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生きイワシエサのフカセ釣り 今期は早くもキハダフィーバー

隔週刊つり情報編集部

例年6月に入ってからスタートする生きイワシをエサにしたフカセ釣りのキハダ・カツオ狙い。

今シーズンは5月からと異例!?の早さで開幕。

しかも今のところカツオの魚影は薄くヒットすればほぼキハダという展開で、20kg級はもとより40kgオーバーも取り込まれて早くもフィーバー状態だ。

取材日はシケ後の影響か船中1キャッチに終わったが、ナギが続けば期待は大。

エサの入荷が例年どおりなら8月一杯は楽しめるはずだ。

釣行の写真

近年人気上昇中のフカセ釣りのキハダ。その爆発力はすごい

釣ったキハダの保存法

氷とクーラーの持ち込みについては船ごとにルールがある。

秀吉丸の場合は釣れた魚は船の保冷庫で保管、帰港後に各自のクーラーへ移す。

黒潮の申し子、キハダ・カツオ釣りが始まった。

例年6月下旬ごろよりスタートするが、今シーズンは早くも5月中旬から乗合船が出船を開始した。

昨年の開幕時に好調だったカツオは今のところ回遊待ちといった状態で、今期はキハダ主体のスタート。

いい日は船中2ケタ釣果も上がっている。

数もさることながら、着目すべきは釣れるキハダのサイズのよさだ。

例年なら15~20kg級が主体だが、今シーズンは40kg超えも多く交じり、50kgを超えるモンスターサイズを記録した僚船もある。

本誌協定船宿では今回取材した三浦半島葉山あぶずりの秀吉丸のほか同港の長三朗丸、内房勝山港の萬栄丸、新盛丸が乗合船で出船している。

また仕立船であれば三浦半島宮川港の二宮丸や相模湾小坪港の太郎丸も受付。

今後の状況によっては長井地区の船宿も仕立受付を開始すると思われる。

釣行の写真

今年のフカセキハダは例年以上に熱くなりそうだ

イワシを自然に泳がせることを重視したタックル&仕掛け

この釣りにおいて最も重要視すべきはいかにイワシを自然体で泳がせるかだ。

したがって道具立てはハリと糸だけの極めて簡素なシステムになる。

竿はイワシフカセに特化した専用竿のほかキャスティングやジギング、エビング用などのルアーロッドが流用される。

長さは全長1.7~2.1m、ルアーロッドであれば5.6~7ftでPE4~6号、200~250gのジグに対応できるもの。

体格、体力差にもよるが、長めより短めのほうが強烈な引きに対しての取り回しがしやすい。

スピニングリールは各社番手呼称が違うが、ラインキャパシティでいえばPE6号を300m巻けるクラスが目安。

MAXドラグ15kg以上の屈強な上位機種を選びたい。

道糸はPE4号を使用している人もいるが、ヤリトリ中にライン交錯したときなどはブレイクするリスクが高くなり、また強度重視で太くすると比重が軽いラインなのでイワシの潜りに影響が生じる。

強度、比重のバランスから船長推奨の道糸はPE6号だ。

これを300mは巻いておきたい。

ハリスはこれまで16号が一般的だったが、40kg超のヒットも当たり前の今シーズンは18号以上を推奨したい。

長さは1.5~2mで十分。

取材当日乗り合わせた常連さんは20号を使用。

今シーズン4回の釣行ですでに7本をゲットしているという。

幸い今のところ用意されるエサは体長18~20cmのマイワシ。

大きく、遊泳力もあるためハリスを太くしても影響はないとのことだ。

道糸とハリスはFGノット、PRノット、電車結びなどで直結。

スイベルなどの金物を介しての接続は絶対NG。

イワシを沈めたい理由からガン玉などのオモリを付ける、これも絶対NGだ。

ハリはイワシへの負荷影響が少なく、かつ強度に優れているもの。

オーナーのカットヒラマサ14号、がまかつのふかせキハダ14号、同オキアミマグロ16号が現在のイワシのサイズに合ったハリといえよう。

なお当面、エサは大きめのマイワシが入手できる見込みだが、状況によってはカタクチイワシに変わることもある。

その場合はカツオ狙いも兼ねる形になるのでハリスも14~16号、ハリもワンサイズ落とすなどイワシのサイズと遊泳力に合わせてセレクトする。

イワシエサの付け方は3パターン

●鼻掛け

鼻孔を刺し通すだけなので手早くけることができ、イワシの弱りも遅い。

マイワシの場合の標準的な付け方。

●エラ掛け

エラ蓋を軽く開け、エラ骨に引っ掛けるように刺す。

ハリ掛かりがいい付け方といわれている。

カタクチイワシの場合はこの付け方になる。

●背掛け

大きめのマイワシに適用。

背ビレの前、または後ろ側に刺す。

イワシが潜りやすいといわれている。

なおエサを付ける際は生かしオケの中で手を海水で濡らし、極力イワシを弱らせないようにしよう。

道糸の送り出しは50mまで

キハダが群れる海域に到着し、ソナーや魚探で反応が確認されると、船長から開始のかけ声がかかる。

ドラグは手で強く引っ張ると出るくらいの手感で設定している人が多いが、ドラグチェッカーを使うなら3~4kgが目安になる。

ハリにイワシを付けたら、すぐに海に放つが、このとき竿はポスト(船ベリの穴)に立てておかず、船ベリに寝かせた状態でリールのベイルをフリーにしておくと一連の動作がスムーズにいく。

