潮色によるのか日によってこの色がよく食うっていうのはあるけど、いつもその色ばかりってこともないからね。まあ白、ピンク、緑を交ぜた仕掛けが安定してると思うよ。付けエサは好みだけど、なくてもいいと思うけどね」とのことだった。

ちなみに仕掛けは船で、付けエサのオキアミは船着き場前の漁協建物で購入できる。

その後もアジの食いは優勢で、イサキが口を使う前にアジが食ってしまうような感じ。

それでも全員の撮影を終えて、私も右舷ミヨシで竿を出す。

コマセカゴは下窓を全閉、上窓を3分の1開け、コマセは7分目ほど詰めて、と教科書どおりのビシを投入する。

仕掛けは緑、白、ピンク、茶色のウイリー4本バリだ。

皆さんの釣りを見ていて低めのタナだとアジが多く、高めでイサキの傾向があるように感じたので、20mで仕掛けを止め、3秒ほどハリスが馴染むのを待ってシャクリを開始する。

30～40cm幅の早めのシャクリ、ポーズ（待ち）はほぼなしで探っていくと17mでキュキュンときた。

そのままゆっくりと手で巻くとキュン、キュンと追い食いしたのを感じ、15mからは電動巻き上げ開始。

ビシを手にして仕掛けをたぐると22～23cmとやや小型ながら3点掛け。

1尾は抜き上げで外れてしまったが、なんだ釣れるじゃんと一人気をよくする。

しかしこのあと良型のアジ、大サバと釣ってからアタリが遠のいた。

船長は「基本的に不要」というが、食い渋るとオキアミなど付けエサを刺したくなるのは釣り人の性？そんな方は一番下のハリをチヌ２号前後の空バリにしておくのも手だ。

イカタンならウイリーバリやムツバリでも刺すことができる。

なお、ウイリーバリは大きいと俄然食いが悪くなるので0.8号を基本に大きくても1号までとしたい。

空振り続きに業を煮やし、持参していたイカタンを米粒よりやや大きく切り、一番下のウイリーバリに付けてみた。

タナもやや下げ23mからシャクリ開始。

するとシャクること数回、20m前後でゴン！とカウンターパンチのようなアタリが出た。

ギュンギュンと元気一杯の引きにデカアジかサバかな？と思い海面を覗くと、黄色味がかった茶色の影。

想定よりも大きな魚体にあわててタモを探すも近くに準備しておらず、えーいままよ！と抜き上げたのは、帰宅後検量で35cm620g、これぞ剣崎イサキのナイスボディな1尾。

イカタンの効果か？と思ったが、食ってきたのは下から2番目のピンクのウイリーだった。

こんなサイズがあと数尾続いてくれれば……なのだが、ここからは朝から速めだった潮がより一層速くなってきた。

前日の大雨の影響で大量の川の水が流れ込んだか、草やらゴミも多く道糸に絡んで釣りづらいこともあって、アタリはピタリとなくなってしまう。

ただ手をこまねいていたわけではなく、ハリスを1.5号に落としたりハリをカラーバリにしてみたり、シャクリの幅、スピードを変え、ポーズを入れたりその時間も色いろ変えたりしたが、全く反応は変わらなかった。

まったりとした時間が流れ、忘れたころに釣れるアジもマルアジが多くなって今日はここまでかと思われたが、残り1時間を切るころにまた食いが上向く。

相変わらずアジのほうが優勢だが、イサキを一荷で釣る方も。

しばしの盛り上がりタイムを楽しんだところでこの日は沖揚がりとなった。

「今日は参ったね～。このところマダイ船でもけっこうイサキが交じっていたんだけど、今日はそっちでもサッパリだったみたいだよ」とは船長で、本船の釣果はいい人でやっとツ抜けといった具合。

ただ各自アジのお土産は十分だった。

私の釣った大型イサキ、さばいてみるとメスで抱卵していたが、脂の乗りは抜群だった。

普通は抱卵中は脂の乗りが今イチになる魚も多いがイサキは別。

とくに剣崎イサキはまた別格で脂の乗りビンビンを再認識した次第だ。

思えば毎年不思議と解禁日は食い渋る剣崎イサキ。

「今日も反応は出てたから、潮が直ればまた食い出すと思うよ」と船長が言ったとおり、翌日はトップ36尾と持ち直している。

この調子でいけば、例年どおりの束釣り釣果が聞こえるのも時間の問題だろう。

三浦半島・剣崎松輪港

棒面丸

046・886・1451

▼備考＝予約乗合、5時半出船。

別船はライトマダイへ