釣り方自体はイワシが泳ぐままに道糸を出していくだけと概要は至って簡単。

だが、元気よく自然に泳ぐイワシでなければキハダはまず食い付いてこない。

ここがこの釣りの最重要ポイント。

潜らずに海面をヨタヨタ泳ぐものや、船側に戻ってくるようなイワシにはまず食い付いてこないと思っていい。

そのような場合はすぐに回収して新しいイワシに付け替えること。

またこの釣りは基本的に道糸が払い出す右舷が釣り座となるが、人数によっては数名が左舷のミヨシもしくはトモ側での竿出しとなる。

その場合は仕掛けが船下へ入り込んでしまうので、なるべく遠くへイワシを投げ込むようにする。

イワシが勢いよく潜り泳いでいくようであればリーチだ。キハダの目に留まれば投入してすぐに食ってくる。

とはいってもキハダに出会うタイミングが合わないときもある。

だからといってそのまま泳がせ続けても道糸が出る分その抵抗がイワシにのしかかり、弱っていくだけでヒット率は下がる。

船長のアドバイスによるとキハダが食ってくるのはスルスルと道糸を引っ張り泳いでいる状態のとき。

いいエサなら30m以内で食ってくる。

道糸は出しても50m。

道糸の出が弱まった時点でそのエサには食ってこないと思っていい。

それ以上出しても見込みはないから、さっさとやり替える(回収して新しいエサに替えて投入する)ことがヒットさせる一番のテクニックとのことだ。

アタリはそれまでスルスルと出ていた道糸がサーッと勢いよく走り出す。

カツオやキメジとキハダでは明らかに道糸が出る勢いが違うので、この時点で魚の判断は付くはず。

合わせのタイミングはカツオ・キメジであれば一呼吸置いたところでリールのベイルを戻すと同時に合わせを入れる。

キハダの場合は道糸が出る勢いがやや弱まったときにベイルを戻し、強めに竿を立てるように合わせを入れる。

キハダであればハリ掛かり直後の、いわゆるファーストランは強烈。

疾走が止まるまで竿は倒し気味にして耐えしのぐ。

走りの勢いが弱まったらヤリトリ開始。

スピニングリールの扱い方としてハンドル巻きで強引に巻き上げようとするとスプールシャフトが曲がってしまうので、ヤリトリは魚の大小に関係なくポンピング動作で行う。

ドラグが緩いままだといつまでも上がってこないので、魚の引き具合を見ながら徐々に締め込んでいく。

キハダの場合、横走りをするようなら周囲の人に協力を仰ぎ、ミヨシやトモに移動させてもらう。

キハダは円を描くように回りながら上がってくる。

魚の頭が船の外側を向いたときは竿をため、船側に向いたときに竿を立てて寄せるが、このとき道糸が船にこすれないよう注意。

キハダであれば最後は船長や仲乗りさんにタモやギャフで取り込んでもらう。

釣行の写真

道糸を送り出しながらイワシを泳がせキハダに食い付かせる

5月26日、イワシを積んで5時半に三浦半島あぶずり港を出船した秀吉丸は、およそ3時間航行したところでソナーにキハダの反応をとらえた。

生かしオケにイワシが配られ、「いいよ、やってみてください!」とスタートアナウンス。

イワシエサが次つぎと海に放たれる。

当日用意されたイワシは体長18~20cmのマイワシ。

カツオ狙いには大きすぎて向かないが、キハダ狙いには最適なエサだ。

1流し目は船中アタリなく、潮上に上り直す。

「道糸は闇雲に伸ばしても食わないからね。出しても50mだよ」

「道糸の出が止まったらイワシが弱っているか、オマツリしている証拠だから巻き上げてみて」

「深く潜っていくようじゃないと食わないよ。一度上げたら新しいエサに替えて入れ直して」

「反応が深いなあ」

「背掛けにすると深く潜るよ!」

アッパーブリッジから見ている船長から状況に応じた適切なアナウンスがなされる。

釣行の写真

道糸の先にはハリスとハリだけというシンプルなスピニングタックルだからダイレクトな引きを楽しめる

近いけど遠い攻防に終止符

「食った!」

右舷トモ3番の渡邉さんの竿が絞り込まれ、ジーッと音を立てながらスプールから道糸が引き出される。

竿を倒し気味の体勢でしのぎ、魚の走りが落ち着いたところで巻き上げ開始。

ポンピングでガンガン巻き上げていく。

巻いては引き出されるの攻防が続いたが、引き出される道糸の量も徐々に少なくなってきた。

「見えてきました」

海中に黄色みを帯びた魚影が見えてきた。

「小さいですよ」と謙遜する渡邉さん。

ここまでは比較的順調に上がってきただけにそう感じるかもしれないが、しかしここから簡単には上がってきてくれないのがキハダだ。

円を描くように回っているので魚の方向を見定めながら距離を詰めていく。

近いけど遠い攻防も船長によってギャフが入り終止符が打たれた。

取り込まれたキハダは18.7kg。

「やったー!」

肩で大きく息をしながらも喜びを爆発させる氏。

私もここぞとばかりにシャッターを切らせていただいた。

この最中にミヨシ側でもヒットがあったが、魚影が見えてきたところでハリが外れてしまったとのこと。

残念だ。

昨日の大シケが影響したのか、終日魚の反応は深く、12時半の沖揚がりまでに本船の釣果は2ヒット1ゲット。

別船7号船では13kgとキメジ、カツオに40kg級を目の前バラシと悔しい場面も。

全般的に活性が上がらなかった一日となってしまったが、同港の長三朗丸では見事44kgゲットという朗報も。

今シーズンのフカセキハダは昨年以上に熱くなりそうだ。

釣行の写真

別船では13kgがヒット、40kg級の海面バラシもあったそうだ

釣行の写真

別船ではキメジやカツオも上がっていた

船宿information

三浦半島葉山あぶずり 秀吉丸

046・875・0859

▼備考=レンタルタックルあり。別船はコマセ五目、ヒラメへも出船

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